どの大学から入っているのか。東京と兵庫の2大学で確認できた

会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転内定コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を一つずつ確認しています。南海辰村建設について社名を確認できたのは、次の2大学です。[6] [7]‌‌​​‌‌‌​​‌‌​‌‌‌​​​‌‌‌‌​​​‌‌​‌​​‌​​​‌‌‌‌‌‌​‌‌​​​‌​‌‌‌‌​‌‌‌​‌‌‌‌​​

南海辰村建設を就職先として掲載している大学(大学公式資料)
大学・学部・学科掲載されている資料と欄対象年度
国士舘大学 経営学部(学科の別なし)経営学部「卒業後の進路」の「令和6年度 業種別就職実績」、建設・不動産の欄に「南海辰村建設」令和6年度
大手前大学 建築&芸術学部(学科の別なし)「主な就職先(学部別・抜粋)」の建築&芸術学部、[ゼネコン・不動産開発]の欄に「南海辰村建設(株)」過去数年間の実績(年度の記載なし。データは2026年5月1日現在)
[6] [7]

東京の国士舘大学と、兵庫の大手前大学です。大手前大学は建築&芸術学部で、建築を学んだ人の進路先として並んでいます。一方の国士舘大学は経営学部で、建設・不動産の業種欄に名前があります。建築系と文系の両方から人が入っていることが、大学側の資料からも見てとれます。[6] [7]

社名の確認について補足します。この会社は「南海辰村建設」というフルネームで大学側の資料に載っていました。創業元の1つである「辰村組」や、親会社にあたる南海電気鉄道とは別の法人なので、名前の一部だけが一致する会社と取り違える余地はありませんでした。[6] [7]

今回、次の大学は表に入れませんでした。金沢工業大学の資料は、企業ごとの数が何年分を数えたものかがページから決められませんでした。立命館大学の資料は、社名の行に数字があるのが「採用実績」の列だけでした。この列は過去5年の累計なので、その年度の就職先として数えていません(同じ表の「文系」「理系」の列に数字がある会社は、その年度の行にできます)。

会社が学科と選考について書いていること(引用)

南海辰村建設の採用サイトには、よくあるご質問と募集要項が載っています。学歴や専攻に関わる部分を、そのまま引用します。[1] [2]

文系学科の出身でも施工管理はできると書かれている[2]

「文系学科(指定学科以外)出身でも施工管理はできますか。」という質問への答えです。「はい、可能です。文系学科出身でも施工管理職で活躍している社員が複数名在籍しています。適性や学ぶ姿勢があれば卒業学科は問いません。ただし、「施工管理技士」の資格取得にあたり、指定学科卒と指定学科以外の学科卒の方では必要な実務経験年数が変わってきます。」[2]

後半は大切な注意です。学科は応募の条件にならないけれど、施工管理技士という国家資格を取るときに必要な実務経験の年数は、指定学科を出ているかどうかで変わる。入口は開いているが、資格までの道のりは学科によって長さが違う、ということです。[2]

選考で重視しているのは人物だと書かれている[2]

「選考で重視しているところはなんですか。」には「人物重視の選考を行っています。面接はすべて個人面接で行い、ざっくばらんに面接官とお話しいただきます。お互いをしっかりと知る機会ですので、ぜひあなたことをたくさん聞かせてください!」と書かれています。[2]

求めているのは「協調性」[2]

活躍している社員の特徴を聞かれた欄には「様々なカラーの社員が活躍しておりますが、共通しているのはやはり「協調性」がある方です。」とあり、続けて「我々ゼネコンの仕事は、一人で行う仕事ではなく、多くの人(発注者・協力業者・役所・近隣住民・社内部署など)と協力して「1つの建築物・構造物」をつくりあげる仕事です。」と説明されています。[2]

入社までに取っておくべき資格はない[2]

「入社までに取っておいた方がいい資格はありますか。」には「特にありません。実務経験が必要な資格もありますので、入社後経験を積みながら資格取得を目指していただきます。資格取得にあたり、資格取得支援制度や各部門開催の研修などのサポートもありますので、ご安心ください。」と書かれています。[2]

