卒業者606人のうち、545人が大学院へ進学

大阪公立大学工学部の2025年度卒業者は606人で、2026年5月1日現在、大学院進学者545人、就職者49人と公表されています。就職希望者51人に対する就職率は96.1%です。大学院へ進む人が多いため、就職率だけでは学部卒業後の進路を十分に把握できません。[1]‌‌‌‌‌​​​​​‌‌​​‌‌‌​​​‌‌​​​‌‌‌​​​‌​​‌​‌‌‌‌​​​​‌‌‌​‌‌​‌‌​​‌​‌‌​​​​‌

2025年度卒・工学部の進路
項目公表値・計算
卒業者606人
大学院進学者545人
大学院進学者の割合約89.9%(545÷606、編集部計算)
就職者/就職希望者49人/51人
就職率96.1%(大学公表)
[1]

進学率約89.9%の分母は卒業者で、就職率96.1%の分母は就職希望者です。この二つは同じ分母の割合ではありません。また、就職先の企業数を就職者数とみなしたり、進学した人を就職できなかった人として数えたりしないようにしましょう。

12学科の学部卒就職先を、年度をそろえて確認する

工学部は12学科を設けています。2025年度の学部卒業者の進路資料では、学科ごとに就職先と進学先が別欄に掲載されています。次は就職先欄からの抜粋です。[2] [3]

2025年度・学部卒の就職先掲載例
学科掲載例
航空宇宙工学エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン
海洋システム工学神鋼商事、トヨタ自動車、防衛装備庁
機械工学クボタ、住友電気工業、椿本チエイン、大阪市役所
建築大林組、大和ハウス工業、国土交通省
都市いであ、阪急阪神不動産、オービック
電子物理工学キヤノン、ローム
情報工学ジェイエア、四国電力送配電
電気電子システム工学関西電力送配電
応用化学アークレイファクトリー、アース製薬、ニッタ
化学工学サントリー知多蒸溜所、Peach Aviation
マテリアル工学就職先欄は「-」
化学バイオ工学伊藤ハム、国土交通省、中西金属工業
[2]

各企業への人数、職種、配属は示されていません。航空関連企業への掲載を操縦士の採用実績としたり、メーカーへの掲載を研究開発職の実績としたりすることはできません。「-」も将来その学科から就職できないという意味ではありません。

学科紹介ページには、年度や学部・大学院の区分が明記されていない企業一覧もあります。現在の学生の判断には、対象を確かめられる年度別資料を使い、旧大阪府立大学・旧大阪市立大学の事例と現行大学の実績を区別しましょう。[2] [4] [5]

学部就職と大学院進学は、目指す仕事から比較する

同じ大学の資料で、2025年度の工学研究科博士前期課程は修了509人、就職473人、進学27人、就職希望477人と公表されています。これは工学部卒業者とは別の集計で、545人の進学者がそのまま同年度に修了したわけではありません。[1]

進学を検討するなら、研究を続けたい問い、研究室で学べる方法、指導体制、必要な期間と費用、修了後に応募したい仕事を整理します。学部で就職する場合も、入社後にどのような技術や業務を学べるかを調べましょう。

企業の募集では、学士・修士などの応募条件や職種ごとの対象専攻を確認します。研究職はすべて修士以上、学部卒は技術職に就けないといった一律の判断をせず、実際の募集条件を読むことが大切です。

進路資料に大阪公立大学大学院以外の進学先も掲載されています。候補を選ぶ際は、名称だけで決めず、研究内容、出願前の相談、試験科目や日程を確認してください。[2]

機械・情報の学びは、仕様と検証の過程を説明する

機械工学科では工作・製図、設計演習や基礎実験などを学び、卒業研究へつなげます。仕様に合う設計を考えた経験は、必要な条件、試した方法、結果から修正した点を整理すると話しやすくなります。[4]

情報工学科は情報処理と通信の基礎から応用を学び、実験や演習、卒業研究を通じてモデル化や課題解決に取り組みます。プログラムが動いたという結果だけでなく、入力条件、確認方法、想定外の結果への対応を説明しましょう。[5]

編集部の架空の例:「演習の処理結果が条件によって変わるため、入力を分類して確認しました。原因を絞り、修正前後を同じ条件で比較して、残った課題を報告しました」。実際の授業・研究で自分が行った検証に置き換えるための例です。

