どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる
会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を1件ずつ確認しています。ミヨシ油脂について、現時点で確認できたのは次の5大学6件です。[9] [10] [11] [12] [13] [14] [15]
| 大学・学部(学科・専攻) | 掲載されている資料と見出し | 資料が示す対象年度 |
|---|---|---|
| 摂南大学 理工学部 生命科学科 | 「各学部学科の主な就職先」の理工学部生命科学科の【主な就職先】に「ミヨシ油脂(株)」。ページの見出しは「2025年度進路状況(2026年5月1日現在)」。同大学が出している就活の冊子(PDF)にも同じ学科の主な就職先として掲載 | 2025年度(2026年5月1日現在)と、2024年度(2025年3月卒業生データ)の2つの資料 |
| 近畿大学 生物理工学部 食品安全工学科 | 「卒業生の進路・就職先」の食品安全工学科「主な就職先一覧」に「ミヨシ油脂」。学科ブロックの末尾に「2023〜2025年度卒業生実績」 | 2023〜2025年度卒業生実績 |
| 近畿大学 農学部 生物機能科学科 | 「卒業生の進路・就職先」の生物機能科学科「主な就職先一覧」に「ミヨシ油脂」。ブロック冒頭に「※ 2025年度卒業生実績」 | 2025年度卒業生実績 |
| 静岡理工科大学 情報デザイン学科(学部名はページ本文に出てこない) | 「卒業生の主な進路(過去3年間)」の情報デザイン学科の企業一覧に「ミヨシ油脂」 | 一覧に年度の記載なし(見出しは「過去3年間」) |
| 愛知工業大学 応用化学科(バイオ環境化学専攻) | 「主な進路・就職先一覧(応用化学科)」のバイオ環境化学専攻の列、「メーカー:化学・医薬・化粧品」の欄に「ミヨシ油脂株式会社」(東京都) | 2026年3月卒 |
| 岩手大学 大学院総合科学研究科 農学専攻 | 「総合科学研究科修了生 進路先一覧」の農学専攻の食料品製造業の欄に「ミヨシ油脂株式会社」1名 | 令和4(2022)年度(学部ではなく大学院) |
学部の並びを見てください。生命科学科、食品安全工学科、生物機能科学科、応用化学科という食品・化学系の学科に混じって、静岡理工科大学の情報デザイン学科が入っています。油脂メーカーに情報デザインの学科から入った例が、大学の公式資料に残っているということです。[13]
会社が学歴・専攻について書いていること(引用)
ミヨシ油脂の採用サイトには「仕事を知る」というページがあり、その末尾にQ&Aが5つ並んでいます。そのうち2つが、この記事の読者が知りたいことに正面から答えています。[1]
文系でも活躍できるかという質問に、会社が答えている
質問は「文系でも活躍できる?」。答えは2文です。「もちろんです!文系・理系を問わず活躍しています。」そして「学生時代に学んだことや、自分の強みを活かして働いています。」[1]
油脂の知識が要るかという質問にも答えている
もう1つの質問は「油脂の知識がなくても大丈夫?」。答えはこうです。「全く問題ありません!知識は入社後に学べますし、新入社員研修や職場での教育により、成長をサポートしていきます。」[1]
採用担当者からのページにも、同じことがもっとはっきり書かれています。「「油脂」についての専門的な知識は、会社に入ってから学んでも間にあいます。」続けて「それよりも大切なのは、社員が「会社はみんなを幸せにする場所」であり、「仕事は自分の夢を実現する手段」であることを理解していることです。」とあります。[2]
どんな人が活躍しているか
Q&Aの「どんな人が活躍してる?」への答えはこうです。「「チャレンジ精神」と「やり抜く力」のある人が多いです。」続けて「行動力があって、最後までやり切れる人がいろいろな職種で活躍しています。」。採用担当者からのページでも「その上で個々の社員が、どれだけ行動力(主体性・率先力・創意工夫)に基づき、やり抜く力(失敗を恐れずに挑戦する力)を発揮できるか。」と、同じ2つの言葉が出てきます。[1] [2]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では3つある
「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。ミヨシ油脂が公開しているページから特定できるのは、次の3つです。
土俵1:専門知識を入口で求めていない