遠方の出身でも応募できると書かれている[2]

「遠方出身ですが、応募可能ですか。」には「問題ありません。当社は大阪・東京に拠点を構えていますが、社員は首都圏・近畿圏に留まらず全国の出身者が在籍しています。住まいについては独身寮への入寮(家賃自己負担額1万/月)または住宅補助を受給することが可能です。」とあります。[2]

履歴書は選考に影響しないと書かれている[1]

採用フローの注記です。「※履歴書は一次面接前にご提出いただきますが、選考には影響いたしませんのでご安心ください。」と書かれています。[1]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では5つある

学歴に頼らず勝負するというのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。南海辰村建設の公開情報から特定できるのは次の5つです。

土俵1:卒業学科を問わないと会社が明記している[2]

文系学科の出身でも施工管理職として在籍している社員が複数いると、会社が自分で書いています。「適性や学ぶ姿勢があれば卒業学科は問いません。」という一文が、この会社の入口の広さをいちばんよく表しています。[2]

土俵2:面接はすべて個人面接[2]

人物重視で、面接はすべて個人面接だと書かれています。集団の中で目立つ力ではなく、自分の経験を落ち着いて話す力が見られる場です。これは準備でき、大学名では代替されません。[2]

土俵3:履歴書が選考に影響しないと書かれている[1]

履歴書は一次面接の前に出しますが、選考には影響しないと会社が明記しています。書類の見栄えで最初にふるいにかける作りになっていない、ということです。[1]

土俵4:入社前の資格を求めていない[2]

取っておいた方がいい資格は「特にありません」。資格取得支援制度と各部門の研修があり、入社後に取る前提です。在学中に資格講座を受けられたかどうかで差がつく構造になっていません。[2]

土俵5:職種別採用をしていない[2]

「職種別採用は行っておりません。技術系・事務系ともに総合職で採用を行っています。」と書かれています。応募の時点で職種の枠を争う形ではないので、入口で専攻の近さを競わされにくい作りです。[2]

分からないことも書いておきます。応募資格(既卒の扱い)、募集学部・学科の指定、採用人数、応募者数は、会社の採用サイトの募集要項には見当たりませんでした。倍率は計算できません。ここは会社に直接確認してください。[1]

建築・土木・鉄道の3本柱。鉄道の軌道と信号通信まで自社でやる

募集職種は技術系(総合職)が建築設計、施工管理(建築・建築設備・土木・軌道・鉄道電気・信号通信)、事務系(総合職)が営業、総務、人事、経理、統括(現場事務)です。[1]

建築[1] [5]

建築設計は「自社施工プロジェクトの設計を担当していただきます。大型プロジェクトやマンション、南海電鉄駅舎の改築工事など、幅広い案件をお任せします。」と説明されています。建築施工管理は、学校・医療施設・商業施設・集合住宅・運動施設・工場などの現場で、工程管理、品質管理、安全管理などを担当します。[1]

会社のサイトに載っている施工実績には、浪速学院 浪速中学校棟、三菱未来館、オープンレジデンシア小田原マーレ、LUMIEC suite EBISU(ルミークスイートエビス)、大阪南港トラックターミナルの改修工事などが並んでいます。[5]

土木[1] [5]

土木施工管理は「土地造成、道路や上下水道、河川改修、鉄道関連工事といった様々な案件の土木工事現場で、工程管理、品質管理、安全管理などの施工管理全般を担当していただきます。」とあります。実績には首都圏中央連絡自動車道のつくばスマートIC工事、楠葉取水場取水施設耐震改良工事、南海橋本林間田園都市の宅地造成工事などが挙がっています。[1] [5]

鉄道[1] [5]

この会社の特徴が出るのが鉄道です。軌道施工管理は「鉄道営業線の軌道敷設・改良・補修など線路設備関連工事の施工管理全般を担当していただきます。」、鉄道電気・信号通信施工管理は「鉄道営業線の高圧線設備・信号設備・踏切保安設備・情報通信設備など各工事の施工管理全般を担当していただきます。」と書かれています。[1]

