どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる
会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を確認しています。アズビルについて、現時点で確認できたのは1大学です。[3]
| 大学・学部 | 掲載されている資料 | 対象年度 |
|---|---|---|
| 大阪経済大学 経済学部 | 就職データ「主な就職先(抜粋)」経済学部の掲載画像に「アズビル株式会社」 | 2026年3月卒業生実績 |
同じ掲載画像には、アズビルの説明として大学側が付けた「独立系制御・自動化機器大手」という一文も添えられています。掲載されているのは経済学部で、理系の学部ではありません。次の節で引く募集要項を読むと、これが例外でないことが分かります。[1] [3]
会社が学歴について書いていること(引用)
アズビルの新卒・第二新卒の募集要項には、「募集学科」の欄が理系と文系で分けて書かれています。「理系/電気、電子、通信、計測、制御、情報、機械、精密、応物、環境、化工、建築ほか」「文系/全学部全学科」。理系については分野が列挙されていますが、文系については学部学科の条件がありません。[1]
大学名についての記述はありません。会社が大学名をどう扱っているかは公開されていないので、そこは「分からない」が正確です。ネット上にある大学別のランキングは、会社が出したものではありません。[1]
求める人物像は3つの言葉で書かれています。「チームワーク:他者を尊重しつつ、自分の意見も伝えながら、目標達成できる人」「チャレンジ:課題を自ら発見し、周囲を巻き込み、変革できる人」「ダイバーシティ:多様な価値観を受け入れ、広い視点で物事を考えられる人」。専門知識も資格も学校名も入っていません。面接で語るべき経験がどんな種類のものかは、ここから逆算できます。[1]
外国籍の学生についても「国籍に関わらず、応募いただくことが可能です。選考は原則、日本語となります」と書かれています。[1]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある
「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。アズビルの公開情報から特定できるのは次の4つです。
土俵1:採用実績が3年分、人数まで公開されている
募集要項の「採用実績」の欄に、2024年卒115名(2023年10月入社含む)、2025年卒111名(2024年10月入社含む)、2026年卒124名(2025年10月入社含む)と書かれています。3年とも110〜120名台で、増減が小さい。枠の大きさを推測ではなく会社の数字で確かめられるので、「今年は採らないかもしれない」という不安に時間を使わずに済みます。[1]
土俵2:選考の8段階が全部公開されている
選考の流れは「マイページ登録 → 会社説明会に参加 → エントリーシート提出 → 人事インタビュー → 適性検査 → ジョブマッチング → 役員面談 → 内々定」の8段階です。適性検査が3段階目の面談のあとに置かれていること、そのあとに「ジョブマッチング」という職種を決める段階があることまで分かります。準備の順番を、推測ではなく会社の記載から決められます。[1]
土俵3:職種別採用。ただし1職種しか受けられない
募集要項の職種欄には「※職種別採用」と明記されています。募集職種は研究開発、製品開発、生産技術、セールス(技術営業)、システムエンジニア、プロジェクトエンジニア(施工管理)、スタートアップエンジニア(調整技術)、メンテナンス、そして「グローバル企業としてのコーポレート業務(経営企画・経理財務・広報・人事・海外子会社支援、など)」。ただし採用Q&Aは「複数の職種を同時に受けられますか?」に「1職種のみのご応募となります」と答えています。選べるかわりに、1つに絞る必要があります。[1]
土俵4:10月入社という、もう1つの入口がある
エントリーの案内は「27卒エントリー(2026年10月・2027年4月入社希望の方)」「28卒エントリー(2027年10月・2028年4月入社希望の方)」と書かれています。採用Q&Aも「海外大学/留学によって3月末以外に卒業するケースについては10月入社など柔軟に対応します」と答えています。卒業が3月でない人にとって、これは条件そのものが違うということです。[1]
職種の一覧。文系から出せるのはどこか
| 職種 | 会社の説明・区分 |
|---|---|
| 研究開発/製品開発/生産技術 | 理系(電気、電子、通信、計測、制御、情報、機械、精密、応物、環境、化工、建築ほか)が募集学科に挙げられている領域 |
| セールス(技術営業) | 「仕事を知る」で説明されている職種。技術営業という名称のとおり、製品知識を使って顧客に提案する仕事 |
| システムエンジニア/プロジェクトエンジニア(施工管理)/スタートアップエンジニア(調整技術)/メンテナンス | 建物や工場の設備を、設計から現場での調整・保守までつなぐ職種群 |
| グローバル企業としてのコーポレート業務 | 経営企画・経理財務・広報・人事・海外子会社支援など。募集学科の「文系/全学部全学科」が主にここに対応する |
アズビルの事業は、公式サイトで3つに分けて説明されています。大規模建物の空調自動制御などを扱う「ビルディングオートメーション事業(BA事業)」、工場やプラントの生産設備の自動化を扱う「アドバンスオートメーション事業(AA事業)」、住宅の全館空調やガス・水道メーター、医薬品市場向けの装置を扱う「ライフオートメーション事業(LA事業)」です。創業は1906年で、創業者の「日本の勤労者を苦役から解放したい」という志が起点だと会社は書いています。職種名だけを見ると理系寄りに見えますが、募集学科の欄で文系が「全学部全学科」とされている以上、応募の可否は職種名の印象では決まりません。[1] [2] [4]
