卒業者の76.3%が進学している

2025年度卒業者・2026年5月1日現在
項目人数・割合
卒業者156人
就職者36人
進学者119人(卒業者の76.3%)
その他1人
就職希望者37人
就職率97.3%(36人÷37人)
[1]

就職率97.3%は卒業者全体を分母とした数字ではありません。卒業者の多くが進学を選んでいるため、「農学部のほぼ全員が就職した」とは読めません。公式統計の進学者には大学院以外の学校等も含まれるので、119人全員の進学先を同じ研究科とみなさないようにします。[1]​​​‌​‌‌‌‌‌​​‌​‌​‌​​​​​​​‌​​​‌​​​‌‌​‌​​‌​‌​‌‌​​‌​‌‌​‌​​‌​‌​‌‌‌‌‌​

進学が多いことだけを理由に、本人も大学院へ行くべきだと決める必要はありません。希望する仕事の応募条件、研究を深めたいテーマ、費用と時間を具体的に比較しましょう。大手への内定率や第一志望への合格率も、この表からは分かりません。

学部卒の就職先は食品・機械・情報・官公庁など

2025年度の学部卒業者の欄には、日清食品、日本ハム、山崎製パン、伊藤忠飼料、クボタ、キーエンス、ダイフク、Sky、NTTデータセキスイシステムズ、アクセンチュアなどが各1人掲載されています。農業に直接携わる例としてサラダボウルも1人あります。[2]

官公庁では農林水産省、農林水産省林野庁、大阪府庁、広島県庁、兵庫県庁などが各1人です。ほかにも大阪ガス、日本航空などの例があり、学部の就職先は食品業界に限られていません。ただし、各人の所属コースや配属職種は、この学部別の一覧からは分かりません。[2]

同じPDFには大学院の農学研究科の就職先も載っています。例えば江崎グリコ3人、キユーピー2人、森永乳業2人は修士の欄にある実績です。これらを学部卒の人数へ加えたり、「この会社は学部卒では応募できない」と逆に決めつけたりせず、学位と募集条件を別に確認してください。[2]

3学科6コースから、自分の専門を具体化する

農学部の学部案内は、食料環境システム学科、資源生命科学科、生命機能科学科の3学科と、それぞれの2コースを示しています。同じ農学部でも、工学、社会科学、動植物、化学など取り組む方法に違いがあります。まず自分の専門を説明できるようにしましょう。[3]

6コースの学びと振り返りの視点
コース主な学び本人の経験から整理すること
生産環境工学水・土地、食料生産や流通の機械・システムどの工程や条件を改善しようとしたか
食料環境経済学食料・農業・農村・環境の社会経済問題誰の立場と、どの資料を比較したか
応用動物学動物の機能や微生物との関係観察や実験で、何を確かめたか
応用植物学栽培、品種、植物の改良や生態系生育条件や測定方法をどう選んだか
応用生命化学物質の構造・機能と生命現象分析対象や実験条件をどう整理したか
応用機能生物学生物と環境、持続的な生物生産生態系や生物間の関係をどう調べたか
[3]

この表は職種の割当表ではありません。コース名から研究職や営業職への配属を推定せず、募集されている仕事で何をするのかを確認します。専門に近い仕事に加え、学びを通して身につけた調査や説明の経験を活かせる仕事も比較しましょう。

研究の題材よりも、何を確かめたかを伝える

生産環境工学の農産食品プロセス工学では、食品や農産資源、廃棄物系バイオマスを対象に、食品加工や資源循環に関わる教育研究が紹介されています。食料経済・政策学では、生産から消費までの仕組み、農業と地域経済、流通の変化や政策評価などが扱われています。[4] [5]

資源植物生産学では、作物の環境への適応や生産の仕組みを、生理学・生化学などの方法で調べる研究が案内されています。食品・栄養化学には、食品成分の分析や体内での動きなどを扱う研究があります。ただし、学部生全員がこれら全てを経験するわけではありません。本人の研究室と実際の担当範囲から説明してください。[6] [7]

実験をした人は、調べたいこと、比較した条件、得られた結果、次に確認したいことを順に書き出します。再現しなかった結果があれば、記録を見直したのか、測定条件を揃えたのか、自分が取った対応を説明しましょう。用語を並べるだけでは、その人の判断や工夫は伝わりません。

