3学科の就職と進学を、人数で確認する
「求人のための大学案内2028」に掲載された実績の対象は、2025年度卒業者です。確認時点は2026年5月1日であり、2028年の実績ではありません。医学部は3学科に分けて人数が示されています。[1]
| 学科 | 卒業者 | 進学者 | 就職希望者 | 就職者 | 就職率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 医学科 | 106人 | 0人 | 97人 | 97人 | 100% |
| 看護学科 | 63人 | 14人 | 49人 | 49人 | 100% |
| 臨床心理学科 | 18人 | 15人 | 2人 | 2人 | 100% |
就職率は就職者数を就職希望者数で割った割合です。医学科の106人全員、臨床心理学科の18人全員が就職したわけではありません。進学・就職率は別に、医学科91.5%、看護学科100%、臨床心理学科94.4%と掲載されています。[1]
就職率100%を、国家試験の合格率や特定の病院・職種への採用率として使うことはできません。とくに臨床心理学科は就職希望者が2人という小さな集計です。率だけで進路の選びやすさを比較せず、進学者が15人いることと合わせて読みましょう。[1]
医学科は、学んだ内容と研修先に求める環境を整理する
医学科の教育方針では、医学的知識や診療技能に加え、患者への傾聴と共感、多職種との連携、地域理解、課題を見つけて学び続ける姿勢を重視しています。2026年度入学者用の方針には、早期医学から基礎医学、臓器・系統別の統合講義、臨床実習へ学ぶ構成が示されています。[3]
進路の面談や見学では、大学名だけで判断せず、自分がどのような環境で学びたいかを言葉にしてください。これは編集部からの準備の提案です。診療領域、指導の受け方、地域医療との関わり、相談体制などを比較すると、希望する理由が具体的になります。
実習で関心を持ったことは、何を観察し、どの点を疑問に感じ、何を調べたかまで整理しましょう。学生として見学・参加した範囲と、独立して診療を行った経験を混同しないことが大切です。患者や関係者を特定できる情報は面接資料に記載せず、大学の指導に従って経験を説明してください。
2026年3月卒業の地域別就職状況では、医学科は香川県39.2%、近畿23.7%、関東11.3%などが掲載されています。この地域集計だけでは、個別病院や診療科、研修プログラムの内容は分かりません。希望先の当該年度の公式案内で応募・見学・選考の日程を確かめましょう。[2]
看護学科は、就職49人と進学14人の両方を見る
看護学科では、63人の卒業者のうち49人が就職し14人が進学しています。地域別就職状況は香川県55.1%、近畿16.3%、岡山県12.2%、関東8.2%などです。これは医学科とは別の集計であり、医学部全体の割合ではありません。[1] [2]
2026年度入学者用の看護学科の方針は、基礎看護学、生涯発達看護学、地域生活看護学、統合実践看護学などを示し、演習・臨地実習や看護研究を重視しています。対象者の意思決定を支える姿勢や、多職種との協働も教育の目標に含まれます。[4]
応募先の病院を比較するときは、希望する看護領域に加え、新人の教育、指導を受ける方法、配属の決まり方、相談できる相手を確認しましょう。「規模が大きいから」「大学病院だから」だけでなく、本人が学びたいことと環境が合うかを検討するための視点です。
実習の経験を話す際は、観察したこと、考えた根拠、指導者への相談、その後に振り返ったことを分けます。患者の変化を自分一人の成果とせず、チームの関わりと学生としての役割を正確に説明してください。
保健師や助産師などを目指す場合は、学部での履修と大学院の養成課程を区別してください。大学の案内は、大学院看護学専攻の公衆衛生看護学コースを保健師養成課程として紹介し、所定の修了要件を満たすことで国家試験の受験資格を得ると説明しています。学部卒業だけで同じ資格を得られると考えず、本人の入学年度と履修経路を窓口に確認しましょう。[6]
臨床心理学科は、心理職養成と大学院進学を見通す
