大学を選んだ理由が立派でなくても、当時の判断を整理する

「第一志望に落ちたから」「通いやすかったから」「学力に合っていたから」。こうした理由しか思いつかず、就活の面接で話すことをためらう人もいるでしょう。回答を作るときは、入学前から強い目標があったことにするのではなく、当時の選択と、入学後の経験を分けます。

おかやま新卒応援ハローワークが2017年2月に作成した質問集には、高校・大学を選んだ理由を聞く質問が掲載されています。これは過去の質問例であり、現在の全企業が必ず聞くことや、その評価基準を示すものではありません。[1]

聞かれた場合に備え、①当時の判断材料、②進学先で自分が選んだこと、③現在の関心、の順に短く整理しておきましょう。過去の理由を後から書き換えず、入学後に関心が変わったことも、そのまま説明できます。

入学前・入学後・今の三つに分けると、理由を作らずに話せる

回答を作るための編集部メモ
時期書き出すこと混同しないこと
入学前受験した分野、選べた進学先、重視した条件入学後に知った授業を当時の志望理由にしない
入学後履修・ゼミ・活動で、自分が選んだこと参加していない活動を経験にしない
学びから関心を持った仕事や課題現在の志望職種を昔からの夢にしない

最初から仕事まで一直線につながっていなくても構いません。大学に入って学ぶ中で関心が具体化したなら、何をきっかけに変わったかを話します。「昔から決めていました」と言うより、自分の経緯に合った説明を準備しましょう。

大学の特徴を調べることは役立ちますが、パンフレットにある特徴をすべて自分の理由へ取り込まないでください。自分が当時知っていたことと、今振り返って良かったと感じることを区別すると、深掘りにも答えやすくなります。

第一志望ではなかった場合:入学後の選択を具体的に伝える

「当初希望していた大学とは異なりますが、関心のあった経済分野を学べる進学先として選びました。入学後は地域の産業を扱う授業に興味を持ち、企業の資料を比較する課題に取り組みました。その経験から、地域の企業を支える仕事に関心が具体化しました。」

この例の授業や課題を経験していないなら使えません。第一志望でなかったことを隠すために、新しい理由を作るのではなく、進学先を決める際に実際に考えたことと、そこで行動したことを話します。

受験の不合格について聞かれていないのに、経緯を長く説明する必要はありません。ただし聞かれた事実を否定せず、簡潔に答えます。他大学と比較して自分の大学を下げたり、受験の結果だけを自分の価値として説明したりする必要もありません。

通学・学力・周囲の勧めが理由だった場合の整理

通いやすさを重視した場合の架空例

「通学を含めて学び続けられる条件を重視して進学先を選びました。入学後は、興味のあったゼミを選び、資料を比較して発表する課題に取り組みました。当初は生活面の条件を重視していましたが、学ぶ中で情報を整理して相手に伝える仕事に関心を持ちました。」

学力や受験結果を考えて選んだ場合

「当時は学びたい分野と受験の条件を踏まえ、選べる進学先の中から決めました」と事実を短く整理し、その後に実際に学んだことを続けます。「簡単だったから」という一言で終えるより、選択できる範囲で何を考えたのかを言葉にしてみましょう。

周囲に勧められた場合

勧めがきっかけだったことと、最終的に自分がどう判断したかを分けます。自分でほとんど調べなかったなら「詳しく比較しました」とせず、入学後にどんな授業や活動を自分で選ぶようになったかを振り返ってください。

どの例も、現実の選択を美化するための言い換えではありません。理由を少し詳しく説明し、その後の行動を別の事実として示すための整理です。経験していないゼミや活動を付け足さないようにします。

家庭の事情を詳しく話す必要がある、と一人で抱え込まない

進学理由に学費や家庭の事情が関係していても、家族の収入・職業や生活環境まで細かく説明しなければならないとは考えないでください。厚生労働省は、本人の適性・能力に関係のない家族や生活環境などの把握が就職差別につながるおそれがあると案内しています。[2]

答えにくい質問があれば、たとえば「進学先を選んだ際に重視した条件と、入学後の学びについてお話しします」と、自分の選択や経験に戻して説明する方法があります。これは編集部による回答の提案で、選考結果を保証する言い方ではありません。

家庭などに踏み込む質問への対応に迷った場合は、大学の就職支援担当へ相談できます。厚生労働省は、不適切な質問などについて最寄りのハローワークや都道府県労働局を相談先として案内しています。大学を選んだ理由という質問のすべてを一律に判断するのではなく、実際に何を聞かれたかを整理して相談してください。[2]

学部を選んだ理由と、今の仕事選びの理由を分ける

大学は通学や受験条件で選び、学部は興味で選んだ人もいます。どちらを聞かれているか確認し、大学と学部の理由を一つにまとめすぎないようにしましょう。

面接で聞かれた内容に合わせる
聞かれたこと回答の中心
大学を選んだ理由進学先を判断した条件と経緯
学部・学科を選んだ理由当時関心があった分野や選択の経緯
大学で学んだこと実際に取り組んだ授業・研究と得た理解
専攻と違う仕事を選ぶ理由今の仕事内容への関心と、経験との接点

文学部から金融、理系から営業など、専攻と応募職種が一致しない場合も、過去の学びを否定して理由を作る必要はありません。現在の仕事をどう調べ、どの場面に関心を持ったのかを説明し、専攻で身につけた取り組み方をどう使いたいか考えます。

丸暗記より、追加の三問に答えられるか確認する

  • 入学後に、自分で選んで取り組んだことは何か
  • 当初の想定と違ったことに、どう対応したか
  • 現在の企業選びでは、どんな情報を確認しているか

これらを聞かれたときに、最初の回答と矛盾しないか確かめてみます。最初から目標が明確だったことにしていると、当時の行動を説明できなくなることがあります。曖昧な箇所は、事実を振り返って直しましょう。

厚生労働省の学生向けジョブ・カードの案内には、経験を振り返り、学内のキャリアセンターなどへ相談する方法が紹介されています。大学選びから現在までを短い年表にし、言葉にしづらい点を相談してみてください。[3]

逆転就活塾の無料相談でも、第一志望ではなかった大学への思いや、進学理由をどう話すかという不安を整理できます。過去を作り替えるより、入学後の自分の行動を確かめ、今の企業選びへつなげていきましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. おかやま新卒応援ハローワーク|面接で聞かれた質問集(2017年2月作成)確認日:2026-09-09 / 大学を選んだ理由を聞かれた事例。現在の質問頻度を示す資料ではない
  2. 厚生労働省|求職者の皆様へ確認日:2026-09-09 / 適性・能力による採用選考、家族・生活環境等の質問と相談先
  3. 厚生労働省 マイジョブ・カード|学生の方へ確認日:2026-09-09 / 学生の経験の振り返りとキャリア相談の案内

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