どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる
会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学の公式ページを直接開いて社名の前後を読み、見出しが「主な就職先」であることを確かめています。JR九州について、現時点で確認できたのは次の5大学です。[3] [4] [5] [6] [7]
| 大学・学部 | 掲載されている資料 | 対象年度 |
|---|---|---|
| 福岡大学 人文学部・法学部・経済学部・商学部・工学部(機械工学科・社会デザイン工学科・建築学科)・スポーツ科学部 | 「学部別の主な就職先」に「九州旅客鉄道(株)(JR九州)」 | 令和8年3月31日現在/令和7年3月31日現在/令和6年3月31日現在の3年分 |
| 九州産業大学 理工学部 電気工学科 | 「〔電気工学科 主な就職先30社〕」に「九州旅客鉄道(株)」 | 就職状況のページに掲載 |
| 国士舘大学 体育学部・文学部・経営学部 | 卒業後の進路「主な就職先」に「九州旅客鉄道」 | 対象年度の明記なし(同ページには令和6年度の業種別就職実績が別に載っている) |
| 日本大学 国際関係学部 | 「令和5年度卒業生の主な就職先」に「九州旅客鉄道(株)」 | 令和5年度卒業生 |
| 近畿大学 産業理工学部 電気電子工学科 | 「主な就職先」に「九州旅客鉄道」 | 2025年度卒実績 |
地域を見てください。福岡大学と九州産業大学は九州の大学ですが、国士舘大学と日本大学は東京、近畿大学は大阪の大学です。会社が「九州出身ではない社員も多く活躍しています」と書いていることと、この分布は一致しています。九州の大学でないから不利、という前提は会社の記載にありません。[1] [5] [6] [7]
学部も、人文学部、法学部、経済学部、商学部、機械工学科、社会デザイン工学科、建築学科、スポーツ科学部、電気工学科、体育学部、国際関係学部と広く分かれています。体育学部・スポーツ科学部が2大学から入っている点は、鉄道会社の進路として見落とされやすいところです。[3] [4] [5] [6]
会社が学歴について書いていること(引用)
JR九州の募集要項で最も重要なのは、募集対象の注記です。「※就業経験の有無、年齢は問いません。」。この1行が、大学卒・高専卒対象の募集要項にも、短期大学卒・専門学校卒・高等学校既卒対象の募集要項にも同じように書かれています。[1] [8]
既卒の書き方にも注目してください。「2028年3月までに四年制大学(大学院を含む)または高等専門学校(本科・専攻科)を卒業・修了された方(既卒)」。「卒業後◯年以内」という上限がありません。この記事で扱った他の鉄道会社は、既卒3年以内という条件を置いているところがほとんどでした。[1]
採用FAQには、地域についての直接の記述もあります。「九州にゆかりがないと不利になることはありますか?」→「不利になることは決してありません。九州出身ではない社員も多く活躍しています」。「決して」という強い言い方をしています。[1]
資格・スキルについては「必須の経験や知識はありますか?」→「入社前に必須とする資格・スキル等はございません。入社後の研修や現場でのOJT教育で学んでいただきます」。説明会については「会社説明会参加の有無が選考に影響しますか? 会社説明会の参加は必須でしょうか?」→「会社説明会の参加有無が選考に影響することはありません」。国籍については「国籍問わず外国人学生も積極的に採用しています」。海外の大学については「海外の大学(大学院)を卒業(修了)見込みの学生も採用しています」。[1]
ただし、大学名について書かれた記述はありません。そこは「分からない」が正確です。会社が書いているのは、卒業年・年齢・就業経験・出身地域・資格・説明会の参加について、いずれも条件にしていないという点までです。[1] [2]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では5つある
「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。JR九州の公開情報から特定できるのは次の5つです。
