3学科では、就職と進学の割合が大きく異なる
宇都宮大学地域デザイン科学部の公式進路案内では、2024年度の就職率は100%です。分母は就職希望者であり、卒業者全員が就職したという意味ではありません。建築都市デザイン学科などでは進学する学生も多いため、学科ごとに確認しましょう。[1]
| 学科 | 卒業者 | 就職者 | 卒業者の進路図 |
|---|---|---|---|
| コミュニティデザイン | 52人 | 48人 | 就職92%・進学2%・その他6% |
| 建築都市デザイン | 45人 | 16人 | 就職36%・進学56%・その他9% |
| 社会基盤デザイン | 39人 | 24人 | 就職62%・進学36%・その他3% |
割合は整数に丸められているため、合計が100%にならない学科があります。また、同じ公式ページには大学院博士前期課程の業種図もあります。本記事の表は学部卒業者の進路であり、大学院の実績を混ぜていません。[1]
進学の多さを就職の弱さと読み替える必要はありません。自分が学部卒で応募するのか、専門を深めてから応募するのかによって、参照する実績を選びましょう。
地域の仕事を、社会の仕組み・建築・社会基盤から考える
地域デザイン科学部は、コミュニティデザイン、建築都市デザイン、社会基盤デザインの3学科で構成されています。地域課題を発見・分析し、解決策を考えるため、文系と理系の学びを組み合わせる点が特徴です。[2]
| 学科 | 公式に紹介される学び | 進路検討の問い |
|---|---|---|
| コミュニティデザイン | 公共政策、地方自治、経済、文化、観光、福祉等 | 地域の制度や活動、人の暮らしにどう関わりたいか |
| 建築都市デザイン | 建築、居住環境、都市、防災・減災、エネルギー等 | 建物や都市のどの課題を、どの立場から扱いたいか |
| 社会基盤デザイン | 土木工学、建設技術、防災マネジメント等 | 暮らしを支える基盤の計画・整備・維持にどう関わりたいか |
「まちづくりに関わりたい」という希望だけでは、職種を決めにくいことがあります。住民の意見を調べる、施策を考える、空間を設計する、安全性を検討するなど、自分が取り組みたい仕事の中身まで分けて考えましょう。
公務・建設・サービスなど、学科別の業種を読む
| 学科と対象 | 業種図の主な割合 |
|---|---|
| コミュニティデザイン:就職48人 | 公務33%、サービス19%、金融・保険13% |
| 建築都市デザイン:就職16人 | 建設44%、サービス25%、公務13% |
| 社会基盤デザイン:就職24人 | 公務58%、建設・製造・運輸郵便・サービスは各8% |
ここに挙げた割合は就職者を対象にした業種構成で、卒業者全員の割合ではありません。とくに就職者が少ない学科では、少人数の違いで割合が動くため、単年度の数字だけで優劣を決めないようにしましょう。
公務に就職した人の割合から、全員が同じ採用区分だったとは分かりません。建設やサービスという業種名からも、設計、施工管理、調査等の担当職種までは確定できません。具体的な仕事は募集要項や説明会で確認します。
大手企業を検討するときも、企業の規模と仕事内容を分けて比べましょう。地域の企業や自治体を含め、担当業務、勤務地、必要な専門、働き方を並べると、自分が重視する条件が見えやすくなります。
3年次の地域プロジェクト演習を、調査と提案の経験にする
3年次必修の地域プロジェクト演習では、地方自治体や民間企業等と連携し、3学科を横断する学生チームで栃木県内の地域課題に取り組みます。調査・分析、発表、協働の力を養うための学部共通の学びです。[2]
応募書類では、活動のテーマや連携した相手の名前だけでなく、自分がどの情報を集め、何を判断し、提案のどこを担当したかを整理します。チーム全体の成果と自分の役割を区別してください。
| 段階 | 書き出す内容 |
|---|---|
| 課題 | 誰がどんな状況に困っていたか |
| 調査 | 現地観察、資料、聞き取り等の方法 |
| 分析 | 当初の考えと違ったこと、根拠の限界 |
| 協働 | 異なる専門や意見をどう調整したか |
| 提案 | 比較した案と、選んだ理由 |
| 振り返り | 相手の反応、修正、残った課題 |
編集部の架空の例:「現地を歩いて気づいたことと、聞き取りで挙がった困りごとが異なりました。調査した時間帯や対象を確認し、追加で確かめる事項を整理してから提案を見直しました」。自分の経験に置き換えるための例です。
提案を発表したことと、自治体や企業が実際に採用・実施したことは別です。実施や効果を確認していない場合は、提出・発表・意見を受けた段階までを正確に説明しましょう。
コミュニティデザインでは、相手と根拠を具体的にする
コミュニティデザイン学科は、地域の現場を訪れながら学び、公共政策や福祉、観光、社会教育、NPO等の専門を深める構成です。行政機関、企業、NPO等で地域を担う人材の育成を掲げています。[3]