実績には南海本線(高石市内)連続立体化工事、南海高野線 白鷺3号踏切道歩道拡幅工事、上町線 天王寺駅前〜松虫間線路移設工事、高野線 中百舌鳥駅3番線の可動式ホーム柵新設工事などが並びます。線路の上の工事を、軌道も電気も信号も自社で手がけているということです。[5]

事務系[1]

営業は「不動産開発会社をはじめとする顧客に対する提案を行い、受注活動全般に携わっていただきます。」。ほかに人事(採用計画の立案・実施、社内研修、人事評価・異動の管理、給与計算、福利厚生)、経理(年度予算の策定・管理、工事経理、決算業務、資金管理、税務)、総務(株主総会・取締役会の運営、広報および法務、文書管理、規程の整備、備品管理)、現場事務(工事現場の予算管理、各種書類作成の事務支援)があります。[1]

会社は2023年3月に創業100周年を迎えています。採用サイトには「2023年3月、弊社は創業100周年を迎えることができました。」と書かれ、沿革のページでは1886年5月創業の辰村組と1923年3月創業の南海建設(旧西田工務店)が1995年に南海辰村建設になった経緯が示されています。[4]

応募できる条件と、公開されている待遇

募集要項に書かれている条件を並べます。年度によって変わるので、応募の前には必ず最新の募集要項を見てください。[1]

南海辰村建設 新卒採用の条件(会社の採用サイトの募集要項より)
項目内容
募集職種技術系(総合職)=建築設計、施工管理(建築・建築設備・土木・軌道・鉄道電気・信号通信)/事務系(総合職)=営業、総務、人事、経理、統括(現場事務)
勤務地技術系=大阪本社、東京支店および本社、支店が管轄する工事作業所(主として関西圏・関東圏)/事務系=大阪本社または東京支店
勤務時間本社・東京支店 8:30〜17:30(実働8時間)、各作業所 8:00〜17:00(実働8時間)。作業所によって夜勤の可能性あり
休日・休暇土・日・祝日、夏季休暇、年末年始、慶弔休暇、永年勤続休暇、年次有給休暇など
諸手当免許手当、作業所手当、家族手当、住宅補助、時間外勤務手当、通勤交通費全額支給 他
昇給・賞与昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(7・12月)予定
福利厚生各種社会保険完備、奨学金代理返還制度、社員持株制度、財形貯蓄制度、退職金制度、慶弔制度、表彰制度、社宅・独身寮、会員制リゾート・スポーツクラブ、福利厚生倶楽部(リロクラブ加入)
教育制度新入社員研修、階層別研修、職種別教育、安全衛生教育、OJTなど
[1]

選考の流れは7段階[1]

エントリー、会社説明会、適性・能力試験、履歴書提出、一次面接、最終面接、内々定の順です。注記に「※鉄道関係の施工管理希望者のみクレペリン検査実施」とあります。[1]

転勤はありうると書かれている[2]

「転勤はありますか。」には「総合職採用ですので、可能性はあります。」と書かれ、続けて「ただ現状は技術系においては、東阪の異動は多くはありません。もちろん受注したプロジェクトによっては、転居を伴う異動もありますが、基本的には本人の希望・適性・組織人員構成などを考慮して配属を行います。」と説明されています。[2]

奨学金の返済を会社が代わりに払う制度がある[1]

福利厚生に「奨学金代理返還制度」が挙がっています。独身寮は家賃の自己負担が月1万円、または住宅補助を受けられると書かれています。[1] [2]

大学卒の初任給は技術系254,000円、事務系253,000円

数字は、確かめられるものだけを並べます。会社が出していないものは「出ていない」と書きます。[1] [3]

南海辰村建設の初任給(会社の採用サイトの募集要項より。2025年4月実績の月給)
区分・学歴月給
技術系(総合職) 大学院卒259,000円
技術系(総合職) 大学卒254,000円
技術系(総合職) 高専卒236,000円
技術系(総合職) 専門卒232,000円
事務系(総合職) 大学卒253,000円
[1]