入社後の異動についても書かれています。「入社後に職種の変更を伴う異動が発生する可能性もございます。また、毎年行うキャリア面談の中で異動希望を上司へ申告する機会がございます」。最初に選んだ職種が一生続くわけではない、というのが会社の説明です。[1]
応募できる条件と、公開されている待遇
- 初任給は修士了344,190円、学部卒321,600円、高専卒295,290円(いずれも月給制)
- 手当は家族手当、勤務地手当、時間外手当(全額支給)
- 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(6月・12月)の業績連動賞与
- 試用期間は入社後3か月。「試用期間中有給休暇無、他の労働条件は試用期間終了後と同様」
- 勤務地は本社および各事業所(東京本社、神奈川(研究開発・生産拠点)、札幌、仙台、名古屋、大阪、博多、他)
- 勤務時間は7時間55分(昼休憩45〜50分)。勤務時間例として8:30〜17:10、9:00〜17:40が挙げられている
- 年間休日は129日(2026年度)
- 提出書類はエントリーシート、成績証明書、卒業見込証明書、健康診断書、入社申込書(履歴書に相当)
- 選考は全てオンラインで実施すると採用Q&Aに記載。「海外からの選考参加も可能です」
提出書類に「健康診断書」が入っている点は、早めに確認しておく価値があります。大学の健康診断を受けそこねていると、選考の途中で慌てることになります。学校の日程を先に調べておいてください。[1]
公開されている数字で、会社の輪郭をつかむ
| 項目 | 公開されている数値 |
|---|---|
| 採用実績 | 2024年卒115名/2025年卒111名/2026年卒124名(いずれも前年10月入社を含む) |
| 平均勤続年数 | 19.9年(男性19.9年、女性19.6年)※2025年度 |
| 平均年齢 | 46.0歳(男性45.8歳、女性46.5歳)※2025年度 |
| 平均有給休暇取得日数 | 16.6日 ※2025年度 |
| 育休取得者数 | 102名(男性82名、女性20名)※2025年度 |
| 年間休日 | 129日(2026年度) |
平均勤続年数19.9年、平均年齢46.0歳という数字は、長く働く人が多い会社だということを示しています。ただしこれは全社員の平均であって、新入社員が20年働くという約束ではありません。数字を見るときは、その数字が誰の何を指しているかを毎回確かめてください。[1]
育休取得者102名のうち男性が82名という内訳も、家庭を持ってから働き方を変えられるかを考えるときの材料になります。制度があることと使われていることは別なので、実際の取得者数が出ている会社は判断しやすいほうです。[1]
30日でやること。大学名では動かない部分から埋める
ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。
- 1〜3日目:募集要項の「募集学科」の欄を開き、自分が理系の列挙に入るか、文系の「全学部全学科」に入るかを確認する。ここで応募できるかどうかが決まる
- 4〜7日目:職種の一覧を読み、1つに絞る。複数の職種を同時に受けることはできない
- 同じ週:マイページに登録する。会社説明会・面接の案内は「全てマイページからご連絡します」と書かれている
- 8〜14日目:大学の健康診断の日程を調べる。提出書類に健康診断書が入っている
- 15〜21日目:適性検査の対策を始める。選考の流れでは人事インタビューのあとに置かれているので、面接の準備と並行して進める必要がある
- 22〜30日目:求める人物像の3つの言葉(チームワーク・チャレンジ・ダイバーシティ)に、自分の経験を1つずつ当てはめて書く。「他者を尊重しつつ、自分の意見も伝えながら、目標達成できる人」に当てはまる場面が自分にあったかを、具体的に思い出す
志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば「平均勤続年数19.9年」という数字を読んで、自分が腰を据えて技術を身につけたいと考える理由を書く。あるいは、ビルや工場の設備を支える仕事が、誰の何を守っているのかを自分の言葉で説明する。「安定していそうだから」では、他の誰が書いても同じ文章になります。[1]
採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容はすべて2026年9月9日に公式サイトと大阪経済大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。自分の場合にどの職種が合うか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- アズビル 採用サイト 新卒採用 募集要項確認日:2026-09-09 / 職種と職種別採用、募集学科(文系は全学部全学科)、採用実績3年分、提出書類、初任給、勤務地、勤務時間、年間休日、雇用管理状況、選考の流れ、採用に関するQ&A
- アズビル 採用サイト 仕事を知る確認日:2026-09-09 / 職種ごとの仕事の流れと内容についての会社の説明
- 大阪経済大学 就職データ確認日:2026-09-09 / 2026年3月卒業生実績。経済学部の主な就職先(抜粋)の掲載画像にアズビル株式会社
- アズビル 採用サイト 事業を知る確認日:2026-09-09 / 創業の経緯と、BA事業・AA事業・LA事業の3つの分野についての会社の説明
- 大阪経済大学 経済学部の主な就職先掲載画像確認日:2026-09-09 / 就職データページの経済学部欄の画像。アズビル株式会社の名前と「独立系制御・自動化機器大手」の説明