どの大学から入っているのか。語学と福祉の学群から入っている

会社は採用大学の一覧を公開していません。大学の側の資料で確認できたのは、次の2件です。同じ大学の、まったく違う2つの学群です。[4] [5]

IIJを就職先として掲載している大学(大学公式資料・2026年9月9日確認)
大学・学群掲載されている資料対象年度
桜美林大学 グローバル・コミュニケーション学群「グローバル・コミュニケーション学群の卒業生の主な就職先」の情報通信の欄に「インターネットイニシアティブ」2023〜2025年度卒業生実績
桜美林大学 健康福祉学群「健康福祉学群卒業生の業界別就職割合」に続く一覧の情報通信の欄に「インターネットイニシアティブ」2023〜2025年度卒業生実績
[4] [5]

グローバル・コミュニケーション学群は語学と国際コミュニケーションを学ぶ学群、健康福祉学群は桜美林大学の説明によれば「社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、幼稚園教諭、保健体育科教員などの各種免許や資格の取得を目指し」て学ぶ学群です。日本で最初のインターネット接続事業者として1992年にできた通信会社に、この2つの学群から入った人がいる。これは推測ではなく、大学が自分の名前で公開している一覧に書かれていることです。[4] [5]

ただしこの会社には、大学名の一覧より強い材料があります。会社が学部・学科・学位について何を書いているかです。[1]

会社が学歴について書いていること(引用)

総合職とビジネスサポート職、どちらの応募資格も同じ文で書かれています。「高等専門学校・4年制大学・または大学院に在学中の方で、文理を問わず全学部・全学科を募集対象としています。※職歴の無い既卒の方も対象となります」。[1]

よくあるご質問には、さらに踏み込んだ回答が3つあります。[1]

  • 「男女別、文理別で希望職種へのエントリーに制限はありますか?」→「性別・学部学科は不問で募集しています。性別を問わず文系のエンジニア職も、理系の営業職も多数活躍しています。」
  • 「学部卒、修士卒の違いはありますか?」→「学部・修士ともに採用への有利不利は一切ありません。」
  • 「大学での研究内容は選考に影響ありますか?」→「評価の対象になりますが、研究内容のみで合否を判断することはありません。サークル活動やアルバイトなどと同様に、取り組み方や成果について詳しくお聞きした上で評価いたします。」
[1]

2つ目についても補足します。技術系の会社を受けるとき「院卒でないと不利ではないか」と考える人は多いですが、IIJは「一切ありません」と書いています。初任給には学部卒280,000円、修士了305,667円、博士了336,000円と差がありますが、これは入社時の金額の差であって、採用の有利不利ではないと会社は分けて説明しています。[1]

一方で、会社が大学名を選考でどう扱っているかは公開されていません。「学歴フィルターがない」とまでは書けません。書かれているのは、学部・学科を問わないこと、学部と修士で有利不利がないこと、研究内容だけでは判断しないこと、職歴のない既卒も対象であることの4つです。[1]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある

選考のどこが大学名で動かないのかを、公開情報から特定します。

土俵1:OB・OG訪問の経路を、会社が選考の途中で閉じている

よくあるご質問の「OB・OG訪問をしたいのですが、紹介してもらえますか?」への回答はこうです。「社員の業務状況等の確認が必要ですので、人事部(recruit@iij.ad.jp)にご相談ください。ただし、選考(説明会等)に進んだ後は、選考の公平性を期すためご紹介できません」。つまり、選考が始まったら誰も先輩に会えません。先輩が多い大学が有利になる経路を、会社が自分で閉じているということです。しかも選考前の紹介依頼は、大学のつてではなく人事部が窓口です。[1]

土俵2:オンライン説明会が必須で、そこが情報の入口になる

会社は「当社の選考に参加いただくためには、会社説明会(オンライン)の参加が必須となっております」と書き、「説明会はすべてオンラインで実施します」としています。予約受付は「例年1〜3月ごろ」。全員が同じオンライン説明会から始まるので、都市部の大学にいるかどうかで情報量が変わりません。ここは日程を押さえた人が有利になる部分です。[1]

