学部就職45人と進学416人を分けて読む

大学が2026年5月現在として公表した2025年度の進路は、学部卒業者471人、就職者45人、進学者416人、帰国者7人、その他3人です。卒業者には年度途中の卒業者も含まれます。就職希望者46人に対する就職者45人の割合が97.8%で、卒業者全体に対する就職の割合とは異なります。[1]​‌​​​​​‌​​‌​‌‌​​​‌‌‌‌​​​‌​‌‌​​​​​‌​​‌​‌‌​​​‌‌‌‌​‌​​​​​​​‌‌​​‌‌​‌

2025年度の学部進路
実績表の分野卒業者就職者進学者
機械工学111人10人98人
電気電子情報工学130人7人120人
情報・経営システム工学56人4人51人
物質生物工学105人10人93人
環境社会基盤工学69人14人54人
[1]

この表は卒業者・就職者・進学者の抜粋で、帰国者やその他は省いています。各分野の就職人数だけを見て、少ない分野は就職できないと判断するのは適切ではありません。多くの人が進学しており、学部卒で働く場合と修士修了後に働く場合を分けて検討する必要があります。[1]

学部卒の就職先を学位・分野とセットで確認する

2025年度の学部就職先から抜粋
分野公式掲載先の例
機械工学オイレス工業、日立建機ティエラ
電気電子情報工学富士電機、パナソニック エレクトリックワークス
物質生物工学有沢製作所
環境社会基盤工学五洋建設、国土交通省北陸地方整備局
[1]

上の例は、学部と修士の列が分かれた公式の産業分類別就職先一覧から、学部の列を確認したものです。一方、同じ年度の本田技研工業6人は機械工学の修士、トヨタ自動車1人は情報・経営システム工学の修士の実績です。大学全体の企業名一覧を、そのまま学部卒だけの実績として使わないようにしましょう。[1]

企業名や人数からは、個々の採用職種、選考経路、配属先までは分かりません。著名企業への実績は応募先を調べる入口になりますが、自分の内定を保証するものではありません。親会社とグループ会社を区別し、応募する法人名と募集職種を求人で確かめてください。

専門分野ごとに学びの説明を変える

教育内容から準備する問い(右欄は編集部の提案)
分野大学が示す学びの内容振り返る問い
機械工学情報・制御、設計・生産、熱・流体、材料など設計や実験の条件をどう決め、結果をどう評価したか
電気電子情報工学電力・制御、電子デバイス、情報通信制御ハードとソフトのどの部分を扱い、問題をどう切り分けたか
情報・経営システム工学データ分析、システム開発、管理・経営戦略データや利用者の課題をどう整理し、判断へつなげたか
物質生物工学材料創成、資源活用、生体環境試料・実験の条件と再現性をどう確かめたか
環境社会基盤工学社会基盤の計画・設計・建設・維持と環境、防災安全、環境、利用者への影響をどう検討したか
[2] [3] [4] [5] [6]

表の教育内容は大学の紹介に基づきますが、右欄は選考準備のための問いです。全員が同じ研究や実験を経験したという意味ではありません。履修した授業、制作、研究のうち、自分が実際に手を動かしたものを選んで説明しましょう。

同じ「課題解決力」という言葉でも、測定誤差を調べた経験と、システムの要件を整理した経験では中身が違います。何を問題と捉え、どの方法を選び、何が分かったかを順番に話すと、専門が異なる面接官にも伝わりやすくなります。成果がまだ出ていなくても、検討の根拠と現時点の限界を説明できます。

実務訓練は担当した仕事と学びを振り返る

実務訓練は、大学院修士課程へ進学予定の学部4年生を対象とする約4か月、8単位の必修科目です。2025年度には266機関で382人が実施し、国内は226機関321人、海外は40機関61人と公表されています。この人数は実務訓練の実績であり、就職者数ではありません。[7]

参加した人は、受入先の名前に加え、与えられた課題、自分の担当、報告や相談の方法、現場で学んだことを整理します。長く参加したこと自体よりも、大学の学びがどこで役立ち、どこに足りない知識があったかを具体的に示すと、進学後の研究目的にもつながります。

企業や研究機関で扱った情報には、公開してよい範囲を確認する必要があります。面接用に内部資料や未公開データをそのまま持ち出さず、説明可能な範囲で工夫や学びをまとめましょう。実務訓練の受入先だから採用されると考えず、就職の募集と選考は別に確認してください。

進学か就職かは、希望職種と研究目的から考える

2025年度の修士課程は修了者373人、就職希望者328人、就職者327人です。進学者23人、復職者11人などは別区分で、復職者は在職しながら在籍していた社会人学生を指します。学部と修士を合算した就職率99.5%を、工学部卒だけの率と説明しないことが大切です。[1]

進学を検討する場合は、深めたいテーマ、研究室で扱う方法、必要な費用と期間を整理します。応募したい仕事の募集学位も確認し、研究で伸ばしたい力と仕事の要件がどうつながるかを考えましょう。先輩の進学が多いことだけで、自分の進路を決める必要はありません。

学部卒で就職する場合は、修士の研究経験を前提にせず、自分が身につけた基礎と実践を説明します。募集要件を満たす職種を探し、今ある経験で話せることと、入社後に学びたいことを区別して準備すると、志望理由を具体化できます。

応募方法と相談窓口を早めに確認する

大学はイリアスで就職活動の案内を提供し、キャリタスUCで求人やインターンシップ情報を案内しています。学校推薦や専門分野の求人は、各系の就職担当教員・就職事務室へ確認するよう示しています。自己分析、応募書類、模擬面接を扱う進路・就職出張相談も利用できます。[8]

公式資料では、自由応募の学生に対する推薦書・紹介状等は原則として発行せず、学校推薦制度の推薦書は従来どおり発行するとしています。企業から書類を求められたら、自分だけで対応を約束せず、募集内容と要求された書類を担当窓口へ示して確認しましょう。[1]

今週の準備(編集部の提案)
順序行うこと
1学部就職か進学後の就職か、現時点の希望を整理する
2自分の分野・学位に対応する就職実績を読む
3気になる募集を比較し、学位・職種・応募方法を確認する
4実験・研究・実務訓練の経験を一つ、本人の行動が分かる形にする
5不明点を持って就職担当や相談窓口を利用する

学歴への不安が強いと、大学名だけで応募先を狭めたくなることがあります。しかし、公式実績から分かるのは過去の進路であり、企業が自分をどう評価するかまでは分かりません。現在の募集要件を確認し、経験の説明を磨くという、自分が取り組める準備を進めましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 長岡技術科学大学 2025年度 就職状況一覧確認日:2026-09-11 / 2026年5月、全20頁本文画像。学部・修士別人数、就職企業、推薦方針
  2. 長岡技術科学大学 機械工学分野確認日:2026-09-11 / 分野教育
  3. 長岡技術科学大学 電気電子情報工学分野確認日:2026-09-11 / 分野教育
  4. 長岡技術科学大学 情報・経営システム工学分野確認日:2026-09-11 / 分野教育
  5. 長岡技術科学大学 物質生物工学分野確認日:2026-09-11 / 分野教育
  6. 長岡技術科学大学 環境社会基盤工学分野確認日:2026-09-11 / 分野教育
  7. 長岡技術科学大学 実務訓練の概要と実績確認日:2026-09-11 / 対象、期間、2025年度受入実績
  8. 長岡技術科学大学 就職支援確認日:2026-09-11 / 相談、求人、推薦窓口