どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる
会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を一つずつ確認しています。かんぽ生命保険について、現時点で確認できたのは次の5つです。[4] [5] [6] [7] [8]
| 大学・学部・学科 | 掲載されている資料と欄 | 対象年度 |
|---|---|---|
| 国士舘大学 政経学部 | 就職実績「主な就職先」の政経学部の欄に「(株)かんぽ生命保険」 | 一覧自体に対象年度の明記なし |
| 亜細亜大学 法学部 法律学科 | 就職状況データ「主な就職先(過去2年)」金融業の欄に「かんぽ生命保険」 | 過去2年(2026年6月30日更新) |
| 帝京大学 文学部 | 進路・就職先状況「主な進路」に「かんぽ生命保険」 | 2024年度卒業生実績 |
| 大阪産業大学 経済学科 | 学科別就職実績の経済学科の欄に「㈱かんぽ生命保険」 | 一覧に年度の明記なし |
| 東京経済大学 経営学部 | 主要就職先リストの経営学部の欄に「かんぽ生命保険」 | 2025年度(2026年3月31日現在) |
| 大学・学部 | 資料 | 対象年度 | 人数 |
|---|---|---|---|
| 中央大学 全学部 | 2025年度卒業生の主な就職先(就職者7名以上の企業・機関) | 2025年度 | 14名 |
| 中央大学 法学部 | 同(就職者2名以上) | 2025年度(2026年4月9日現在) | 2名 |
| 中央大学 経済学部 | 同(就職者2名以上) | 2025年度(2026年4月9日現在) | 6名 |
| 中央大学 商学部 | 同(就職者2名以上) | 2025年度(2026年4月9日現在) | 4名 |
学部が政経・法・文・経済・経営とばらけています。生命保険の会社ですが、文学部からも入っています。次の節で見るとおり、募集要項に学部・学科を限定する記載はありません。[1] [6]
地域も関東と関西に分かれています。国士舘・亜細亜・帝京・東京経済は東京、大阪産業は大阪の大学です。かんぽ生命のエリア基幹職は全国を13の応募エリアに分けて募集していて、応募エリアは現在の住んでいる場所と関係なく選べます。どちらの地域からでも入口があります。[1]
なお、かんぽ生命保険は日本郵政グループに属する上場会社(証券コード7181)で、日本郵政・日本郵便・ゆうちょ銀行とは別の法人です。この記事で扱うのは、かんぽ生命保険そのものに社名が一致する行だけで、グループ他社の実績を混ぜていません。ただし新卒採用の入口は、グループ共通の採用サイトです。[1]
会社が学歴について書いていること(引用)
日本郵政グループの新卒採用サイトにある募集要項には、全職種共通の注意事項として次の記載があります。「厚生労働省の『公正な採用選考の基本』に則り、書類選考および人物試験を行います。本人に責任のない事項(例:出生地や家族に関すること)や思想信条にかかわることを尋ねて把握することはありません」。[1]
大学名や学部・学科についての記載はありません。会社が大学名をどう扱っているかは公開されていないので、そこは「公開されていない」が正確な答えです。ただし、応募できる学歴の範囲は具体的に書かれています。総合職は「2023年4月から2027年3月までに国内外の大学院・大学を修了・卒業(見込み)の方」、エリア基幹職は「2023年4月から2027年3月までに大学院・大学・短大・高専・専門学校(専門課程)を修了・卒業(見込み)の方」です。[1]
学位の扱いについても細かい注記があります。「独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が認定した省庁大学校(防衛大学校、防衛医科大学校、水産大学校、海上保安大学校、気象大学校、職業能力開発総合大学校、国立看護大学校)の卒業のみ、通常の大学院・大学の修了・卒業と同様に扱います」「短大専攻科・高専専攻科を修了し、学位を取得した場合は、大学卒業と同様に扱います」。[1]
就職活動の進め方に直接関わる記載もあります。「試験前に社内外で行われるセミナーやインターンシップ等各種イベントの参加の有無は合否判定には関係ありません」。インターンに行けなかったことが不利にならない、と会社が明言しています。[1]
もう1つ、かんぽ生命に固有の条件が書かれています。「かんぽ生命(エリア基幹職・総合職(アクチュアリー・クオンツ・デジタル・資産運用を除く))では、入社までに、業務に必要な運転免許を取得いただきます」。応募時に持っている必要はありませんが、入社までに取ることが求められます。[1]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある
「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。かんぽ生命の公開情報から特定できるのは次の4つです。
土俵1:卒業してから4年分、新卒の枠が開いている
応募資格の「2023年4月から2027年3月までに修了・卒業(見込み)」という書き方は、この会社を調べるうえでいちばん大きい事実です。2027年3月卒業見込みの人だけでなく、2023年・2024年・2025年・2026年に卒業した人も、同じ新卒の募集要項で応募できます。在学中の就職活動がうまくいかなかった人にとって、締切が実質的に4年分あるということです。エリア基幹職は短大・高専・専門学校(専門課程)の卒業者も対象に含まれます。[1]
土俵2:インターンに行けなかったことが不利にならない
募集要項が「セミナーやインターンシップ等各種イベントの参加の有無は合否判定には関係ありません」と明記しています。早い時期に情報を得られなかった人、授業や生活の事情で夏のインターンに参加できなかった人が、そこで差をつけられることはありません。会社は採用ポータルサイトで事業の説明も公開しているので、そこから情報を取れます。[1] [3]
土俵3:働く場所を、住んでいる場所と関係なく自分で選べる
募集要項には「ゆうちょ銀行及びかんぽ生命のエリア基幹職は全国を13の応募エリアに分けており、いずれも応募時にエリアを選択していただきます」「応募・配属エリアは現在の居住地と関係なく、会社・職種ごとに選択できます」と書かれています。さらに保険コンサルタントコースについては「かんぽ生命のエリア基幹職(保険コンサルタントコース)では、応募時に希望の勤務地の都道府県を選択していただきます」とあり、都道府県単位で選べます。勤務地の欄にも「※原則として、初期配属は希望の都道府県となります」と注記されています。地元で働きたい人にとって、これは非常に具体的な条件です。[1]
土俵4:会社と職種を併願できるので、応募の機会が1回で終わらない
注意事項に「応募会社・職種・コースは自由に選ぶことができます(1つでも複数でも結構です)」「会社・職種・コースは、一部を除き併願が可能です」とあります。かんぽ生命の総合職とエリア基幹職を両方見ることも、日本郵便やゆうちょ銀行と合わせて考えることもできます。総合職については「応募はグループ一括で受け付けますが、選考は応募者が希望する会社ごとに進めます」と書かれています。[1]
2つの採用区分と、コースの分かれ方
日本郵政グループの採用区分は「総合職」「地域基幹職・エリア基幹職」「一般職」の3つですが、かんぽ生命が募集するのは総合職とエリア基幹職の2つです。会社の説明では、総合職は「サービスや仕組みを自らつくり上げ、コントロールする職種」、エリア基幹職は主に「お客さまにサービスを提供する職種」とされています。[1] [2]
| 採用区分・コース | 採用予定数 | 勤務地 | 大卒初任給 |
|---|---|---|---|
| 総合職 | 約60名(うちアクチュアリー、クオンツ、デジタル、資産運用約15名) | 本社及び全国各地の事業所等 | 288,100〜322,670円 |
| エリア基幹職 保険コンサルタントコース | 約170名 | 応募エリア内の事業所(原則として初期配属は希望の都道府県) | 260,000〜291,200円 |
| エリア基幹職 企画管理・法人営業コース | 約65名 | 応募エリア内の事業所 | 260,000〜291,200円 |
総合職の仕事は、採用サイトで次のように説明されています。「総合職は保険業務の戦略的な計画立案や組織の運営管理を担っています。具体的には、保険商品の企画・開発、販売戦略の策定、営業ネットワークの構築・管理、営業支援、保険契約の管理、保険金支払い手続き、資産運用、リスク管理、法規制ヘの対応、コンプライアンスの確保、DXの推進などがあります」。[2]
エリア基幹職は2つのコースに分かれます。保険コンサルタントコースについては「主に応募エリア内の郵便局に設置されたかんぽサービス部で勤務します。かんぽサービス部では、高い専門性と高度なコンサルティング能力を身に付けて、個人のお客さまに寄り添いながら、将来設計について考え、ニーズをヒアリングすることで、様々なサービスを提供していくことが主な仕事です」。[2]