土俵1:既卒に卒業年の上限がなく、年齢も就業経験も問われない
「※就業経験の有無、年齢は問いません。」の1行がそれです。卒業から何年経っていても、他社で働いた経験があっても、新卒の枠で応募できます。就活をやり直す人、社会に出てから進路を変えたい人にとって、これは大きな条件です。この記事で扱った会社の中でも、ここまで開いている例は多くありません。採用サイトのトップには「あなたとJR九州とのつながりを深めましょう」という入口も用意されています。[1] [2]
土俵2:資格・スキルが応募の条件になっていない
「入社前に必須とする資格・スキル等はございません。入社後の研修や現場でのOJT教育で学んでいただきます」。TOEICのスコアも、鉄道関係の資格も、応募の条件になっていません。会社は「資格を取得した社員へ一時金として受験料を会社が負担する制度があります」と、入社後の支援のほうを説明しています。[1]
土俵3:説明会に出られなくても不利にならない
「会社説明会の参加有無が選考に影響することはありません」。九州以外に住んでいて説明会に通えない人にとって、これは条件の差が持ち込まれないという意味です。[1]
土俵4:短大・専門学校・高校既卒からも同じ会社に応募できる
募集要項が学歴区分ごとに分かれていて、短期大学卒・専門学校卒・高等学校既卒対象のページには「2028年3月に短期大学、専修学校(修業年限2年以上の専門課程に限る)を卒業・修了見込みの方(新卒)/2028年3月までに卒業・修了された方(既卒)/既に高等学校を卒業されている方」とあります。ここにも「※就業経験の有無、年齢は問いません。」が書かれています。初任給は短大卒・専修学校卒206,600円、高等学校卒201,300円です。[8]
土俵5:勤務地を限定する制度がある
「勤務地の希望は出せますか?」への回答に「ただし、勤務地を限定したい場合については、勤続年数等一部条件はありますが、勤務地を限定希望するエリア限定制度があります」とあります。異動については「概ね2年〜4年に一度異動する社員が多いです。※異動は必ずしも引っ越しを伴う転勤とは限りません」。生活の条件を、制度で扱える余地があるということです。[1]
系統ごとに分かれた職種
| 系統 | 職種と、会社の説明にある仕事 |
|---|---|
| 事務系統(乗務員) | 駅員→車掌→運転士。「鉄道現場の第一線で安全・安定・快適な鉄道を提供する仕事」。客室乗務員は「D&S列車(観光列車)に乗務しビュッフェ営業やワゴンサービス、沿線観光案内などのサービスを提供し旅のお手伝いをする仕事」 |
| 事務系統(企画・計画) | 鉄道関連「鉄道を利用していただくための仕組みやしかけをつくる仕事」/不動産開発関連「地域に根差した不動産デベロッパーとして、九州から未来のまちをデザインしていく仕事」/ITマネジメント・デジタル推進「IT・デジタルを駆使してサービスをアップデートしていく仕事」 |
| 運輸系統 | 車両・運輸「車両やダイヤ、運行管理など輸送サービスの根幹を支える仕事」 |
| 建築土木系統 | 建築(鉄道関連)/建築(不動産開発関連)「建築の知識と技術力を活かし、九州内外での不動産開発を通じてまちの新たな価値を創造する仕事」/保線・土木 |
| 機械系統 | 機械設備「駅設備をはじめとする鉄道運行に欠かせない機械設備を充実させ駅の利便性向上に貢献する仕事」 |
| 電気系統 | 電気・鉄道システム「鉄道を支える電気設備を最先端の技術を活かしてつくり守る仕事」 |
| コーポレート部門 | 「会社を運営していく上で円滑に業務を進められるよう、後方からサポートする仕事」。※どの系統からもコーポレート部門(人事・総務・経営企画・財務等)に配属になる可能性がある |
注目したいのは、コーポレート部門についての注記です。「※どの系統からもコーポレート部門(人事・総務・経営企画・財務等)に配属になる可能性があります」。乗務員として入っても、技術系で入っても、人事や経営企画に行く道が閉じられていない、と会社が書いています。[1]
もう1つ、不動産開発が2か所に出てきます。事務系統(企画・計画)の「不動産開発関連」と、建築土木系統の「建築(不動産開発関連)」。会社が自分を「地域に根差した不動産デベロッパー」と呼んでいることからも、鉄道だけの会社ではないことが分かります。志望動機を組み立てるときは、ここを見るかどうかで話が変わります。[1]