調査や政策を扱った人は、資料の対象、比較した地域や期間、関係者の意見の違いを整理します。都合のよいデータだけを採用せず、説明できなかった点も記録します。専門外の面接官に伝える練習では、研究の目的を一文にしてから、実際の行動を話すと整理しやすくなります。

食品会社を調べるときも、職種を分けて比較する

食品に関心がある場合、会社の製品を好きだという理由に加え、どの仕事で関わりたいかを調べましょう。研究・開発、製造、生産技術、品質に関わる業務、営業など、企業が実際に募集している職種の違いを確認します。農学部の専門が近いと感じても、必要な学位や専攻の条件は求人ごとに異なります。

募集要項で確認したいこと
確認項目見るポイント
応募条件学部卒・修士などの学位、対象専攻、必要な資格
仕事内容扱う製品・工程・顧客と、入社後に担う業務
選考方法研究概要の提出や専門に関する説明が必要か
働く場所研究所・工場・営業拠点などの勤務地と異動の考え方

企業に聞く際は、「農学部は有利ですか」だけでなく、「この職種ではどのような課題を扱いますか」「研究概要では何を説明すると仕事との接点が伝わりますか」と具体化します。企業の公開情報で分かることを先に確認し、残った疑問を質問にしましょう。

進学と就職は、研究テーマと応募条件を並べて考える

進学するか迷う場合は、研究をさらに深めたい理由と、希望する仕事の条件を分けてメモします。大学院で扱いたいテーマがあるのか、どの手法を学びたいのかを教員へ相談し、同時に気になる企業の学位別の募集を調べましょう。

修士の就職先に希望する企業があることは参考になりますが、その企業に入るために進学すればよい、という保証ではありません。反対に学部卒の就職先が少人数だからといって、就職する道を諦める必要もありません。学部の実績、本人の関心、募集条件を一つずつ確認します。

進学後の研究生活や費用、修了までの予定も確認してください。学部卒で就職する場合は、卒業研究と応募準備の時期が重なる可能性を考え、実験・調査の予定と企業の選考予定を同じカレンダーに置いて調整しましょう。

研究メモと求人一件を持って相談する

今日できる準備は、自分の研究・授業の経験を一つ選び、目的、自分の作業、結果、課題を一枚に整理することです。次に気になる求人を一件選び、学びとの接点と不足している情報を書き添えます。就職先一覧から企業を探すだけで終わらず、職務内容の比較まで進めましょう。

神戸大学キャリアセンターでは個別相談、応募書類の相談、模擬面接などを利用できます。「研究を専門外の相手に伝えられるか」「この仕事を選ぶ理由が具体的か」を、作成したメモとともに相談できます。研究上の進学相談は指導教員とも行い、それぞれの助言を比較に活かしてください。[8]

逆転就活塾へ相談する場合も、所属コース、実際の経験、希望する仕事を具体的に伝えましょう。学部名や有名企業の実績だけに頼らず、本人が何を考え、どう行動したかが伝わる応募書類を作っていきます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 神戸大学 2025年度進学・就職状況確認日:2026-09-11 / 2025年度学部/大学院別実績、農学部3学科6コースの教育研究
  2. 神戸大学 2025年度農学部・農学研究科就職先確認日:2026-09-11 / 2025年度学部/大学院別実績、農学部3学科6コースの教育研究
  3. 神戸大学 農学部案内確認日:2026-09-11 / 2025年度学部/大学院別実績、農学部3学科6コースの教育研究
  4. 神戸大学 農産食品プロセス工学確認日:2026-09-11 / 2025年度学部/大学院別実績、農学部3学科6コースの教育研究
  5. 神戸大学 食料経済・政策学確認日:2026-09-11 / 2025年度学部/大学院別実績、農学部3学科6コースの教育研究
  6. 神戸大学 食品・栄養化学確認日:2026-09-11 / 2025年度学部/大学院別実績、農学部3学科6コースの教育研究
  7. 神戸大学 資源植物生産学確認日:2026-09-11 / 2025年度学部/大学院別実績、農学部3学科6コースの教育研究
  8. 神戸大学 キャリアセンター 就職活動確認日:2026-09-11 / 2025年度学部/大学院別実績、農学部3学科6コースの教育研究