土俵3:総合職とビジネスサポート職で、入口が2つある

総合職は「希望や適性に基づいて、エンジニア・営業など採用時の職種に関連する部署に配属となります」。ビジネスサポート職は「ビジネスサポートだけで部署があるわけではなく、総合職のいる各部署に配属されます」で、勤務地は「東京本社、その他主要拠点(住居の移転を伴う配属・転勤はありません)」と明記されています。転勤がないことを条件にしたい人には、この違いが決定的です。ただし初任給は学部卒で総合職280,000円に対しビジネスサポート職213,000円と差があり、面接回数も総合職3回に対して2回です。条件が違うので、待遇と働き方の両方を見て選んでください。[1]

土俵4:入社後1か月は職種共通の研修から始まる

よくあるご質問の新入社員研修についての回答は「4月の1ヵ月間は職種共通の研修として皆さんが活躍するIIJという自社理解を深めていただくプログラムや、社会人として求められるビジネススキルやビジネスマナーを身に着けるプログラムがあります。加えてインターネットの仕組みなど、基本的な技術に関する知識も身に着けていただきます。5月に入るとそれぞれの職種に分かれた研修が始まっていきます」。インターネットの仕組みを入社後に教える前提です。文系でエンジニア職に応募する人が、入社前に技術を身につけていることを条件にしていない、と読めます。[1]

職種は6つ。文系のエンジニア職も理系の営業職もいると会社が書いている

会社が公開している職種
職種会社の説明にある仕事
サービス開発エンジニア自社ブランドのサービスを企画・開発・運用。技術の可能性と市場ニーズに基づきITサービスを企画し、ソフトウェア開発・大規模インフラ構築を経て実現。運用も担う
SE/PMシステムエンジニア/プロジェクトマネージャー。プロフェッショナルサービス本部や公共システム事業部などに配属される
営業金融システム事業部、公共システム事業部、第一事業部などに配属される
コーポレートスタッフ会社の基盤を支える部門
ビジネスサポート総合職のいる各部署に配属。住居の移転を伴う配属・転勤はない
[1] [6]

サービス開発エンジニアについては、開発環境まで公開されています。ネットワークエンジニアはLinux、VMware、Openstack、MPLSなど。クラウドエンジニアはAWS、Azure、GCP、Java、Python、Go、Ruby、JavaScript、docker。セキュリティエンジニアはLinux、Python、Java、Hadoop、Kafka、Kubernetesなど。「開発環境は部署によって異なります。上記の表は一例です」という注記付きです。志望する前に、自分が触ったことのある技術が並んでいるかを見ておくと、面接で話せる範囲がはっきりします。[6]

会社が挙げている「求める人物像」は6つです。能動姿勢(受け身の姿勢ではなく、当事者として、自ら考え素早く行動する)、やりぬく力、向上心、果敢さ(失敗を恐れず、物怖じせずに物事に挑戦する)、論理的説明力(受け手の立場を考慮した上で、自身の考えや意見を系統的に順序立てて説明することができる)、意思表示。会社は「全てに自信がなくとも、一つでも当てはまるものがあれば」と書いています。6つ全部に当てはまるように自分を作る必要はありません。[7]

社員インタビューには、入社年と入社区分(新卒/キャリア)と職種が明記されています。2002年入社の新卒入社のサービス開発エンジニアが副事業部長、2005年入社の新卒入社の営業が部長、2014年入社の新卒入社の営業が課長代行として掲載されています。新卒で入った人が管理職になっている例が、会社の掲載として確認できます。ただしこれは会社が選んで載せている人であって、新卒入社者の平均を示すものではありません。[2]