上に引用したとおり、油脂の知識は入社後に学べばよいと会社が2か所で書いています。化学や食品を専攻していないことが、少なくとも会社の説明の上では不利になっていません。[1] [2]
土俵2:入ってからの教育が、全員に同じ形で用意されている
人材育成のページによると、新入社員研修は約2週間の全体研修です。「ビジネスの基本(マナー、コミュニケーション、チームワーク等)を体得し、ミヨシ油脂の事業や社内の制度・仕組みについて理解を深め、各職場に配属されます。」その後は「上司と部下が1対1で定期的に対話をする1on1制度を全社で導入し、上司・部下の信頼関係向上に役立てています。」とあり、6年目研修・新任係長研修・幹部候補者研修・新任幹部職研修という階層別の研修が続きます。[5]
会社はこの仕組みの背景をこう説明しています。「百年前の創業時から、ミヨシ油脂には「人を大切にする風土」がありました。」「人が成長して、初めて会社は成長しえると考えるからです。」[5]
土俵3:職種の入口が4つに分かれていて、理系だけの会社ではない
採用サイトの数字のページによると、職種の比率は製造43%、管理29%、技術15%、営業13%です。技術は15%で、残りの85%は製造・管理・営業です。会社は「大きく分けて4つの職種があり、お互いに協力しながら“良きものづくり”を行っています。」と説明しています。[3]
職種は8つ。食品部門・油化部門・生産部門に分かれる
| 部門 | 職種 |
|---|---|
| 食品部門 | 営業職(大手製パンメーカー担当)/研究開発職(応用開発)/マーケティング職 |
| 油化部門 | 営業職(化成品担当)/研究開発職(基礎研究) |
| 生産部門 | エンジニア職/製造職(食品工場)/製造職(油化・名古屋工場) |
会社が何をつくっているかも見ておいてください。Q&Aの「ミヨシ油脂ってどんな会社?」への答えはこうです。「油脂の力を活かしたものづくりをする会社です。」続けて「おいしさに貢献する「食品事業」と、豊かで快適な環境の実現に貢献する「油化事業」という2つの分野で展開しています。」[1]
取引の相手も書かれています。「主なお客様はメーカーで、取引先は数千社に及びます。」食品事業ではマーガリンや粉末油脂をパン・菓子・即席麺のメーカーへ、油化事業では脂肪酸やグリセリン、界面活性剤をシャンプー・化粧品・製紙のメーカーへ提供している、という説明です。消費者に直接売る会社ではなく、メーカーに売る会社です。[1]
身近な製品でいうと、パンのマーガリン、カフェオレやスープの粉末油脂、ドーナツや焼き菓子のショートニング、保湿ティシューのグリセリン、タオルの繊維用柔軟剤、シャンプーやボディソープの化粧品基材などが、この会社の技術に関わっています。[1]
会社の成り立ちは会社概要の沿革に載っています。1921年(大正10年)に繊維工業用石鹸の製造を目的としてミヨシ石鹸工業合資会社を設立、1937年(昭和12年)にミヨシ化学興業株式会社へ改組、1941年(昭和16年)に東京工場でマーガリンの製造を開始して食品分野に進出、1949年(昭和24年)にミヨシ油脂株式会社へ社名変更し東京証券取引所市場第一部に上場しています。[8]
入社後の条件
| 項目 | 会社の記載 |
|---|---|
| 休日 | 自社カレンダーによる基本週休2日制(原則土・日)、祝日、夏季休日、年末年始休日 |
| 年間休日 | 技術・営業・管理部門123日/生産部門120日。年間の総勤務時間はすべての職種で同一 |
| 年次有給休暇 | 初年度10日、勤続年数に応じて最高20日。半日休暇制度・時間単位休暇制度あり |
| その他の休暇 | 慶弔休暇、産前産後休暇、育児休業、介護休業、リフレッシュ休暇制度、傷病積立休暇制度 |
| 制度 | 各種保険、企業型確定拠出年金、社員持株会、共済会、財形貯蓄制度、従業員表彰制度 |
| 施設 | 独身寮、社宅、社員食堂 |
住まいについては具体的に書かれています。「独身寮や社宅を完備しており、新入社員は希望すれば入寮が可能です。ワンルームで共同スペースはなく、プライバシーも守られています。」続けて「近くに同期や先輩社員もたくさん暮らしているため交流の機会も多く、若手社員に安心の住環境です。」とあります。[4]
働き方の制度も3つ公開されています。テレワークは「スマートフォン、グループウェアやオンライン会議システムなどを全社で導入しています。」、フレックスタイム制は「自分の生活リズムや業務に合わせて、出退勤できます。」、そして服装については「働き方に適した服装を自由に選択し、自分らしいスタイルで働くことができます。」というドレスコードフリーです。制服・作業着・白衣も用意されています。[6]
