どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる

会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を確認しています。村田製作所について、現時点で確認できたのは1大学です。[7]

村田製作所を就職先として掲載している大学(大学公式資料・2026年9月9日確認)
大学・学部掲載されている資料対象年度
追手門学院大学 社会学部「2026年3月卒業生就職先・進学先一覧(抜粋)」社会学部の就職先に「株式会社村田製作所」2026年3月卒業生
[7]

見落としてほしくないのは、掲載されているのが社会学部だということです。村田製作所は積層セラミックコンデンサを主力にする電子部品メーカーで、採用予定人数も技術系が200〜220名程度と事務系30〜50名程度で、技術系のほうが圧倒的に多い会社です。それでも、文系の学部から入った人が大学の公表資料に載っています。この事実と、次の節で引く会社の記載を合わせて読んでください。[1] [7]

会社が学歴について書いていること(引用)

村田製作所の新卒総合職の募集要項には、応募資格として「2027年3月もしくは9月に高等専門学校専攻科・大学・大学院を卒業・修了見込の方」と書かれています。そして注記に「新卒ではなくても以下の条件を満たしている方はご応募いただけます。最終学歴卒業後、3年以内」。卒業後3年以内なら、新卒の枠で応募できるということです。一般職も同じ条件が書かれています。[1] [2]

学部・学科についての条件は、技術系総合職に「主に理工系学科の方が対象です」とある一方、事務系総合職には学科の指定がありません。さらに採用Q&Aは「理工系なのですが、事務系職種にも応募できますか」という質問に「理工系の知識を持ち、営業活動や管理・企画業務に携わりたい方も積極的に募集しています」と答えています。専攻と職種は1対1で対応していない、というのが会社の説明です。[3] [4]

大学名について書かれた記述は見つかりませんでした。会社が大学名をどう扱っているかは公開されていないので、そこは「分からない」が正確です。ただし、大学によって入口が違う仕組みははっきり書かれています。技術系には「学校推薦」と「自由応募」があり、「『学校推薦』の対象となる学科・専攻には、就職担当の先生宛に求人票を送付しています。求人のない学科・専攻に所属の方は、『自由応募』でご応募下さい」。求人票が届いていない学科でも応募の道は閉じていない、と会社自身が書いています。[3]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある

「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。村田製作所の公開情報から特定できるのは次の4つです。

土俵1:卒業後3年以内なら、新卒の枠で戦える

総合職・一般職とも「最終学歴卒業後、3年以内」なら新卒採用に応募できると明記されています。在学中に就職活動がうまくいかなかった人が、卒業してから準備し直して同じ枠に戻れるということです。年に一度の勝負ではなく、3回のチャンスがあるという読み方ができます。10月入社についても、採用Q&Aは「卒業・修了時期が秋となる方など、あらかじめ10月入社が想定される場合は、選考応募時に10月入社を選択いただけます」と書いています。[1] [2] [4]

土俵2:選考の最初の2段階が、大学名を見ない形式になっている

公開されている選考プロセスは、技術系・事務系とも「適性検査(SPI)・WEBエントリーシート・応募書類提出」→「プレマッチング(対話型AI面接)」→「ファイナルマッチング(対面個人面談)」→「内々定」です。会社は対話型AI面接を「AIと直接会話しながら進める形の面接です」と説明しています。SPIは市販の問題集で対策できる試験で、AI面接は話し方と内容が評価対象です。どちらも、大学名では点が動きません。[3] [5]

土俵3:文系でも理系でも、募集職種の一覧は重なっている

事務系総合職の採用職種には、総務・人事・経理・財務・企画・法務・知的財産・広報・情報システム・営業・調達・生産管理・サプライチェーンマネジメント・生産ライン設計改善(IE)・製造監督・環境経営企画・防災・安全衛生管理が並びます。技術系総合職の一覧にも情報システム・DX推進、SCM、企画、営業、環境経営企画、知的財産が入っています。同じ仕事に、文系側と理系側の両方から入口があるということです。自分の専攻からどの職種に手が届くかは、この2つの一覧を並べれば分かります。[3] [5]