応募できる条件と、待遇

総合職とビジネスサポート職の条件(2026年9月9日時点の公開値)
項目総合職ビジネスサポート職
応募資格高等専門学校・4年制大学・大学院に在学中、文理を問わず全学部・全学科。職歴の無い既卒も対象同じ
採用予定人数技術職110名程度、営業職60名程度、スタッフ職10名程度20名程度
初任給(月例給与)博士了336,000円/修士了305,667円/学部卒280,000円。20時間分の時間外手当を含み、超過分は別途支給学部卒213,000円。固定残業代は含まず、残業時間に応じて時間外手当を支給
勤務地本社(東京都千代田区)、関西支社(大阪市)、名古屋支社、九州支社(福岡市)、北海道支店(札幌市)、東北支店(仙台市)、北信越支店(富山市)、中四国支店(広島市)東京本社、その他主要拠点。住居の移転を伴う配属・転勤はない
面接回数3回2回
[1]
  • 勤務時間:9:00〜17:30(昼休み12:00〜13:00)。部門によりフレックス勤務を導入
  • 休暇:完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始、年次有給休暇(初年度12日/年、最大20日/年)、特別休暇(アニバーサリー休暇、結婚、配偶者の出産、子の結婚、転勤時など)
  • 社宅:希望する新卒社員(総合職対象)は全員入居可能で、最大4年間、4万円/月
  • スキルアップ支援:TOEIC試験・国家資格・各種ベンダー資格取得支援(書籍購入や講習への補助あり)、英語研修、e-ラーニング
  • 退職金:企業型確定拠出年金制度・選択制の前払い退職金制度
  • 選考フロー:エントリー → オンライン説明会(必須) → 書類選考(エントリーシート・選考アンケート、通過後にWebの適性検査) → オンライン面接(総合職2回、ビジネスサポート職1回) → 最終面接(役員もしくは本部長1名と人事責任者1名と対面。ビジネスサポート職は人事責任者のみ) → 内定
[1]

既卒については、応募資格の注記に「職歴の無い既卒の方も対象となります」とある一方、よくあるご質問では「ご卒業年度、卒業後のご経歴を伺った上での判断となりますので、人事部(recruit@iij.ad.jp)にご相談ください」となっています。卒業から何年までという線は公開されていないので、当てはまる人は推測せず人事部に問い合わせてください。[1]

公開されている数字。何を指す数字かを添えて読む

会社が公表している数字(2025年3月末現在)
項目公開されている数値
名称株式会社インターネットイニシアティブ(Internet Initiative Japan Inc.)
設立年月日1992年12月3日
資本金230億3,700万円(単体)
従業員数連結5,221名/単体2,971名
本社東京都千代田区富士見 飯田橋グラン・ブルーム
上場東京証券取引所プライム市場(2022年4月4日移行、証券コード3774)
主要株主NTT株式会社/NTTドコモビジネス株式会社、KDDI株式会社、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、鈴木幸一
事業内容インターネット接続サービス、WANサービス及びネットワーク関連サービスの提供、ネットワーク・システムの構築・運用保守、通信機器の開発及び販売
[3]

従業員5,221名は連結でグループ会社を含み、単体は2,971名です。総合職180名程度とビジネスサポート職20名程度で合計200名程度を採る計画なので、単体2,971名に対して1年で7%弱にあたる人数を新卒で入れる計算になります。ただしこれは公表値どうしを並べた比較であって、会社が「新卒比率」として公表している数字ではありません。[1] [3]

主要株主にNTT、KDDI、伊藤忠テクノソリューションズが並んでいる点も、会社の位置を知るうえで重要です。独立系のベンチャーとして1992年に創業した会社ですが、現在は大手通信会社が株主に入っています。会社は歴史のページで、1993年に日本初のインターネット接続サービスを開始し、1999年に日本の未上場企業として初めて米国ナスダック市場に上場、2006年に東証一部にも上場したと説明しています。[3]