企画管理・法人営業コースは「主に応募エリア内の支店・エリア本部で勤務します。支店では、法人営業を通じて、経営者の抱える課題解決に向けた商品・サービスのご提案を行うほか、かんぽサービス部や代理店である郵便局への支援を通じて、お客さま本位の業務運営を行います。エリア本部では、リテール営業・法人営業の支援やエリア内の総務・人事など、幅広い領域での実務と企画等が主な仕事です」と説明されています。[2]
個人のお客さまに向き合う仕事なら保険コンサルタントコース、法人営業や企画・人事などの仕事なら企画管理・法人営業コース、という分かれ方です。採用予定は保険コンサルタントコースが約170名で、企画管理・法人営業コースの約65名より枠が大きくなっています。[1] [2]
応募できる条件と、公開されている待遇
- 総合職の応募資格:2023年4月から2027年3月までに国内外の大学院・大学を修了・卒業(見込み)の方
- エリア基幹職の応募資格:2023年4月から2027年3月までに大学院・大学・短大・高専・専門学校(専門課程)を修了・卒業(見込み)の方
- 初任給は月給制で、配属地域等によって異なると明記。総合職は大学卒288,100〜322,670円、修士学位取得293,300〜328,500円、博士学位取得296,900〜332,530円
- エリア基幹職は大学卒260,000〜291,200円、修士了262,400〜293,890円、短大・高専・専門卒257,200〜290,190円
- 総合職のグループ全体の採用予定数は約190名(日本郵政・日本郵便約30名、ゆうちょ銀行約100名、かんぽ生命約60名)
- エリア基幹職は全国13の応募エリアから、働きたいエリアを会社ごとに1つ選ぶ。保険コンサルタントコースは応募時に希望の勤務地の都道府県を選択
- 応募会社・職種・コースは自由に選べ、一部を除き併願が可能
- かんぽ生命のエリア基幹職と総合職(アクチュアリー・クオンツ・デジタル・資産運用を除く)は、入社までに業務に必要な運転免許を取得
総合職には専門コースが4つあります。アクチュアリーは「数理的な素養を活かし、数学、統計学等の高度な専門分野の知識を習得し、これをかんぽ生命の保険数理業務の中で活かせる方」、クオンツは「金融工学、数学、物理学、統計学、経済学、情報科学等の高度な専門分野の知識」、デジタルは「IT系の専門的素養を活かし、マーケティング、顧客行動心理、データサイエンス、情報技術等の知識」、資産運用は「資産運用部門を軸にしたキャリアを強く志望している方」です。4コースとも初期配属は本社(東京)の専門部署になります。[1]
資産運用コースの条件が「資産運用部門を軸にしたキャリアを強く志望している方」だけである点は、他の3コースと違います。数理や情報の専門知識を条件にしていないので、志望の強さと理由を説明できれば応募できる、と読めます。ここは専攻に関係なく挑戦できる枠です。[1]
初任給が幅を持って示されているのは、配属地域等によって異なるためだと会社が注記しています。他社と比べるときは、下限と上限のどちらで比べているのかを揃えてください。[1]
生命保険の会社を、公開されている数字で理解する
| 項目 | 公開されている数値 |
|---|---|
| 総資産額 | 約59.5兆円 |
| お客さま数 | 1,692万人(契約者および被保険者を合わせた人数。個人保険および個人年金保険を含み、受再している簡易生命保険契約を含む) |
| 保有契約件数(個人保険) | 1,881万件(受再している簡易生命保険契約を含む) |
| 従業員数 | 17,952人 |
| 郵便局(生命保険募集を行う郵便局の数) | 20,318局 |
| かんぽサービス部 | 626拠点 |
この数字の読み方を1つ。「お客さま数1,692万人」は日本の人口のおよそ8人に1人にあたります。ただし注記にあるとおり、これは契約者と被保険者を合わせた人数で、受再している簡易生命保険契約も含みます。数字を志望動機に使うときは、その数字が誰の何を指しているかまで確かめてから使ってください。[3]
もう1つ重要なのが「郵便局20,318局」という数字です。かんぽ生命の商品は、全国の郵便局で販売されています。会社の説明でも「全国の郵便局・かんぽサービス部を通じてご契約いただいた個人のお客さまと、本社・支店を通じてご契約いただいた法人のお客さまからお預かりした保険料を長期に運用し、万一の時のお支払いに備えています」とあります。自社の営業拠点だけでなく、郵便局という代理店網を通じて売る仕組みです。[2] [3]
エリア基幹職の保険コンサルタントコースが「郵便局に設置されたかんぽサービス部で勤務します」と説明されているのは、この仕組みのためです。かんぽサービス部626拠点という数字と、勤務地の説明が対応しています。[2] [3]