臨床心理学科の2025年度卒業者は18人で、15人が進学、2人が就職しています。就職率100%という見出しだけでは、学科の進路の中心にある進学が見えません。[1]
2026年度入学者用の教育方針では、心理学・臨床心理学に医学的な素養を組み合わせ、医療・教育・福祉などの分野で多職種と連携する力を育てるとしています。心理支援実習、チーム医療実習、卒業研究があり、修士課程2年間を含めた心理職養成6か年教育に対応する方針も示されています。[5]
大学院を検討する人は、研究したいテーマ、実習の内容、指導を希望する分野、学費と生活費を調べましょう。資格取得までの条件と大学院の修了要件は別々に確認し、学科名だけから資格が自動的に得られると考えないことが大切です。
医学系研究科には臨床心理学専攻があり、2026年4月に博士後期課程が開設されたことも案内されています。これは大学院の教育体制の情報で、2025年度の学部卒業者全員が博士課程を選んだという実績ではありません。[2]
学部で就職する場合も、心理学を学んだことを「人の心が分かる」と大きく言い切らず、調査の設計、資料の読み取り、相手の話を丁寧に聞く姿勢など、本人の経験として説明してください。卒業生2人の就職先の職種や企業名は、今回使用した大学の資料では確認できないため推定しません。
職場・進学先を比べるための質問を用意する
| 進路 | 確認したいこと |
|---|---|
| 医学科の研修先検討 | 学びたい診療領域を経験できるか、指導・相談はどのように受けるか |
| 看護学科の就職 | 新人教育、希望領域への配属、困ったときの相談体制はどうなっているか |
| 臨床心理学科の進学 | 研究テーマと指導分野が合うか、実習と研究をどう両立するか |
| 共通 | 応募条件、必要書類、費用や生活条件、日程をどこで確認するか |
見学の印象だけで決めず、公式に示された条件と、現場で聞いた説明を分けてメモします。分からない項目は空欄のままにせず、次に誰へ確認するかも記録しましょう。比較する前提がそろうと、知名度や周囲の評判に引っ張られにくくなります。
今回の資料で確認できるのは学科別人数や地域、教育内容などです。個々の採用可能性、大手への就職率、希望先への配属割合は確認できません。それらを就職率から推計しないでください。
今週は、自分の学科の進路を一枚にまとめる
まず就職・研修・進学のどれを検討しているかと、迷っている点を書き出しましょう。次に気になる候補を二つ選び、公式の募集案内と日程を確認します。最後に、実習や研究で印象に残った経験を一つ選び、学んだことと今後深めたい課題を短く説明してみてください。
そのメモを学科の担当教員や大学の進路窓口への相談に使います。応募先選びと学修・実習・研究の負担が重なる場合も、準備を一人で抱え込まず、優先順位を相談しましょう。制度の適用は本人の入学年度や課程で異なり得るため、現在の案内を確認することが大切です。
学歴への不安を感じても、大学名だけで本人の適性や採用結果は決まりません。自分が学んだこと、目指す専門性、必要な準備を一つずつ整理し、医学・看護・臨床心理それぞれの進路に合った行動へつなげてください。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 香川大学 求人のための大学案内2028 卒業者就職状況確認日:2026-09-11 / 冊子2頁、2025年度卒業、2026年5月1日
- 香川大学 求人のための大学案内2028 医学部確認日:2026-09-11 / 冊子8頁、3学科、2026年3月卒業の医学・看護就職地域、大学院
- 香川大学 医学科の教育理念と3つのポリシー確認日:2026-09-11 / 2026年度入学者用
- 香川大学 看護学科の教育理念と3つのポリシー確認日:2026-09-11 / 2026年度入学者用
- 香川大学 臨床心理学科の教育理念と3つのポリシー確認日:2026-09-11 / 2026年度入学者用
- 香川大学 看護学専攻博士前期課程・公衆衛生看護学コース確認日:2026-09-11 / 大学院の保健師養成課程、学部とは別