30日でやること。まずオンライン説明会の日程を押さえる

ここまでの内容を行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。

  1. 1〜2日目:総合職とビジネスサポート職のどちらで受けるかを決める。総合職は勤務地が全国8拠点で初任給が高く面接3回、ビジネスサポート職は転勤がなく初任給が低く面接2回。転勤の有無を条件にするかどうかが最初の分かれ目
  2. 3日目:IIJ専用MyPageにエントリーする。選考には会社説明会(オンライン)への参加が必須で、その予約はMyPageからしかできない。予約受付は例年1〜3月ごろ
  3. 4〜7日目:総合職なら、サービス開発エンジニア・SE/PM・営業のどれを希望するかを決める。選考時に選ぶ必要がある。迷ったら人事部に相談してよいと会社が書いている
  4. 8〜14日目:職種紹介のページにある開発環境の表を見る。自分が授業やアルバイトで触ったことのある技術(Linux、Python、AWS、JavaScriptなど)が並んでいるか確かめる。1つでもあれば、面接で話せる
  5. 15〜21日目:Web適性検査の練習を始める。書類選考の通過後にWebで実施されると会社が書いている。時間を計った演習にする
  6. 22〜30日目:エントリーシートに書く経験を1件仕上げる。会社は研究内容とサークル活動とアルバイトを同じ扱いにすると書いているので、研究でなくてよい。求める人物像6つ(能動姿勢/やりぬく力/向上心/果敢さ/論理的説明力/意思表示)のうち、自分が本当に当てはまる1つを選んで、その場面を書く

志望動機も、公開されている事実から組み立てられます。たとえばこの会社が1992年に日本で最初のインターネット接続事業者として創業し、いまはモバイル通信からセキュリティ、データセンターまで手がけていることを読んだうえで、自分が日常で「通信が止まって困った」場面を思い出したなら、それは自分の言葉で話せる出発点です。「日本初の会社だから」では、他の誰が書いても同じ文章になります。[3]

採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容は、すべて2026年9月9日にIIJの公式採用サイトと桜美林大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。自分の場合にどの職種が合うか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. IIJ 採用サイト 新卒採用 募集要項確認日:2026-09-09 / 総合職とビジネスサポート職の応募資格・採用予定人数・勤務地・初任給・勤務時間・休暇・福利厚生、会社説明会の必須参加、選考フロー、よくあるご質問(学部学科不問、学部卒と修士卒の有利不利、研究内容の扱い、既卒、OB・OG訪問、新入社員研修、社宅)
  2. IIJ 採用サイト 新卒採用確認日:2026-09-09 / 新卒採用の入口。職種紹介・新卒の声・インターンシップ・募集要項・座談会への案内と、社員インタビューの一覧(入社年・新卒/キャリアの別・職種・役職)
  3. IIJ 採用サイト IIJとは確認日:2026-09-09 / 経営理念、IIJの歴史(1992年の創業、1993年の日本初のインターネット接続サービス開始、1999年の米国ナスダック上場、2006年の東証一部上場)、企業概要(2025年3月末現在の名称・本社所在地・設立年月日・資本金・従業員数・事業内容・上場証券取引所・主要株主)
  4. 桜美林大学 グローバル・コミュニケーション学群 卒業生の進路確認日:2026-09-09 / 卒業生の主な就職先(2023〜2025年度卒業生実績)の情報通信の欄にインターネットイニシアティブ
  5. 桜美林大学 健康福祉学群 卒業生の進路確認日:2026-09-09 / 業界別就職割合(2023〜2025年度卒業生実績)に続く一覧の情報通信の欄にインターネットイニシアティブ。学群で目指す資格の説明も掲載
  6. IIJ 採用サイト 職種紹介確認日:2026-09-09 / サービス開発エンジニア・SE/PM・営業・コーポレートスタッフ・ビジネスサポートの職種区分、サービス開発エンジニアの仕事の流れと社員の特徴、職種別の開発環境の一例
  7. IIJ 採用サイト 求める人物像確認日:2026-09-09 / 行動指針(チャレンジ・好奇心・情熱・責任感・尊重)と、求める人物像6つ(能動姿勢・やりぬく力・向上心・果敢さ・論理的説明力・意思表示)

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