土俵4:総合職は全員が約5カ月の工場実習から始まる

採用Q&Aは新入社員教育について「入社時集合研修は約2日間で、会社の仕組みや事業内容をひととおり学んでいただきます。配属先に配属されたのち、総合職の方は、約5カ月間の工場実習を行います」と書いています。文系で入った人も理系で入った人も、同じ現場を通ります。入社時点の知識差が仕事の差に直結しにくい設計だ、という手がかりになります。[4]

3つの採用区分。自分の経験に近いのはどれか

募集要項が示す採用区分と、会社の説明
区分対象と職種会社の説明にある内容
技術系総合職主に理工系学科。材料開発、商品開発・設計、生産技術、品質保証、情報システム・DX推進、セールスエンジニア、営業など2027年採用の予定人数は200〜220名程度。学校推薦と自由応募の2つの応募方法がある
事務系総合職学科の指定なし。総務、人事、経理・財務、企画、法務、知的財産、広報、情報システム、営業、調達、生産管理、SCMなど2027年採用の予定人数は30〜50名程度。理工系からの応募も「積極的に募集しています」と記載
一般職文系・理系共通。事務アシスタント、営業アシスタント、技術アシスタント募集地域ごとの採用(京都地区・関東地区・滋賀地区)。「基本的に転居を伴う人事異動は行っておりません」
[1] [2] [3] [4] [5]

総合職と一般職のいちばん大きな違いは勤務地です。採用Q&Aは「総合職は海外を含むムラタグループの全拠点が勤務地の対象となります。一般職については基本的に転居を伴う人事異動は行っておりません」と書いています。地元を離れられない事情がある人にとって、これは職種の好み以前の分岐点になります。[4]

一般職の仕事の中身も公開されています。事務アシスタントは「経理・企画・人事等のスタッフ部門における一般事務業務、資材部門における購買管理業務」、営業アシスタントは「商品の受注・発注、納期調整、納品フォロー等」、技術アシスタントは「電子部品の試作・評価・測定業務、生産設備の製作に関わるCAD設計補助業務等」。技術アシスタントは文系・理系共通で募集されています。[2]

応募できる条件と、公開されている待遇

  • 総合職の初任給は高専専攻科卒・学部卒295,000円、修士了316,000円、博士了352,500円(2026年4月時点)
  • 一般職の初任給は大学卒239,500円、短大卒223,000円(2026年4月時点)
  • 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(6月・12月)。総合職・一般職とも同じ
  • 勤務地は総合職が京都、東京、滋賀、神奈川ほか国内・海外各事業所。一般職は京都地区(本社・長岡事業所・大阪ロジスティクスセンター)、関東地区(東京支社・横浜事業所・みなとみらいイノベーションセンター)、滋賀地区(野洲・八日市・守山)
  • 勤務時間は8:30〜17:00もしくは9:00〜17:30(事業所・部門により異なる)、実働7時間45分。一部フレックスタイム制・裁量労働制あり
  • 年間休日は123日(うるう年は124日)。年次有給休暇は勤続年数により年21〜23日付与
  • 提出書類は卒業見込証明書、学業成績証明書、就職担当教授推薦書(理工系で学校推薦の対象となる学部・学科に限る)
  • 留学生について採用Q&Aは「日本の大学に在籍している外国人留学生の方々の採用も積極的に行っています」と記載
[1] [2] [4]

応募締切も公開されています。2027年採用の技術系は学校推薦が3回(2026年3月13日・4月7日・5月11日)、自由応募が2回(3月13日・5月25日)。事務系はWEBエントリーシート提出が2026年3月16日、SPI受検・応募書類提出が3月23日です。事務系のほうが締切が早く、回数も少ないので、志望するなら3月上旬までに準備を終えている必要があります。[3] [5]

公開されている数字で、会社の輪郭をつかむ

会社が公表している数字と記述
項目公開されている内容
2027年採用予定人数技術系総合職200〜220名程度、事務系総合職30〜50名程度
海外売上の比率「ムラタの売上の約90%は海外市場であり、欧米・中国・東南アジアを中心にビジネスがより広がりを見せています」
キャリア入社者の比率「全従業員のうち約30%はキャリア入社者」
新入社員教育入社2年目までを教育期間と位置づけ。入社時集合研修は約2日間、総合職は約5カ月間の工場実習
試用期間3か月(待遇の変動なし)
年間休日123日(うるう年は124日)
[1] [4]

