医学科の臨床研修と、保健学科の就職を分ける

信州大学医学部の進路は、医学科と保健学科で集計の内容が異なります。2025年度の医学科は卒業103人のうち臨床研修医99人、その他4人です。保健学科は卒業137人のうち就職103人、進学33人、その他1人と公表されています。[1]​‌​‌​‌‌​‌​​‌‌‌​​​​‌‌​​​‌‌‌‌​‌‌‌‌​​​‌​‌‌‌​‌‌​‌‌‌‌​‌‌‌​‌​‌​​‌​​‌‌‌

2025年度の二学科の進路
学科卒業者就職進学臨床研修医その他
医学科103人記載なし記載なし99人4人
保健学科137人103人33人対象外1人
[1]

医学科の臨床研修医99人を、一般企業への就職者や附属病院への採用者と読み替えてはいけません。99人全員の研修病院がこの集計から分かるわけではありません。また、臨床研修へ進んだ人数と医師国家試験の合格率も異なる指標です。[1]

保健学科の就職者103人は、卒業137人に対して75.2%です。これは卒業者全体に占める割合で、就職希望者を分母にした内定率ではありません。大学院等へ進む33人を就職できなかった人として扱わないようにしましょう。[1]

保健学科は四専攻の違いを確認する

保健学科の2025年度進路資料では、看護学、検査技術科学、理学療法学、作業療法学の四専攻別に卒業者の進路を確認できます。ここでは2026年4月2日時点の集計表を使います。[2]

保健学科の専攻別進路
専攻卒業者就職進学その他
看護学66人62人4人0人
検査技術科学41人17人23人1人
理学療法学14人8人6人0人
作業療法学16人16人0人0人
[2]

資料上部の集計表では、就職者は県内・県外の合計です。下部の職種別・就職先別一覧には、理学療法士9人とする記載など、上部の就職者数と一致しない部分があります。本記事では全学資料の保健学科合計とも一致する上部の集計表を採用し、下部から職種別人数を確定していません。[1] [2]

就職先の例として、看護には信州大学医学部附属病院や諏訪赤十字病院、検査には長野市民病院や獨協医科大学病院、理学療法には相澤病院や名古屋市立大学病院、作業療法には信州大学医学部附属病院や諏訪中央病院などが掲載されています。個々の採用人数の比較には使わず、施設を調べる入口として読むのが適切です。[2]

病院の知名度だけで応募先を選ぶより、自分が学びたい領域、業務、教育体制、勤務条件を確かめましょう。企業や行政への進路を検討する場合も、募集職種と資格の条件を別途確認します。

2025年度入学生から、看護の養成課程が変わっている

看護学専攻では、2025年度入学生から学士課程での保健師養成・助産師養成を停止しています。大学は、この入学年度以降は看護師国家試験の受験資格が得られる教育プログラムのみになると案内しています。[3] [6]

一方、2025年度卒業生の資料には、旧課程の保健師コースや助産師コースの実績が掲載されています。これを見て、現在入学する学生も四年間で同じ養成課程を履修できると判断しないでください。入学年度ごとの教育課程と資格の条件を確認する必要があります。[2] [3]

停止のお知らせにある大学院への移行は、当該告知では構想中とされています。この記載だけから移行済みと断定はできません。保健師・助産師を目指す場合は、所属の窓口に相談し、希望する養成課程の最新の募集要項で、受験資格、修業年限、募集の有無を調べましょう。[3]

看護学専攻は、病院だけでなく施設、地域、在宅なども視野に、専門的な知識・技術・態度を学ぶと説明しています。臨地実習、チーム医療演習、卒業研究などの経験から、どのような対象や生活の場に関心を持ったかを整理できます。[6]

医学科は、実習で得た関心から研修先を比べる

医学科の案内では、附属病院で各診療科を学ぶ実習に加え、附属病院や協力病院で医療チームの一員として学ぶ参加型臨床実習が紹介されています。大学病院と地域の病院でどのような違いを学んだかは、卒業後の研修を考える材料になります。[4]

大学は卒業後の進路として、国家試験合格後の臨床研修、その後の専門研修、大学院進学、医療行政などを挙げています。研修先選びでは、学びたい診療分野、指導の受け方、経験できる診療や地域医療、働く環境を比較します。[5]

