どの大学から入っているのか。会社自身が約290校を公開している

この記事で最初に見てほしいのは、NSDの募集要項にある「実績校」の欄です。多くの会社は採用大学を出しませんが、NSDは北海道地方・東北地方・関東地方・中部地方・近畿地方・中国/四国地方・九州/沖縄地方・その他(海外)に分けて、大学名を地方別50音順で並べています。数えると289校です(うち海外が6校)。[1]

逆転就活コラムは、大学が自分で公表している進路資料を集めています。現在その内容を確認できている20大学(うち14大学は大学別の記事にしています)が、NSDの実績校一覧にどれだけ入っているかを照合しました。結果は20校中20校、つまり全部でした。[1]

NSD「実績校」に、本コラムが公式の進路資料を確認している20大学が入っているか(2026年9月9日確認)
地方NSDの実績校一覧にあった大学
関東地方亜細亜大学、桜美林大学、神奈川大学、国士舘大学、駒澤大学、産業能率大学、専修大学、大東文化大学、拓殖大学、千葉商科大学、帝京大学、東京経済大学、東洋大学、日本大学、明星大学
近畿地方追手門学院大学、大阪経済大学、大阪産業大学、摂南大学、桃山学院大学
照合の結果20大学中20大学が掲載(全部)
[1]

会社側の一覧だけでなく、大学側の資料でも確認できます。大阪経済大学は就職データのページで学部ごとに「主な就職先(抜粋)」を掲げており、情報社会学部の欄に株式会社NSDが載っています。対象は「※2026年3月卒業生の実績」と明記されています。[5]

実践女子大学でも、文学部と人間社会学部という2つの学部の欄に社名がありました。しかもこの一覧は「※主要20社、五十音順」と注記された上位20社だけの表です。その20社の中に入っているということは、その学部からある程度の人数が行っている可能性がある、とは言えます(人数は公開されていません)。文学部と人間社会学部という、情報系ではない2学部から入っている点も、この会社の「全学部全学科(文理不問)」という募集学科と噛み合います。[1] [6]

大学側の公式資料でNSDを確認できたもの(2026年9月9日確認)
大学・学部掲載されている資料対象年度
大阪経済大学 情報社会学部就職データ「主な就職先(抜粋)」の掲載画像に「株式会社NSD」2026年3月卒業生の実績
実践女子大学 文学部「2024年度(2025年3月)卒業生の主な就職先 ※主要20社、五十音順」の文学部の欄に「株式会社NSD」2024年度(2025年3月)卒業生
実践女子大学 人間社会学部同じ一覧の人間社会学部の欄に「株式会社NSD」2024年度(2025年3月)卒業生
[5] [6]

それでもこの一覧には意味があります。国公立から中堅・小規模の私立まで、290校が同じ一覧に並んでいるということは、この会社の採用が特定の大学群だけで完結していないということです。自分の大学名をこの一覧の中に見つけられるかどうか、まず募集要項を開いて確かめてください。それが、この会社を受けるかどうかを決める最初の材料になります。[1]

会社が学歴について書いていること(引用)

NSDの募集要項は、採用学部学科の欄に一行で「全学部全学科(文理不問)」と書いています。学部や学科を条件にしていないという、会社自身の記載です。[1]

学歴という言葉そのものも、会社のページに出てきます。各種制度/福利厚生のページには「働きやすい環境の整備と維持に努め、性別、性的指向、年齢、学歴、人種、民族、国籍、思想、信条、身体的・知的・精神的障害等に関係なく、多様な人材が働きがいをもって活躍できる職場づくりを推進しています」とあり、続けて「性別、性的指向、年齢、学歴、身体的・知的・精神的障害の有無にかかわらず、平等に処遇・登用することを基本とし」と書かれています。[4]

採用のよくある質問にも「学歴や年齢にとらわれず、ごく自然に社員が教え合う雰囲気がNSDマインドを形成しています」という一文があります。[2]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある

学歴に頼らず勝負するというのは、気持ちの話ではありません。選考のどこが大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。NSDが公開している情報から特定できるのは、次の4つです。

土俵1:適性テストは「特別な勉強は不要」と会社が書いている

採用フローは、エントリー → 会社説明会・適性テスト → 一次面接(集団) → 二次面接 → 最終面接 → 内定です。説明会のすぐ後に適性テストが来ます。会社はよくある質問で、この適性テストについて「事前に特別な勉強が必要でしょうか? というご質問をよく受けますが、決してそのような必要はありません」「論理的思考能力や創造力、計算処理能力などを問う形のテストであり、コンピュータ言語や専門技術知識は不要です」と説明しています。さらに「問題の種類ごとに時間を区切って実施するタイプのテストですので、時間を意識して解ける問題から正確に答えることを心がけてください」と、対策の方向まで書いています。専門知識でも大学名でもなく、時間配分の練習で埋まる部分だと会社が言っている、ということです。[1] [2]

