医学科と保健学科では、卒業後の準備が異なる

医学部の進路は、医学科と保健学科を一つの就職率にまとめて判断しないようにします。医学科は医師としての臨床や医学研究を考える課程で、保健学科は看護学、放射線技術科学、検査技術科学の三専攻を持ちます。[1] [2]​‌​‌‌‌‌​‌​​‌‌‌‌‌‌​​​​‌​‌‌​‌​​‌​‌‌​​‌​​​‌‌‌​‌​​​​‌​‌​​‌​​​‌​‌‌‌​‌

学科・専攻と、進路を考える入口
所属学び・資格の方向準備の主な確認点
医学科医学・医療、医師国家試験後の研修など臨床研修、研究への関心、選考と学修の日程
保健学科・看護学看護師国家試験受験資格病院等の勤務、進学、履修に応じた資格
保健学科・放射線技術科学診療放射線技師国家試験受験資格医療機関、技術や研究に関わる進路、大学院
保健学科・検査技術科学臨床検査技師国家試験受験資格医療機関、研究・企業、大学院
[1] [2]

資格欄にある受験資格は、そのまま国家資格の取得を意味しません。必要な履修や受験、免許に関する手続きと、進路先の採用条件は分けて確認します。

2025年度の進路は、臨床研修医を別に読む

大学の「2025年度学部卒業生進路状況」は、医学科と保健学科を別行で掲載しています。大学院修了者は別のページの表であり、以下には含めていません。[3]

2025年度・医学部学部卒業者の進路
区分卒業者大学院進学就職者臨床研修医その他
医学科94人0人0人91人3人
保健学科159人86人65人別区分の対象外8人
[3]

医学科の就職者欄が0人でも、卒業生が進路を得られなかったという意味ではありません。臨床研修医91人が別欄に計上されています。この人数を医師国家試験の合格者数や、附属病院で研修する人数と読み替えることもできません。[3]

保健学科の就職者65人は、企業等63人、公務員1人、教員1人という区分です。「企業等」には統計上この欄へ分類される就職先が含まれ、63人全員が民間企業の一般職になったという意味ではありません。三専攻別の人数や採用職種も、この表だけでは分かりません。[3]

大学院進学86人と就職65人は別区分です。就職者数を卒業者数で割った割合を、就職希望者ベースの就職率と呼ばないようにしましょう。その他8人の内訳も、この表から独自に補うことはできません。

医学科は、実習と研究の関心を卒後の計画につなぐ

医学科のカリキュラム案内は、基礎医学の講義・実習、3年次の基礎医学講座配属、臨床医学や臨床実習を紹介しています。研究室での経験と臨床での経験をそれぞれ振り返り、どの課題に関心を持ったかを整理しましょう。[1]

同案内は、医師国家試験に合格した後の2年間の初期臨床研修を卒後の進路として示しています。実際の研修先選びでは、現在の募集要項、プログラム、選考方法を確認し、見学や説明の機会を通じて自分の希望と照合します。[1]

研修先では「どのような指導・相談体制がありますか」「経験する診療科や地域医療の機会をどう組み合わせますか」「研究に関心がある場合、どのような相談先がありますか」などを確認すると比較しやすくなります。附属病院があることを、自分が自動的にそこで研修する根拠にはしません。

研究への関心がある人は、研究室で行った作業、知りたい問い、さらに学びたい方法を教員に相談します。臨床と研究をどう組み合わせるかは、一般的な進路図だけで決めず、現在の制度と自分の学修状況を踏まえて考えましょう。

保健学科は、専門職と研究・企業の方向を比較する

2027年度保健学科パンフレットは、学部卒業生と博士前期課程修了者の進路を分けて掲載しています。ただし、その進路図には対象年度と人数が明記されていないため、本記事では割合を年度別統計として使用せず、掲載されている進路先の例を参考にします。[2]

