どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる

会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を1件ずつ確認しています。フジミインコーポレーテッドについて、現時点で確認できたのは次の3大学です。[12] [13] [14]‌‌‌​​​‌​‌​‌‌​​​‌​​‌‌​​‌​​​​​​‌​‌​​​​​‌‌​‌​‌​‌​‌‌‌​‌​​​‌‌​‌‌‌​‌​‌

フジミインコーポレーテッドを就職先として掲載している大学(大学公式資料。確認日は出典欄に1件ずつ)
大学・学部(研究科・専攻)掲載されている資料と見出し資料が示す対象年度
名古屋商科大学(全学の一覧)「業種別就職先一覧(株式会社等は省略)」に「フジミインコーポレーテッド」一覧に年度の記載なし
愛知工業大学 大学院 工学研究科 材料化学専攻「主な進路・就職先一覧(大学院博士前期課程)」の材料化学専攻の欄、メーカー(窯業・土石・セラミックス・ガラス)に「株式会社フジミインコーポレーテッド」2026年3月卒
日本福祉大学(全学の一覧)「就職実績(一部、内定実績含む)」の一般企業の一覧に「株式会社フジミインコーポレーテッド」2026年3月卒業実績
[12] [13] [14]

名古屋商科大学は経営系、日本福祉大学は福祉系の大学です。半導体の材料メーカーでも、化学系の大学院だけから人が入っているわけではないことが、大学の公式資料から分かります。[12] [14]

会社が学歴・専攻について書いていること(引用)

採用サイトの座談会のひとつは、専門分野の違う研究開発職の社員を集めたものです。そのリードにこう書かれています。「フジミの研究開発職では、学生時代の専門分野を限定せず、基礎的な化学の知識を持つ方を幅広く受入れています。」続けて、既存事業に近いコロイド・界面化学や高分子化学だけでなく、有機合成化学、物性・量子化学、薬学、生物・資源環境工学の出身者も多数活躍していると書かれています。[6]

学部卒で研究開発職に入った社員の話

社員インタビューには、学部卒で研究開発職に入った社員が登場します。本人はこう話しています。「もともと私は学部卒での就職で、研究開発に携われる仕事を希望していました。」そして当時のフジミについて「フジミは当時から学部卒、大学院卒等、学歴を問わずに研究開発に関心の高い学生の採用に積極的でした。」と振り返っています。これは社員個人の話で、会社の応募資格として書かれたものではありません。[7]

品質管理の仕事をしている別の社員は、入社後に多くのスキルを身につけたと話し、研修制度が充実しているので基本的な化学知識があれば、どの専門分野の出身でも入社後に活躍できると思う、と語っています。[8]

入社時に職種が決まる

同じ座談会で、社員の一人は志望理由として、職種別採用をしていたことを挙げています。大手化学メーカーでは総合職で入社してから職種が決まる企業も多いが、フジミは入社時の職種が決まっているので、自分のやりたいことが確実にできると思った、という話です。[6]

大学名を選考でどう扱っているかは公開されていないので、そこは「分からない」が正確です。

大学名で差がつかない土俵と、公開情報から分からないこと

「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。フジミが公開している情報から言えるのは、次の2つです。

土俵1:専攻の一致より、化学の基礎

研究開発職は学生時代の専門分野を限定しないと会社が書いています。自分の研究が研磨材に直接つながっていなくても、基礎的な化学の知識があるかどうかが入口になります。[6]

土俵2:職種を決めて入る

入社時の職種が決まる採用なので、なぜその職種なのかを自分の言葉で説明できることが、大学名よりも先に問われる形です。[6]

会社の中身:半導体の研磨材で世界シェア

事業紹介の頁は「当社は、国産初の精密人造研磨材メーカーとして創業し」と始まります。主力はシリコンウェハー向けの研磨材で、ラッピング材と最終仕上げ用ポリシング材について、それぞれ約9割の世界シェアを持つと書かれています。半導体のCMPという工程でも「トランジスタ素子形成工程で世界シェア58%、多層配線工程で同10%を占めています。」とあります。[3]

数字で見るフジミの頁では、主力商品の世界シェアを84%と示し、「特に主力の半導体の基板であるシリコンウエハーの製造工程で用いられる研磨材で、世界シェア84%を誇っております。」と書いています。事業紹介の約9割とは対象の切り方が違う可能性があり、どちらが正しいとは言えないので、両方を載せておきます。[2] [3]

歴史の頁によると、創業者の越山照次が1950年に愛知県名古屋市で不二見研磨材工業所を設立したのが始まりで、1967年に国産初の研磨スラリーを商品化しています。企業使命は「高度産業社会の期待に新技術で応え、地球に優しく、人々が快適に暮らせる未来の創造に貢献します。」です。[4] [5]

会社概要(採用サイトより)
項目会社の記載
資本金4,753,438,500円
従業員数連結1,305名、単体911名(2026年3月期)
売上高694億400万円(2026年3月実績)
経常利益141億6900万円(2026年3月実績)
上場東証プライム・名証プレミア上場
本社愛知県清須市
[9]

働く環境として公開されていること

新卒の給与などは公開されていませんが、福利厚生の頁には具体的な制度が書かれています。社員食堂は「会社が食費の一部を補助しており、個人負担額は1食180円で昼食を摂ることができます。」とあります。住まいについては「実家を起算とし、通勤時間が1.5時間以上の方を対象に家賃補給金として月額4万円を支給する制度です。」と書かれ、入社に伴う引越し費用の補助もあります。[10]

休暇では、有給休暇とは別に半年ごとに1日、年に2日取れるメモリアル休暇があります。育児休暇は子供一人につき1年半(延長制度あり)です。[10]