子育てとの両立については、育休の期間が明記されています。「産休は産前6週間・産後8週間、育休は産休終了後から子供の1歳の誕生日の前日まで取得することができます。」保育園に入れなかった場合は2歳まで延長でき、「育休のはじめの5日間は男女共に有給です。」時短勤務は「小学校3年生までの子供を持つ社員は希望により、時短勤務ができます。」と、対象が小学3年生までと書かれています。[7]
会社が公開している数字
| 項目 | 数値 | 会社の補足 |
|---|---|---|
| 創立 | 1921年(大正10年) | 繊維工業石鹸と繊維油剤の製造から出発 |
| 男女比率 | 男性71%・女性29% | 近年は女性の入社も増えていると説明 |
| 平均勤続年数 | 17.5年 | 男性平均17.94年、女性平均17.47年 |
| 職種比率 | 製造43%/管理29%/技術15%/営業13% | 大きく分けて4つの職種 |
| 新入社員の定着率(3年以内) | 92.8% | 会社は“風土の良さ”を評価されることが多いと説明 |
| 平均残業時間 | 7.2時間 | 会社は厚労省の統計の一般労働者平均14.9時間と比べている |
| 有給休暇取得率 | 69.2% | 平均取得日数13.3日。会社は日本の平均取得率65.3%と比べている |
| 産休育休取得率 | 女性100%・男性85% | 近年は男性の育休取得者も増えていると説明 |
| クラブ活動数 | 21クラブ | 約半数の社員が所属 |
この中でいちばん目を引くのは、新入社員の3年以内の定着率92.8%です。会社はこの数字にこう注記しています。「3年で30%が辞めてしまうと言われる新卒採用。学生・お客様から“風土の良さ”を評価していただくことが多いのですが、それを表した定着率かと思います。」[3]
残業時間と有給取得率については、会社が比較の相手を明記しているのが特徴です。残業7.2時間は厚労省「毎月勤労統計調査(令和7年3月分)」の一般労働者平均14.9時間と、有給取得率69.2%は厚労省「令和6年就労条件総合調査」の平均65.3%と比べる形で載っています。数字の出どころを会社が書いているので、読む側が確かめられます。[3]
| 項目 | 記載 |
|---|---|
| 会社名 | ミヨシ油脂株式会社 |
| 創立 | 1921年11月 |
| 設立 | 1937年2月 |
| 資本金 | 9,015,191,284円 |
| 本社所在地 | 東京都墨田区太平四丁目1番3号 オリナスタワー13階 |
| 本店所在地 | 東京都葛飾区堀切四丁目36番5号 |
経営理念は「人によし、社会によし、未来によし。」の1行で、会社概要のページにこう説明されています。「油脂の力を活かした“ものづくり”を通して、すべての人から信頼される企業であり続けることを目指します。」[8]
明日からできること
- 採用サイトの「仕事を知る」のページを最後まで開いて、Q&Aの「文系でも活躍できる?」「油脂の知識がなくても大丈夫?」の答えを自分の目で確かめる
- 応募資格や選考フローは会員登録制のページにしか無いので、志望するなら早めにエントリーの登録をして中身を見る。公開ページを見ているだけでは条件が分からない
- 「数字で見るミヨシ油脂」の職種比率を見る。技術は15%で、製造・管理・営業が85%を占める。理系の会社だと決めつけない
- 志望動機を書くときは、身のまわりのどの製品に関わっているかから入る。会社自身がパン・飲料・菓子・総菜・ティシュー・タオル・化粧品・金属加工の8つを挙げて説明している
- 「チャレンジ精神」と「やり抜く力」は会社が2か所で繰り返している言葉。この2つに当てはまる自分の経験を1つ用意しておく
- 寮を希望するなら、新入社員は希望すれば入寮が可能でワンルームだと書かれている。住まいの条件を早めに見積もれる
この記事に書いたのは、会社が自分で公開している文書と、大学が自分で公開している進路資料だけです。どちらも今日この時点で誰でも開けます。出典はすべて下に並べてあるので、気になったところは自分で開いて確かめてください。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- ミヨシ油脂 採用情報 仕事を知る確認日:2026-09-11 / 事業の説明と身近な製品の例(パン・飲料・菓子・総菜・ティシュー・タオル・化粧品・金属加工)、Q&A「ミヨシ油脂ってどんな会社?」「どんなお客さんと仕事してるの?」「どんな人が活躍してる?」→「「チャレンジ精神」と「やり抜く力」のある人が多いです。」「文系でも活躍できる?」→「もちろんです!文系・理系を問わず活躍しています。」「油脂の知識がなくても大丈夫?」→「全く問題ありません!知識は入社後に学べますし、新入社員研修や職場での教育により、成長をサポートしていきます。」、先輩社員インタビューの職種一覧
