どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる

会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を1件ずつ確認しています。日本化薬について、現時点で確認できたのは次の4大学・5件です。[6] [7] [8] [9] [10]​‌‌‌​‌‌‌​​​‌‌​​‌​​‌‌​‌​‌‌​‌​‌‌‌​‌‌​‌‌‌‌​​​​‌‌​​‌‌‌‌​​​​‌​‌‌‌‌‌‌​

日本化薬を就職先として掲載している大学(大学公式資料。確認日は出典欄に1件ずつ)
大学・学部(学科)掲載されている資料と見出し資料が示す対象年度
北九州市立大学 大学院 国際環境工学研究科 環境システム専攻 バイオシステムコース「主な就職先一覧」の同コースの製造業の欄に「日本化薬株式会社」一覧に年度の記載なし(学部ではなく大学院)
大阪工業大学 大学院 工学研究科 化学・環境・生命工学専攻【応用化学コース】「就職状況一覧[大学院]」の同専攻・同コースの「主な就職先(2023-2025年度)」に「日本化薬」2023〜2025年度(学部ではなく大学院)
岩手大学 大学院総合科学研究科 理工学専攻「令和7(2025)年度 総合科学研究科修了生 進路先一覧」の理工学専攻・化学石油の欄に「日本化薬株式会社」1名令和7(2025)年度(学部ではなく大学院)
岩手大学 大学院総合科学研究科 理工学専攻「令和4(2022)年度 総合科学研究科修了生 進路先一覧」の理工学専攻・化学石油製造業の欄に「日本化薬株式会社」1名令和4(2022)年度(学部ではなく大学院)
工学院大学 大学院工学研究科(修士課程) 化学応用学専攻「過去3ヵ年の主な就職先(学科・専攻別)」の化学応用学専攻の列に「日本化薬㈱」過去3ヵ年(2026年5月1日時点。学部ではなく大学院)
[6] [7] [8] [9] [10]

4大学5件を並べると、環境システム専攻バイオシステムコース、化学・環境・生命工学専攻応用化学コース、理工学専攻、化学応用学専攻です。すべて理系の大学院で、化学・環境・生命に関わる専攻が並んでいます。会社の募集要項がどうなっているのかを、次の節で見ます。[6] [7] [8] [9] [10] [2]

会社が学部・学科について書いていること(引用)

日本化薬の採用は、事業と職種で細かく分かれています。採用FAQの「職種別採用や事業部門別の採用は行っていますか?」への答えはこうです。「事業別・職種別採用を実施しています。ES提出の段階で志望職種を第3志望までご登録いただき、第1志望の職種から選考させていただきます。」。エントリーシートを出す時点で、13ある職種の中から3つまで順位をつけて選ぶということです。[2]

化学系でなくても活躍する場があるのか

採用FAQに「化学系学科以外でも活躍するフィールドはありますか?」という質問があります。答えはこうです。「当社では化学品や医薬品、自動車安全部品や農薬など、化学だけにとらわれない幅広い事業を手掛けており、それら事業において必要とされる専門性は、化学系のみならず化学工学、薬学、バイオ系、機械系、電気系など多種多様です。」。化学系だけの会社ではない、という説明です。[2]

「学歴にこだわらない」を制度にしている

この記事でいちばん見てほしいのが、人材育成のページのこの一文です。「年令や性別、学歴にこだわらない職務配置と処遇を可能にした「ポジションクラス制度(職務等級制度)」は導入後すでに20年近く経ち、制度として定着しています。」。入ってからの配置と処遇について、学歴にこだわらないと会社が書いていて、しかもそれを20年近く続いている制度だと説明しています。[3]

既卒とOB・OG訪問

既卒については「既卒ですが応募はできますか。」に対して「可能です。卒業後3年以内で未就労の方であれば、新卒同様に選考します。」。「新卒同様に選考します」と書いているのがはっきりしています。OB・OG訪問については「人事部としては受け付けておりません。」。会社として仲介する仕組みを持っていない、ということです。[2]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある

「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。日本化薬が公開している募集要項とFAQから特定できるのは、次の4つです。

土俵1:入ってからの配置と処遇が学歴にこだわらないと明記されている

前の節のとおりです。「年令や性別、学歴にこだわらない職務配置と処遇」を制度にしている、と会社が書いています。20年近く運用しているとも書かれています。[3]

土俵2:第3志望まで登録できる

職種を1つに絞る必要がありません。「ES提出の段階で志望職種を第3志望までご登録いただき、第1志望の職種から選考させていただきます。」。第1志望から順に選考されるので、まず本命を決めて、その次を2つ用意しておく形になります。1職種しか出せない会社に比べると、機会が3倍あるということです。[2]

土俵3:既卒3年以内が新卒同様

「可能です。卒業後3年以内で未就労の方であれば、新卒同様に選考します。」。卒業してから就職活動をやり直している人にとって、条件がはっきりしているのは動きやすい点です。[2]

土俵4:OB・OG訪問が選考の材料になっていない

「人事部としては受け付けておりません。」。会社として仲介していないので、卒業生が多い大学だから有利、という形になりにくい設計です。その代わり、選考の途中に「職種別セミナー」が組み込まれていて、そこで職種ごとの話を聞けます。[2] [1]

13の職種と、選考の流れ

募集している職種は13あります。自動車安全部品 開発研究職、光学材料 研究開発職、樹脂・色素 研究開発職・技術職、樹脂 品質管理職、触媒 研究開発職・技術職、医薬 研究職、医薬 信頼性保証職、医薬 製造技術職・品質管理職、農薬 研究職、データサイエンティスト、生産技術職、医薬事業 総合職、管理営業系 総合職。事業ごとに分かれているのが特徴で、同じ「研究職」でも医薬と農薬では別の職種として募集されています。[1]

採用予定人数も公開されています。2027年の総合職は事務系が数名、技術系が約30名。事務系はかなり少ない枠です。文系から応募できるのは、13職種のうち「医薬事業 総合職」と「管理営業系 総合職」あたりになりますが、会社は職種ごとの学部の条件を一覧では出していません。[2] [1]

選考の流れは「プレエントリー→ES提出→書類選考/Webテスト受検→職種別セミナー→一次選考(面接・小論文など)→最終選考(面接・適性試験など)」です。一次選考に小論文が入っているのが特徴で、書いて考える力が見られます。[1]

応募の条件と待遇。公開されている数字だけを並べる

日本化薬の待遇(会社の募集要項の記載)
項目会社の記載
初任給(26年4月実績)学部卒/263,000円、修士了/280,000円、博士了/317,000円
勤務時間・年間休日本社・研究所・工場 7時間45分勤務、年間休日127日(工場の一部は7時間30分勤務・年間休日118日で、事業場により異なる)
既卒卒業後3年以内で未就労の方であれば、新卒同様に選考します。
採用予定人数(2027年)事務系 数名、技術系 約30名
選考の流れプレエントリー→ES提出→書類選考/Webテスト受検→職種別セミナー→一次選考(面接・小論文など)→最終選考(面接・適性試験など)
[1] [2]

年間休日が事業場によって127日と118日に分かれているのは、工場に交替勤務があるからだと読めます。9日の差は小さくないので、どの職種で入るかを決めるときに見ておく数字です。[1]

働き方の数字も公開されています。平均年齢41.0歳、平均勤続年数15.0年(2025年3月現在)。平均残業時間11.8時間/月(2024年度実績)。有給休暇は年間13.4日取得、取得率73.0%(2024年度実績)。女性比率は全社で約16%、製造現場を除くと約30%です。定年は60歳で、本人希望があれば再雇用制度があります。[2]

会社の規模と、何をしている会社なのか

会社概要に出ている数字を並べます。設立は1916年(大正5年)6月5日、資本金149億3,200万円、従業員数は単体2,423名・連結5,979名(2025年3月末)。本社は東京都千代田区丸の内で、2014年に丸の内へ移転しています。100年を超える会社です。[4]

