6年制1学科の3コースを、進路の目的とともに理解する

大阪大学薬学部は、2019年度から6年制薬学科のみの1学科となりました。薬剤師養成と研究力の育成を組み合わせ、先進研究コース、大阪大学Pharm.Dコース、薬学研究コースを設けています。[1]​‌‌​​‌‌​‌‌‌​‌‌‌‌​​‌​​‌‌​‌‌‌‌‌​‌‌‌‌​‌‌‌‌‌​​‌‌‌‌​‌​‌​‌‌​‌​​​‌​‌‌​​

3コースの特徴
コース公式に示される教育の特徴進路準備で確認する点
先進研究学部と大学院を合わせた10年一貫で研究を継続する構成研究計画、進学の手順、学部と大学院の予定
大阪大学Pharm.D臨床と研究を結ぶ教育、早期の臨床体験医療の現場と研究のどこを深めたいか
薬学研究基礎薬学や創薬研究を中心に研究の連続性を確保研究内容と候補職種の応募条件
[1]

コース選択は3年進級時と案内されていますが、入学者選抜の区分によって進むコースの扱いが異なり、先進研究コースへの編入試験に関する説明もあります。全員が無条件で自由に移れると考えず、自分に適用される条件を確認しましょう。[1]

大阪大学Pharm.Dという呼称は、大阪大学が独自に用いる職能の呼称として説明されています。コース名だけで海外の資格や博士号を自動的に得られると解釈しないようにします。薬剤師国家試験の受験資格、合格、学位の取得もそれぞれ区別して考えます。[1]

2025年度の学部卒業者63人を分母に、進路を読む

大学公式の2025年度「学部卒業者の進路状況」に掲載される薬学部の数値は次のとおりです。大学院薬学研究科の修了者の人数ではありません。[2]

薬学部・2025年度卒業者の進路
区分人数
卒業者63人
大学院進学4人
企業等への就職53人
公務員への就職1人
教員への就職0人
就職合計54人
その他5人
[2]

企業等53人、公務員1人で就職合計54人です。進学4人、その他5人と合わせて卒業者63人になります。就職希望者の人数が示された表ではないため、就職54人を卒業者63人で割った割合を就職率として紹介しません。[2]

先進研究コースには、学部を一旦休学して大学院博士課程へ飛び入学する教育の説明があります。このような経路と、学部卒業時の進路統計は同じ時間軸ではありません。卒業者の進学4人だけで、薬学部全体で大学院教育を受ける学生の規模を判断しないことが必要です。[1] [2]

研究を続けたい人も、医療や企業で働きたい人も、コースの教育目的だけで採用先が決まるわけではありません。自分が応募する時点の学位や資格、募集条件を確かめましょう。

主な就職先は、卒業生・修了生合同の一覧として使う

薬学部・薬学研究科の公式進路ページは、2025年度の「卒業生・修了生の主な就職先」を掲載しています。学部卒と大学院修了を分けた企業別人数は示されていないため、以下を学部卒だけの実績に読み替えないでください。[3]

2025年度・卒業生と修了生の合同掲載例
掲載区分企業・施設等の例
製薬関係企業アステラス製薬、エーザイ、大塚製薬、塩野義製薬、第一三共、武田薬品工業、中外製薬
その他企業等IQVIAジャパングループ、PwCコンサルティング、デロイトトーマツコンサルティング、日鉄ソリューションズ
病院・薬局大阪回生病院、大阪大学医学部附属病院、アイン薬局、グリーンメディック薬局
研究機関の掲載区分大阪健康安全基盤研究所、医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団
[3]

会社名だけでは、基礎研究、臨床開発、品質関連、薬剤師などの職種を確定できません。製薬企業の実績があることを、学部卒で研究職へ採用された証拠として使わないようにします。大手企業への採用や希望職種への配属も保証されません。

病院・薬局を比べる場合は、業務内容、教育体制、配属、勤務地、資格取得の条件を確認します。企業を比べる場合は、募集職種と対象学位、研究内容との接点を調べます。同じ「薬学を生かす仕事」でも、日々の業務と求められる準備は異なります。

実務実習と研究・選考の予定を、コース別に組み立てる

公式の学生生活案内では、3年生から研究室に配属され、6年生まで長期課題研究に取り組むとしています。研究のまとめとして卒業論文を執筆し、長期課題研究発表会で成果を発表する構成です。[4]

