どの大学から入っているのか。人数まで公開している大学がある
会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を一つずつ確認しています。オリックスについて、現時点で確認できたのは次の5件です。中央大学は人数まで公表しています。[3] [4] [5] [6] [7]
| 大学・学部・学科 | 掲載されている資料と欄 | 対象年度 | 人数 |
|---|---|---|---|
| 中央大学 法学部 | 2025年度卒業生の主な就職先(就職者2名以上の企業・機関)の法学部の一覧に「オリックス」 | 2025年度(2026年4月9日現在) | 2名 |
| 中央大学 商学部 | 同 商学部の一覧に「オリックス」 | 2025年度(2026年4月9日現在) | 2名 |
| 明治学院大学 法学部 法律学科 | 主な就職先の法律学科の欄に「オリックス(株)」 | 2023〜2025年度 | 記載なし |
| 近畿大学 | 全学部就職データの「主な就職先」に「オリックス」(医学部、短期大学部を除く) | 資料に年度の明記なし | 記載なし |
| 駒澤大学 経済学部 経済学科 | 2025年度卒業生(2026卒)_学部の経済学科の欄に「オリックス」 | 2025年度卒業生(2026卒) | 記載なし |
学部の並びを見てください。法学部、商学部、法律学科、経済学科。経済・商が中心ですが法学部からも複数入っています。近畿大学は医学部と短期大学部を除く全学部のデータなので、学部は特定できません。[3] [4] [5] [7]
もう1つ、この会社を調べるときの注意です。中央大学の同じ資料には「オリックス自動車」も2名で別に載っています。オリックス自動車はオリックスグループの別法人です。会社は新卒採用実施会社一覧で「グループ会社のうち、以下6社で新卒を募集しており、広報活動ならびに選考の一部を合同で実施しています」として、オリックス、オリックス自動車、オリックス・レンテック、オリックス生命保険、オリックス銀行、オリックス・システムを挙げています。この記事で扱うのは、証券コード8591のオリックス株式会社そのものです。[3] [8]
会社が学歴について書いていること(引用)
オリックスの募集要項には「募集学部・学科」という欄があり、総合職・スタッフ職とも「全学部・全学科」と書かれています。大学名についての記載はないので、そこは「公開されていない」が正確な答えです。[1]
応募資格の書き方も具体的です。「卒業後3年以内で就業経験のない方は、新卒としてご応募いただけます」。卒業してから3年以内で、正社員として働いた経験がなければ、新卒の枠で応募できます。在学中の就職活動がうまくいかなかった人にとって、締切が3年分あるということです。[1]
この会社でいちばん特徴的なのは、入社後に必要となる資格を先に公開している点です。募集要項の「内定後および入社後に必要となる資格」の欄には、銀行業務検定 財務3級、銀行業務検定 税務3級、ビジネス実務法務検定3級、日商簿記検定3級、TOEIC、普通自動車運転免許の6つが並んでいます。そのうえで、こう注記されています。「※応募および選考時点で取得している必要はなく、選考結果にも一切影響いたしません。」[1]
資格を持っていることが有利にならない、と会社が明言しているのは珍しい書き方です。裏を返せば、入社後に何が必要になるかは全部わかっている、ということでもあります。入ってからやることが見えている会社だ、と読めます。[1]
人材についての考え方は、グループのサステナビリティ情報にも書かれています。「オリックスにとって、最も重要な財産は人材です。国籍、年齢、性別などにかかわらず」という書き出しで人的資本経営の説明が始まります。[8]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある
「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。オリックスの公開情報から特定できるのは次の4つです。
土俵1:卒業後3年以内なら、新卒の枠でもう一度受けられる
応募資格の「卒業後3年以内で就業経験のない方は、新卒としてご応募いただけます」という一文が、そのまま入口です。分かれ目は年数ではなく就業経験の有無で、そこは自分の履歴を確認するだけで判定できます。総合職とスタッフ職の両方が同じ条件です。[1]
土俵2:勤務地の区分を自分で選べて、入社後に変えられる