この会社のコーポレートスローガンは「世界的すきま発想。」です。大きな市場を正面から取りにいくのではなく、他社が手をつけていない領域で世界的な地位を取る、という考え方だと読めます。実際、医薬では抗がん薬・がん関連薬剤をジェネリックを含め41品目(2023年3月現在)持っています。[4]

内定者アンケートには、生活に関わる数字も出ています。通勤時間は「30分以内の人が76%以上」、残業については「週2日はノー残業デーという回答も多かった」。ただしこのページの多くはグラフの画像で、文字として読み取れる数値はこの2つだけでした。ほかの項目の割合は、画像の中にあって本文からは読めません。[5]

30日でやること。大学名では動かない部分から埋める

大学名を変えることはできませんが、ここまでに出てきた事実のうち、いくつかは今日から動かせます。順番に書きます。

  • 1〜3日目:13の職種の一覧を読み、自分が出せそうなものを3つ選ぶ。第3志望まで登録でき、第1志望から順に選考されます
  • 4〜7日目:事務系の枠が「数名」であることを踏まえて、他社も並行して見る。技術系は約30名です
  • 8〜14日目:小論文の練習を始める。一次選考に入っています。時間をかけた分だけ差が出るところです
  • 15〜21日目:既卒の人は卒業年と就業経験を確かめる。卒業後3年以内で未就労なら「新卒同様に選考します」と書かれています
  • 22〜30日目:エントリーシートを書く。先輩を探すことに時間を使わない。OB・OG訪問は人事部として受け付けていません
[1] [2]

志望動機については、会社が公開している事実を1つ選び、それを読んで自分が何を思ったかを書き、自分の経験のどこと重なるかを1つ挙げる。この3つがそろえば、他の誰にも書けない文章になります。たとえば「年令や性別、学歴にこだわらない職務配置と処遇」という制度の説明。入ってからの評価が何で決まる会社なのかを読んでどう思ったかは、他の人には書けません。化学に興味があるから、という書き方では、何万人もが書ける文章になります。[3]

