どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる

会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を一つずつ確認しています。紀陽銀行について、現時点で確認できたのは次の9つの学部・学科です。[4] [5] [6] [7] [8] [9]

紀陽銀行を就職先として掲載している大学(大学公式資料・2026年9月9日確認)
大学・学部・学科掲載されている資料と欄対象年度
摂南大学 経済学部 経済学科就職実績「【主な就職先】」経済学科の欄に「(株)紀陽銀行」一覧に年度の明記なし
摂南大学 経営学部 経営学科同 経営学科の欄に「(株)紀陽銀行」一覧に年度の明記なし
摂南大学 経営学部 経営学科経営学科 資格・進路・キャリア「主な就職先(過去3年間)」に「株式会社紀陽銀行」過去3年間
摂南大学 農学部 食農ビジネス学科就職実績「【主な就職先】」同学科の欄に「(株)紀陽銀行」一覧に年度の明記なし
桃山学院大学 経済学部 経済学科経済学科 就職・資格「主な就職先企業」に「株式会社紀陽銀行」2023〜2025年度実績
桃山学院大学 社会学部 社会学科社会学科 就職・資格「主な就職先」に「紀陽銀行」2023〜2025年度実績
桃山学院大学 国際教養学部 英語・国際文化学科同学科 就職・資格「主な就職先企業」に「紀陽銀行」2023〜2025年度実績
追手門学院大学 社会学部就職先・進学先一覧(抜粋)社会学部の就職先に「株式会社紀陽銀行」2026年3月卒業生
追手門学院大学 経営学部同 経営学部の就職先に「株式会社紀陽銀行」2026年3月卒業生
[4] [5] [6] [7] [8] [9]

この表でいちばん効くのは、学部のばらけ方です。経済学科と経営学科という定番の学部だけでなく、社会学科、英語・国際文化学科、そして農学部の食農ビジネス学科からも入っています。「銀行は経済・経営でないと」という思い込みは、この時点で崩れます。とくに農学部からの掲載は、地方銀行が農業や食に関わる地域の産業と近いことを考えると、理由のある組み合わせです。[4] [5] [6] [7] [8]

もう1つ、大学の所在地に注目してください。摂南大学と桃山学院大学と追手門学院大学は、いずれも大阪府の大学です。紀陽銀行は和歌山県を本拠とする地方銀行ですが、勤務地には大阪府も含まれています(後の節で見ます)。和歌山県外の大学から入る道は、実際に開いています。[1] [4] [6] [9]

なお、桃山学院大学の法律学科の一覧には「紀陽情報システム株式会社」という社名も出てきますが、これは紀陽銀行本体とは別の法人です。この記事で扱うのは、証券コード8370の株式会社紀陽銀行そのものに社名が一致する行だけです。[10]

会社が学歴について書いていること(引用)

紀陽銀行のコーポレートサイトの採用情報ページには、選考の姿勢が最初に書かれています。「紀陽銀行は、公正な採用選考を実施するため、以下のとおり採用活動をおこないます。1.従業員の採用にあたって、応募者の基本的人権を尊重します。2.応募者の適性・能力のみを基準とした公平で公正な採用選考をおこないます」。[3]

「応募者の適性・能力のみを基準とした」という書き方は、そのまま「それ以外を基準にしない」と読めます。ここに大学名は含まれません。ただし、会社が大学名をどう扱っているかを具体的に説明したページはないので、そこは「公開されていない」が正確な答えです。推測でランキングを作った記事は、会社の基準ではありません。[3]

募集要項には学部・学科の指定がありません。3つのコース(マネジメント、スペシャリスト、アテンダント)それぞれについて、対象となる学部を限定する記載は見当たりませんでした。前の節で確認した大学側の資料が経済・経営・社会・国際・農と広くばらけていることとも、この点は一致します。[1] [4] [5] [6] [7] [8]

選考の入口についても、会社は絞り込みを行わないと書いています。採用の流れの説明には「プレエントリーをいただいた方全員にエントリーシートを配布いたします。必要事項をご記入し、提出していただくことで本エントリーとなります」とあります。プレエントリーの段階で選ばれることはなく、全員がエントリーシートを書く機会を得ます。[1]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある

「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。紀陽銀行の公開情報から特定できるのは次の4つです。

土俵1:「適性・能力のみを基準」と会社が宣言している

採用情報ページの2項目は、就職差別を防ぐための一般的な宣言の形式に沿っています。だからこそ、逆に会社がここに載せている以上、選考の場でそれ以外の基準を持ち出さないという約束になります。学歴に不安がある人にとって、根拠として挙げられる会社の文書です。[3]

土俵2:3つのコースがあり、あとから転換もできる

紀陽銀行はマネジメントコース、スペシャリストコース、アテンダントコースの3コースで採用しています。会社の説明では「コース転換制度/自身が描くキャリアに応じて各コースへの転換が可能となります」とあり、専用の説明も置かれています。「入行時のコースから、他コースへと転換を希望できる制度です。新しいことに挑戦してみたい、もっとキャリアアップをしたい、ライフステージの変化、など自身が描くキャリアに応じて各コースへの転換が可能となります」。最初の選択が一生を決めるわけではない、と会社が書いています。[2]

土俵3:採用人数が3か年分公開されていて、枠の大きさが分かる

会社は募集要項に採用人数の表を載せています。マネジメントコースは2024年卒110名、2025年卒106名、2026年卒(予)91名。アテンダントコースは60名、62名、40名。スペシャリストコースは4名、5名、4名。合計すると174名、173名、135名です。3年で見ると総数が減っていることが読み取れます。マネジメントコースが90名前後、アテンダントコースが40名前後という規模感を、数字で押さえたうえで準備できます。[1]

土俵4:勤務地を限定する「特定勤務地制度」がある

マネジメントコースの初任給の欄に「大学院卒・大卒 255,000円(特定勤務地制度選択の場合)」という行があります。通常の270,000円に対して15,000円低い代わりに、勤務地が限定される制度だと読めます。制度の詳細は募集要項に書かれていませんが、幹部候補のコースでありながら勤務地を限定する選択肢がある、ということ自体が重要です。地元を離れたくない人は、この制度について説明会で確認してください。[1]

3つのコースと、それぞれの位置づけ

コース制度(募集要項・コース制度のページより)
コース会社の説明大卒初任給2026年卒の採用予定
マネジメントコース広範な職務経験と多様なキャリアパスを通じて、将来、当行のトップ・マネジメントを担う幹部行員の一人として活躍することが期待されるコース。法人部門(営業・融資)、リテール部門、本部企画・管理スタッフ等を担当270,000円(特定勤務地制度選択の場合は255,000円)91名
スペシャリストコース専門性を活かして活躍するコース270,000円(大学院卒は修士273,000円・博士278,000円)4名
アテンダントコース銀行の窓口・事務等を担当するコース214,000円(短大卒202,000円)40名
[1] [2]

マネジメントコースについて、会社はハッシュタグの形でも特徴を挙げています。「#コンサルティング営業 #本部企画・管理スタッフ #多様な業務 #幹部候補 #地域貢献」。銀行の幅広い分野で活躍を期待されるコース、という位置づけです。初任給がスペシャリストコースの大卒と同額の270,000円である点も、この2つが並列のコースであることを示しています。[2]

採用サイトには、マネジメントコースで働く行員が6名紹介されています。富田林支店 営業課(2022年入行)、上本町支店 融資相談課(2021年入行)、大阪堂島営業部(2020年入行)、和歌山営業本部 営業課(2017年入行)、上本町支店 営業課(2023年入行)、法人新規開拓室(2021年入行)。所属を見ると、和歌山だけでなく大阪の店舗が多く含まれています。[2]

コース転換制度を使った行員も紹介されています。泉ヶ丘支店(2010年入行)、堀止支店 営業課長(2007年入行)、DX戦略部の3名で、それぞれ「仕事と育児を両立し、限られた時間のなかで結果を出す」「女性管理職として、仕事と育児の両立に挑む」「私が先頭に立ち、紀陽銀行のDX化を実現する」という見出しが付いています。制度が名前だけでなく実際に使われていることを、会社が人物で示している形です。[2]

勤務地は「本部、本店および各支店(和歌山、大阪、奈良、東京)」の4都府県です。和歌山県の銀行ですが、大阪・奈良・東京にも拠点があります。紀陽銀行を志望する大阪の学生が多いことは、前の節で見た大学側の資料とも符合します。[1]

