大学院進学109人と、学部就職27人を分けて読む

大阪公立大学農学部の2025年度卒業者は147人です。2026年5月1日現在、大学院進学者は109人、就職希望者29人のうち就職者は27人で、公表就職率は93.1%でした。[1]‌​​‌​‌​​‌‌‌​‌​​​​​‌‌​‌‌‌​‌‌‌​​‌‌​‌​‌​‌​‌​‌​‌‌​‌‌​‌‌​‌‌​​​​​‌‌​‌​

2025年度・農学部の進路
項目公表値・計算値
卒業者147人
就職希望者29人
就職者27人
大学院進学者109人
就職率93.1%(就職希望者が分母)
卒業者に占める大学院進学者約74.1%(109÷147、編集部計算)
[1]

就職率と大学院進学者の割合では分母が異なります。93.1%を全卒業者の就職割合や研究職への採用率と読み替えないようにしましょう。進学する人が多いので、学部の就職先だけでその後の選択肢を判断しないことも大切です。

一方で、進学者が多いことは全員が大学院へ進むべき理由にはなりません。希望する職種の応募条件、研究したいテーマ、学費や生活を並べ、学部就職と進学を自分の目的から比較してください。

3学科の就職先は、食品や農業だけに限らない

2025年度・学科別の就職先から抜粋
学科掲載先の例
応用生物科学科いーふらん、エクシオグループ、コスモス薬品、住友電気工業、ダイキン工業
生命機能化学科関電システムズ、佐藤薬品工業、住友ゴム工業、大和ハウス工業、ユニバーサルコンピューター
緑地環境科学科大林組、国土交通省 近畿地方整備局、ジェイアール西日本コンサルタンツ、生態計画研究所、中央復建コンサルタンツ、奈良県庁、阪急阪神不動産、山崎製パン
[2]

掲載先の一部をまとめたもので、企業・機関ごとの人数や職種は示されていません。製薬企業だから研究開発、建設会社だから施工管理、自治体だから農業職という補い方はできません。実際に希望する採用区分の募集要項を確認してください。

企業の知名度だけで比べず、農学の知識を直接使う仕事か、研究や実習で身に付けた経験を別の分野で生かす仕事かを考えます。同じ会社でも職種によって準備が変わるため、事業内容からさらに一歩進めて仕事内容を調べましょう。

学部の就職先に希望する社名がなくても、応募できないことを意味しません。大学院修了者の実績を確認する場合は、その対象と年度を確かめ、学部卒の実績へ混ぜずに検討することが重要です。

大学院は、研究を続ける目的と指導体制から選ぶ

2025年度の進学先は、応用生物科学科では大阪公立大学大学院、奈良先端科学技術大学院大学、神戸大学大学院、北海道大学大学院、東北大学大学院です。生命機能化学科は大阪公立大学大学院、緑地環境科学科は大阪公立大学大学院、京都大学大学院、名古屋大学大学院が掲載されています。[2]

これらは進学の実績であり、入学や研究室への配属を保証するものではありません。研究したい対象、方法、指導体制、出願条件を確認し、学部の教員へ相談しましょう。進学者109人の研究分野や各校の人数を、大学名だけから推定しないことも必要です。

進学と就職を比較するための確認表
確認項目考える内容
研究への関心学部で分かったことと、さらに確かめたい問い
仕事との関係希望職種で求められる学位・専攻・経験
学習環境研究室の指導と、必要な手法を学べる環境
時間と費用出願・試験・卒業研究の日程、学費と生活費
相談指導教員、進学先窓口、キャリア支援室へ聞くこと

研究開発を目指す場合も、大学院に進めばどの研究職でも選べるというわけではありません。募集される専門分野と自分の研究内容を照らし合わせ、必要な経験をどう積むかを具体的に考えてください。

応用生物科学科は、生物を育て、調べ、活用する経験を整理する

応用生物科学科は、植物を中心に生物の働きを遺伝子やタンパク質などから理解し、食料・生物資源の生産や環境保全へ生かす教育を行っています。植物工場や研究農場を活用した学び、データ科学との融合も紹介されています。[3]

講義だけでなく実験やフィールド実習を組み合わせ、研究へ進む構成です。フィールド実習では実験に使う植物資源を育て、維持し、増やし、評価することを学び、バイオインフォマティクス演習では生物の情報を扱う力を学ぶと案内されています。[3]

自己PRでは、植物の状態や条件をどのように記録したか、計画通りに進まないときに何を確認したかなど、継続して行った行動を選びます。「忍耐力がある」で終えず、研究や実習の目的に合わせて、どのように手順を見直したかを説明しましょう。

食品や農業以外の企業に応募する場合も、対象を知り、記録を取り、原因を確かめた経験は説明の材料になります。ただし、大学で扱った技術や情報を、応募先の仕事にそのまま使えると断定せず、仕事内容との共通点と追加で学ぶ点を分けます。