チームの開発や研究の場合は、他の人が作った部分と自分の担当を分けます。利用したソフトや装置の名称を並べるより、なぜその手法を使い、どこまで確認したかを伝えることが技術面接の準備になります。

建築は卒業設計と卒業論文、それぞれの考察を整理する

建築学科は芸術・学術・技術に基づく教育を掲げ、設計演習や製図などを学びます。4年次には卒業設計と卒業論文の両方に必修で取り組むと案内されています。設計作品と研究のどちらか一方だけが学びの集大成とは限りません。[6]

設計を伝えるときは、形の見栄えだけでなく、敷地や利用者の条件、採用した案と見送った案、講評を受けて変えた点を整理します。論文では、問い、調査・分析方法、根拠からどこまで言えるかを説明しましょう。

作品集を求める企業へ応募する場合は、指定された形式に合わせて準備します。共同制作は自分の担当を明記し、大学での演習作品と実際の建築実務を区別してください。応募職種や資格条件は求人ごとに確認します。

化学系では、実験と工程全体への視点をつなげる

化学工学科では、物質・エネルギー収支、反応や分離、実験、プロセスの制御・設計などを学びます。企業の技術者・研究者が化学産業を紹介する講義もあり、実験室での理解をものづくりの工程へ広げる構成です。これは化学工学科の教育例で、化学系4学科に同じ履修内容があるという意味ではありません。[7]

研究の説明では、目的の値が得られたかだけでなく、条件をどう管理し、結果のばらつきをどう考えたかを振り返ります。安全性や環境への影響、工程として実施する際の制約を考えた経験も、自分の担当範囲で整理できます。

応用化学、マテリアル、化学バイオを学ぶ人も、専攻名だけで希望職種を説明せず、扱ってきた対象と方法を言葉にしましょう。研究内容と企業の事業の接点を調べる際は、実験で扱った物質が同じかどうかだけでなく、求められる分析や評価の考え方も確認します。

研究概要と求人を持って、進路相談を具体化する

全学のキャリア支援室は、進路の方向、求人やインターンシップ、応募書類、面接などの相談を受け付けています。就職支援ナビでは大学に届く情報を検索でき、個別面談や支援行事を予約できます。[8]

研究室で確認したい専門上の疑問と、企業に伝える表現の疑問を整理しましょう。進学は指導教員や希望する研究分野へ、応募書類はキャリア支援室へ、研究概要と求人の内容を持って相談すると不足が分かります。

大学経由の求人や推薦を検討する場合は、応募方法、学内の締切、併願や辞退の扱いを担当窓口で確認してから進めます。ここで掲載した企業への推薦枠があるという意味ではなく、応募する求人に定められた条件を確かめるためです。

今週は進学と就職の比較表を一枚作る

学部就職と大学院進学について、取り組みたいこと、必要な準備、費用・期間、未確認の条件を書き出します。研究や設計がまだ始まっていなくても、授業・実験・制作から一つ、工夫と見直しを説明できる経験を選んでください。

工学部では進学者が多いものの、自分の希望まで周囲と同じにする必要はありません。公表実績と募集条件を確かめながら、どこで何を学び、どんな仕事へつなげたいかを具体化しましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 卒業生・修了生の進路状況確認日:2026-09-11 / 2025工606卒49就545院51希望96.1、前期工509修473就27院477希望99.2別表
  2. 2025年度卒業生の進路状況詳細確認日:2026-09-11 / 6頁12学科別就職・進学、頁画像全文確認
  3. 工学部 学科一覧確認日:2026-09-11 / 12学科
  4. 機械工学科確認日:2026-09-11 / 工作製図・設計実験・卒業研究、旧大学人物・年不明企業不使用
  5. 情報工学科確認日:2026-09-11 / 情報処理通信・モデル化・実験・研究、旧大学人物/年不明企業不使用
  6. 建築学科カリキュラム確認日:2026-09-11 / 建築プロジェクトスタディ、設計演習、4年卒設卒論両方必修
  7. 化学工学科 教育目的とカリキュラム確認日:2026-09-11 / 物質エネルギー収支・反応分離・実験・プロセス設計・企業講義・卒研、院別
  8. 就職・キャリア支援確認日:2026-09-11 / 全学相談・支援ナビ、求人インターンセミナー

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