応募できる条件と、公開されている待遇

  • 募集職種:マネジメントコース、スペシャリストコース、アテンダントコース
  • 初任給:マネジメントコースは大学院卒・大卒270,000円(特定勤務地制度選択の場合255,000円)。スペシャリストコースは大学院卒(博士)278,000円/大学院卒(修士)273,000円/大学卒270,000円。アテンダントコースは大学院卒・大卒214,000円/短大卒202,000円
  • 諸手当:通勤手当全額支給、昼食手当、養育手当、ライフプラン手当など
  • 昇給は年1回(10月)、賞与は年2回(6月・12月)
  • 休日休暇:完全週休2日制(土・日)、祝日、1週間連続休暇、ミニ連休、リフレッシュ休暇、有給休暇、ファミリー休暇、産前産後休暇、配偶者出産休暇、育児休業、介護休業など
  • 福利厚生:各種社会保険、企業年金制度、健保組合、住宅資金融資、財形預金、持株会など。施設は独身寮、家族寮など(各種保養施設との契約あり)
  • 勤務地:本部、本店および各支店(和歌山、大阪、奈良、東京)
  • 勤務時間:営業店・本部は8:30〜17:30(うち休憩1時間)
  • 採用の流れ:プレエントリー → エントリーシート提出(プレエントリーをいただいた方全員に配布)→ 選考開始(2月〜実施予定)
[1]

休日の欄にある「1週間連続休暇」と「ミニ連休」は、銀行特有の制度です。銀行では不正防止のために担当者を一定期間職場から離す仕組みがあり、それが連続休暇として制度化されています。他業種と比べるときに、この点は押さえておいてください。[1]

昇給が年1回(10月)である点も、他社と比べるときに目立ちます。多くの会社は4月に昇給しますが、紀陽銀行は10月です。会社の事業年度の区切り方が関係している可能性がありますが、会社は理由を説明していないので、ここは事実として押さえるだけにします。[1]

選考の開始時期は「2月〜実施予定。日程が確定次第ご連絡いたします」と書かれています。3月からの一斉スタートより早い時期に動き出す形なので、志望する場合は年内にプレエントリーを済ませておく必要があります。[1]

地方銀行という業界を、この会社の説明で理解する

紀陽銀行の採用サイトには「3分でわかる紀陽銀行」というページがあり、その最初の項目が「地方銀行とは?」です。会社はこう説明しています。「地域経済に密着した金融サービスの提供が地方銀行の特徴。それを生かして収益力向上をどう図るか、都銀を含む主要行とは異なる独自性が問われています。全国には61行、関西には7行の地方銀行があり、互いに切磋琢磨しながらそれぞれの地域を盛り上げています」。[11]

メガバンクとの違いも書かれています。「主に大企業や上場企業と取引し、世界を支えるダイナミックな仕事を行うメガバンク。一方、地方銀行は地域経済を担い、地域のお客さまと深い関係性を構築し、地域の発展に直結した仕事を行っております」。金融業界を志望していて、まだメガバンクと地方銀行の違いを説明できない人は、ここから始められます。[11]

会社はシェアの数字も出しています。「地方銀行 39.76%、信用金庫 23.38%、都市銀行 18.47%、第二地方銀行 9.39%、信用組合 2.39%、その他 6.62%」。都市銀行については「全国で3メガを含む『五大銀行(都市銀行:三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな、埼玉りそな)』」と注記されています。地方銀行が全体の約4割を占める、という数字です。[11]

この数字を志望動機に使うときの注意を1つ。会社はこのシェアが何のシェアか(貸出金か、預金か、店舗数か)を明記していません。数字を引用するときは、それが何を指しているかまで確かめてから使ってください。分からないまま「地方銀行のシェアは約4割」と書くと、面接で聞かれたときに答えられなくなります。[11]

採用サイトには、このほか「NEXT紀陽銀行」(未来に向けた取り組み)、「エピソードストーリー」、「先輩×後輩クロストーク」、「内定者×KIYO BANK」、「教育研修制度」、「働く上で活用できる制度」、「人事担当者からのメッセージ」、「採用FAQ」が用意されています。インターンや説明会に参加していなくても、ここまでは全員が同じ材料を読めます。[2]

