新設学部の想定進路と卒業実績を区別する

データサイエンス学部データサイエンス学科は2024年4月に開設され、修業年限は4年です。大学が公表する2026年5月1日の学生数表には1〜3年生が載り、4年生欄は「―」です。[1] [2]‌​​​​‌​​‌‌‌​​​​​​​‌​‌​‌​​​​​​‌​​‌‌‌‌​​​​‌​​‌‌‌​​‌​​​​‌​​​​​‌‌​‌‌

2025年度の就職状況に掲載されている学部の数値は経済学部のものです。その就職決定率や就職先を、データサイエンス学部の卒業実績に置き換えないようにします。[3]

学科紹介にある企画・マーケティングやシステムエンジニア、ヘルスケア関連の仕事などは、大学が想定する進路です。卒業生がすでにその職種に採用された実績や、学位取得による採用保証ではありません。[4]

新しい学部だから不利、有望な分野だから必ず採用されると結論づけるより、志望職種の募集条件と自分の準備を一つずつ確認しましょう。

数理・情報の基礎を、ビジネスとヘルスへつなげる

学科は、数学・情報・プログラミングを基礎として学び、統計的な分析やアルゴリズムへ進む構成を案内しています。専門応用にはビジネスデータサイエンスとヘルスデータサイエンスの科目群があります。[4]

二つの応用分野と仕事を調べる問い(後半は編集部作成)
分野掲載科目の例求人を読むときの問い
ビジネスデータサイエンス情報システム論、マーケティング・リサーチ、ビジネスデータ分析誰のどんな意思決定にデータを使うか
ヘルスデータサイエンス保健医療学概論、臨床研究概論、生物統計学誰が利用する情報を、どの範囲で分析・管理するか
[4]

分野名が近い求人でも、実際の担当は分析、情報システム、企画、運用などで異なります。ヘルス分野を学ぶことを、医療専門職の免許を得たことと混同せず、担当業務と必要な資格を募集元の案内で確認します。

今学んでいる科目と、これから取り組みたい内容も分けましょう。履修予定の内容を、すでに実務で使える技能として書かないことが大切です。

入門演習の経験を、分析の流れで説明する

データサイエンス入門演習は、課題の定義からデータの収集・加工、分析、施策の立案までをグループワークで疑似体験する授業として紹介されています。[4]

授業やプロジェクトを自己PRに使うときは、最終的なグラフだけでなく、最初の問いと自分の担当を説明します。何を判断するための分析なのか、データがその問いに合っていたかを振り返りましょう。

分析課題を説明する順序(編集部作成)
順序記録しておく内容
問い誰が何を決めるための課題か
データ出典、対象期間、件数、欠けている情報
作業自分が行った収集、加工、分析、比較
結果分かったことと、その根拠
限界言えないことと、次に確かめたいこと

大きな結果が出なくても、条件を確認した、集計の誤りを直した、別の説明の可能性を考えた経験は説明できます。結果を誇張せず、考えて行動した過程を示しましょう。

成果の数字より、検証した行動を伝える

編集部の架空の例です。公開データを用いた授業課題で、学生が地域ごとの数値を比較したところ、単純な件数だけでは規模の違いを考慮できないと気づきました。対象期間と集計単位を確認し、人口など別の情報と照合できる範囲を整理して、比較の方法を班へ提案しました。

この例は下関市立大学の実際の学生の体験談ではありません。自分の経験へ置き換え、どこまでが自分の作業か、何を教員や班の仲間から学んだかを明確にします。

面接では「精度が上がった」「課題を解決した」とだけ言わず、何と比べ、どの条件で確かめたかを説明します。検証していない効果や、提案後に実施されていない成果を数字で作らないようにしましょう。

プログラムを使った場合も、ライブラリやツールの利用と、自分が設計・修正した部分を区別します。読み手が技術に詳しいかどうかに応じて、処理の目的から説明できるようにしておきます。

