就職実績は「旧大阪府立大学の獣医学類」と明記して読む

大阪公立大学獣医学部の進路を調べる際は、現在の学部紹介と、就職統計に載っている大学・組織名を区別しましょう。大学が公表する2025年度の進路資料で確認できる獣医学の学部段階の実績は、旧大阪府立大学生命環境科学域の獣医学類です。現行の大阪公立大学獣医学部の卒業実績として紹介するものではありません。[1] [2]​​​​‌​​​​​‌​‌​​​‌‌​​‌​​‌‌‌​‌​‌‌‌‌‌​‌‌​​​​​​‌​​​​​‌​‌‌‌​‌‌​​​‌​​‌

参考:旧大阪府立大学・獣医学類の2025年度進路
項目公表値
卒業者44人
就職希望者42人
就職者41人
進学者1人
就職率97.6%(就職希望者が分母)
集計時点2026年5月1日
[1]

97.6%は獣医師国家試験の合格率ではありません。また、卒業者44人を分母にした割合でもありません。進学の具体的な掲載先は大阪公立大学大学院です。旧大学の数値を参考にするときも、将来の就職率や希望する勤務先への採用を保証する数字として使わないようにします。[1] [2]

小動物臨床だけでなく、産業動物・公務・企業も比較する

旧大阪府立大学獣医学類の2025年度就職先には、動物病院、農業共済組合、自治体、製薬企業などが掲載されています。次の表は進路を考えやすくするために編集部で整理した抜粋です。[2]

旧大阪府立大学・獣医学類の2025年度掲載先の例
進路を調べる区分掲載先の例
動物病院・診療機関イオンペット、上本町どうぶつ病院、大阪公立大学獣医学部附属獣医臨床センター、岐阜大学応用生物科学部附属動物病院
農業共済・競馬関係北海道農業共済組合(獣医師)、滋賀県農業共済組合、鳥取県農業共済組合、日本中央競馬会
自治体大阪市役所健康局(獣医師)、大阪府庁(獣医師)、神戸市役所(獣医師)、宮崎県庁(獣医師)
民間企業石原産業、小野薬品工業、科研製薬、明治
[2]

括弧内の「獣医師」は原資料に記載があるものに限っています。その他の掲載先へ職種を補ったり、企業への就職をすべて研究開発職と決めつけたりすることはできません。大学の附属施設も、この表では就職先です。大学名が含まれるからといって大学院進学へ数え直さないようにします。[2]

企業・病院ごとの人数や、希望者に対する採用割合は一覧から分かりません。掲載の有無だけで応募先を絞らず、実際に募集される仕事、教育体制、働く地域、勤務条件を確かめて比較しましょう。

都市型の獣医学教育を、進路選択に結び付ける

現行の獣医学部は、大都市での伴侶動物の診療に加え、感染症の防疫や食の安全、産業動物の教育を扱う都市型獣医学教育を紹介しています。りんくうキャンパスには獣医臨床センターと動物科学教育研究センターがあり、診療と研究に近い環境で学ぶことができます。[3]

6年間で教養、獣医学の基礎・応用・臨床、参加型臨床実習、卒業研究を段階的に学ぶ構成です。病気について知識を増やすだけでなく、実習で情報を集め、相手へ説明し、研究で疑問を確かめた経験を振り返ることが進路の準備になります。[4]

例えば、動物の状態を観察することに加えて、飼い主から状況を聞くことに関心を持ったのか、食の安全を組織として守る仕組みに関心を持ったのかで、調べたい仕事は変わります。「動物が好き」という出発点から、実際にどのような責任を担いたいのかを少しずつ具体化しましょう。

まだ進路を決められない人は、授業や実習の後に、興味を持った内容、難しかった場面、もっと知りたい仕事を一つずつ記録します。後から見返すと、実習先の印象と、自分が続けたい仕事を分けて考えやすくなります。

学外実習では、仕事内容と学び直す課題を持ち帰る

学部は、民間動物病院、大動物診療機関、他大学の牧場、食肉衛生検査所などでの参加型実習を案内しています。家畜保健衛生所、保健所、空港検疫所などの職場体験も紹介されています。これらは大学が示す学びの機会で、全員がすべての施設へ行くことや、実習先への採用を保証する説明ではありません。[3]