30日でやること。大学名では動かない部分から埋める

ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。

  1. 1〜3日目:3つのコース(マネジメント/スペシャリスト/アテンダント)の説明を読み、自分がどれで応募するかを決める。初任給と採用人数の差も表で確認する
  2. 4〜7日目:勤務地が和歌山・大阪・奈良・東京の4都府県であることを確認し、自分が働きたい場所と合うかを考える。マネジメントコースには特定勤務地制度の選択肢があるので、条件を説明会で聞く項目としてメモしておく
  3. 同じ週:プレエントリーする。「プレエントリーをいただいた方全員にエントリーシートを配布いたします」と会社が書いているので、ここに入れば必ず書く機会がある。選考は2月〜実施予定
  4. 8〜14日目:「3分でわかる紀陽銀行」を読み、メガバンクと地方銀行の違いを自分の言葉で説明できるようにする。金融業界の志望動機は、この違いを説明できるかどうかで差がつく
  5. 15〜21日目:マネジメントコースで働く6名の行員紹介を読み、自分が近いと感じた人を1人選ぶ。所属が和歌山と大阪に分かれているので、地域と仕事の組み合わせも一緒に見る
  6. 22〜30日目:エントリーシートに書く経験を1件、200字で書く。会社が「応募者の適性・能力のみを基準」と宣言している以上、問われるのは適性と能力を示す具体的な場面。人の話を聞いて相手が言葉にしていない課題を見つけた場面が、コンサルティング営業とつながる

志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば「勤務地に和歌山だけでなく大阪・奈良・東京が含まれている」ことと、行員紹介の所属が大阪の店舗を多く含むことを合わせて読み、自分が関わりたい地域と仕事を説明できるなら、それは自分の言葉で話せる出発点です。「地元の銀行だから」だけでは、他の誰が書いても同じ文章になります。[1] [2]

採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容はすべて2026年9月9日に会社の公式サイトと各大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。自分の場合にどのコースが合うか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 紀陽銀行 新卒採用サイト 募集要項確認日:2026-09-09 / 募集職種3コース、コース別・学歴別の初任給、特定勤務地制度、諸手当、昇給(年1回・10月)賞与、休日休暇、福利厚生、勤務地(和歌山・大阪・奈良・東京)、勤務時間、採用人数(2024〜2026年卒の3コース分)、採用の流れとエントリーシートの配布方針、選考開始時期
  2. 紀陽銀行 新卒採用サイト コース制度確認日:2026-09-09 / マネジメントコースの説明と担当業務、コース転換制度、各コースで活躍する行員の所属と入行年
  3. 紀陽銀行 採用情報(コーポレートサイト)確認日:2026-09-09 / 「応募者の基本的人権を尊重します」「応募者の適性・能力のみを基準とした公平で公正な採用選考をおこないます」の宣言、新卒・中途・パートタイマーの各案内
  4. 摂南大学 就職実績確認日:2026-09-09 / 経済学部経済学科・経営学部経営学科・農学部食農ビジネス学科の「【主な就職先】」に「(株)紀陽銀行」。一覧に対象年度の明記なし
  5. 摂南大学 経営学科 資格・進路・キャリア確認日:2026-09-09 / 「主な就職先(過去3年間)」に「株式会社紀陽銀行」。企業・団体名は進路決定当時のもの
  6. 桃山学院大学 経済学科 就職・資格確認日:2026-09-09 / 「主な就職先企業(2023〜2025年度実績)」に「株式会社紀陽銀行」
  7. 桃山学院大学 社会学科 就職・資格確認日:2026-09-09 / 「主な就職先(2023〜2025年度実績)」に「紀陽銀行」
  8. 桃山学院大学 英語・国際文化学科 就職・資格確認日:2026-09-09 / 「主な就職先企業(2023〜2025年度実績)」に「紀陽銀行」
  9. 追手門学院大学 就職先・進学先一覧確認日:2026-09-09 / 2026年3月卒業生就職先・進学先一覧(抜粋)。社会学部と経営学部の就職先に「株式会社紀陽銀行」
  10. 桃山学院大学 法律学科 就職・資格確認日:2026-09-09 / 紀陽銀行本体ではなく「紀陽情報システム株式会社」として掲載されている例
  11. 紀陽銀行 新卒採用サイト 3分でわかる紀陽銀行確認日:2026-09-09 / 地方銀行とは何か、メガバンクとの違い、地方銀行61行・関西7行という数、業態別のシェア(地方銀行39.76%ほか)と都市銀行の定義

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