実務実習は薬局と病院の各11週が案内され、大阪大学Pharm.Dコースは5年生、薬学研究・先進研究コースは6年生で実施すると説明されています。学部全員が同じ学年の同じ時期に実習へ行く、と考えないことが重要です。[4]

一つの予定表へまとめる項目(編集部の提案)
項目事前に整理すること
研究実験、研究発表、論文、指導教員との相談
実務実習自分のコースの期間と実習先の予定
応募職種ごとの締切、提出書類、面接日
進学希望専攻の出願、入試、研究計画
資格・卒業学内試験や国家試験、卒業に向けた準備

選考と実習が重なる場合は、自己判断で実習予定を変えるのではなく、学内担当者と応募先へ早めに相談します。研究の連続性を重視したカリキュラムであっても、個人の応募日程が自動的に調整されるわけではありません。

研究と実習の経験は、学生としての担当を正確に話す

研究概要では、テーマの背景、問い、自分が行った作業、結果と残る課題を整理します。共同研究や製薬企業との関わりがある場合は、外部へ話せる範囲を指導教員に確認し、未公開情報を選考資料へ載せないようにします。

編集部の架空の例です。「研究で条件を変えた結果を比較する際、私は測定の手順と記録を見直しました。異なる条件を同じものとして扱っていた部分を分け、比較に使えるデータを整理しました。結論を広げすぎず、どこまで確認できたかと、次に必要な検証を発表しました。」

これは大阪大学の学生の実話や内定事例ではありません。自分が行ったことへ置き換え、班や研究室全体の成果を一人の成果としないでください。成果の大きさだけでなく、実際の判断や改善が伝わるようにします。

実務実習については、指導者から学んだこと、自分で調べたこと、指導の下で経験したことを分けて説明します。患者情報を含めず、学生が独立して治療や処方を判断したような誇張を避けましょう。

志望理由へつなぐ際は、実習で感じた疑問が研究への関心になったのか、研究で学んだ考え方を医療現場で生かしたいのかを整理します。臨床と研究の接点は、自分の経験から具体的に説明することが大切です。

専門の相談と、応募書類の相談を組み合わせる

薬学研究科の受験生向けFAQには、就職活動は各自で進め、研究室配属後は分野主任の教授が相談に応じると記載されています。これは大学院受験生向け案内です。学部生も研究や進路の接点については、自分の所属研究室や学内の担当窓口で相談方法を確認しましょう。[5]

大阪大学の全学キャリア相談では、進学か就職かの相談、エントリーシートや履歴書の添削などを受け付けています。対面・オンラインの案内を確認し、キャリア支援システムから予約できます。[6]

相談前に、希望職種の募集案内、コースの実習予定、研究概要を用意します。研究の専門性については教員に、選考での伝え方や比較の仕方についてはキャリア相談に、と確認したい内容を分けると次の行動が明確になります。

  • 所属コースの目的と、実習・研究の予定を確認する。
  • 学部卒の進路人数と、卒業生・修了生合同の企業一覧を分けて読む。
  • 希望職種の学位・資格条件と仕事内容を調べる。
  • 研究や実習の経験を、自分の担当と学びに分けて書く。
  • 研究室とキャリア相談を活用し、応募・進学・学修の期限をまとめる。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 大阪大学 薬学部について確認日:2026-09-10 / 2019から6年1学科3コース。3年選択入試別条件、先進10年休学飛入、Pharm.D独自職能、薬学研究連続性
  2. 大阪大学 2025年度 学部卒業者の進路状況確認日:2026-09-10 / PDF1頁薬63院4企業53公1教0就54他5。飛入学を卒業後進学人数に含め推定しない
  3. 大阪大学 卒業後の進路確認日:2026-09-10 / 令和7卒業生・修了生合同就職先。学部だけに移管不可。国試表は最新110回で111回未掲載、使用せず
  4. 大阪大学 阪大薬学での学生生活確認日:2026-09-10 / 3〜6長期研究、薬局病院11週ずつ、PharmD5年他6年、長期課題研究発表
  5. 大阪大学 大学院受験生向けFAQ確認日:2026-09-10 / 大学院対象、各自就活分野主任相談。学部共通保証しない
  6. 大阪大学 キャリア支援 在学生向け確認日:2026-09-10 / 3地区Zoom進学ES履歴書予約制

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