就職率100%と進路決定率88.9%は、分母が異なる

国際学部は2025年度卒業生を第13期生として就職状況を公開しています。大学全体の進路表では、国際学部の卒業者306人に対し就職者は258人。就職希望者も258人で、就職率は100%です。これは卒業者全員が企業に就職した割合ではありません。[1] [4]‌‌​‌‌‌‌​​​​‌​​‌​​​​​‌‌‌‌‌‌​​​​‌​‌​‌‌​‌​​‌‌‌‌‌​‌‌​​​​‌‌‌​​‌​​​​​‌

国際学部・2025年度の進路
区分人数
卒業者306人
就職258人
起業・自営業5人
進学10人
専門学校・留学6人
その他26人
未登録1人
[1]

就職・進路決定率88.9%は、就職者と起業・自営業者を合計し、卒業者から進学者を除いた人数で割った指標です。就職希望者が分母の就職率とは、答えている問いが違います。「100%なのに88.9%なのはなぜ」と迷ったら、どの人数を数えているかを確認しましょう。[1] [4]

進学10人には自大学院5人、他大学院4人、その他進学1人が含まれます。大学院進学者は9人で、公式の大学院進学率は2.9%です。海外大学院への進学に関心があっても、この表だけでは進学先の国や専攻は分かりません。[2]

その他26人や未登録1人の個別事情は公表表から判断できません。留学や就職活動の状況を推測して説明せず、本人の希望進路を考えるときは、統計とは別に必要な条件を調べていきましょう。

2025年度の掲載企業と、希望する仕事を照合する

国際学部の第13期生の就職先一覧には、製造、情報通信、卸売、金融・保険、運輸・サービス、公務などの企業・団体が掲載されています。この学部別一覧を使えば、大学院との合算一覧から学部の就職先を推測する必要がありません。[4]

2025年度国際学部卒業生の掲載先からの例
分野公式掲載先の例
製造花王、オムロン、P&Gジャパン、三菱電機
情報通信SCSK、ソフトバンク、NTTデータグローバル・サービス
卸売住友商事、豊田通商、阪和興業
金融・保険三井住友銀行、日本貿易保険
運輸・サービス等日本航空、全日本空輸、JALスカイ、PwCコンサルティング
公務国土交通省、防衛省、富山県
[4]

会社名が似ていても、採用する法人は区別します。例えば日本航空とJALスカイは別の掲載先であり、一覧から全員の職種を客室乗務員などと決めることはできません。商社やメーカーについても、海外勤務や特定部署への配属を意味する資料ではありません。[4]

学部就職者の業種別資料では、製造業19.8%、情報通信業15.5%、運輸業12.0%、教育・公益・その他サービス17.4%などが示されています。業種の構成は仕事探しの入口になりますが、英語を使う頻度や担当業務は求人・説明会で確かめる必要があります。[3]

大手企業が気になる場合も、知名度だけで候補を決めず、担当する顧客、提供する商品・サービス、勤務地、配属方法を並べてみます。この資料は大手就職率や本人の採用確率を示していません。学歴への不安だけで判断せず、現在の募集条件と自分の経験を照合しましょう。

3領域と4地域を「研究した問い」で説明する

国際学部は「文化・言語」「社会・ガバナンス」「経済・経営」の3領域と、グローバル、北米、アジア、ヨーロッパの4つの地域研究科目群を設けています。一つの国への関心だけでなく、複数の見方から国際的な課題を理解する学びです。[5] [6]

学びを応募準備へつなげる問い(編集部の提案)
領域振り返る内容経験を具体化する問い
文化・言語表現、文化、価値観の比較自分と異なる前提を、何から理解したか
社会・ガバナンス社会制度や国際的な課題関係者ごとの立場と問題の原因をどう整理したか
経済・経営経済活動や企業の国際展開地域の条件が事業に与える影響をどう調べたか
[5] [6]

研究や授業の経験は、扱った地域、選んだ課題、参照した資料、比較した観点、結論の順にまとめます。「国際問題を幅広く学びました」より、どの問いに時間を使ったかが分かる説明を目指してください。調査で分かったことと、確認できなかったことも分けます。

