大学院進学210人、学部就職24人という進路構成を知る

大阪公立大学理学部の2025年度卒業者は247人です。2026年5月1日現在、大学院進学者は210人、就職希望者と就職者はともに24人でした。公表就職率は100%ですが、これは就職希望者に対する割合です。[1]​‌‌​‌‌‌‌‌‌​​​​‌‌​‌‌​​​‌​​‌​‌​‌‌​‌​​‌‌​‌‌​​‌​​​‌‌‌‌‌‌‌‌‌‌​‌​​‌‌​​

2025年度・理学部の進路
項目公表値・計算値
卒業者247人
就職希望者/就職者24人/24人
大学院進学者210人
就職率100%(就職希望者が分母)
卒業者に占める大学院進学者約85.0%(210÷247、編集部計算)
[1]

学部卒での就職先だけを見て「理学部は選択肢が少ない」と決めると、進学者が多い進路構成を見落とします。一方で、周囲が進学するからという理由だけで大学院を選ぶ必要もありません。自分が学びたいことと、希望する仕事の応募条件を確認して考えましょう。

卒業者数から就職者数と進学者数を引いた人数を、全員が就職に失敗した人数と扱わないことも大切です。また、学部の就職先と、大学院を修了した後の就職先は、別の対象の実績として読みます。[1]

6学科の掲載先と、企業名だけでは分からない点

2025年度・学部卒業者の就職先から抜粋
学科掲載先の例
数学科アビームシステムズ、インテック、オリックス、ジェーシービー、ニッセイ情報テクノロジー、三菱総研DCS、大阪府教育委員会
物理学科NTN、ベイカレント・テクノロジー、マーブル
化学科エア・ウォーター・エンジニアリング、広島県教育委員会
生物学科奈良県庁
地球学科大阪市役所
生物化学科オービック、滋賀県教育委員会、寝屋川市教育委員会、レバレジーズ
[2]

掲載先の一部を抜き出した表で、企業・機関ごとの人数や職種は示されていません。メーカーなら研究開発、自治体なら専門技術職と補うことはできません。掲載数が少ない学科を、希望先に応募できない学科と解釈することも避けましょう。

数学科から情報関連企業、化学科から教育委員会など、学科名と業界名が一対一で対応しない例があります。どの学科で学んだかに加え、実際の募集職種、入社後の配属、必要な能力や資格を調べて応募先を考えてください。[2]

大きな企業名が載っていても、その企業への採用確率は分かりません。社名の知名度だけに頼らず、事業、仕事内容、育成の仕組み、働く場所という同じ項目で複数の応募先を比較すると、自分の基準を作りやすくなります。

大学院は研究テーマと、その先の仕事から比較する

2025年度の進学先には、全6学科で大阪公立大学大学院が掲載されています。そのほか、物理・化学では京都大学大学院と大阪大学大学院、生物では北陸先端科学技術大学院大学と東京科学大学大学院などが掲載されています。[2]

地球学科では京都大学大学院、九州大学大学院、東北大学大学院、生物化学科では京都大学大学院、大阪大学大学院、奈良先端科学技術大学院大学も確認できます。掲載先は進学の実例であり、希望する研究室への入学が保証されるものではありません。[2]

学部就職と大学院進学を比較するときの確認
確認すること学部就職大学院進学
目的どの職種で何をしたいかどの問いをさらに研究したいか
条件学位、専攻、資格などの応募条件指導体制、入試科目、研究計画
日程説明会、応募、面接研究室の確認、出願、試験
費用と生活勤務地と勤務条件学費、生活費、支援制度
相談先キャリア支援室と教員指導教員と進学先の担当窓口

研究開発職を考える場合は、関心のある企業がどの学位や専門を募集しているかを先に読みます。進学すれば全ての研究職に応募できる、学部卒では全て応募できないという一括りの判断はできません。募集ごとの条件と、そこで必要になる研究経験を確認しましょう。

6学科の学びを、取り組んだ問いと方法に置き換える

学科の学びから説明を組み立てる視点
学科公式に示される学びの方向経験を振り返る問い
数学数学の広がりと深化どの前提から、どのように論証したか
物理観測・実験・理論による法則の探究測定結果と理論の違いをどう検討したか
化学物質の構造・反応・機能の理解条件や結果をどう比較したか
生物分子・細胞から生態系までの生命理解どの階層や対象に着目したか
地球地球の物質や変遷、学内外の調査現場の観察と分析をどう結び付けたか
生物化学生命の仕組みを分子から追究どの仕組みを、どんな情報で検討したか
[3]