技術系には「※現場に配属後、上記に加えて作業所手当(25,000円/月)を支給します。」という注記があります。現場に出たあとは、この分が上乗せされるということです。[1]

南海辰村建設の会社の数字(会社概要より)
項目数字
商号南海辰村建設株式会社
本社所在地〒556-0011 大阪市浪速区難波中三丁目5番19号
創業/会社設立創業1923年3月/会社設立1944年6月30日
資本金2,000百万円
従業員数458人(2026年3月末現在)※子会社等への出向社員は除く
株式上場東京証券取引所スタンダード市場
営業種目総合建設業(土木、建築、管、電気及び電気通信工事、その他建設工事全般)並びに設計業、不動産所有売買
[3]

事業所は大阪市浪速区の本社(南海浪速ビル)と、東京都中央区銀座の東京支店(南海東京ビル)の2か所です。勤務地がこの2拠点と、それぞれが管轄する工事作業所に限られているのは、応募するうえで先に知っておきたい情報です。[1] [3]

公開されていないものもはっきりさせておきます。新卒の採用人数、応募者数、入社者の出身大学・学部ごとの人数は、会社のページには見当たりませんでした。倍率は計算できません。[1]

30日でやること。大学名では動かない部分から埋める

ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。自分の状況に合わせて入れ替えてください。[1] [2]

  1. 1〜3日目:募集要項とよくあるご質問をすべて読む。特に、卒業学科を問わないという記述と、施工管理技士の実務経験年数が学科で変わるという注意の両方を押さえる
  2. 4〜7日目:建築・土木・鉄道のどれに進みたいかを仮に決める。鉄道は軌道・電気・信号通信に分かれていて、希望者だけクレペリン検査がある
  3. 8〜14日目:施工実績のページから工事を3つ選び、どこで何をした工事かを説明できるようにする。南海電鉄の駅や線路に関わる工事は場所が具体的で話しやすい
  4. 15〜21日目:会社説明会に申し込む。選考フローは説明会のあとに適性・能力試験、履歴書提出、一次面接と続く
  5. 22〜30日目:個人面接の準備をする。会社が挙げている「協調性」を、自分が人と協力して何かを完成させた経験から具体的に話せるようにしておく
[1] [2] [5]

志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば建築・土木・鉄道の3分野を持っていること、鉄道の軌道から信号通信まで手がけること、2023年3月に創業100周年を迎えたこと、奨学金代理返還制度があること。これらは会社が自分で書いていることなので、そこに自分の希望を重ねれば、根拠のある志望動機になります。[1] [3] [4] [5]

採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。資料ごとの確認日は、この記事の出典欄に1件ずつ書いています。応募の前に必ず最新の募集要項を確認してください。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 南海辰村建設 採用情報 新卒募集要項確認日:2026-09-19 / 募集職種、主な仕事内容、初任給、諸手当、昇給・賞与、勤務地、勤務時間、休日・休暇、福利厚生、教育制度、採用フロー
  2. 南海辰村建設 採用情報 Q&A(よくあるご質問)確認日:2026-09-19 / 活躍している社員の特徴、選考で重視している点、女性の施工管理、文系学科出身の施工管理、入社までの資格、遠方出身者の応募、職種別採用、転勤
  3. 南海辰村建設 会社概要確認日:2026-09-19 / 商号、本社所在地、創業、会社設立、資本金、従業員数、株式上場、営業種目、営業登録、事業所、グループ会社
  4. 南海辰村建設 採用情報 トップページ確認日:2026-09-19 / 創業100周年のメッセージ、採用サイトの構成
  5. 南海辰村建設 コーポレートサイト(事業紹介・施工実績)確認日:2026-09-19 / 建築・土木・鉄道の事業紹介、施工実績の一覧
  6. 国士舘大学 経営学部 卒業後の進路確認日:2026-09-10 / 「令和6年度 業種別就職実績」の建設・不動産の欄に「南海辰村建設」
  7. 大手前大学 進路データ(主な就職先)確認日:2026-09-11 / 「主な就職先(学部別・抜粋)」の建築&芸術学部、[ゼネコン・不動産開発]の欄に「南海辰村建設(株)」

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