- ミヨシ油脂 採用担当者から確認日:2026-09-11 / 経営理念の説明、「その上で個々の社員が、どれだけ行動力(主体性・率先力・創意工夫)に基づき、やり抜く力(失敗を恐れずに挑戦する力)を発揮できるか。」、「「油脂」についての専門的な知識は、会社に入ってから学んでも間にあいます。」、「一人ひとりの「顔」が輝いてこそ、組織はイキイキとした力を発揮すると私たちは信じています。」
- ミヨシ油脂 数字で見るミヨシ油脂確認日:2026-09-11 / 創立104周年、男女比率7:3(男性71%・女性29%)、平均勤続年数17.5年、職種比率(製造43%・管理29%・技術15%・営業13%)、新入社員の定着率(3年以内)92.8%、平均残業時間7.2時間(参照:厚労省「毎月勤労統計調査(令和7年3月分)」)、有給休暇取得率69.2%・平均取得日数13.3日(参照:厚労省「令和6年就労条件総合調査」)、産休育休取得率(女性100%・男性85%)、クラブ活動数21クラブ
- ミヨシ油脂 福利厚生確認日:2026-09-11 / 休日休暇(自社カレンダーによる基本週休2日制、年間休日は技術・営業・管理部門123日/生産部門120日、年次有給休暇は初年度10日から最高20日)、各種保険・その他制度、独身寮と社宅の説明、クラブ活動・イベント
- ミヨシ油脂 人材育成確認日:2026-09-11 / 「百年前の創業時から、ミヨシ油脂には「人を大切にする風土」がありました。」「人が成長して、初めて会社は成長しえると考えるからです。」、約2週間の新入社員全体研修、1on1制度、6年目研修・新任係長研修・幹部候補者研修・新任幹部職研修
- ミヨシ油脂 働き方確認日:2026-09-11 / テレワークの活用、フレックスタイム制、ドレスコードフリー(制服・作業着・白衣も用意)
- ミヨシ油脂 ダイバーシティの推進確認日:2026-09-11 / 社員活躍推進委員会きらり!、出産・育児のための休暇・休業制度(産休は産前6週間・産後8週間、育休は子供の1歳の誕生日の前日まで、保育園に入れない場合は2歳まで延長、はじめの5日間は男女とも有給)、育児のための時短勤務制度(小学校3年生まで)、仕事と介護の両立支援
- ミヨシ油脂 会社概要確認日:2026-09-11 / 会社名、創立1921年11月、設立1937年2月、資本金9,015,191,284円、本社所在地・本店所在地、経営理念「人によし、社会によし、未来によし。」とその説明、沿革(1921年の設立、1941年のマーガリン製造開始、1949年の社名変更と東京証券取引所市場第一部への上場)
- 摂南大学 各学部学科の主な就職先確認日:2026-09-10 / 「2025年度進路状況(2026年5月1日現在)」の理工学部生命科学科の【主な就職先】にミヨシ油脂(株)
- 摂南大学 就活の冊子(shukatsu_support_2025.pdf)確認日:2026-09-09 / 理工学部生命科学科の「主な就職先」にミヨシ油脂(株)。注記は「※1. 2025年5月1日現在/※2. 学部は2025年3月卒業生データ」
- 近畿大学 生物理工学部 卒業生の進路・就職先確認日:2026-09-10 / 食品安全工学科の「主な就職先一覧」にミヨシ油脂。ブロック末尾に「2023~2025年度卒業生実績」。同学科は2027年4月に食品・生命科学科へ名称変更予定と注記
- 近畿大学 農学部 卒業生の進路・就職先確認日:2026-09-10 / 生物機能科学科の「主な就職先一覧」にミヨシ油脂。「※ 2025年度卒業生実績」
- 静岡理工科大学 卒業生の主な進路(過去3年間)確認日:2026-09-11 / 情報デザイン学科の企業一覧にミヨシ油脂。学科名だけが並ぶ作りで学部名は本文に出てこない
- 愛知工業大学 主な進路・就職先一覧(応用化学科)確認日:2026-09-09 / 2026年3月卒。バイオ環境化学専攻の列、「メーカー:化学・医薬・化粧品」の欄にミヨシ油脂株式会社(東京都)
- 岩手大学 令和4(2022)年度 進路先一覧確認日:2026-09-10 / 総合科学研究科修了生 進路先一覧の農学専攻・食料品製造業の欄に「東京都 ミヨシ油脂株式会社 1」
- 龍谷大学 就職実績一覧(2020年度)確認日:2026-09-10 / 先端理工学部 2020年度の一覧にミヨシ油脂株式会社。2022年度以降の掲載ではないため、この記事の表には入れていない(表に入れていない理由の出典)