就職61人、大学院進学85人という進路を確認する

関西学院大学建築学部は2021年に開設され、2025年度卒業生の進路が公表されています。卒業者152人に対し就職者61人、進学者85人、専門学校・留学1人、その他5人です。新しい学部だから実績がないと決めつけず、現在確認できる年度の数字を読みましょう。[1] [5]​​‌‌​‌​‌‌​​‌​‌‌‌‌​​​​‌‌‌​‌​​‌​​‌‌‌‌​‌​‌​​‌‌​‌​​‌‌​​‌​​‌‌​​‌‌‌​​‌

建築学部・2025年度の進路指標
項目人数・割合対象
卒業者152人学部卒業者
就職者61人学部から就職した人
大学院進学者85人自大学院69人+他大学院16人
大学院進学率55.9%卒業者152人が分母
就職率100.0%就職希望者61人が分母
[1] [2]

大学が掲載する就職・進路決定率は91.0%です。この率は就職者と起業・自営業者の合計を「卒業者から進学者を除いた人数」で割ったものです。就職希望者を分母とする100%とは異なり、卒業者全員の就職割合でもありません。[1]

大学院への進学が半数を超えていますが、進学した方が必ず希望する仕事に就けるという証拠ではありません。研究や設計をさらに深めたいのか、学部卒で応募したい職種があるのかを、募集対象と仕事内容から考えましょう。その他5人の事情を推測して就活の成否に置き換えることも避けます。

建設業の比率と、企業・職種の違いを読み分ける

2025年度の学部就職者の業種別割合は、建設業59.0%、製造業9.8%、教育・公益・その他サービス13.1%などと掲載されています。建設業への就職が多い年度ですが、全員が設計職や建築士として採用された割合ではありません。[3]

2025年度の企業一覧は、建築学部と理工学研究科博士課程前期課程の建築学専攻を合わせた欄です。鹿島建設、大林組、積水ハウス、梓設計、三菱地所設計などの掲載があります。資料が示す範囲を守り、全社を学部就職者61人だけの実績とは説明しません。[4]

企業名から一歩進めて確認すること(編集部の提案)
関心のある仕事確認する問い
建築設計意匠・構造・設備などの募集区分と提出物は何か
施工に関わる仕事現場で担当する工程や、勤務場所の決まり方はどうか
住宅・不動産に関わる仕事企画、設計、営業、管理のどこを担当する募集か
都市・まちづくり調査、計画、事業運営などのどの業務に関われるか

大手企業に関心がある場合も、会社の規模と本人が担当したい役割を分けて調べます。この資料から学部単独の大手就職率、配属部署、本人の採用確率は分かりません。職種を限定して応募するのか、入社後に配属が決まるのかも、各社の現在の募集案内で確認してください。

建物だけでなく、都市や使われ方まで考える学び

建築学部は建築と都市を連続して捉え、デザイン、マネジメント、工学、人文社会科学などから学ぶ方針を示しています。建てる時点だけでなく、使い続けることや再生、都市環境の管理にも目を向けています。関心を持った課題を仕事選びの出発点にできます。[5] [6]

学びの紹介では、1年次に空間スケッチ、製図、プレゼンテーションなどの基礎を学び、2年次には建築から都市までを扱う設計課題やPBL、フィールドワークへ取り組む流れが示されています。3年次秋からのプレ専門演習を経て、4年次には研究室で卒業設計・卒業論文に取り組みます。[6]

経験ごとに整理する内容(編集部の提案)
経験伝えたい中身振り返る問い
設計演習敷地や利用者を踏まえた提案どの条件を優先し、案をどう修正したか
材料実験計測、データ処理、結果の解釈比較条件や誤差をどう扱ったか
フィールドワーク地域の実情を踏まえた課題設定観察と聞き取りから何が分かり、何が未確認か
卒業設計・論文本人の問いと検討の過程既存の考え方と比べて、どこを深めたいか
[6]

材料実験ではコンクリート、鋼材、木材などに触れ、力学的性質や計測・統計処理を学ぶ内容が案内されています。設計作品だけが学部での経験ではありません。実験手順やデータの扱いを改善した経験も、自分の考え方を示す材料になります。[6]

まちづくりや地域での活動は、訪問した場所の紹介で終えず、住民や利用者の視点をどう理解したかを整理します。聞き取った意見と、自分が解釈したことを分けて説明できれば、課題設定の過程を伝えやすくなります。

