海事科学部と海洋政策科学部を区別する

大学の公式案内では、2021年4月に海事科学部を改組再編し、海洋政策科学部を新設したと説明されています。新しい学部の領域名や教育制度を、海事科学部の入学者全員にそのまま当てはめないようにしましょう。[1]‌​​‌​‌‌‌‌‌‌‌​​​​​​​​‌​‌​‌​‌​‌​‌‌​‌‌​‌‌‌‌‌‌​‌‌‌‌​​​‌‌​​​​‌‌‌‌‌‌​‌

応募書類の学歴や専攻は、自分が在籍した正式名称で記載します。改組の説明が必要なら、所属名とは別に短く補足し、証明書の名称と食い違わないよう確認してください。旧学部名だから経験を説明しにくいと感じる場合も、扱った分野と本人の研究・実習内容を具体的に伝えれば、仕事との接点を整理できます。

これから海洋政策科学部への入学を考える人は、新学部の現在の教育制度と実績を確認してください。本記事の旧学科・コースや過去の内定先を、現在の入試案内や新学部の全員に共通する進路として読むことはできません。

2025年度の実績は卒業者8人の集計

海事科学部・2025年度卒業者(2026年5月1日現在)
項目人数・割合
卒業者8人
就職者7人
進学者1人
その他0人
就職希望者7人
就職率100%(7人÷7人)
[2]

100%は就職希望者7人についての数字です。少人数の集計であるため、過去の学部全体の規模を代表する値や、今後の採用可能性の保証として使うことは適切ではありません。卒業者全員が就職したという意味でもありません。[2]

同年度の就職先一覧では、海事科学部の欄に三井E&S2人、アイ・システム、国土交通省中国運輸局、システムズ・デザイン、ダイハツインフィニアース、日本郵船が各1人掲載されています。学科・コースや配属職種の内訳までは示されていません。[3]

同じPDFには、続けて海洋政策科学部や海事科学研究科の欄が載っています。名前の似た組織ですが対象は別です。大学院の三菱重工業や川崎重工業などの人数を、海事科学部卒業者の就職人数へ足し合わせてはいけません。[3]

旧学科別の進路は2023年度資料で確認する

旧学部での進路の広がりを見るため、ここからは2023年度卒業者の資料を参考にします。これは2024年4月1日現在の「進路内定状況」であり、直前に示した2025年度の集計とは年度も時点も異なります。[4]

2023年度・旧学科/コース別進路の抜粋
学科・コース卒業者就職者乗船実習科進学大学院進学
グローバル輸送科学科・航海マネジメント29人9人19人1人
同・ロジスティクス58人50人0人5人
海洋安全システム科学科41人4人0人33人
マリンエンジニアリング学科・機関マネジメント29人11人11人6人
同・メカトロニクス46人15人0人30人
[4]

この表は主な進路だけを抜き出したもので、行によっては求職中、試験・進学準備、その他・未報告もあるため、抜粋した人数の合計が卒業者数と一致しません。全体では卒業者203人、就職者89人、乗船実習科進学者30人、大学院進学者75人などでした。[4]

同じ旧学部でも、コースによって卒業時の就職と、その後の学習・実習の割合が異なります。単純に就職者数だけを比べて、就職の強さを順位付けしないことが大切です。本人のコースと進路段階に合う資料を選びましょう。

乗船実習科の就職予定を、卒業時の就職へ足さない

2023年度資料は、卒業時の進路とは別に、2024年4月に乗船実習科へ進み、同年9月に修了予定の30人を参考欄に掲載しています。そのうち就職予定29人、大学院進学予定1人とされ、商船三井10人、日本郵船5人などの就職予定が載っています。[4]

この参考欄は、その資料時点での予定です。卒業時の就職者89人と単純に合算して同じ時点の就職率を作ることはできません。また、乗船実習科は大学院とは別に集計されています。履歴や進路を説明するときにも、卒業、実習科進学、修了予定、就職の時期を分けて整理します。[4]

船舶職員を目指す学生は、実習の予定と応募先が求める条件を所属先へ確認してください。海運会社という名前だけで、全員が航海士・機関士として採用されたと推定することも避けます。船上の仕事と陸上の仕事では準備する経験の説明や、確認する業務内容が異なります。