聞き取りやアンケートの経験を説明するときは、誰を対象にしたか、どのように質問したか、回答しなかった人の意見が見えない可能性等を振り返りましょう。少数の意見を地域全体の声として断定しないことが、調査を正確に伝えるために大切です。
公務を目指す場合は、希望する自治体や機関、採用区分、試験科目を当該年度の要項で調べます。民間を検討する場合は、顧客や利用者の困りごとを把握する仕事など、学んだ調査・説明の行動と接点があるかを確かめてください。
建築都市では、設計の意図と検討過程を伝える
建築都市デザイン学科は、建築の基礎に加え、高齢社会、エネルギー、防災・減災等の課題を学び、地域へ応用する力を養うと説明しています。建築に関わる異業種と連携する力も重視しています。[4]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 条件 | 敷地、利用者、課題で指定された制約 |
| 目的 | どのような使われ方を目指したか |
| 検討 | 比較した配置・動線・空間等の案 |
| 根拠 | 調査や計算、講評から判断した理由 |
| 改善 | 指摘後に変えた点と残った課題 |
作品集を求められる選考では、図面や模型写真だけでなく、何を考えて設計したかを短く添えます。共同制作の場合は自分の担当を明示し、研究室や連携先の資料を載せる際は公開できる範囲を確認しましょう。
建築士を目指す場合は、取得を希望する資格と必要な履修を学科へ相談し、受験・登録の条件も確認します。建築を学ぶこと、資格を取得すること、希望する設計職へ採用されることを分けて準備してください。
社会基盤では、安全性と地域への影響をどう考えたかを話す
社会基盤デザイン学科は、土木工学の基礎に加え、コミュニティデザイン、防災マネジメント、海外プロジェクト等との連携を特徴としています。地域の課題や建設技術の現場を体験し、多角的に技術や施策を考える学びです。[5]
実験・計算・現地調査を就活で説明する際は、どんな条件を置いたか、誤差や不確かさをどう扱ったか、結果がどの範囲で言えるかをまとめます。安全性に関わる課題なら、計算結果だけでなく、確かめるべき条件や追加の検証も説明しましょう。
企業と公務を比較する場合は、同じ土木の分野でも担当する事業や業務が異なるため、募集職種を確認します。勤務地、現場への関わり、計画から維持管理までの担当範囲を質問すると、学修と仕事のつながりを考えやすくなります。
進学と就職を比較し、専門とキャリアの両方を相談する
2024年度の建築都市デザイン学科の進学割合は56%、社会基盤デザイン学科は36%です。周囲の選択に合わせるだけでなく、深めたい研究・設計課題と、希望職種の募集条件から進路を考えましょう。[1]
進学候補は研究室、指導内容、入試、費用を調べ、就職候補は職種、必要な学位・技能、勤務地等を確認します。入試準備と応募、研究や演習の予定を並べ、重なる時期の負担を見ておくことも大切です。
全学のUU Career Naviで求人や行事を調べ、1回40分の個別キャリア相談を予約できます。対面またはオンラインで、進学との比較、書類、面接等を相談できます。専門的な内容は学科の教員にも相談しましょう。[6]
今週は、地域プロジェクトや設計・実験の経験を一つ整理し、関心のある仕事を数件調べてみてください。「地域に貢献したい」を、どの課題にどの専門で関わるかまで具体的にすると、応募先選びと志望動機の準備が進みます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 2024年度卒業・修了者の進路確認日:2026-09-11 / 3学科卒業/学部業種6画像全確認。院図不使用、希望分母100%
- 地域デザイン科学部確認日:2026-09-11 / 3学科、地域対応力、3年必修地域プロジェクト横断
- 大学公式案内からリンクするコミュニティデザイン学科確認日:2026-09-11 / 全文、公共政策・自治・経済・福祉等。実読元は案内内の http://rd.utsunomiya-u.ac.jp/comd/ 。当該サイトHTTPS非対応のため公式リンク元を案内。
- 大学公式案内からリンクする建築都市デザイン学科確認日:2026-09-11 / 全文、建築・高齢社会・エネルギー・防災、学部院併記を区別。実読元は案内内の http://rd.utsunomiya-u.ac.jp/archi/ 。当該サイトHTTPS非対応のため公式リンク元を案内。
- 大学公式案内からリンクする社会基盤デザイン学科確認日:2026-09-11 / 全文、土木技術・防災マネジメント・現場体験。実読元は案内内の http://rd.utsunomiya-u.ac.jp/civil/ 。当該サイトHTTPS非対応のため公式リンク元を案内。
- 在学生の方確認日:2026-09-11 / UU求人/相談40分対面online