就職率100%と卒業者656人の進路を分けて読む

2025年度の進路決定状況では、商学部の卒業者は656人、就職者は589人です。就職希望者も589人で、就職希望者を分母にした就職率が100%となっています。卒業者656人全員が就職したという意味ではありません。[1]‌​‌‌‌​‌‌​​​‌‌​​‌​​‌‌​​​‌‌‌​​​‌‌​​‌​‌​​​‌​​​‌‌​​‌​‌‌‌‌‌​​‌​​‌‌​​‌

商学部・2025年度の進路
区分人数
卒業者656人
就職589人
起業・自営業4人
進学19人
専門学校・留学17人
その他22人
未登録5人
[1]

大学が別に掲載する「就職・進路決定率」は93.1%です。こちらは就職者と起業・自営業者を合計し、卒業者から進学者を除いた人数で割る指標です。「就職率」と名前が似ていても分母が違うので、他学部や他大学と比較するときは定義を確かめます。[1]

進学19人の内訳は自大学院14人、他大学院2人、その他進学3人です。大学院進学者は16人で、大学院進学率は2.4%と掲載されています。「進学」の合計19人を、そのまま大学院進学者数と説明しないようにしましょう。[2]

その他や未登録について、資料から個別の事情は分かりません。資格試験の勉強中だろう、就活に失敗したのだろうと補わず、公表範囲にとどめます。数字を確認したうえで、自分の希望進路の準備に必要な情報を探してください。

金融だけに絞らず、仕事内容で応募先を比べる

2025年度の商学部就職者の業種別割合は、金融・保険業21.1%、情報通信業20.5%、製造業19.0%などです。商学部だから銀行だけを考える必要はなく、企業や市場の仕組みへの関心を複数の業種に広げて検討できます。[3]

公式の企業・団体一覧には、商学部と商学研究科博士課程前期課程を合わせた欄があります。そこには三井住友銀行、NTTデータ、キーエンス、アクセンチュア、有限責任あずさ監査法人などが掲載されています。大学院を含むため、すべてを学部589人だけの就職先として扱うことはできません。[4]

企業一覧と応募条件を混同しないための整理
公表情報読み取れること別に確認すること
業種別の比率学部就職者が進んだ業種の構成営業、企画、経理などの配属職種
学部・研究科合算の企業一覧その範囲での2025年度掲載実績学部単独の人数やコース別の就職先
企業の採用情報その募集の仕事内容・条件配属方法、選考日程、本人の希望との一致
[3] [4]

大手企業へ応募したい人は、掲載実績を励みにしながらも、自分の内定確率には置き換えないでください。大手の定義と学部別人数がそろっていないため、この資料から大手就職率は算出できません。規模だけでなく、扱う顧客、課題、働く場所を調べることが次の準備です。

6コースの学びから、企業を見る問いを作る

商学部は、基礎を幅広く学んだ後に専門性を深め、3年次から経営、会計、マーケティング、ファイナンス、ビジネス情報、国際ビジネスの6コースを選ぶ構成を案内しています。コース名をそのまま志望職種にするのではなく、何を調べ、考えることに関心があったかを整理しましょう。[5]

専門の学びと企業研究の問い(編集部の提案)
コース学びを振り返る視点企業を見る問い
経営組織や企業行動の仕組み人や部署がどのように協力して価値を生むか
会計会計情報や経営判断利益や費用の構造を何から説明できるか
マーケティング顧客や消費者の行動誰の、どの困りごとに応えているか
ファイナンス資金調達や金融の仕組み投資や資金の使い方にどんな特徴があるか
ビジネス情報情報処理と企業行動の分析データをどんな判断や改善に使っているか
国際ビジネス国境を越える活動と異文化理解地域ごとの違いにどう対応しているか
[5]

例えば企業を比較するなら、同じ業種の2社を選び、事業構成や顧客、収益の得方、説明会で気になった点をそろえて調べます。授業で学んだ用語を並べるより、何を比較した結果、どこに関心を持ったかを説明する方が、志望理由の根拠を示せます。

ゼミでは研究課題を設定し、卒業論文へ取り組む流れが案内されています。研究がまだ途中でも、最初の問い、使った資料、比較条件、分かったことと未解決の点を分ければ、学びを説明できます。調査中の結論を確定した成果に見せる必要はありません。[5]

