どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる
会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学の公式ページを直接開いて社名の前後を読み、見出しが「主な就職先」であることを確かめています。兼松について、現時点で3大学の公式資料で確認できました。[7] [8] [9]
| 大学・学部 | 掲載されている資料 | 対象年度 |
|---|---|---|
| 亜細亜大学 経営学部 経営学科 | 就職状況データの「主な就職先(過去2年)(経営学科)」の卸売業の欄に「兼松」。同じ欄に大塚商会、東邦薬品、日本アクセス、ダイワボウ情報システム、サンワテクノス、立花エレテック、ドウシシャなどが並ぶ | 過去2年(ページの更新日は2026年6月30日、業種別データは2026年5月1日現在) |
| 明治学院大学 経済学部 国際経営学科 | 「主な就職先」に「兼松(株)」。同じ欄に岡谷鋼機、キーエンス、キャセイパシフィック航空などが並ぶ | 2023〜2025年度(2026年5月1日現在) |
| 昭和女子大学 | 「過去3か年の主な就職先(2024年3月〜2026年3月)」に「兼松」 | 2024年3月〜2026年3月 |
3件から読み取れることが1つあります。掲載されているのは経営学科と国際経営学科で、いずれも経営系の学科だということです。総合商社というと外国語学部や国際関係学部の進路だと思われがちですが、卸売業の枠で経営系の学生が入っています。会社側も「学部や専攻による有利・不利は一切ありません」と書いているので、この見え方は会社の説明と一致します。[2] [7] [8]
会社が学歴について書いていること(引用)
兼松の採用FAQには「学部や専攻は、選考や配属に影響がありますか?」という項目があり、こう答えられています。「選考過程において、学部や専攻による有利・不利は一切ありません。選考では、これまでの経験や志望動機、将来の可能性などを総合的に評価しています。入社後の配属については、学部や専攻も一つの参考材料としますが、本人の適性や希望、当社の事業ニーズなどを総合的に考慮して決定します」。[2]
これは学部・専攻についての記述で、大学名について述べたものではありません。会社が大学名をどう扱っているかは公開されていないので、そこは「分からない」が正確です。推測でランキングを作った記事は、会社の基準ではありません。[2]
もう1つ、商社志望の人が気にしがちな英語について、会社は次のように書いています。「選考過程で英語の試験は実施しますが、必ずしも入社時点で高い英語力を求めているわけではありません。入社後は、英語を含め業務上必要となるさまざまな語学について研修の場を提供することでそれぞれの業務特性に応じた能力の研鑽を支援しています」。英語の試験があること自体は事実ですが、入社時点の到達点を条件にしているとは書かれていません。[2]
OB・OG訪問については、ビズリーチ・キャンパスを通じて依頼を受け付けるとしたうえで、「社員訪問の実施有無や回数は、選考には一切関係ありません。当社の社風や業務内容について理解を深めるための手段としてぜひご活用ください」と明記しています。先輩が多い大学が回数で有利になる、という経路を会社が自分で否定しています。[2]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある
「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。兼松の公開情報から特定できるのは次の4つです。
土俵1:2つの職種のどちらで戦うかを、自分で選べる
兼松の新卒採用はプロフェッショナルとアドミスタッフの2職種です。募集要項の説明では、プロフェッショナルは「事業や基幹業務を主体的に推進するとともに、広範な知識と経験を習得することで、将来的には経営人材として会社の成長に貢献する役割」、アドミスタッフは「当業務に必要な専門知識を身につけ、事業や基幹業務の推進を補佐する役割を担う(勤務地は特定される)」。全員が同じ土俵で比べられるのではなく、2つに分かれます。勤務地の条件がはっきり違うので、ここは希望というより自分の生活の条件で決められる部分です。[1] [2]