生命機能化学科は、化学と生物を結び付けて説明する

生命機能化学科は農芸化学を背景に、生命現象を化学と生物の両面から捉える学科です。生化学、分子生物学、有機化学、微生物学などを学び、食品や医薬品、環境・資源に関する分野への応用を考えます。[4]

学科は学生実験を重視し、食品化学や発酵生理学などの講義を紹介しています。公式のカリキュラム表には2026年度以降入学生の注記があるため、選考で自分の経験を述べるときは、実際の入学年度・履修科目を確認しましょう。紹介されている全科目を全学年が同じように学んでいるとは限りません。[4]

実験経験は、結果だけでなく、比較する条件や手順をどう理解し、記録からどのように考察したかで説明します。研究室全体の成果と自分の担当を分け、専門外の人へも問いが分かるように練習してください。

編集部の架空の例:「実験結果を比べる前に、条件と測定方法がそろっているかを確認しました。差がある点を整理して指導者へ相談し、説明できる範囲を限定して報告しました」。実際の経験へ置き換えるための例です。未公表の研究内容や、実施していない実験成果を加えないようにします。

緑地環境科学科は、自然と人の活動を一緒に考える

緑地環境科学科では、大気、水、土、生物と人間活動の関係を学びます。農地や自然地、都市の緑地を対象に、保全や環境づくりを多角的に考える学科です。実験・実習、インターンシップ、卒業研究を通じて専門性を深める構成が紹介されています。[5]

科目には測量、緑地水文学、都市環境デザイン、緑地保全学、里地里山管理学実習などがあります。生き物に詳しくなるだけでなく、その場所の水や土、人の使い方を調べて考える視点が特徴です。[5]

調査や計画の経験を選考で説明するなら、何を守りたいと考え、どの情報を集め、利用する人や管理する人の条件をどう考慮したかを整理します。現場の観察と資料の分析が食い違ったとき、どの点を確かめ直したかも有効な材料です。

公務や環境・建設関連の仕事を希望する場合は、その機関や会社が担当する範囲を調べます。「環境を守りたい」から一歩進めて、調査、計画、管理など、どの仕事に関心があるかを具体化しましょう。実習を経験したことと、その職種の採用資格を満たすことは別に確認します。

副専攻の募集停止と、資格の条件に注意する

応用生物科学科の食生産科学副専攻と、応用生物・緑地環境等が関わる植物工場科学副専攻は、公式ページに「2026年度以降募集停止」と明記されています。紹介文が残っていても、新たに履修できるプログラムとして勧めないようにします。既に履修している人は、継続条件を担当窓口で確認してください。[3] [5]

生命機能化学科は創薬科学副専攻や、同学科生を対象に3年次から始まる食品安全科学プログラムを案内しています。関心がある場合は対象者、履修条件、通常の授業との重なりを確認しましょう。副専攻の名称だけで、特定職種への採用や薬剤師等の資格が得られると解釈しないことが大切です。[4]

各学科の資格欄には教員免許や食品衛生に関わる資格、測量・緑地に関わる資格などが掲載されています。ただし、取得に必要な履修、受験資格、実務経験、基礎知識を学べるだけの資格は区別が必要です。希望する資格について、入学年度の履修案内と現在の試験・登録条件を確認してください。[3] [4] [5]

今週は募集条件と、実験・調査の説明を一つずつ確認する

全学のキャリア支援室では進路、応募書類、面接などを相談でき、就職支援ナビには求人や説明会の情報があります。研究室の教員へは研究の方向や進学を相談し、必要に応じて両方を利用しましょう。[6]

今週は、関心のある職種または大学院の募集要項を一つ読み、自分が研究や実習で条件を確かめた経験を短くまとめてください。学位・専門・資格の不明点と、自分の行動の説明を持って相談すれば、次に準備することを具体的に決められます。

農学部で学ぶ対象は幅広く、就職も進学も一つの業界に限られません。自分が何に関心を持ち、どのような根拠で考えたかを伝え、希望する仕事や研究につながる選択を進めましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 卒業生・修了生の進路状況確認日:2026-09-11 / 2025農147卒27就109院29希望93.1、2026-05-01。109/14774.1独自計算
  2. 2025年度卒業生の進路詳細確認日:2026-09-11 / 7頁農3学科本文画像確認済み
  3. 応用生物科学科確認日:2026-09-11 / 植物等生物資源、フィールド・データ、食生産と植物工場副専攻2026募集停止
  4. 生命機能化学科確認日:2026-09-11 / 化学生物基盤、9学生実験、食品安全3年、創薬副専攻。カリキュラム2026以降注記
  5. 緑地環境科学科確認日:2026-09-11 / 環境構成要素と人間活動、測量野外調査デザイン、植物工場副専攻停止。古い資格詳細不使用
  6. 就職・キャリア支援確認日:2026-09-11 / 全学相談ナビ

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