総合職には「全国グローバル」と「首都圏エリア」の2つの勤務地区分があり、要項には「以下の勤務地区分を選択可能とします。(ご入社後、一定の要件を満たした場合に変更可能です。)」と書かれています。首都圏エリアは「国内外のすべての事業所および会社の定める場所(但し、首都圏に限定し、住居の移転を伴わない範囲とする。)」。住居を移さない範囲に限定されます。地元を離れたくない人にとって、これは金額以上に大きい条件です。しかも入社後に変更できると書かれています。[1]
土俵3:入社後に必要な資格が公開されていて、今日から手を付けられる
前の節で見た6つの資格は、いずれも学生のうちから勉強を始められるものです。日商簿記検定3級とビジネス実務法務検定3級は独学でも取れます。銀行業務検定の財務3級・税務3級は金融の実務に直結する内容です。TOEICと普通自動車運転免許も同じ欄に並んでいます。選考には影響しないと会社が書いている以上、これは「有利になるため」ではなく「入ってから困らないため」に使う情報です。ただし、内定後に慌てずに済む準備を先にできるのは、大学名とは関係のない部分です。[1]
土俵4:人事制度に、あとから軌道修正する仕組みが並んでいる
募集要項の人事制度の欄には、キャリアチャレンジ制度、職種転換制度、社内公募制度、異動申告制度、社内インターンシップ制度、キャリアセレクト制度、配偶者転勤エリア変更制度、配偶者転勤休職制度などが列挙されています。職種を変える制度と、社内で別の仕事を体験する制度と、配偶者の転勤に合わせて勤務地を変える制度が、それぞれ名前を持っています。入社時の選択が一生を決めるわけではない、という設計です。[1]
総合職とスタッフ職。仕事の範囲と勤務地が違う
| 項目 | 総合職 | スタッフ職 |
|---|---|---|
| 業務内容 | 国内営業部門、事業投資部門、公共インフラ部門、環境エネルギー部門、不動産部門、輸送機器部門、海外関連部門、審査部門、経理部門、法務部門、財務部門、人事総務部門等の配属部署の業務全般 | 首都圏、関西圏の営業支援部門および管理部門において、事務担当として総合職のサポート業務 |
| 募集学部・学科 | 全学部・全学科 | 全学部・全学科 |
| 応募資格 | 卒業後3年以内で就業経験のない方は新卒として応募可 | 同じ |
| 勤務地 | 全国グローバル(国内外のすべての事業所)か首都圏エリア(住居の移転を伴わない範囲)を選択可能。入社後に変更可能 | 首都圏および関西圏に限定し、住居の移転を伴わない範囲 |
| 基本給(四大卒) | 全国グローバル310,000円/首都圏エリア295,000円 | 245,000円 |
| 基本給(修士了) | 全国グローバル330,000円/首都圏エリア315,000円 | 記載なし |
総合職の業務内容の欄に並んでいる部門を見てください。国内営業、事業投資、公共インフラ、環境エネルギー、不動産、輸送機器、海外関連、審査、経理、法務、財務、人事総務。リース会社という言葉から想像するより、はるかに幅があります。会社は自社を「リースの国内パイオニアとして設立以来、現在は『金融』『投資』『事業』の3つの機能を組み合わせ、不動産や環境エネルギー、事業投資、輸送機器事業など、国内外の多様な領域でビジネスを展開しています」と説明しています。[1] [8]
この幅は、志望動機を書くときに効きます。「金融業界を志望しています」ではなく、12ある部門のうちどれに関心があるのかを説明できると、内容が具体的になります。環境エネルギーと公共インフラが同じ会社にあるのは、オリックスの特徴です。[1] [8]
総合職の勤務地区分は、応募の時点で選びます。全国グローバルと首都圏エリアで基本給に15,000円の差がありますが、判断の軸は金額ではなく住居の移転の有無です。首都圏エリアは「住居の移転を伴わない範囲とする」と要項に明記されています。[1]
スタッフ職は「事務担当として総合職のサポート業務」で、勤務地は首都圏と関西圏に限定されます。ただし2027年4月入社の採用は実施しないと会社が明記しているので、応募を検討する場合は最新の要項で実施の有無を確認してください。[1]
応募できる条件と、公開されている待遇
- 契約期間は期間の定めなし。試用期間あり(3カ月)
- 諸手当:時間外手当、通勤手当(全額)、住宅手当、帰省交通費等支援金制度など
- 昇給は年1回(4月)※当社規定による。賞与は年2回(6月・12月)
- 勤務時間:9:00〜17:00(12:00〜13:00 1時間休憩)。フレックスタイム制度あり、所定時間外労働あり
- 休日・休暇:完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始、年次有給休暇、慶弔休暇、公職休暇、産前産後休暇、育児休職(子が満3歳に達するまで)、育児特別休暇、ボランティア休暇・休職、看護休暇、介護休暇・休職、リフレッシュ休暇取得奨励金制度など