土俵2:専攻で外されない
採用FAQは「学部や専攻による有利・不利は一切ありません」と書いています。商社では「経済学部か商学部でないと」と思い込みがちですが、会社の記載はそうなっていません。実際に確認できた3大学の掲載も、経営学科・国際経営学科と、女子大学の全学の一覧でした。自分の専攻を理由に応募を止めるのは、会社が書いていないことを自分で足していることになります。[2] [7] [8] [9]
土俵3:OB・OG訪問の回数が評価に入らない
「社員訪問の実施有無や回数は、選考には一切関係ありません」と会社が明記しています。ここは、先輩がたくさんいる大学とそうでない大学の差が最も出やすい部分ですが、その差が評価に持ち込まれないと会社が言っています。訪問しないことが不利にならない代わりに、訪問して理解を深めることは自由にできます。会社が薦めているのは後者の使い方です。[2]
土俵4:入社時点の英語力ではなく、選考の試験で測られる
英語の試験があること自体は避けられませんが、「必ずしも入社時点で高い英語力を求めているわけではありません」という記載は、留学経験や帰国子女かどうかで線を引いていないという意味に読めます。試験は準備で伸ばせる部分で、大学名では動きません。逆に「英語ができないから商社は無理」という自己判断は、会社の記載と合いません。[2]
7部門のビジネス。自分の経験に近いのはどれか
兼松は自社を「食卓から宇宙まで」と説明しています。採用サイトのビジネスフィールドのページには、5つの事業セグメントの中に7部門があると書かれています。志望動機を「商社に行きたい」から一段具体的にするには、この7つのどれを見て話すかを決めるのが早道です。[3]
| 部門 | 会社の説明にある事業内容 |
|---|---|
| ICTソリューション | 兼松エレクトロニクス(KEL)を中心に、ICTを基盤としたマルチベンダーの仮想化ソリューションやセキュリティビジネス。情報システムのコンサルティングから構築、運用保守までワンストップで提供 |
| 電子・デバイス | モバイルや電子関連の素材から部品・機器・装置にわたるバリューチェーン。電子材料・電子部品から液晶・半導体装置などの大型機器、ITソリューションまで |
| 食料(食品部門) | フルーツ加工品、野菜加工品、水産品、製菓製パン原料、コーヒー豆、飲料・酒類など。リテール商品の自社開発と小売への販売も |
| 食料(畜産部門) | 鶏肉・豚肉・牛肉の輸入と加工販売。中国やインドネシアへの輸出、現地サプライチェーンの構築も |
| 食料(食糧部門) | コメ・麦などの穀類、大豆をはじめとする豆類、飼料原料、小麦粉加工品、ペット関連製品 |
| 鉄鋼・素材・プラント | 普通鋼・特殊鋼製品、エネルギーソリューション、化学品、産業プラント・インフラ設備、船舶 |
| 車両・航空 | オートバイ・自動車部品や完成車両を扱う車両・車載部品ビジネスと、航空機や宇宙関連取引を担う航空宇宙ビジネス |
社員紹介のページも、この部門ごとに分かれています。営業部門として電子・デバイス、食品、畜産、食糧、鉄鋼・素材・プラント、車両・航空、コーポレート部門として財経、IT企画、グループ成長戦略推進室が並んでいます。アドミスタッフの社員紹介も、車両・航空部門とキャリア紹介の2か所に載っています。自分が興味を持てた部門の社員紹介を先に読むと、面接で話す材料が具体的になります。[3] [5]
もう1つ、応募先を広げる手があります。コーポレートサイトの採用情報ページには「グループ会社採用情報」という節があり、兼松エレクトロニクス株式会社(企業の情報システムの設計・構築と運用保守)、兼松コミュニケーションズ株式会社(通信事業者の販売パートナーとして移動体通信関連機器の販売)、兼松フューチャーテックソリューションズ株式会社(エレクトロニクス商社)、兼松アグリテック株式会社(配合飼料・肥料の製造販売)、株式会社兼松ケージーケイ(機械の専門商社)、兼松ペトロ株式会社(総合エネルギー販売)など、各社の事業説明と採用情報へのリンクが並んでいます。それぞれが自社で採用を行っているので、兼松株式会社とは別に応募できます。ただし、グループ会社に入ることは兼松株式会社に入ることではありません。応募先の法人名を毎回確かめてください。[6]
