就職率100%と、コースごとの進学を分けて読む

大分大学福祉健康科学部の2025年度卒業者は98人で、就職希望者71人中71人が就職しています。大学公表の就職率は100%ですが、卒業者全員の就職を意味せず、進学者24人とその他3人は別の区分です。就職者には非常勤・臨時職員なども含まれます。[1]‌​‌‌‌​‌​​​‌​‌​​‌​​‌‌​‌​‌‌‌‌‌‌​‌​​​‌‌​​​​​‌‌‌​​‌‌​​​‌‌‌​​​‌‌‌‌​‌​

2025年度卒・コース別の進路
コース卒業者就職者大学院進学者その他
理学療法28人22人6人0人
社会福祉実践35人34人0人1人
心理学35人15人18人2人
[2]

心理学コースは35人中18人が大学院へ進んでいます。編集部計算では約51.4%です。学部で就職する人と大学院で専門を深める人の両方がいるため、自分が目指す職種に必要な学修・資格の条件から進路を考えましょう。

同じページにある国家試験の合格実績は、卒業生・修了生を対象とした別の表です。就職率やコース卒業者全員の資格取得率と混同しないようにします。特に公認心理師の試験実績を、心理学コースを卒業しただけで得られる資格の証拠にしないことが大切です。[2] [5]

医療・福祉・行政・企業の就職先を役割から比べる

大学全体の主な就職先資料は2023~2025年度の3年間をまとめています。次は学部の3コース欄からの抜粋で、大学院修了者の掲載先は含めていません。[3]

3年間の主な掲載先の例
コース掲載先
理学療法大分リハビリテーション病院、大分中村病院、杏林大学医学部附属病院、神戸市立医療センター中央市民病院
社会福祉実践大分市社会福祉協議会、社会福祉法人萌葱の郷、大分県、法務省、武蔵野赤十字病院
心理学大分県、大分労働局、大分銀行、TOPPANホールディングス、アクセンチュア
[3]

企業・機関ごとの人数や配属職種は分かりません。心理学コースから企業への掲載例があっても、人事や心理相談の職種に就いたとは断定できません。医療機関への就職も、機関名から担当業務を推測せず、求人の職種を確認してください。

知名度のある組織への実績は応募先を調べるきっかけになりますが、自分の採用を保証するものではありません。どのような人の生活を、どの立場で支えたいかを考え、募集条件と仕事の内容を照らし合わせましょう。

3領域を横断する学びを、連携した経験にする

学部は医療・福祉・心理の3分野を横断し、生活を包括的に支える力を育てる方針です。1年次に地域と生活課題、2年次に仕組みや社会資源、3年次に支援の調整、4年次に各領域の役割と実践を学ぶ目標が示されています。[4]

面接では「多職種連携が大切です」だけでなく、自分の専門で分かることと他の専門家に相談することをどう分けたかを話せると、学びが伝わります。演習の事例で、身体機能、生活環境、本人の希望をどのように整理したかを振り返ってください。

編集部の架空の例:「演習で生活上の困りごとを検討した際、身体面だけで考えていたことに気づきました。別の視点の意見を聞き、本人の希望と利用できる支援を分けて整理し直しました」。これは実績ではなく文章例です。実際の学修で自分が行った検討に置き換えましょう。

理学療法は、就職先での学び方と支援対象を確認する

理学療法コースは、全学年の臨床実習や現場の理学療法士による講演を紹介しています。3年次後期からアンケートや個別面談を行い、希望に沿って進路を支援し、大学院を考える学生には研究内容に合わせた個別指導も行っています。[6]

施設を比べるときは、対象となる人や支援の場面、新人への指導、症例や課題を振り返る機会、他職種への相談体制を確認しましょう。実習先での印象だけで決めず、候補ごとに同じ質問をすると比較しやすくなります。

進学か就職か迷う場合は、現場で身につけたいことと、研究として確かめたい問いを並べます。国家試験の準備、実習、応募の締切も一枚の予定表にまとめ、個別面談で無理のない順序を相談してください。

社会福祉実践は、相談支援の場所と採用区分を調べる

社会福祉実践コースでは、行政、社会福祉協議会、福祉施設、医療機関、NPOなどの進路に応じ、教員との面談や卒業生の講話で支援しています。福祉専門職の就職活動に関するガイダンスや、個別の希望に応じた職場見学も案内されています。[6]

社会福祉士と精神保健福祉士の両方を全員が取得すると考えず、希望する資格に必要な履修を確認してください。学部の案内では精神保健福祉士の養成は10名程度とされています。資格の取得見込みと採用区分、応募先の条件を別々に確かめましょう。[7]

職場見学では「初めて担当する相談について、誰と検討できるか」「他機関との連携や記録をどう進めるか」など、支援の過程を尋ねると判断材料になります。勤務条件と、専門職として学び続ける環境の両方を確認します。

心理学は学部卒就職と資格を目指す進学を比較する

心理学コースは、各分野の心理専門科目と実習を通して幅広く学ぶコースです。認定心理士と公認心理師は異なる資格で、公認心理師の国家試験受験資格には大学院進学等が必要と案内されています。学部卒だけで直ちに公認心理師になれるとは考えないようにしましょう。[5]

公式案内では2027年度入学生から、公認心理師の受験資格に関わる「実践領域実習Ⅰ・Ⅱ」と「心理演習」の履修を30人上限としています。これから入学する読者は、自分に適用される履修条件を確認してください。現在の在学生へ、この上限を一律に当てはめるものではありません。[5]

心理専門職を目指すなら、必要な学修ができる大学院、指導分野、研究計画、費用を調べます。企業や公務員への学部卒就職なら、募集職種と資格条件を確認し、調査・研究や実習で学んだ方法を具体的に説明しましょう。

「人の気持ちが分かる」と言い切るより、複数の情報を集め、判断の限界を意識し、相談して見直した経験を示す方が、自分の行動を伝えられます。コースでは1年次から指導教員との定期面談を行うため、進学と就職の迷いを早めに相談してください。[6]

今週は、資格の条件と職場の比較表をそろえる

まず自分のコースについて、目指す職種、必要な資格、追加の学修、応募締切を整理します。次に候補の職場や大学院を3件選び、支援対象、教育・指導体制、仕事内容または研究内容、費用や勤務条件を比べましょう。

その比較表と一つの学修経験を持って、コースの担当教員へ相談します。就職率の高さだけを頼りにせず、自分の専門をどこで使い、どのように学び続けたいかを具体化することが、納得できる選択につながります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 大分大学 2025年度卒業・修了生の進路状況確認日:2026-09-11 / 卒98就71希望71進24他3、一時的仕事含む
  2. 資格取得・就職進学実績確認日:2026-09-11 / 2025年度:理学28就22院6、社会35就34院0他1、心理35就15院18他2。国試は卒修了合算表
  3. 過去3年間の主な就職先確認日:2026-09-11 / 2023~2025年度。1頁学部3コース、3頁院別。会社人数職種不明
  4. 福祉健康科学部 学部ポリシー確認日:2026-09-11 / 3領域横断・生活の包括支援、1~4年学修目標
  5. 心理学コース確認日:2026-09-11 / 心理専門・実習、認定心理士と公認心理師の違い、後者受験に院等。2027入学から対象科目上限30
  6. 就職・進学支援確認日:2026-09-11 / PT3年後期面談、社会個別見学、心理1年から定期面談
  7. 福祉健康科学部 学部長挨拶確認日:2026-09-11 / 精神保健福祉士10名程度、公認心理師の受験要件等

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