この記事の資料ごとの確認日は、出典欄に1件ずつ書いています。採用の条件・日程・待遇は年度によって変わるので、応募の前に必ず最新の募集要項を見てください。経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 日本化薬 採用情報 募集要項確認日:2026-09-11 / 募集職種13種類(自動車安全部品 開発研究職/光学材料 研究開発職/樹脂・色素 研究開発職・技術職/樹脂 品質管理職/触媒 研究開発職・技術職/医薬 研究職/医薬 信頼性保証職/医薬 製造技術職・品質管理職/農薬 研究職/データサイエンティスト/生産技術職/医薬事業 総合職/管理営業系 総合職)、初任給「学部卒/263,000円、修士了/280,000円、博士了/317,000円(26年4月実績)」、勤務時間・年間休日「本社・研究所・工場 7時間45分勤務、年間休日127日」(工場の一部は7時間30分勤務・年間休日118日)、選考の流れ(プレエントリー→ES提出→書類選考/Webテスト受検→職種別セミナー→一次選考(面接・小論文など)→最終選考(面接・適性試験など))
  2. 日本化薬 採用情報 よくある質問確認日:2026-09-11 / 「事業別・職種別採用を実施しています。ES提出の段階で志望職種を第3志望までご登録いただき、第1志望の職種から選考させていただきます。」、「当社では化学品や医薬品、自動車安全部品や農薬など、化学だけにとらわれない幅広い事業を手掛けており、それら事業において必要とされる専門性は、化学系のみならず化学工学、薬学、バイオ系、機械系、電気系など多種多様です。」、「人事部としては受け付けておりません。」(OB・OG訪問)、「可能です。卒業後3年以内で未就労の方であれば、新卒同様に選考します。」(既卒)、「可能です。国籍は問わず、同じプロセス・基準で選考を行います。ただし、日本国内での勤務を前提としているため、日本語でのコミュニケーション能力は必須となります。」(外国籍の学生)、2027年の採用予定人数(事務系 数名、技術系 約30名)、平均年齢41.0歳・平均勤続年数15.0年(2025年3月現在)、平均残業時間11.8時間/月(2024年度実績)、有給休暇 年間13.4日・取得率73.0%(2024年度実績)、女性比率(全社約16%、製造現場を除くと約30%)、海外勤務の基準としてTOEIC700点以上、定年60歳(再雇用制度あり)、主な勤務地。「学部・学科不問」という語はこのページにも募集要項にも無い
  3. 日本化薬 採用情報 人材育成・働き方確認日:2026-09-11 / 「年令や性別、学歴にこだわらない職務配置と処遇を可能にした「ポジションクラス制度(職務等級制度)」は導入後すでに20年近く経ち、制度として定着しています。」
  4. 日本化薬 採用情報 会社概要確認日:2026-09-11 / コーポレートスローガン「世界的すきま発想。」、設立1916年(大正5年)6月5日、資本金149億3,200万円、本社所在地(東京都千代田区丸の内二丁目1番1号。2014年に丸の内へ移転)、従業員数2,423名(単体)・5,979名(連結)(2025年3月末)、抗がん薬・がん関連薬剤はジェネリックを含め41品目(2023年3月現在)
  5. 日本化薬 採用情報 内定者アンケート確認日:2026-09-11 / 会社が集計して公開している内定者アンケートの回答。「選考前から職種が決まっているところが魅力的に感じました。」、面接について「他社は淡々としていたが、日本化薬は一人ひとりをよく知ろうとしてくれていた」。同じ趣旨の「数字で見る日本化薬の働く環境」のページ(saiyou/keyword/)では、本文として読み取れる数値は通勤時間「30分以内の人が76%以上」と「週2日はノー残業デーという回答も多かった」の2件だけで、ほかの項目の割合はグラフの画像の中にあり本文からは読めない
  6. 北九州市立大学 主な就職先一覧(ひびきのキャンパス)確認日:2026-09-11 / 学部・研究科ごとに節が分かれたPDF。「国際環境工学研究科 環境システム専攻 バイオシステムコース」の製造業の欄に「日本化薬株式会社」。学部の「国際環境工学部 環境生命工学科」の欄には日本化薬の記載はない。一覧そのものに年度の記載はない
  7. 大阪工業大学 就職状況一覧[大学院]確認日:2026-09-10 / 大学院の専攻ごとの就職状況。化学・環境・生命工学専攻【応用化学コース】の「主な就職先(2023-2025年度)」に「日本化薬」。学部ではなく大学院の実績
  8. 岩手大学 令和7(2025)年度 進路先一覧確認日:2026-09-10 / 学部・研究科ごとに節が分かれたPDF。「令和7(2025)年度 総合科学研究科修了生 進路先一覧」の理工学専攻・化学石油の欄に「日本化薬株式会社」1名(勤務先都道府県は群馬県)。学部ではなく大学院の実績
  9. 岩手大学 令和4(2022)年度 進路先一覧確認日:2026-09-10 / 同じ体裁のPDF。「令和4(2022)年度 総合科学研究科修了生 進路先一覧」の理工学専攻・化学石油製造業の欄に「日本化薬株式会社」1名(勤務先都道府県は山口県)。学部ではなく大学院の実績
  10. 工学院大学 過去3ヵ年の主な就職先(学科・専攻別)確認日:2026-09-10 / 「過去3ヵ年の主な就職先(学科・専攻別) 2026年5月1日」。工学研究科(修士課程)は機械工学専攻/化学応用学専攻/電気・電子工学専攻の3列で、「日本化薬㈱」は2列目の化学応用学専攻にある(行頭からの文字位置で列を確かめた)。学部ではなく大学院の実績

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