PBLは提案の派手さより、判断を変えた過程を伝える

商学部のPBLは、実務家を招き、実際のビジネス課題を題材にケーススタディなどへ取り組む学習です。ビジネスとSDGs、会計・税務の実務を題材とするプロジェクトなどが紹介されています。講義で知識を得るだけでなく、共同で考え、提案する経験を振り返れます。[6]

選考に使う経験を一つ選び、課題の把握、情報収集、案の比較、役割分担、提案後の振り返りの順に整理します。意見が分かれたとき、何を判断基準にしたか、費用や実現可能性を踏まえてどう案を変えたかを説明しましょう。

グループの代表でなくても、数値の確認、資料の比較、議論の整理などの行動は伝えられます。「チームで優れた提案をしました」だけで終わらせず、自分の担当と、その行動が議論に与えた影響を区別してください。授業内の提案を企業で実装された成果として書くことは避けます。

専門的な話は、結論を短く述べた後に、必要な背景を補う順序にすると伝わりやすくなります。会計や統計を学んでいない相手にも説明できるか、友人やキャリア相談で聞いてもらいましょう。知識量だけでなく、相手に合わせて伝える工夫も確認できます。

資格への挑戦と就職活動の予定を一緒に組む

商学部は、公認会計士や税理士、国税専門官を目指す学習経路を案内し、講座、授業、試験合格による単位認定などの支援を紹介しています。資格に向けた学習支援があることと、在籍すれば資格を取得できることは別です。詳細は自分の入学年度の履修案内で確認します。[7]

試験を目指す人は、受験予定、現在の学習状況、大学の履修、一般企業への応募を並べて計画しましょう。専門職を目指し続けるか迷っている場合も、結果が出るまで何も準備しないのではなく、仕事の内容を調べ、相談の時期を決めておくと判断材料を増やせます。

試験の合格や資格登録に必要な条件は、各試験・資格の公式案内で別途確認してください。試験勉強の経験を自己PRに使う場合も、合格していない資格を取得済みと書かず、苦手分野の把握や学習方法の改善など、実際に行ったことを説明します。

資格を目指していない学生も、商学部での研究やPBLの経験から準備を進められます。周囲が難関資格を受けていることだけを理由に目標を増やすより、気になる仕事の募集条件と、今補う必要のある知識を確かめましょう。

相談には求人3件と、説明したい経験を持っていく

全学のキャリア支援には、対面・オンラインの個人面談、エントリーシートや面接の支援、企業関連のセミナー、KGキャリアナビでの求人・インターンシップ情報などがあります。学習や試験の予定を含めて相談し、準備する順番を整理できます。[8]

今週の準備(編集部の提案)
順番行動
1気になる仕事を3件選び、仕事内容・条件・締切を記録する
2授業、ゼミ、PBLから本人の判断を話せる経験を1つ選ぶ
3資格試験や研究の予定と、選考日程を照合する
4個人面談で応募先の比較と経験の伝え方を確認する

商学部の名前や就職率だけで選考結果は決まりません。学んだ視点を使って企業を理解し、自分の経験と仕事の接点を説明できるようにすることが、今日から進められる準備です。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 関西学院大学 2025年度 進路決定状況確認日:2026-09-11 / 商学部の卒業者・就職希望者と定義
  2. 関西学院大学 2025年度 大学院進学状況確認日:2026-09-11 / 商学部の自大学院14人・他大学院2人・その他進学3人
  3. 関西学院大学 2025年度 業種別就職状況確認日:2026-09-11 / 商学部就職者
  4. 関西学院大学 2025年度 学部・研究科別 就職先企業・団体確認日:2026-09-11 / 3頁、商学部と商学研究科博士前期合算
  5. 関西学院大学 商学部の学び確認日:2026-09-11 / 6コースと4年間の学修
  6. 関西学院大学 PBL(課題解決型学習)確認日:2026-09-11 / 実務家のケースと共同学習
  7. 関西学院大学 公認会計士などへのパスウェイ確認日:2026-09-11 / 学内資格学習支援。登録条件の解説には使用しない
  8. 関西学院大学 キャリア支援確認日:2026-09-11 / 個別面談・求人・ES・面接