- 人事制度:キャリアチャレンジ制度、職種転換制度、社内公募制度、異動申告制度、社内インターンシップ制度、キャリアセレクト制度、配偶者転勤エリア変更制度、配偶者転勤休職制度、財形貯蓄、育児短時間勤務制度(子が小学校を卒業するまで)など
- 福利厚生:直営保養所(軽井沢、京都嵐山、賢島)、ベビーシッター助成制度、持株会、クラブ活動、カフェテリアプラン、慶弔金、退職金制度など
- 内定後および入社後に必要となる資格:銀行業務検定 財務3級/税務3級、ビジネス実務法務検定3級、日商簿記検定3級、TOEIC、普通自動車運転免許(応募・選考時点で取得している必要はなく、選考結果にも一切影響しない)
休暇の欄に「帰省交通費等支援金制度」が入っている点は、地方出身で首都圏勤務になる人にとって具体的な意味があります。実家に帰る費用を会社が支援する制度です。育児休職が「子が満3歳に達するまで」、育児短時間勤務が「子が小学校を卒業するまで」と、期間まで明記されている点も比較しやすい書き方です。[1]
勤務時間の9:00〜17:00は、所定労働時間で見ると7時間です(1時間休憩を除く)。多くの会社が7時間30分〜8時間なので、他社と比べるときは所定労働時間まで揃えて見てください。ただし「所定時間外労働あり」とも明記されています。[1]
人事制度の一覧に「配偶者転勤エリア変更制度」「配偶者転勤休職制度」の2つが並んでいることも、長く働くことを考えるときの材料になります。配偶者の転勤で自分の勤務地を変える、あるいは休職する道が制度としてある、ということです。[1]
グループ全体を見ないと、この会社は分かりにくい
オリックスを志望するときに最初に整理しておきたいのが、グループの構造です。会社は新卒採用実施会社一覧で「オリックスグループでは、グループ経営を行っています。グループ会社のうち、以下6社(※)で新卒を募集しており、広報活動ならびに選考の一部を合同で実施しています」と説明しています。[8]
| 会社 | 会社の説明 |
|---|---|
| オリックス株式会社 | リースの国内パイオニアとして設立以来、現在は「金融」「投資」「事業」の3つの機能を組み合わせ、不動産や環境エネルギー、事業投資、輸送機器事業など、国内外の多様な領域でビジネスを展開 |
| オリックス自動車株式会社 | 自動車リース、レンタカー、カーシェアリングを中核に、法人・個人のお客さまに向けた幅広いモビリティサービスを展開 |
| オリックス銀行株式会社 | 銀行業務、信託業務において、今までにない金融商品・サービスの開発・提供および販売チャネルの開拓を目指す |
| オリックス生命保険株式会社 | お客さまにご満足いただける保険会社を目指し、多様なニーズに寄り添った商品およびサービスの開発・提供に努める |
| オリックス・レンテック株式会社 | 計測器・ICT機器レンタルのパイオニア。日本のリーディングカンパニーをサポートする最先端のソリューションを創造し提供 |
| オリックス・システム株式会社 | オリックスグループ各社の情報システム部門を統合し、グループのIT分野を牽引する「情報システム部門」としての役割を担う |
「広報活動ならびに選考の一部を合同で実施」とあるので、説明会などは6社まとめて行われる形です。ただし応募先は会社ごとに分かれます。自分が受けているのがどの会社かを、応募の段階で取り違えないでください。[8]
もう1つ、重要な注記があります。会社は「オリックス銀行株式会社は、2026年8月に大和証券グループである株式会社大和ネクスト銀行の完全子会社となり、現在、オリックス株式会社との間に資本関係はありません。オリックス銀行株式会社は、一定期間、現在の商号を継続して使用する予定ですが、これはオリックス株式会社がオリックス銀行株式会社の事業に関与することを示すものではありません」と明記しています。名前は同じでも、いまは別のグループの会社だということです。[8]
この注記は、就職活動をするうえでそのまま教訓になります。会社名が似ているからといって同じグループとは限りません。大学の就職実績の一覧でも、企業サイトでも、社名の続きと現在の資本関係を確かめる習慣を持ってください。[8]
採用サイトには会社を理解するための材料も揃っています。「【入門】0からわかる、オリックス」「歴史から見る、オリックスの精神」「ビジネスモデルと事業」「価値創造ストーリー」「総合職の仕事」「スタッフ職の仕事」「内定者が答えるQ&A」「研修制度」「キャリア形成」「人事制度と福利厚生」「データで見る働き方」。リース会社から金融・投資・事業へ広がった経緯は「歴史から見る、オリックスの精神」で追えます。[2]