パンフレットの学部卒業生欄にある進路先の例(対象年度未明記)
専攻掲載例
看護学大阪大学医学部附属病院、横浜栄共済病院、テルモ
放射線技術科学国立循環器病研究センター、島津トラステック、富士フイルム
検査技術科学石川県立中央病院、日本アイ・ビー・エムデジタルサービス、鈴与シンワート
[2]

同じ紙面の大学院修了者の企業・病院を、学部卒業直後の採用先と混同しないことが重要です。また、企業名から研究開発職や技術職への配属を断定することもできません。現在の募集職種、求める学位、応募条件を確認しましょう。

看護学専攻では、所定の単位修得によって養護教諭一種免許状の申請が可能とされています。保健師・助産師の教育コースは大学院の案内に掲載されており、学部卒業だけで一律にそれらの資格まで取得できると考えないようにします。[2]

放射線技術科学や検査技術科学では、専門技術に加えて研究に取り組む学びが示されています。大学院進学を考える場合は、研究分野、指導教員、入試、費用、修了後の希望を整理します。企業への就職を考える場合も、学位要件と仕事内容を求人で確かめます。[2]

実習・研究の経験は、学生としての担当を明確にする

応募書類や面接では、どの経験から希望する領域に関心を持ったか、そこで何を学んだかを説明します。研究で使った手法や実習先の名前だけでなく、自分が観察し、相談し、改善した行動を具体化しましょう。

編集部の架空の例です。「実習の振り返りで、自分が理解した内容を相手へ伝える際、説明の順序を工夫する必要があると感じました。指導者に相談し、伝える情報を整理してから確認するよう意識しました。今後も、分からないことをそのままにせず、根拠を調べて相談できる姿勢を大切にしたいと考えています。」

これは大阪大学の学生の実話や内定事例ではありません。自分が行ったことだけに置き換え、学生として関わった範囲を超える診療・研究の成果を主張しないようにします。患者や家族の情報、非公開の研究データは外部へ持ち出さず、応募資料への利用範囲を教員に確認しましょう。

医療機関を比較する際も、規模や知名度だけで決めず、対象者、業務、配属、新人教育、相談体制を確かめます。大手企業を考える人は、会社名への憧れと、実際に担いたい仕事を分けて整理すると、志望理由を考えやすくなります。

学科の教員と全学のキャリア相談を使い分ける

資格の履修、実習、研修や大学院については所属学科・専攻の教員や担当窓口へ確認します。一般企業の応募、エントリーシート、面接、就職と進学の比較については、全学のキャリアセンターも相談先になります。[4]

大阪大学のキャリア相談は予約制で、キャリア支援システムから申し込みます。吹田・豊中・箕面で相談を受け付け、オンライン相談も案内されています。相談に使いたい求人、経験のメモ、予定表を準備しましょう。[4]

  • 医学科か保健学科のどの専攻かを基準に、進路の条件を確認する。
  • 国家試験、実習、研修先選考、就職、進学の予定を整理する。
  • 見学や説明会で確かめる業務・教育体制の質問を用意する。
  • 研究・実習の経験を、自分の担当と学びに分けて書く。
  • 所属の教員とキャリア相談で、準備の優先順位を決める。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 大阪大学 医学科 カリキュラム確認日:2026-09-10 / 基礎医学3年講座配属、臨床実習、卒後国試後2年研修。古い詳細研修科目数や1/3研究者は不使用
  2. 大阪大学 2027年度保健学科パンフレット確認日:2026-09-10 / PDF冊p3(4枚目)3専攻受験資格・養護、p4(5枚目)学部/修士別進路一覧、対象年度人数未記載で比率不使用。p11大学院保健師助産師。紙面画像確認
  3. 大阪大学 2025年度学部卒業生進路状況確認日:2026-09-10 / PDF1頁医学94院0就0臨研91他3、保健159院86企業63公務1教1就65他8。括弧は内数。年度のみ集計日明記なし。画像確認
  4. 大阪大学 キャリアセンター 在学生の方へ(就活中・後)確認日:2026-09-10 / 3地区・Zoom、予約キャリア支援システム、書類進学相談

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