旧3学科で学んだ内容を応募先へ伝える

旧グローバル輸送科学科の公式紹介では、工学・情報科学と経済・経営・法学を組み合わせ、輸送・物流を安全性、効率性、環境の観点から考えると説明されています。港湾作業のスケジュールを数理計画やシミュレーションで検討する研究例も紹介されています。[5]

この分野の経験は、対象となる輸送の仕組み、制約条件、比較した方法、改善を判断した基準を順番に整理すると伝わりやすくなります。物流の会社に限らず仕事を調べる場合も、「最適化を学んだ」という言葉だけでなく、本人がどんなデータを扱い、何を判断したかを示しましょう。

旧海洋安全システム科学科の紹介は、港湾や沿岸の防災・減災、環境計測、自然エネルギー、放射線科学、環境保全の材料などを扱っています。研究テーマが船舶そのものでなくても、測定条件をそろえる、結果を分析する、対策の限界を説明する経験を振り返れます。[6]

旧マリンエンジニアリング学科は、機械・電気電子・環境の学びを組み合わせ、機関マネジメントとメカトロニクスの2コースを案内しています。海底探査機の評価や数値シミュレーションなどの紹介もあり、船舶職員だけに進路を限定した教育紹介ではありません。[7]

実験や解析を経験した人は、装置・計算条件、予想と結果の違い、自分が修正した点を整理します。旧サイトの研究紹介はあくまで当時の教育を知る資料です。現在も同じ研究室・教員・授業があるとは限らず、本人が履修していない活動を自己PRに加えないようにしましょう。

就職・進学の準備を具体的に進める

まず、自分の正式な所属と入学年度、卒業予定、乗船実習科や大学院への進学予定を書き出します。次に研究・実習から一つ経験を選び、「目的」「自分の役割」「工夫」「結果と課題」をまとめましょう。研究室全体の成果と本人が担当した部分は区別します。

応募先を比較する際は、会社名だけでなく、船舶職員、陸上の運航・物流、設計や製造、情報分野、行政などの具体的な募集職種を確認します。大学院進学なら、深めたい研究、指導体制、費用、修了後の希望も相談してください。過去の先輩の勤務先は調査の入口にとどめ、現在の求人条件を確認します。

神戸大学キャリアセンターは個別相談、応募書類の相談、模擬面接などを案内しています。「改組前の所属や実習科の予定をどう書けばよいか」「研究経験が希望職種に伝わるか」と、具体的な書類を持って相談すると整理を進めやすくなります。[8]

逆転就活塾へ相談する場合も、所属・進路予定のメモと研究や実習の概要を用意してください。実際の経験と応募先の仕事内容をつなぎ、自己PRや志望理由で補うべき内容を明確にしていきましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 神戸大学 海洋政策科学部バーチャルオープンキャンパス確認日:2026-09-11 / 旧海事科学部を対象。2025年度少人数実績と2023年度学科別内訳、2021改組を区別
  2. 神戸大学 2025年度進学・就職状況確認日:2026-09-11 / 旧海事科学部を対象。2025年度少人数実績と2023年度学科別内訳、2021改組を区別
  3. 神戸大学 2025年度海事科学部・海洋政策科学部・海事科学研究科就職先確認日:2026-09-11 / 旧海事科学部を対象。2025年度少人数実績と2023年度学科別内訳、2021改組を区別
  4. 神戸大学 令和5年度海事科学部卒業者の進路内定状況確認日:2026-09-11 / 旧海事科学部を対象。2025年度少人数実績と2023年度学科別内訳、2021改組を区別
  5. 神戸大学 旧海事科学部 グローバル輸送科学科確認日:2026-09-11 / 旧海事科学部を対象。2025年度少人数実績と2023年度学科別内訳、2021改組を区別
  6. 神戸大学 旧海事科学部 海洋安全システム科学科確認日:2026-09-11 / 旧海事科学部を対象。2025年度少人数実績と2023年度学科別内訳、2021改組を区別
  7. 神戸大学 旧海事科学部 マリンエンジニアリング学科確認日:2026-09-11 / 旧海事科学部を対象。2025年度少人数実績と2023年度学科別内訳、2021改組を区別
  8. 神戸大学 キャリアセンター 就職活動確認日:2026-09-11 / 旧海事科学部を対象。2025年度少人数実績と2023年度学科別内訳、2021改組を区別