成果物は、実行結果と説明を一緒に用意する

応募先から成果物の提出を求められた場合に備え、目的、データの出典、実行方法、結果、制約をまとめておくと、自分でも作業を振り返りやすくなります。すべての求人で作品提出が必要という意味ではありません。

グラフやコードだけを並べるより、何を確かめたものかを短く書きます。共同制作なら担当範囲を示し、授業課題や指導を受けた部分も明記します。

データや課題の公開条件は確認が必要です。公開できない資料を作品集へ載せず、利用できる公開データや説明可能な範囲で準備しましょう。個人の情報が含まれる場合は、自己判断で外部へ出さないようにします。

職種名だけでなく、仕事の中身を比較する

学科は、IT・情報通信、製造・小売、公的機関、保健・医療機関、金融機関、研究所や大学院進学などを想定進路として挙げています。候補を考える材料にしつつ、実際の募集職種を調べます。[4]

求人の比較表(編集部作成)
項目確認する内容
担当する仕事分析、開発、企画、運用のうち何を行うか
応募条件必要な学位、知識、経験、提出物
配属職種別採用か、入社後に配属が決まるか
育成入社後に統計・情報・業務知識を学ぶ機会
勤務地勤務先、異動、働き方の条件

データを扱う仕事でも、分析そのものを担当する場合と、分析結果を使って業務を進める場合があります。自分がどちらに関心を持つかを考え、説明会で担当者に確認しましょう。

大学院を考える人は、さらに研究したい問いと、そのために学びたい手法を整理します。進学先の研究分野、入試、費用を確認し、学部の名前だけで選ばないようにします。

学年を問わない相談で、分析経験の伝わり方を確かめる

大学のキャリアセンターは、学年を問わず、将来や進路への漠然とした相談から、応募書類や面接の具体的な相談まで対応すると説明しています。専門カウンセラーによるES・履歴書の添削指導や面接対策も案内されています。[5]

最初の相談には、授業課題の短い説明と、興味のある求人を一つ持参します。分析の目的が伝わるか、自分の担当が分かるか、仕事を選ぶ材料が足りているかを確認してもらいましょう。

学内の合同業界研究会や個別企業説明会、自己PR作成講座、SPI模擬試験、集団模擬面接会なども紹介されています。利用する際は対象学年と開催時期を学内の最新案内で確認します。[5]

市大キャリアスタディは、卒業生との交流を通して仕事や求められる能力を考える取り組みです。大学全体の卒業生の話を、データサイエンス学部の卒業実績とは区別して参考にします。[5]

一つの分析課題と一つの求人を並べる

今日は授業課題を一つ選び、目的、データ、自分の作業、結果、限界を短く書きます。次に求人を一つ読み、必要な知識や提出物、不明な条件を挙げましょう。

不足が見えたら、学ぶ範囲を具体的にします。大きな作品を新たに作ることだけが準備ではなく、既存の分析を説明し直す、条件を確かめる、動作を再確認することもできます。

まだ卒業実績がない段階では、自分の学びと仕事の条件を丁寧に確かめることが判断材料になります。学内の支援を使いながら、説明できる経験と応募先の理解を積み重ねましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 下関市立大学 データサイエンス学部 特設サイト確認日:2026-09-10 / 2024年4月開設、修業年限4年。準備中の旧リメディアル記述は現行学科案内を優先。
  2. 下関市立大学 学生数・卒業就職状況の公表確認日:2026-09-10 / 2026/5/1在籍DS1年88・2年79・3年85・4年―。看護1〜2年。人数は本文引用せず学年のみ。
  3. 下関市立大学 就職実績確認日:2026-09-10 / 2025年度表は経済学部と経済大学院。DSへ98.8%や企業一覧を転用しない。
  4. 下関市立大学 データサイエンス学科確認日:2026-09-10 / 現行カリキュラム、ビジネス/ヘルス科目、入門演習の流れ、想定進路。学生VOICEは本稿不使用。
  5. 下関市立大学 キャリア支援について確認日:2026-09-10 / 学年不問相談、ES履歴書添削・面接、研究会、講座、市大キャリアスタディ。

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