会社が公開している数字

数字で見るフジミ
項目数値
研究開発人員比率31.5%
対売上高研究開発投資比率8.4%
主力商品世界シェア84%
海外売上高比率78.0%
営業利益率19.9%
自己資本比率69.1%
保有特許件数(2026年3月時点・グループ)1,548件(国内558件、海外990件)
離職率(定年退職を除く)2.1%
年間休日127日
月平均所定外労働時間22.9時間
育児休暇取得率(男性)72.5%
[2]

研究開発人員比率31.5%は、社員のおよそ3人に1人が研究開発職ということです。営業利益率については、日本の製造業の平均5.6%(2024年実績)に対して11年連続で10%以上だと書かれています。応募者数や新卒の採用人数は公開されていないので、倍率は計算できません。[2]

明日からできること

  • 採用サイトの座談会を開いて、研究開発職が学生時代の専門分野を限定しないと書かれていることを確かめる
  • 自分の化学の基礎がどこまであるかを整理しておく。専攻が研磨材と一致していなくてよい
  • 入社時に職種が決まる採用なので、どの職種を選ぶかと、その理由を先に決めておく
  • 新卒の募集要項・初任給・選考の流れは、エントリーして新卒採用マイページで確かめる
  • キャリア採用の求人に書かれた応募資格や年収を、新卒の条件と取り違えない
  • 大学の資料で探すときは「フジミック埼玉」(別会社)と取り違えない
[1] [6] [11]

この記事に書いたのは、会社が自分で公開している文書と、大学が自分で公開している進路資料だけです。どちらも今日この時点で誰でも開けます。出典はすべて下に並べてあるので、気になったところは自分で開いて確かめてください。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. フジミインコーポレーテッド 採用サイト トップ確認日:2026-09-11 / 新卒採用のエントリーの入口(ENTRY)。新卒の募集要項・初任給・選考の流れは公開ページに無い
  2. フジミインコーポレーテッド 数字で見るフジミ確認日:2026-09-11 / 研究開発人員比率31.5%、対売上高研究開発投資比率8.4%、主力商品世界シェア84%、海外売上高比率78.0%、営業利益率19.9%、自己資本比率69.1%、保有特許件数、離職率2.1%、年間休日127日、月平均所定外労働時間22.9時間、男性の育児休暇取得率72.5%。数値はページを開くと動いて表示される作りで、ページに書き込まれた値を取得記録の末尾に残している
  3. フジミインコーポレーテッド 事業内容確認日:2026-09-11 / 「当社は、国産初の精密人造研磨材メーカーとして創業し」、ラッピング材・ポリシング材でそれぞれ約9割の世界シェア、「トランジスタ素子形成工程で世界シェア58%、多層配線工程で同10%を占めています。」
  4. フジミインコーポレーテッド ヒストリー確認日:2026-09-11 / 1950年に不二見研磨材工業所を設立(創業)、1967年に国産初の研磨スラリー
  5. フジミインコーポレーテッド 目指したい姿確認日:2026-09-11 / 企業使命「高度産業社会の期待に新技術で応え、地球に優しく、人々が快適に暮らせる未来の創造に貢献します。」
  6. フジミインコーポレーテッド 異分野座談会確認日:2026-09-11 / 「フジミの研究開発職では、学生時代の専門分野を限定せず、基礎的な化学の知識を持つ方を幅広く受入れています。」、入社時の職種が決まっている職種別採用についての社員の発言
  7. フジミインコーポレーテッド 社員インタビュー(先端技術研究所)確認日:2026-09-11 / 「もともと私は学部卒での就職で、研究開発に携われる仕事を希望していました。」「フジミは当時から学部卒、大学院卒等、学歴を問わずに研究開発に関心の高い学生の採用に積極的でした。」(社員個人の話)
  8. フジミインコーポレーテッド 社員インタビュー(品質管理部)確認日:2026-09-11 / 研修制度が充実しており、基本的な化学知識があればどの専門分野の出身でも入社後に活躍できるという社員個人の話
  9. フジミインコーポレーテッド 会社概要確認日:2026-09-11 / 資本金、従業員数(連結1,305名・単体911名、2026年3月期)、売上高694億400万円、経常利益141億6900万円、東証プライム・名証プレミア上場、本社
  10. フジミインコーポレーテッド 福利厚生確認日:2026-09-11 / 「会社が食費の一部を補助しており、個人負担額は1食180円で昼食を摂ることができます。」、「実家を起算とし、通勤時間が1.5時間以上の方を対象に家賃補給金として月額4万円を支給する制度です。」、メモリアル休暇、育児休暇1年半
  11. フジミインコーポレーテッド キャリア採用確認日:2026-09-11 / 中途採用(経験者)向けの頁。「半数以上の従業員がキャリア入社者である弊社では、キャリア・新卒の区別や垣根なく、専門性・経験を活かし、ご活躍頂くことが可能です。」。個別求人の応募資格・年収は新卒向けではない
  12. 名古屋商科大学 キャリア確認日:2026-09-10 / 「業種別就職先一覧(株式会社等は省略)」にフジミインコーポレーテッド。一覧に年度の記載はない
  13. 愛知工業大学 主な進路・就職先一覧(大学院博士前期課程)2026年3月卒確認日:2026-09-11 / 工学研究科 材料化学専攻の欄に株式会社フジミインコーポレーテッド(専攻名の位置は紙面の組み方で確認)
  14. 日本福祉大学 就職実績確認日:2026-09-11 / (2026年3月卒業実績)の「就職実績(一部、内定実績含む)」、一般企業の一覧に株式会社フジミインコーポレーテッド

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