就職率100%と、進学64〜72%は分母が異なる

宇都宮大学工学部の2024年度の就職率は、公式進路案内で100%と示されています。これは就職希望者を分母にした数値です。卒業者の多くは大学院等へ進学しており、卒業者全員が就職したという意味ではありません。[1]​​‌​​‌​​​‌‌​​‌​​‌​‌​​‌​‌​‌​​‌‌‌‌‌‌‌‌‌‌‌‌​‌‌​‌​‌‌​‌​‌‌​‌‌‌‌‌‌‌​​​

2024年度・学部卒業者の進路
コース・分野卒業者就職者進学割合
応用化学50人14人64%
機械システム工学80人20人70%
情報電子オプティクス・情報科学88人28人64%
情報電子オプティクス・電気電子88人22人72%
[1]

進学割合は各区分の卒業者を対象とする整数表示です。学部卒で応募する人は学部卒業者の実績、大学院から応募する人は大学院の実績を確認し、同じものとして扱わないようにしましょう。

周囲に進学者が多くても、進学だけが正解とは限りません。自分が深めたい専門と、希望する仕事の募集条件を照らし合わせて判断することが大切です。

1年次に基礎を学び、2年次から3コースへ進む

工学部は基盤工学科を置き、1年次は全員が基礎教育タームに所属します。基礎知識を学びながら自分の関心を考え、2年次から応用化学、機械システム工学、情報電子オプティクスの3コースの一つへ進む構成です。[2]

専門の学びと、経験を振り返る観点
コース学部が示す学び経験の探し方
応用化学材料、環境、生命等を化学から扱う物質や反応を、どの方法で調べ考察したか
機械システム工学力学、設計、加工、ロボット等求める動作や性能を、どう形にして確かめたか
情報電子オプティクス情報科学、電気電子、光工学計算・回路・光の技術で、何を実現し検証したか
[3] [4] [5]

情報電子オプティクスコースは、情報・電気・光の3分野から主軸となる履修モデルを選び、関連分野も学ぶと説明しています。コース名だけで専門を伝えず、実際に履修した内容や研究テーマを補いましょう。[5]

1年次の学びには、光科学入門やプログラミング、グループでものづくりに取り組む創成工学実践I等があります。専門が深まる前でも、課題に取り組む過程を記録しておくと、後で自分の変化を振り返れます。[2]

製造・情報通信・公務など、業種と職種を分ける

2024年度・学部就職者の主な業種
コース・分野と就職者数主な業種の割合
応用化学:14人製造29%、公務29%、情報通信21%
機械システム工学:20人製造40%、公務35%、サービス20%
情報科学:28人情報通信39%、製造22%、サービス21%
電気電子:22人製造32%、サービス32%、情報通信14%、公務14%
[1]

この表は学部卒の就職者を分母にした構成で、大学院修了者は含めていません。人数の少ない区分では数人の違いで割合が変わるため、単年度の比率だけでコースの就職力を順位づけしないようにしましょう。

製造業への就職は、研究開発職への採用と同じではありません。企業には複数の職種があり、業種の集計だけでは配属先を判断できません。情報通信やサービスについても、担当業務は各募集の内容を確認してください。

大手企業を目指す場合も、企業名だけを集めず、製品や事業、応募職種、必要な学位・専門、勤務地を比べます。知名度の異なる企業も含め、使いたい技術や関わりたい課題から候補を広げましょう。

応用化学では、実験条件と考察の過程を説明する

応用化学コースは、物理化学、有機化学、無機化学、分析化学、化学工学、生化学等を学び、実験や計算化学の科目を通じて考察と問題解決の力を養う構成です。4年次には卒業研究を行います。[3]

研究や実験を選考で説明する際は、装置や分析手法の名前だけでなく、何を確かめたかったか、条件をどう設定したか、結果からどこまで言えるかを整理します。期待した結果が出なかった場合も、原因を切り分けた過程が説明の材料になります。

化学の実験経験を整理する項目
項目説明すること
目的比較したい性質や反応
条件試料、濃度、温度、時間等の設定理由
方法その測定や解析を選んだ理由
確認再測定、比較、誤差の検討
考察結果をどう解釈し、何を追加で調べるか

手順を守ったという説明に加え、記録の残し方や結果を確かめた方法を具体的にしましょう。共同研究の未公開情報を応募書類へ載せる場合は、先に指導教員へ公開できる範囲を確認してください。