土俵2:文系出身のSEについて、会社が具体例を挙げている

「文系出身者と理系出身者で差はありますか」という質問に対して、会社はこう答えています。「文系・理系での優劣はありません。特に文系の方は『自分がSEとしてやっていけるのだろうか』という不安を強くお持ちのようですが、実際NSDでは、多くの文系出身のSEが活躍しています」。そのうえで「共済年金に関するシステムを担当する法学部出身のSE」「放送局向け報道支援システムを手がける文学部出身のSE」「語学力を生かし、海外で作成された工場向けソフトのローカライズ(翻訳作業)を担当したSE」という3つの例を挙げています。抽象的な歓迎の言葉ではなく、学部名と担当システムがセットで書かれている点が重要です。[2]

土俵3:会社が求める力を、技術ではないと明示している

「SEに求められる資質とは、どのようなものですか」への回答は、こうです。「NSDでは、技術力は会社に入って研修や実践を通して身に付けていただければいいと考えます。NSDがみなさんに求める力は、『コミュニケーション能力』、『チャレンジ精神』、『バイタリティ』といった、SEのイメージからはほど遠いものです」。理由も書かれていて、「まずお客様の業務内容を十分理解するために専門知識を身に付け、時にはお客様以上に業務内容について習熟していなくてはなりません」とあります。面接で話す材料は、プログラミングの実績ではなく、相手の話を聞いて自分の意見を伝えた経験でよい、と会社の説明から読み取れます。[2]

土俵4:就活ハラスメントの相談窓口が、採用担当から独立している

会社はよくある質問に「就活ハラスメントに関して、相談窓口等はありますか」という項目を設け、「はい。採用担当から独立した相談窓口があります。当窓口の利用により選考に不利益が生じることは一切ありません」と書き、メールアドレス(harassment@nsd.co.jp)まで公開しています。就職活動でうまく言い返せなかった経験がある人にとって、これは実務的に効く情報です。窓口があること自体を知らないまま我慢する必要はありません。[2]

募集しているのはITエンジニア。その中が4つに分かれている

NSDの募集職種は「ITエンジニア」で、その内訳が4つ示されています。会社を選ぶ前に、この4つのどれで戦うのかを考えておくと、面接で話す経験の選び方が変わります。[1]

募集要項が示している職種の内訳(2027年度)
職種募集要項の記載
アプリケーションエンジニア金融、製造、流通、公共等
組み込み系エンジニア(内訳の記載なし)
ITインフラエンジニアネットワーク、プラットフォーム、セキュリティ、ストレージ等
ソリューションエンジニア新規ビジネス、研究開発 ※採用人数若干名
[1]

会社の事業は「システム開発事業」と「ソリューション事業」の2本立てです。前者はシステムの企画・設計から開発、導入後の運用サポートまでで、顧客は金融・サービス・製造・通信・運輸など幅広い業種の大手企業だと書かれています。後者は自社でソリューションを開発・提供する事業で、会社はこれを「収益の第2の柱」と位置づけています。ソリューションエンジニアの募集が若干名なのは、この2本目がまだ大きく育っている途中だからだと読めます。[3]

配属については、よくある質問に「面接の際に、みなさんの希望を詳しくお聞きします。ただし配属先については、各部門からの要望を勘案し、総合的に判断して決定しますので、必ずしもみなさんの第一希望通りになるとは限りません」とあります。加えて「定期的な転勤・異動はありませんが、必要に応じて人員を要する部署への配置転換があります」「入社後は、配属された課長、プロジェクトリーダーとの年2回の面談にて自分の希望を申告することもでき、該当部署への異動が認められています」と書かれています。第一希望が通る保証はないが、入社後に申告する場が制度としてある、ということです。[2]

応募できる条件と、入社後の待遇

採用学部学科は全学部全学科(文理不問)。採用人数は130名程度。選考はエントリー、会社説明会・適性テスト、一次面接(集団)、二次面接、最終面接、内定という順です。エントリーは公式サイトのマイページから行い、エントリー者の個人情報は株式会社NSDデジタルソリューションズに委託していると注意事項に明記されています。[1]

初任給は勤務地の地区ごとに分かれています。2026年4月入社の実績で、東京地区勤務者は大卒・高専専攻科了が月額34万円(地域手当9万円を含む)、修士了が34万6,000円。大阪地区は大卒29万円(地域手当4万円)、名古屋地区は大卒28万円(地域手当3万円)、福岡・札幌地区は大卒27万円(地域手当2万円)、仙台・広島地区は大卒26万円(地域手当1万円)です。同じ会社でも、勤務地によって10万円近い差があります。[1]

  • 勤務地:東京本社、大阪支社、名古屋支社、福岡支社、札幌事業所、仙台事業所、広島事業所
  • 勤務時間:9:00〜17:30(オフピーク通勤制度あり)
  • 休日・休暇:完全週休2日制(2024年度実績/年間休日123日)、年次有給休暇20日(初年度10日)ほか
  • 昇給:年1回(4月)/賞与:年3回(6月、12月、3月)、2025年度実績で5.11ヶ月
  • 諸手当:資格手当、時間外手当(残業代)、通勤費全額、子供手当、褒賞金(情報処理ほか)
  • 褒賞金制度の対象資格は192種類。健康保険組合あり、確定拠出年金(DC)、従業員持株会(1口20%の奨励金あり)
[1] [4]