応募できる条件。2027年度入社の募集要項から
- 応募資格:①大学または大学院の学士号・修士号・博士号を入社日までに取得可能な方(※既卒も応募可能)②2027年4月1日に入社可能な方 ③正社員としての就業経験がない方
- 契約期間:期間の定めなし。入社後6か月間は試用期間
- 勤務地:プロフェッショナルは初期配属が原則東京、その後は異動による国内・海外拠点の変更あり(将来的に関係会社での勤務の可能性あり)。アドミスタッフは東京
- 勤務時間:9:00〜17:15(休憩は11:30〜13:30の間の60分)。所定労働時間7時間15分。フルフレックス制度・時差出勤制度あり。所定外労働時間あり
- 初任給:プロフェッショナル320,000円(学部卒・院卒共通)、アドミスタッフ242,000円(学部卒・院卒共通)。賞与は年2回(6月、12月)
- 休日休暇:完全週休2日制、祝休日、年末年始6日、年次有給休暇(最高20日、初年度14日)、ブロンズウィーク・プラス制度、マイウィークエンド制度、ハローベビー休暇 など
- 福利厚生:独身寮・社宅(プロフェッショナルのみ)、提携保養所、社員持株会、各社会保険 など
- 受動喫煙防止措置:敷地内禁煙(屋内喫煙可能場所あり)
「正社員としての就業経験がない方」という条件は、卒業後に就職活動をやり直す人にとって大事な線引きです。既卒であること自体は応募可能と明記されていますが、正社員として働いた経験があると新卒の枠ではなくなります。年数ではなく職歴の有無で分かれている点に注意してください。[1]
配属については、採用FAQに「内定後に実施する人事部との個別面談で希望を伺い、各部署からの配属希望、内定者の適性や専門知識、事業ニーズなどを総合的に考慮して決定します」と書かれています。内定してから面談で希望を聞く形なので、エントリー時点で部門を確定させる必要はありません。入社後も、自己申告制度と社内公募制があると書かれています。[2]
公開されている数字で、会社の輪郭をつかむ
| 項目 | 公開されている数値 |
|---|---|
| 商号 | 兼松株式会社(KANEMATSU CORPORATION) |
| 創業 | 明治22年(1889年)8月15日 |
| 本店・東京本社 | 本店は神戸市中央区伊藤町119番地、東京本社は東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー |
| 資本金 | 277億81百万円 |
| 事業拠点数 | 国内:神戸本店、東京本社、支社・支店5/海外:31 |
| 従業員数 | 単体861名/連結8,604名 |
| 上場証券取引所 | 東京証券取引所 |
| 初任給 | プロフェッショナル320,000円、アドミスタッフ242,000円(いずれも学部卒・院卒共通) |
注目したいのは単体861名という数字です。連結では8,604名ですが、新卒で入るのは兼松株式会社なので、社員数が1,000名に満たない会社だということになります。総合商社の中では小さいほうで、若手のうちから任される仕事の範囲が広くなりやすいという話は、この数字と結びつけて話すと具体的になります。数字を見るときは、その数字が誰を数えたものかを毎回確かめてください。[4]
もう1つ、社名の由来も会社が説明しています。採用FAQには「KGとは、兼松の旧社名『兼松江商』(Kanematsu Gosho)の頭文字を取ったものです。関西五綿の1つ江商と、当時多角化を展開していた兼松が1967年に合併。1989年に社名を『兼松株式会社』と変更後も、世界に親しまれた<KG>の愛称を残しています」とあります。1889年創業という古さと、神戸に本店があることは、会社の説明の中でつながっています。[2] [4]
30日でやること。大学名では動かない部分から埋める
ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。
- 1〜3日目:募集要項を開き、自分の卒業年と「正社員としての就業経験がない方」という条件に自分を当てはめる。既卒でも職歴がなければ応募できる