研究テーマを専門用語だけで紹介すると、専門外の面接官には自分の行動が伝わらない場合があります。まず「何が分かっていないか」を説明し、その後に方法、結果、考察の順で話しましょう。研究室で既に分かっていたことと、自分が確認した範囲を分けることも必要です。

生物化学科は、専門知識とともに情報を集めて分析する力や、記述・発表・討論の力を教育目標に掲げています。知識の量だけでなく、必要な情報を選び、他の人へ分かるように報告した行動も振り返ってください。[6]

実験と野外調査では、条件を確かめた行動が材料になる

化学科では、1年次後期の基礎化学実験、2年次前期の実験化学概論、3年次の化学実験1・2、4年次の卒業研究という学びが案内されています。実験計画、結果の考察と報告、安全な実験方法を学ぶことが目的に含まれています。[4]

地球学科は講義・実験と学外の調査実習を組み合わせています。鉱物・岩石・地層の識別や解析、地盤の測定・評価、情報処理などを学び、4年次の卒業研究で計画、実行、考察、発表につなげる構成です。[5]

これらの経験を自己PRにするときは、測定や調査を行っただけで終わらせず、条件の違い、記録の不足、計画の変更にどう対応したかを選びましょう。結果が予想通りでなかった場合も、原因を一つずつ切り分けた過程を説明できます。

編集部の架空の例:「同じ手順でも結果に差が出たため、記録を比べて条件の違いを整理しました。指導者へ相談し、確認する条件を絞って再度検討しました」。実際に経験した範囲へ置き換えるための例です。架空の実験結果や研究成果を自分の実績として加えないようにします。

授業の実験と卒業研究では、自分が決められる範囲が異なります。手順を与えられた実験なら記録や考察で工夫した点、研究なら問いや方法を検討した点など、その活動に合った役割を伝えてください。

教職や資格を目指す人は、学科別の条件を確認する

理学部の資格案内では、数学科に中学校・高等学校の数学、それ以外の5学科に中学校・高等学校の理科の教諭一種免許状が掲載されています。免許の取得には必要な履修等があり、学部卒業や就職先への掲載だけで取得・採用が決まるものではありません。[7]

数学科と地球学科の測量士補は「資格登録可」、化学科と生物化学科の甲種危険物取扱者は「受験資格」として案内されています。資格名だけをまとめて「取得できる」とせず、自分の学科でどの段階まで対象になるかを確認してください。[7]

教員を希望する場合は教職課程と採用選考、企業等と併願する場合は就職活動の日程を一つにまとめます。実験や研究との重なりを早めに把握し、履修と研究の相談、採用の相談をそれぞれ進めましょう。

研究の説明と募集条件を、一緒に相談する

全学のキャリア支援室では応募書類、面接、進路などを相談できます。就職支援ナビの求人・説明会情報も確認し、研究室の教員には研究テーマや大学院の学びについて相談しましょう。[8]

今週は、研究や授業で検討した問いを専門外の人向けに短く説明する文章を作り、関心のある募集要項を一つ読みます。自分の学位・専攻で応募できるか、どの経験が仕事につながるか、準備の不足は何かを整理して相談へ持っていってください。

進学者の多さも就職率も、理学部の進路を知る参考情報です。自分が続けたい研究と希望する仕事を具体的に比べ、実験・調査・論証を通じて考えた過程を伝えることが、納得できる選択につながります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 卒業生・修了生の進路状況確認日:2026-09-11 / 2025理247卒24就210院24希望100、2026-05-01。院率210/247編集部計算85.0
  2. 2025年度卒業生の進路詳細確認日:2026-09-11 / 5頁6学科、本文画像読了、企業人数職種なし
  3. 理学部学科紹介確認日:2026-09-11 / 6学科の教育
  4. 化学科カリキュラム確認日:2026-09-11 / 1年基礎実験2年実験化学概論3年化学実験4年卒研、教職。院課程は学部と分離
  5. 地球学科カリキュラム確認日:2026-09-11 / 講義実習実験野外調査、4年卒研。院の海外交流不使用
  6. 生物化学科カリキュラム確認日:2026-09-11 / 分子論的な生命理解、情報分析・発表等。院課程は学部と分離
  7. 理学部の取得可能な資格確認日:2026-09-11 / 数学数学免許、他5理科、測量士補登録可、甲種受験等
  8. 就職・キャリア支援確認日:2026-09-11 / 全学個別相談求人・説明会

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