「売上の約90%は海外市場」という数字は、仕事の想像に直接効きます。採用Q&Aも「国内の日常業務においても、世界中に広がる拠点間での社員の連携が求められています」と書いています。海外赴任を志望するかどうかに関わらず、英語で書かれた資料を読む場面は日常的にある、という読み方ができます。[4]

従業員の約30%がキャリア入社者だという記述も見ておく価値があります。会社は「多くの会社が新卒採用にしか目を向けていない時代から、ネームバリューの不足により難航してきた新卒採用を、キャリア採用によって大きくカバーしてきました」と自社の歴史を説明しています。新卒で入れなかった場合に道が閉じる会社ではない、ということです。[6]

30日でやること。大学名では動かない部分から埋める

ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。

  1. 1〜3日目:募集要項を開き、自分の卒業年を条件に当てはめる。すでに卒業している人は「最終学歴卒業後、3年以内」に入るかどうかをここで確認する
  2. 4〜7日目:技術系・事務系・一般職の3つの採用職種の一覧を並べ、自分の専攻から手が届く職種に印をつける。事務系と技術系で重なっている職種(営業、情報システム、SCM、企画、知的財産、環境経営企画)は、どちらの入口からでも狙える
  3. 同じ週:理工系なら就職課か担当教授に「村田製作所の求人票が来ているか」を聞く。来ていなければ自由応募になるだけで、応募の道が閉じるわけではない
  4. 8〜14日目:SPIの問題集を1冊決めて始める。技術系・事務系とも選考プロセスの最初に適性検査が置かれているので、ここで落ちると面接に進めない
  5. 15〜21日目:対話型AI面接に備えて、自分の経験を声に出して説明する練習をする。文字で書いた文章を読み上げるのではなく、質問に答える形で話せるかを確かめる
  6. 22〜30日目:総合職を志望するなら、勤務地が「海外を含むムラタグループの全拠点」であることを家族と話す。転居できない事情があるなら、一般職の募集地域(京都・関東・滋賀)で考え直す

志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば「売上の約90%は海外市場」という記述と、自分がアルバイトやゼミで言葉の通じない相手と仕事を進めた経験が重なるなら、それは自分の言葉で話せる出発点です。「世界シェアが高いから」では、他の誰が書いても同じ文章になります。[4]

採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容はすべて2026年9月9日に公式サイトと追手門学院大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。自分の場合にどの区分が合うか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 村田製作所 新卒 総合職採用 募集要項・待遇確認日:2026-09-09 / 2027年採用版。採用予定人数、募集職種、応募資格(卒業後3年以内)、初任給、勤務地、勤務時間、休日、提出書類、試用期間
  2. 村田製作所 新卒 一般職採用 募集要項・待遇確認日:2026-09-09 / 募集地域と勤務地、文系・理系共通の対象、事務/営業/技術アシスタントの仕事内容、応募資格、初任給
  3. 村田製作所 新卒 総合職採用 技術系選考プロセス確認日:2026-09-09 / 学校推薦と自由応募の違い、選考プロセス、応募締切、技術系の採用職種一覧
  4. 村田製作所 採用情報 FAQ確認日:2026-09-09 / 理工系から事務系への応募、学校推薦の確認方法、OB・OG紹介の方針、留学生、10月入社、勤務地、新入社員教育、海外売上比率、キャリア入社比率
  5. 村田製作所 新卒 総合職採用 事務系選考プロセス確認日:2026-09-09 / 事務系の選考プロセスと応募締切、事務系の採用職種一覧
  6. 村田製作所 新卒採用で求める人物像とキャリア採用への期待確認日:2026-09-09 / 求める人物像の3点、キャリア採用を続けてきた経緯についての会社の説明
  7. 追手門学院大学 就職先・進学先一覧確認日:2026-09-09 / 2026年3月卒業生就職先・進学先一覧(抜粋)。社会学部の就職先に株式会社村田製作所

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