生命保険会社を志望するとき、他社と比べる軸をひとつ持っておくと理解が早くなります。かんぽ生命の場合、販売の経路が郵便局であること、簡易生命保険という前身の契約を受け継いでいることが、他の生命保険会社との大きな違いです。志望動機を書くときは、この違いから始めると具体的になります。[2] [3]
30日でやること。大学名では動かない部分から埋める
ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。
- 1〜3日目:募集要項の応募資格に自分の卒業年を当てはめる。2023年4月〜2027年3月の間に卒業(見込み)であれば、新卒の枠で応募できる。すでに卒業していても同じ
- 4〜7日目:総合職とエリア基幹職のどちらを軸にするか決める。エリア基幹職なら、保険コンサルタントコース(個人のお客さま)と企画管理・法人営業コース(法人営業・企画)のどちらかも選ぶ
- 同じ週:保険コンサルタントコースを選ぶなら、希望の勤務地の都道府県を決める。応募時に選択でき、原則として初期配属は希望の都道府県になると会社が書いている
- 8〜14日目:入社までに必要な運転免許について、取得の予定を立てる。エリア基幹職と一般の総合職は、入社までの取得が求められている
- 15〜21日目:採用ポータルサイトの「データで見るかんぽ生命」と事業の説明を読む。インターンに行っていなくても、ここで得られる情報は全員同じ
- 22〜30日目:保険コンサルタントコースの仕事の説明(個人のお客さまに寄り添いながら、将来設計について考え、ニーズをヒアリングする)を読み、自分が相手の事情を聞き取って提案した経験を1件、200字で書く
志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば「生命保険募集を行う郵便局が20,318局」という数字を知ったうえで、自分や家族が郵便局で受けた対応や、地域の郵便局が果たしている役割について話せるなら、それは自分の言葉で話せる出発点です。「安定しているから」では、他の誰が書いても同じ文章になります。[3]
採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容はすべて2026年9月9日に日本郵政グループの新卒採用サイト、かんぽ生命の採用ポータルサイト、各大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。自分の場合にどの職種が合うか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 日本郵政グループ 採用情報(募集要項)確認日:2026-09-09 / 2027年度の応募資格・採用予定数・勤務地・初任給、全職種共通の注意事項(公正な採用選考、インターン参加は合否判定に無関係、会社職種コースの併願、13の応募エリア、一般職の採用予定がない会社、省庁大学校等の学歴の扱い、入社までに必要な運転免許)、かんぽ生命の総合職専門コース4種の条件
- 日本郵政グループ 地域基幹職・エリア基幹職の仕事確認日:2026-09-09 / かんぽ生命のエリア基幹職2コース(保険コンサルタントコース/企画管理・法人営業コース)の勤務先と担当業務
- かんぽ生命 データで見るかんぽ生命確認日:2026-09-09 / 総資産額約59.5兆円、お客さま数1,692万人、保有契約件数(個人保険)1,881万件、従業員数17,952人、生命保険募集を行う郵便局20,318局、かんぽサービス部626拠点と各注記
- 国士舘大学 就職実績確認日:2026-09-09 / 「主な就職先」の政経学部の欄に「(株)かんぽ生命保険」。一覧自体には対象年度の明記なし
- 亜細亜大学 就職状況データ確認日:2026-09-09 / 法学部法律学科「主な就職先(過去2年)」金融業の欄に「かんぽ生命保険」。2026年6月30日更新
- 帝京大学 文学部 進路・就職先状況確認日:2026-09-09 / 「2024年度卒業生実績 主な進路」に「かんぽ生命保険」
- 大阪産業大学 学科別就職実績確認日:2026-09-09 / 経済学科の欄に「㈱かんぽ生命保険」
- 東京経済大学 主要就職先リスト確認日:2026-09-09 / 2025年度(2026年3月31日現在)。経営学部の欄に「かんぽ生命保険」
- 中央大学 2025年度卒業生の主な就職先(全学部・法学部・経済学部・商学部)確認日:2026-09-09 / 全学部は就職者7名以上の一覧で「かんぽ生命保険」14名。学部別(就職者2名以上、2026年4月9日現在)は法学部2名・経済学部6名・商学部4名