短期大学卒・専門学校卒・高等学校既卒対象の募集要項では、職種が鉄道員(駅員→車掌→運転士)、車両、保線・土木、電気・鉄道システム、客室乗務員の5つに絞られています。「※鉄道員の職種は入社後に決定します」という注記もあります。学歴区分によって選べる職種が違うので、自分がどちらの募集要項を見ているかを毎回確かめてください。[8]
応募できる条件と待遇
- 募集対象(大学卒・高専卒):2028年3月に四年制大学(大学院を含む)または高等専門学校(本科・専攻科)を卒業・修了見込みの方/2028年3月までに卒業・修了された方(既卒)。※就業経験の有無、年齢は問いません
- 募集対象(短大卒・専門学校卒・高校既卒):2028年3月に短期大学、専修学校(修業年限2年以上の専門課程に限る)を卒業・修了見込みの方/2028年3月までに卒業・修了された方/既に高等学校を卒業されている方。※就業経験の有無、年齢は問いません
- 初任給(大学卒・高専卒):大学院卒252,600円/大学卒238,000円/高専専攻科卒238,000円/高専本科卒218,500円。※年齢により初任給の金額は異なります
- 初任給(短大卒・専門学校卒・高校既卒):短大卒206,600円/専修学校卒206,600円/高等学校卒201,300円
- 昇給/賞与:年1回(4月)/年2回(7月・12月)。諸手当は通勤手当、扶養手当、割増賃金など各種
- 勤務時間:9:00〜17:55(本社・支社など企画計画部門の場合)。その他、職場・職種により様々な勤務形態あり
- 休日/休暇:年間休日120日程度(職種により異なります)。年次有給休暇、配偶者出産休暇、慶弔休暇など
- 勤務地:九州内を基本とし(福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、鹿児島、宮崎)、東京にも支社。エリア限定制度あり(勤続年数等の条件あり)
- 試用期間:入社後3ヶ月。「試用期間中の異なる条件を定めているものはありません」
- 福利厚生:各種社会保険、寮・社宅、住宅援助金、財形貯蓄、企業型確定拠出年金、団体保険、互助会制度、従業員持株会、人間ドック受診費用補助 など
- 修学制度:海外及び国内大学院修学(MBA取得)、オンライン大学修学
修学制度に「海外及び国内大学院修学(MBA取得)、オンライン大学修学」が入っている点は、学歴に不安がある人にとって意味のある条件です。入社後に大学院や大学で学び直す道を、会社が制度として持っているということです。ただし利用の条件までは公開されていないので、そこは説明会で確認する項目になります。[1]
初任給の欄にある「※年齢により初任給の金額は異なります」という注記も、この会社の特徴とつながっています。年齢を問わずに採用する会社なので、年齢に応じて初任給が変わる仕組みになっている、と読めます。卒業から時間が経っている人にとっては、条件を確認しておきたい部分です。[1]
公開されている数字で、会社の輪郭をつかむ
| 項目 | 公開されている数値 |
|---|---|
| 初任給(大学卒) | 238,000円 |
| 初任給(大学院卒) | 252,600円 |
| 初任給(高専本科卒) | 218,500円 |
| 初任給(短大卒・専修学校卒) | 206,600円 |
| 年間休日 | 120日程度(職種により異なる) |
| 試用期間 | 3ヶ月 |
| 異動の頻度 | 概ね2年〜4年に一度異動する社員が多い(引っ越しを伴う転勤とは限らない) |
| 育児休職等取得率(2025年度) | 女性122.2%、男性113.1% |
| 介護休職 | 対象家族1人につき通算365日を限度 |
育児休職等取得率が100%を超えている理由は、会社が計算式を公開しています。「※育児休職等取得率=該当年度中に育児休職等を開始した従業員数/該当年度中に子供が産まれた従業員数」。前年度に子が生まれた人がその年度に取得を開始した場合などに、分子が分母を上回ります。会社が式まで書いているので、数字の意味を誤解せずに読めます。数字を見るときは、その数字が何をどう計算したものかを毎回確かめてください。[1]