- 4〜7日目:プロフェッショナルとアドミスタッフの説明と勤務地を並べて読み、どちらに応募するかを決める。東京限定で働きたいか、国内外の異動を前提にできるかで判断が変わる
- 同じ週:プレエントリーを済ませる。募集要項に「詳細については、プレエントリーいただいた方にメールでご案内します」と書かれているので、登録しないと次の情報が来ない
- 8〜14日目:ビジネスフィールドのページで7部門を読み、興味の順に3つ並べる。社員紹介はこの部門ごとに分かれているので、上位2つの社員紹介を読む
- 15〜21日目:英語の試験に向けて練習を始める。会社は「選考過程で英語の試験は実施します」と明記している。高い英語力を入社時点で求めるとは書いていないが、試験があること自体は変わらない
- 22〜30日目:志望する部門に合わせて自分の経験を1件書く。食品や畜産なら人の生活に必要なものを切らさないように動いた場面、電子・デバイスなら仕組みを調べて人に説明した場面、車両・航空なら細かい条件を詰めて相手と合意した場面
志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば畜産部門の説明には、2019年に解禁されたウルグアイ産牛肉について「解禁前のウルグアイ産牛肉のマーケティングやサプライヤー開拓を地道かつ着実に行なった結果、兼松は日本における最初のウルグアイ産牛肉の輸入社となった」と書かれています。こういう具体的な話を1つ選び、自分がなぜそこに反応したのかを説明するほうが、「グローバルに活躍したいから」より伝わります。会社の言葉をそのまま繰り返すのではなく、自分の経験のどこと結びついたのかを言葉にしてください。[3]
採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容はすべて2026年9月9日に兼松の公式採用サイト・コーポレートサイトと亜細亜大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。自分の場合にどの職種が合うか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 兼松 新卒採用情報サイト 募集要項確認日:2026-09-09 / 2027年度入社の応募資格・既卒の扱い・契約期間・試用期間・勤務地・勤務時間・初任給・賞与・研修制度・休日休暇・福利厚生・受動喫煙防止措置・プロフェッショナルとアドミスタッフの役割
- 兼松 新卒採用情報サイト FAQ確認日:2026-09-09 / 「学部や専攻による有利・不利は一切ありません」の記載、OB・OG訪問と選考の関係、語学力についての回答、配属の決め方、ローテーションと社内公募制、募集職種と勤務地、社名の由来
- 兼松 新卒採用情報サイト ビジネスフィールド確認日:2026-09-09 / 5つの事業セグメントと7部門(ICTソリューション、電子・デバイス、食品、畜産、食糧、鉄鋼・素材・プラント、車両・航空)の事業内容とプロジェクト事例
- 兼松 会社概要確認日:2026-09-09 / 2026年3月31日現在の商号・創業・本店と東京本社の所在地・資本金・事業拠点数・従業員数(単体861名/連結8,604名)・上場証券取引所
- 兼松 新卒採用情報サイト 兼松の働き方について確認日:2026-09-09 / 人事部長へのインタビュー。フルフレックスタイム、2022年のオフィス移転とABW、2024年導入の人事評価制度についての説明
- 兼松 採用情報(コーポレートサイト)確認日:2026-09-09 / 新卒採用情報サイト・キャリア採用・グループ会社採用への入口。グループ各社が個別に採用を行っていること
- 亜細亜大学 就職状況データ確認日:2026-09-09 / 経営学部経営学科の「主な就職先(過去2年)」の卸売業の欄に兼松。業種別データは2026年5月1日現在、ページ更新日は2026年6月30日
- 明治学院大学 就職データ確認日:2026-09-09 / 経済学部国際経営学科の主な就職先に兼松(株)。2023〜2025年度(2026年5月1日現在)
- 昭和女子大学 就職・進学実績確認日:2026-09-09 / 過去3か年の主な就職先(2024年3月〜2026年3月)に兼松