附属病院で実習することと、卒業後の採用・研修先が自動的に決まることは別です。応募条件、見学、選考、手続きについては各施設の最新の募集案内を確認してください。過年度のプログラム名や募集人数をそのまま現在へ当てはめないようにします。

見学や相談には、「どんな場面で指導を受けられるか」「希望分野をどのように学べるか」「地域の医療機関との連携を経験できるか」など、比較したい質問を持参します。これは編集部による質問例であり、個別施設の制度を保証するものではありません。

チームで学んだ経験と、自分の担当を言葉にする

医学科と保健学科は、新入生ゼミナールやチーム医療演習を合同で行うと紹介されています。異なる専門を学ぶ学生と意見を交わした経験は、相手の視点をどう理解し、自分が何を考えたかまで説明すると具体的になります。[4]

編集部の架空の例です。「合同演習で、同じ事例でも職種によって重視する情報が違うと気づきました。自分の考えの根拠を整理し、他の学生の説明を聞いて、確認すべき情報を見直しました」。本人の経験へ置き換え、患者さんに行っていない対応や架空の治療成果を付け加えないでください。

実習の経験を応募書類や面接で話す際は、患者さんや関係者を特定できる情報を避けます。診療内容の詳しい紹介より、自分が何を観察し、指導を受けて何を学んだかを、学生としての担当範囲で説明しましょう。

大学院の保健学専攻では、看護学、検査技術科学、理学・作業療法学の三分野を設けています。研究を深めたい場合は、希望テーマ、指導分野、学びたい方法を教員へ相談します。学部の進学者数だけで選ばず、自分の目的と出願条件を確認してください。[7]

所属の専門相談と、応募書類の相談を使う

専門職の資格や実習、研究、研修先については所属学科・専攻や指導教員に相談します。職種が同じでも、教育体制、勤務場所、働き方は施設ごとに異なるため、希望する条件を整理してから調べると比較しやすくなります。

全学の就職相談では、応募書類の添削や面接対策などを案内しています。原則事前予約のため、キャンパスごとの案内を確認して活用しましょう。専門職の受験資格は、キャリア相談だけで確定せず、所属や募集先の正式な要項を照合します。[8]

今週は、希望する施設や進路を三つ挙げ、応募条件、締切、教育体制、働く地域を並べます。実習や演習の経験を一つまとめ、相談で「志望理由と経験がつながっているか」を確認してください。

医学部の進路は、大学全体の就職率や大手企業の名前だけでは比較できません。自分の学科・専攻・入学年度に合う条件を確かめ、学びたいことと働きたい環境から準備を進めましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 信州大学 卒業・修了者の進路状況確認日:2026-09-10 / 2025年度PDF1・3・7画像確認。医学科卒103臨研99他4、保健137就103進33他1。医学科の臨床研修と就職は別区分。
  2. 令和7年度 保健学科卒業生の進路状況確認日:2026-09-10 / 2026年4月2日時点PDF1画像確認。上表看護66就62進4、検査41就17進23他1、理14就8進6、作16就16。下部職種・病院別に不整合あり人数不使用、上表と全学の合計は一致。
  3. 保健学科看護学専攻における保健師養成課程・助産師養成課程の停止確認日:2026-09-10 / 2025年度入学生から学部の保健師助産師養成停止。大学院移行はこの告知では構想段階、実施済とはしない。
  4. 医学科での学び確認日:2026-09-10 / 参加型臨床実習、協力病院、医学科保健学科合同の新入生ゼミとチーム医療演習。
  5. 医学科 卒業後の進路確認日:2026-09-10 / 国家試験後の初期研修、その後の専門研修・大学院・医療行政等。掲載国試は令和7年までで2026最新合格率にしない。
  6. 看護学専攻確認日:2026-09-10 / 実習、看護の分野、チーム医療、卒業研究。養成課程停止の注記を現行ページでも確認。
  7. 医学系研究科 保健学専攻確認日:2026-09-10 / 看護、検査技術科学、理学・作業療法学の3分野。学部とは別課程。
  8. 就職相談・各種情報確認日:2026-09-10 / 応募書類添削・面接対策、原則事前予約。専門進路の資格要件は所属へ確認。

次の選考準備に役立つ記事