もう1つ、会社は部活動についても書いています。「野球部応援団や吹奏楽団、よさこいチーム(JR九州櫻燕隊)等の部活動もあります」。会社の雰囲気を知る手がかりとして、口コミサイトを探す前に、まずこの記述を読んでください。[1]
30日でやること。大学名では動かない部分から埋める
ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。
- 1〜3日目:自分の学歴区分に合う募集要項を開く。四年制大学・大学院・高専は「大学卒・高専卒対象」、短大・専門学校・高校既卒は別のページ。どちらにも「就業経験の有無、年齢は問いません」と書かれている
- 4〜7日目:職種一覧から、興味のある系統を3つ選ぶ。各職種に「仕事の詳細はこちら」のリンクが用意されているので、上位2つは詳細まで読む
- 同じ週:マイページに登録してエントリーする。会社説明会の参加は選考に影響しないと明記されているので、日程が合わなくても先に進める
- 8〜14日目:勤務地の条件を自分の生活に当てはめる。九州7県が基本で東京にも支社。エリア限定制度があるが「勤続年数等一部条件」がある
- 15〜21日目:適性検査の練習を始める。選考の具体的な流れは公開されていないが、多くの会社と同様に準備が要る部分
- 22〜30日目:志望する系統に合わせて経験を1件書く。事務系統(乗務員)なら決まった手順を毎回同じ精度で回した場面、企画・計画なら人の動きを見て仕組みを変えた場面
志望動機も、公開されている事実から組み立てます。会社は不動産開発関連の仕事を「地域に根差した不動産デベロッパーとして、九州から未来のまちをデザインしていく仕事」と説明し、建築(不動産開発関連)では「九州内外での不動産開発」と書いています。鉄道会社が九州の外でも不動産を手がけている、という事実にどう反応したかを話すほうが、「九州が好きだから」より伝わります。[1]
採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容はすべて2026年9月9日にJR九州の公式採用サイトと各大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。自分の場合にどの系統が合うか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- JR九州 大学卒・高専卒対象 募集要項確認日:2026-09-09 / 募集対象(新卒・既卒、就業経験の有無と年齢を問わない)、系統別の職種一覧と仕事の説明、コーポレート部門への配属、初任給、昇給賞与、諸手当、勤務時間、休日休暇、福利厚生、新入社員研修、自己啓発、修学制度、よくある質問
- JR九州 採用情報確認日:2026-09-09 / 新卒採用・社会人採用・インターンシップの入口、トップメッセージ、まとめて早わかりJR九州、社員インタビュー、社会を支えるJR九州の仕事の各コンテンツ
- 福岡大学 就職データ確認日:2026-09-09 / 学部別の主な就職先。人文学部・法学部・経済学部・商学部・工学部・スポーツ科学部の欄に九州旅客鉄道(株)(JR九州)。令和8年3月31日現在/令和7年3月31日現在/令和6年3月31日現在の3年分に掲載
- 九州産業大学 理工学部 就職状況確認日:2026-09-09 / 電気工学科 主な就職先30社に九州旅客鉄道(株)
- 国士舘大学 体育学部 卒業後の進路確認日:2026-09-09 / 主な就職先に九州旅客鉄道。文学部・経営学部のページにも掲載。一覧の対象年度の明記はない
- 日本大学 令和5年度卒業生の主な就職先確認日:2026-09-09 / 国際関係学部の主な就職先に九州旅客鉄道(株)
- 近畿大学 産業理工学部 卒業生の進路・就職先確認日:2026-09-09 / 2025年度卒実績の主な就職先。電気電子工学科の欄に九州旅客鉄道
- JR九州 短期大学卒・専門学校卒・高等学校既卒対象 募集要項確認日:2026-09-09 / 短期大学・専修学校・高等学校既卒を対象とした募集対象(就業経験の有無と年齢を問わない)、職種一覧(鉄道員・車両・保線土木・電気鉄道システム・客室乗務員)、初任給、昇給賞与、諸手当