見学・実習で確認する質問例
関心のある進路質問の例
伴侶動物の臨床新人はどのような指導を受け、どの段階で担当する範囲が広がりますか
産業動物の分野地域の飼養施設との連携や、移動を伴う仕事はどのように行いますか
公務・公衆衛生日々の仕事で、現場の確認と記録・調整はどのように組み合わされていますか
企業・研究募集職種では、獣医学の知識と研究経験のどちらが特に求められますか

質問は募集先や実習先の案内を読んだうえで、分からなかった点に絞ります。忙しい現場では、質問できる時間と相手を先に確認してください。実際に参加した範囲と、説明を聞いただけの業務も区別して記録しましょう。

実習の感想を「勉強になった」で終わらせず、どの仕事が予想と違ったか、次に何を学び直すかまで書くと、志望理由へつながります。診療の内容や個人・施設を特定する情報は、応募書類へそのまま持ち出さないようにします。

受験資格と免許取得、採用条件を分けて準備する

学部の資格一覧には獣医師国家試験受験資格のほか、食品衛生管理者・食品衛生監視員などが掲載されています。また、狂犬病予防員、と畜検査員などには「獣医師免許取得に伴う資格」という区別があります。卒業時点で全ての免許・職への就任が自動的に得られるという意味ではありません。[3]

獣医師として働く仕事を検討するときは、国家試験に向けた学習、卒業に必要な履修・研究、応募先の採用日程を別々に整理しましょう。募集要項で免許の取得見込みをどう扱うか、必要な書類や選考方法が何かも確認します。個別の条件は、その年度の募集先と大学の担当窓口で確かめてください。

公務員という言葉だけでも、募集する職種や機関は一つではありません。獣医師としての採用を希望するのか、別の採用区分を考えているのかを決め、担当する仕事まで確認します。大学の過去の就職先一覧だけでは、現在の募集の有無や試験内容は判断できません。

大学院進学を考える場合も、就職活動と同じ日程で進むとは限りません。関心のある研究テーマ、指導体制、入試、費用を調べ、卒業研究の指導教員へ相談しましょう。学部卒と大学院修了で、希望する募集職種の応募条件が異なるかも確認します。

経験は、観察・確認・相談の行動で説明する

選考では、診療や実験の知識を並べるだけでなく、分からない点をどう扱ったかを伝えます。自分の判断で進めず指導者へ相談したこと、記録を確かめて認識のずれを修正したこと、説明の順序を考え直したことなど、実際の行動を選びましょう。

編集部の架空の例:「実習で記録と自分の観察が一致しない点があり、担当者へ確認しました。見ていた条件の違いを整理し、次から確認事項を先にメモするようにしました」。これは書き方の例で、実際の診療行為や成果を作って応募書類へ使うものではありません。

企業を志望するなら、卒業研究の問い、方法を選んだ理由、結果をどう検討したかを、専門外の人にも分かる言葉で説明する練習が役立ちます。研究室全体の成果と自分の担当を分け、再現性や記録に気を配った行動を具体的に伝えてください。

全学のキャリア支援室では、進路の相談、応募書類、面接などを扱っています。就職支援ナビの求人・説明会情報と、学部や研究室の専門分野の情報を併せて確認すると、準備の抜けを見つけやすくなります。[5]

今週は、関心のある二つの進路について募集要項を一件ずつ読み、実習や研究での自分の役割を短くまとめましょう。必要な資格、働く場所、指導体制、選考日程を比較し、分からない項目を相談へ持ち込むことが次の一歩になります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 卒業生・修了生の進路状況確認日:2026-09-11 / 2025年度旧大阪府立生命環境科学域獣医学類44卒41就1進42希望97.6、2026-05-01。現公立の実績にしない
  2. 大阪府立大学2025年度卒業生の進路状況詳細確認日:2026-09-11 / 1頁全文画像読了、旧府立獣医学類就職先と進学先
  3. 獣医学部の教育確認日:2026-09-11 / 都市型獣医教育、臨床センター、学外実習、資格の区分。カリキュラム画像未使用
  4. 獣医学部オープンキャンパスQ&A確認日:2026-09-11 / 6年間の基礎専門参加型臨床卒研、産業動物連携。寮キャンパス2023情報不使用
  5. 就職・キャリア支援確認日:2026-09-11 / 全学個別相談、ナビ、企業官公庁セミナー

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