機械では、制約の中で何を比較して設計したかを伝える

機械システム工学コースは、材料・熱・流体・機械の力学を基礎に、設計製図やプロジェクト研究等へ展開します。協力企業から提供された設計課題に取り組むことも、特色として紹介されています。[4]

設計や製作の経験では、求める性能、使える材料や加工方法、時間等の条件を整理し、どの案を比較したかを説明します。作品が完成したことだけでなく、試して直した過程を伝えると、自分の判断が見えやすくなります。

編集部の架空の例:「必要な強度と重量の両方を満たすため、形状を複数案で比較しました。試作後に変形が大きい箇所を確認し、寸法と組立方法を見直しました」。実際に行った作業へ置き換えるための例です。

チームで製作した場合は、設計、加工、測定、調整等のうち自分が担当したことを示します。企業から課題提供を受けた経験でも、その企業への採用実績や、製品化された成果として扱わないようにしましょう。

情報・電気・光では、動いた結果と検証した範囲を分ける

情報電子オプティクスコースでは、情報科学のアルゴリズムやネットワーク、電気電子の回路や半導体、制御等を学び、光工学も組み合わせます。実験やプログラミング、演習を重視する構成です。[5]

成果物の説明に添える内容
経験確認する点
プログラム入力条件、処理の考え方、動作確認、残る不具合
回路・制御求める動作、条件設定、測定と誤差
光学・計測扱う現象、装置や測定条件、結果の解釈
共同制作他の人の担当と自分の担当、接続部分の調整

プログラムが一度動いたことと、さまざまな条件で使えることは別です。確認した入力や環境を説明し、まだ検証していない範囲も分けておきましょう。既存の教材やライブラリを利用した場合は、利用部分と自分の工夫を明示します。

大学院の光工学プログラムも学部サイトで紹介されていますが、学部の履修モデルと大学院の教育課程は同じものではありません。進学を希望する場合は、研究内容や入試を個別に確認してください。[5]

光工学や工農連携を、自分の研究テーマと結び付ける

宇都宮大学工学部は、光工学、感性や生命を扱う工学、工農連携、医用生命工学等を特色として挙げています。光に関する科目群や、ロボティクス・工農技術研究所との関わりも紹介されています。[6]

学部に特色があることと、自分がそのすべてを経験したことは別です。志望動機に使う場合は、自分が受けた授業、扱った装置、取り組んだテーマを基に、応募先のどの課題へ関心があるかを説明しましょう。

研究内容を話す練習は、専門外の人向けと専門を知る人向けの2通りを用意すると役立ちます。前者には目的と社会との関係を、後者には方法の選択理由や検証の詳細を補い、同じ事実を相手に合わせて説明します。

学部卒就職と大学院進学を、目的と条件から選ぶ

進学・就職の比較メモ
観点調べること
専門今後深めたい研究課題や技術
募集希望職種の学位・専攻・技能の条件
研究環境指導教員、設備、進め方
費用学費と生活費、利用できる支援
日程出願・選考・研究発表の重なり

研究開発職への関心があっても、大学院へ進めば希望職種に必ず採用されるとは限りません。一方、学部卒の就職でも専門を使う仕事を検討できます。自分が応募する職種の条件を確認し、指導教員に研究面を、キャリア相談に応募面を相談しましょう。

UU Career Naviでは求人や行事を確認し、1回40分の個別相談を予約できます。進学と就職の比較、書類添削、面接等について、対面・オンラインで相談できます。[7]

今週は、実験や制作の経験を一つ、目的・方法・検証・課題の順でまとめてみましょう。そのうえで気になる職種の募集を調べると、学位や専門について何を追加で確かめるべきかが見えてきます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 2024年度卒業・修了者の進路確認日:2026-09-11 / 工学4区分の学部進路・業種画像8枚実読。就職希望分母100%。企業一覧未使用
  2. 基盤工学科の学び確認日:2026-09-11 / 1年基礎2年3コース、光科学・プログラミング・創成工学実践I
  3. 応用化学コース確認日:2026-09-11 / 全文:化学諸分野・実験・計算化学・卒研4年
  4. 機械システム工学コース確認日:2026-09-11 / 全文:四力・設計製図・企業設計課題・卒研
  5. 情報電子オプティクスコース確認日:2026-09-11 / 全文:情報電気光の履修モデル、実験・プログラミング、院光プログラム分離
  6. 工学部確認日:2026-09-11 / 光工学・感性生命・工農連携REAL・医用生命
  7. 在学生の方確認日:2026-09-11 / UU求人・院相談・40分個別対面online

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