就職率98.4%は、教員採用試験の合格率とは異なる
2026年3月卒業者の教育学部の就職率は98.4%です。就職希望者123人に対し、就職者120人と有期雇用・短時間勤務者1人を合わせて計算しています。卒業者136人全員を分母にした数字でも、教員採用試験の合格率でもありません。[1]
| 項目 | 人数・割合 | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| 卒業者 | 136人 | 学部全体 |
| 進学者 | 11人 | 就職者とは別の進路 |
| 就職希望者 | 123人 | 就職率の分母 |
| 就職者 | 120人 | 学校教育以外の業種も含む |
| 有期雇用・短時間勤務者 | 1人 | 大学の就職率の分子に含む |
| 就職率 | 98.4% | 121人÷123人 |
業種別の「学校教育」は87人です。この人数を正規教員だけの人数と読み替えたり、希望する自治体への合格人数と考えたりしないようにしましょう。教員を目指す人が知りたいのは、自分の校種・教科・受験自治体の選考内容です。全体の就職率を確認した後は、そこまで条件を絞ると準備が具体的になります。[1]
学校・企業・公務員・大学院を、働き方から比較する
大学の主な就職・進学先は、2026年5月1日現在の過去3年間からの抜粋です。単年度の採用人数や、誰でも応募できる求人一覧を示す資料ではありません。教育学部欄には大学院修了者の実績は含まれていません。[2]
| 進路 | 掲載例 | 自分で確かめること |
|---|---|---|
| 学校 | 島根県・鳥取県などの小学校、中学校、高等学校、特別支援学校 | 免許の校種・教科と募集区分が合うか |
| 企業・団体 | NTT西日本、ニトリ、LITALICO、ミカサ | 募集職種、配属、子どもや教育との関わり方 |
| 地域の企業 | 山陰合同銀行、島根電工、テクノプロジェクト | 勤務地と仕事内容を両方比較する |
| 行政 | 岡山県、山口県、東京都特別区、米子市 | 行政職等の受験区分と試験日程 |
| 大学院 | 島根大学大学院教育学研究科教職大学院など | 実践や研究で深めたい課題と入試条件 |
有名企業の名前を見つけても、教育に関わる部署へ配属されたとは限りません。一方、教育学部だから民間就職を選べないわけでもありません。学校で子どもの学びを支えること、企業で商品やサービスを届けること、行政で地域を支えることでは、日々の仕事が違います。「教員以外なら何でもよい」ではなく、どの場面にやりがいを感じたのかから比較しましょう。
主専攻・副専攻と免許を、志望する仕事につなげる
島根大学教育学部では、主専攻・副専攻を通じて専門性を広げ、教科の内容を教育にどう生かすかを学びます。小学校、特別支援、各教科の専攻で取得を目指す免許が異なり、追加の免許にも履修条件があります。学部に在籍するだけで、希望する全ての免許が得られるわけではありません。[3]
教員志望なら「取得予定の免許」「受験予定の校種・教科」「今後必要な履修」を一枚に整理しましょう。副専攻で学んだことは、別の教科を持てるという説明だけでなく、子どものつまずきを複数の角度から考えた経験としても振り返れます。取得できる免許の最終確認は、自分の入学年度の履修案内と担当窓口で行ってください。
特別プログラムには心理学と社会教育士(地域教育コーディネーター)もあります。地域や学校外の教育に関心があるなら、活動の目的、参加者との関わり、学校や団体との連携を記録しておくと、進路を考える材料になります。プログラム名だけで専門職への就職や資格取得を保証するものではありません。[3]
1000時間の目標を「何を変えたか」で説明する
特徴的なのが1000時間体験学修です。専用の公式説明では、基礎体験領域640時間と学校教育体験領域360時間の計1000時間を目標とし、卒業要件は800時間以上の認定とされています。「1000時間すべてが教壇での教育実習」「卒業には必ず1000時間必要」と説明すると、制度を取り違えます。[4]
学校教育体験には、観察、模擬授業、事前・事後の学修などに加え、臨床・カウンセリング体験60時間も含まれます。1年次の観察から、2年次の専門分野の観察や模擬授業、3年次の教壇実習等へと学びが進み、4年次の実習VIは選択です。時間の長さよりも、何に気づき、どう働きかけ、振り返りで何を修正したかを説明できることが大切です。[4]
| 記録すること | 振り返りの質問 |
|---|---|
| 観察した事実 | 子どもや参加者は、どの場面で困っていたか |
| 自分の判断 | 何を根拠に声かけや説明を変えたか |
| 相談・協働 | 指導者や仲間の助言をどう取り入れたか |
| 変化と限界 | 確認できた変化は何か。分からないことは何か |
| 次の改善 | 同じ場面があれば、何を試したいか |
編集部の架空の例として、活動の説明が伝わらず、口頭説明に実物の提示を加えた経験を考えてみます。「指導力が身についた」で終えず、どの反応を見て説明方法を変えたかを示すと、相手の状況を捉えて改善した過程が伝わります。実際の応募書類では自分の経験に置き換え、子どもの氏名や家庭の事情など、個人を特定できる情報は書かないでください。
教員採用と民間就職の準備を、早めに分けて管理する
教育学部の就職支援室では、教員採用試験のセミナーや相談、未来教師塾などを案内しています。相談は学年を問いません。志望自治体が決まっていなくても、免許と校種の整理、進学との比較など、迷っている段階から相談材料を用意できます。[5]
全学のキャリア・就職相談も学年不問で、対面またはTeams、1回40分の枠があります。予約や変更・取消の締切は原則として前営業日の15時です。利用時には最新の予約案内を確認し、相談したい求人や文章、比較表を準備しましょう。[6]
| 順序 | 具体的な行動 | できあがるもの |
|---|---|---|
| 1 | 免許と履修状況を確認し、教員・企業・進学の希望を書き分ける | 進路の比較表 |
| 2 | 教員志望は自治体の募集要項、企業志望は職種別募集を読む | 必要条件と期限の一覧 |
| 3 | 体験学修から一場面を選び、判断と改善を言葉にする | 面接で話せる経験メモ |
| 4 | 支援室またはキャリア相談で迷っている点を確かめる | 次に取り組む課題 |
大学名への不安があっても、採用可能性を大学名だけで決めつける必要はありません。ただし、就職実績が自分の合格を保証するわけでもありません。免許・試験・募集職種という条件を確かめた上で、体験学修で積み重ねた観察、協働、改善を、自分の具体的な言葉にして準備を進めましょう。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 令和8年3月卒業・修了生の就職・進路状況確認日:2026-09-11 / 2026年5月1日現在。1頁の教育学部列を本文・画像確認。卒136、進学11、就職希望123、就職120、有期・短時間1、98.4%。学校教育87。
- 主な就職・進学先確認日:2026-09-11 / 2026年5月1日現在、過去3年間の抜粋。教育学部欄。大学院修了者を含めない。
- 教育学部での学び確認日:2026-09-11 / 全文確認。主副専攻、免許、心理学・社会教育士プログラム。体験時間の要件は専用資料を優先。
- 1000時間体験学修確認日:2026-09-11 / 全文確認。目標1000=基礎640+学校360。卒業要件800以上認定。学校体験はカウンセリング60含む。4年次実習VI選択。
- 学生支援・就職支援確認日:2026-09-11 / 全文確認。就職支援室、未来教師塾、学年不問の相談。
- キャリア・就職相談確認日:2026-09-11 / 全文確認。学年不問、対面/Teams、40分、専用システム、前営業日15時まで。最新予約案内参照。