国際学部では3~4年次の研究演習で問題の発見や解決に取り組むカリキュラムが案内されています。研究途中の人も、関心を絞った経緯や、資料の見方が変わった場面を話せます。専門用語は必要な分だけ使い、そのテーマを知らない相手に背景から説明できるように練習しましょう。[6]

語学力は、使った場面と自分の行動を添える

カリキュラムは2つの外国語を選んで学ぶ構成です。第1外国語は英語・中国語・朝鮮語から、第2外国語は案内された複数の言語から選びます。また、国際学部は100以上の専門科目を英語で履修できると案内していますが、全員の全授業が英語という意味ではありません。[5] [6]

語学の資格や点数を持っている人は、その情報に加えて、実際に使った場面を整理します。授業の発表、資料の読解、共同作業、現地の人への質問などから、自分が目的を持って言葉を使った経験を選んでください。点数だけでは分からない行動を補えます。

相手に意見が伝わらなかった経験も、原因を考え、言い方や資料を変えた過程を説明できれば振り返りの材料になります。外国語が得意かどうかという自己評価だけで終えず、伝わったかをどう確かめたかまで示しましょう。

仕事で外国語を使いたい場合は、「英語を使える会社」という条件をさらに具体化します。文書を読む仕事、顧客と交渉する仕事、社内の海外拠点と調整する仕事では使う場面が異なります。募集職種と説明会の情報から、自分が担いたい役割を考えてみてください。

留学の長さより、取り組んだ課題と変化を整理する

学部は原則として全員が短期・中期・長期のいずれかの留学に参加すると案内しています。ただし、留学や海外プログラムには参加資格や選考がある場合があります。全員が同じ期間・場所で同じ活動を経験する制度ではありません。[5]

海外での経験を整理する際は、渡航先の名前だけでなく、学ぶ目的、授業や活動の内容、自分の役割、難しかった場面、対応を変えた理由を書き出します。滞在期間が長い人の方が必ず評価されると考えず、自分が実際に行動した部分を探しましょう。

学部は国際問題に関するフィールドワーク、インターンシップ、国連ユースボランティアなども紹介しています。こうした学修機会の案内は、国際機関への採用実績や就職保証とは別です。また、卒業生のメッセージにある勤務先を、そのまま2025年度の新卒就職先に加えないようにします。[4] [5]

留学先で就職活動を始める場合は、時差、授業、面接の時間、通信環境を整理します。参加できない説明会があれば、録画や別日程の有無を募集先に確かめるなど、条件を具体的に相談できるようにしましょう。帰国後にすべてを始めるより、今取得できる情報から準備を進められます。

海外経験と研究内容を、キャリア相談で仕事につなぐ

大学のキャリアセンターは対面・オンラインの個人面談を提供し、海外留学中の学生も利用できると案内しています。エントリーシート・面接の相談や、KGキャリアナビでの求人・インターンシップ情報などを活用し、関心と応募先の接点を整理しましょう。[7]

相談前にまとめる4項目(編集部の提案)
項目準備する内容
関心どの地域・課題・仕事に興味があるか
経験研究、授業、留学で本人が判断して動いたこと
条件職種、勤務地、語学を使う場面、選考の締切
相談したい点経験が志望理由につながっているか、準備の順番は適切か

まず求人を3件読み、仕事内容を自分の言葉で説明し、授業や留学から一つの経験を選んでみてください。国際学部で何を学んだかを具体化し、仕事との接点を確かめることで、大学名や海外経験の有無だけに頼らない就職活動を進められます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 関西学院大学 2025年度 進路決定状況確認日:2026-09-11 / 国際学部、人数と2種類の率
  2. 関西学院大学 2025年度 大学院進学状況確認日:2026-09-11 / 国際学部の大学院9人・その他進学1人
  3. 関西学院大学 2025年度 業種別就職状況確認日:2026-09-11 / 国際学部就職者の業種
  4. 関西学院大学 国際学部 進路・資格確認日:2026-09-11 / 2025年度第13期卒業生の企業一覧。卒業生メッセージは別枠
  5. 関西学院大学 国際学部確認日:2026-09-11 / 3領域・4地域・留学・英語の専門科目
  6. 関西学院大学 国際学部 カリキュラム確認日:2026-09-11 / 2言語と地域研究・演習
  7. 関西学院大学 キャリア支援確認日:2026-09-11 / 海外からの個人面談、求人・選考支援