30日でやること。大学名では動かない部分から埋める
ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。
- 1〜3日目:応募資格に自分を当てはめる。卒業後3年以内で、正社員として働いた経験がなければ新卒の枠で応募できる
- 4〜7日目:総合職の勤務地区分(全国グローバル/首都圏エリア)のどちらで応募するか決める。首都圏エリアは住居の移転を伴わない範囲に限定される。入社後に変更できるとも書かれている
- 同じ週:総合職の業務内容に並ぶ12の部門から、関心のあるものを2つ選ぶ。国内営業、事業投資、公共インフラ、環境エネルギー、不動産、輸送機器、海外関連、審査、経理、法務、財務、人事総務
- 8〜14日目:「【入門】0からわかる、オリックス」と「ビジネスモデルと事業」を読み、リース会社が「金融」「投資」「事業」の3機能に広がった経緯を自分の言葉で言えるようにする。ここが説明できないと、他の金融の会社との違いが書けない
- 15〜21日目:日商簿記検定3級かビジネス実務法務検定3級の試験日を調べる。会社が「内定後および入社後に必要となる資格」として挙げているもので、選考には影響しないと明記されている。入ってから困らないための準備
- 22〜30日目:選んだ部門と自分の経験を結びつけて300字で書く。環境エネルギーなら自分が関心を持った社会の課題、審査なら数字を根拠に判断した場面、人事総務なら人と制度を扱った場面
志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば「公共インフラ部門」と「環境エネルギー部門」が同じ会社の中にあることに気づき、その組み合わせに関心を持った理由を説明できるなら、それは自分の言葉で話せる出発点です。「安定しているから」では、他の誰が書いても同じ文章になります。[1] [8]
採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容はすべて2026年9月9日に会社の公式サイトと各大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。どの部門が自分に合うか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- オリックス 新卒採用情報 募集要項・選考フロー確認日:2026-09-09 / 総合職・スタッフ職の業務内容、応募資格(卒業後3年以内で就業経験のない方)、募集学部・学科「全学部・全学科」、勤務地区分(全国グローバル/首都圏エリア)と入社後の変更、基本給、契約期間と試用期間、諸手当、昇給賞与、勤務時間、休日・休暇、人事制度、福利厚生、内定後および入社後に必要となる資格6つと選考結果に影響しない旨、2027年4月入社のスタッフ職採用を実施しないこと
- オリックス 新卒採用情報確認日:2026-09-09 / 採用サイトの構成(0からわかるオリックス、歴史から見るオリックスの精神、ビジネスモデルと事業、価値創造ストーリー、総合職・スタッフ職の仕事、内定者が答えるQ&A、研修制度、キャリア形成、人事制度と福利厚生、データで見る働き方)
- 中央大学 2025年度卒業生の主な就職先(法学部)確認日:2026-09-09 / 2026年4月9日現在。就職者2名以上の企業・機関の一覧で「オリックス」2名。同じ一覧に別法人の「オリックス自動車」2名も掲載
- 中央大学 2025年度卒業生の主な就職先(商学部)確認日:2026-09-09 / 2026年4月9日現在。就職者2名以上の企業・機関の一覧で「オリックス」2名
- 明治学院大学 就職データ確認日:2026-09-09 / 2023〜2025年度。法学部法律学科の主な就職先に「オリックス(株)」
- 近畿大学 全学部就職データ確認日:2026-09-09 / 「主な就職先」に「オリックス」。医学部、短期大学部を除く全学部のデータで、資料に年度の明記はない
- 駒澤大学 2025年度卒業生(2026卒)_学部 主な就職先確認日:2026-09-09 / 経済学部経済学科の主な就職先に「オリックス」
- オリックス 新卒採用実施会社一覧確認日:2026-09-09 / グループ6社で新卒を募集し広報活動と選考の一部を合同で実施すること、各社の事業の説明、オリックス銀行が2026年8月に資本関係のない会社になった旨の注記、人的資本経営の説明へのリンク