作品は、完成図と判断の過程をセットで説明する

設計等の応募で作品資料を求められた場合は、提出形式や分量、掲載できる作品の条件を募集先ごとに確認します。どの職種でも同じポートフォリオが必須だと決めつけず、応募先が見たい内容に合わせて準備しましょう。

一つの作品について、課題、敷地・利用者などの条件、コンセプト、検討した別案、修正した理由、最終案の順に説明します。図面や模型の見た目に加え、なぜその配置や動線を選んだのかを話せるようにすると、本人の判断を示せます。

グループ制作の場合は、全体の作品と自分の担当を明記します。調査、模型、図面、発表などの担当と、共同で決めたことを分けてください。チームの成果をすべて本人の設計として見せるより、担当範囲を正確に説明する方が、その後の質問にも答えやすくなります。

制作途中のスケッチや比較案も、判断の変化を振り返る手掛かりです。最初の案のどこに課題があり、講評や検証を受けてどう直したかを書き出しましょう。成果が未完成ならその段階を明示し、実現していない建築を施工済みの成果として説明しないようにします。

資料を作ったら、建築を学んでいない相手にも目的が伝わるかを確認します。専門的な説明を省きすぎる必要はありませんが、最初に誰の何を解決しようとしたのかを短く話し、その後に技術的な工夫を補うと筋道が見えやすくなります。

大学院と資格の話を、就職実績から切り分ける

大学は2025年4月に理工学研究科の建築学専攻を開設したと案内しています。建築・都市の計画やデザイン、運営・管理に関する専門性を深める進路ですが、学部の進学実績85人が全員同じ専攻へ進んだことを意味するものではありません。自大学院と他大学院の区分までが、この表から確認できる範囲です。[2] [5]

大学院を検討する場合は、研究したい問い、学びたい手法、指導を受けたい分野を整理し、入試と履修の条件を調べます。「周囲が進学するから」だけでなく、進学後に何へ時間を使いたいのかを教員に相談できるようにしましょう。

学部は一級建築士を目指す教育を基本とする方針を示しています。ただし教育方針と資格取得は同じではありません。自分の履修状況と、受験・登録に必要な現在の条件を大学と資格の公式案内で確かめてください。就職先に建設会社が載っていることも、資格取得率を示すものではありません。[5]

学部就職を考える人は、募集学位、職種、作品提出の有無、資格に関する条件を整理します。進学希望の人も企業の仕事内容を調べておくと、深めたい学びとの接点を考えられます。どちらを選ぶ場合も、将来の配属を大学院進学だけで決めつけないことが大切です。

求人・作品・研究の予定を一緒に相談する

全学のキャリアセンターでは、対面・オンラインの個人面談、エントリーシート・面接の相談、求人・インターンシップ情報などを提供しています。技術や設計の内容は教員にも相談し、選考準備と専門の説明をそれぞれ点検すると進めやすくなります。[7]

今週進めること(編集部の提案)
順番行動
1希望職種を3つ挙げ、募集学位と仕事内容を調べる
2設計・実験・調査から自分の判断を説明できる経験を選ぶ
3選考、作品提出、研究、大学院入試の予定を並べる
4教員とキャリア相談で、必要な準備と説明の不足を確認する

建築学部での経験を、作品名や使ったソフトだけで終わらせず、条件を理解して案を選び、修正してきた過程まで伝えましょう。学部の数字を参考にしながら、自分が担いたい仕事に向けて準備を具体化できます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 関西学院大学 2025年度 進路決定状況確認日:2026-09-11 / 建築学部152卒61就85進
  2. 関西学院大学 2025年度 大学院進学状況確認日:2026-09-11 / 建築学部69自大学院・16他大学院
  3. 関西学院大学 2025年度 業種別就職状況確認日:2026-09-11 / 建築学部就職者の業種構成
  4. 関西学院大学 2025年度 学部・研究科別 就職先企業・団体確認日:2026-09-11 / 7頁、建築学部・理工学研究科博士前期建築学専攻の合算欄
  5. 関西学院大学 建築学部確認日:2026-09-11 / 2021学部開設、2025大学院建築学専攻、PBL・社会課題
  6. 関西学院大学 建築学部 建築学科の学び確認日:2026-09-11 / 材料実験・設計・フィールドワーク・卒業設計/論文
  7. 関西学院大学 キャリア支援確認日:2026-09-11 / 求人・個人面談・選考準備