公開されている数字。何を指す数字かを添えて読む

会社が公表している数字
項目公開されている数値
新卒採用実績2026年4月:大卒および大学院了143名/高専・短大・専門卒27名。2025年4月:131名/24名。2024年4月:135名/20名
2027年度の採用予定130名程度
実績校地方別50音順で289校を公開(うち海外6校)
従業員数(連結)4,555名(2026年3月31日現在)
売上高(連結)1,178億1,300万円(2026年3月期)
平均年齢(単独)39.2歳(2026年3月31日現在)
設立1969年4月8日/東京証券取引所プライム市場
SE比率96%以上(会社の記載)。専門性の高い4,000名規模のシステムエンジニアを擁すると説明
女性社員の育児休業取得率統計を取り始めた2000年度から連続100%
[1] [3] [4]

平均年齢39.2歳は全社員の平均で、新入社員が置かれる年齢帯ではありません。従業員4,555名は連結の数字なので、グループ会社を含みます。数字を読むときは、それが誰の何を指しているかを毎回言い直す癖をつけてください。就職情報サイトが並べる数値も同じで、出所と対象を確かめずに比べると意味がありません。[3]

もうひとつ、会社の性格を表す数字があります。SE比率96%以上。営業や管理部門ではなく、技術者が圧倒的多数を占める会社だということです。1969年の創業から半世紀以上、金融機関やメーカー、社会インフラ企業のシステム開発を続けてきたと会社は説明しています。派手な自社サービスを作る会社とは、仕事の見え方が違います。[3]

30日でやること。実績校の一覧を開くところから

ここまでの内容を行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。

  1. 1〜2日目:募集要項の「実績校」を開き、自分の大学があるかを確かめる。あれば、その事実だけをメモしておく(面接で使うためではなく、自分が受ける理由を固めるため)
  2. 3〜5日目:卒業予定年と既卒の扱いが募集要項に書かれていないので、当てはまる人はマイページ登録後にメッセージ機能かフリーダイヤルで確認する。ここを推測で進めない
  3. 6〜10日目:4つの職種(アプリケーション、組み込み系、ITインフラ、ソリューション)を読み、興味の順に並べる。面接で希望を聞かれる場なので、順位を言えるようにしておく
  4. 11〜17日目:適性テストの練習を始める。会社が「専門技術知識は不要」「時間を意識して解ける問題から正確に」と書いているとおり、専門書ではなく時間を計った演習にする
  5. 18〜24日目:会社説明会に申し込む。予約の変更・キャンセルは個人専用画面からできるが、開催の二日前までと会社が明記している。日程を先に押さえる
  6. 25〜30日目:面接で話す経験を1件、文章にする。会社が求める力として挙げているのは「コミュニケーション能力」「チャレンジ精神」「バイタリティ」。相手の話を聞いて意図をくみ取った場面、知らないことを自分で調べて動いた場面のどちらかを選ぶ

志望動機も、公開されている事実から組み立てられます。たとえば「文系出身で、共済年金のシステムを担当している法学部出身のSEがいる」という会社の記載を読んで、自分の専攻で身につけた読み方や考え方が、知らない業務を理解する仕事に向いていると思ったなら、それは自分の言葉で話せる出発点です。「プライム市場の安定した会社だから」では、他の誰が書いても同じ文章になります。[2]

採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容は、すべて2026年9月9日にNSDの公式採用サイトと大阪経済大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。自分の場合にどの職種が合うか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. NSD 新卒採用 募集要項確認日:2026-09-09 / 2027年度の採用人数130名程度、採用職種、採用学部学科「全学部全学科(文理不問)」、実績校の地方別一覧、2024〜2026年4月の採用実績、地区別初任給、勤務地、休日、採用フロー
  2. NSD 新卒採用 よくある質問確認日:2026-09-09 / 文系・理系の差についての回答と文系SEの具体例、SEに求める資質、適性テストの説明、配属の決め方、就活ハラスメント相談窓口、職場の雰囲気
  3. NSD 新卒採用 企業情報確認日:2026-09-09 / 設立、資本金、事業内容、上場市場、連結従業員数、平均年齢、連結売上高、事業所、SE比率と顧客基盤の説明
  4. NSD 新卒採用 各種制度/福利厚生確認日:2026-09-09 / 処遇・登用について学歴等にかかわらず平等とする記載、褒賞金制度の対象資格数、子育て支援制度、育児休業取得率、各種認証
  5. 大阪経済大学 就職データ確認日:2026-09-09 / 情報社会学部「主な就職先(抜粋)」の掲載画像に株式会社NSD。※2026年3月卒業生の実績
  6. 実践女子大学 進路データ(2024年度)確認日:2026-09-09 / 「2024年度(2025年3月)卒業生の主な就職先 ※主要20社、五十音順」の文学部と人間社会学部の欄に株式会社NSD

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