進路決定率98%と大学院進学73%を区別する
工学部の令和7年度資料は、学部卒業生と大学院卒業生の進路決定率をそれぞれ98%と示しています。名称は「進路(就職・進学)決定率」であり、就職だけを示す割合ではありません。人数や計算式の詳しい説明は、この資料には掲載されていません。[1]
| 対象 | 掲載値 | 意味 |
|---|---|---|
| 学部卒業生 | 大学院進学73% | 学部卒業後の進路内訳 |
| 学部卒業生 | 製造業10%、情報通信業8% | 就職者だけを分母にした業種割合ではない |
| 大学院修了生・理工学研究科工学系 | 製造業57%、情報通信業19% | 学部とは別の進路内訳 |
学部の図には大学院進学が含まれているため、製造業10%と大学院修了生の57%をそのまま就職の強さの差として比較できません。対象となる集団が違います。また、割合から人数を逆算したり、進学者を未就職者として扱ったりしないようにしましょう。[1]
会社一覧は学科と大学院専攻の合同実績
| 資料の掲載区分 | 掲載先の例 |
|---|---|
| 機械システム工学科/同専攻 | トヨタ自動車、三菱重工業、日立製作所、茨城県庁 |
| 電気電子システム工学科/同専攻 | ソニーセミコンダクタソリューションズ、東京エレクトロン、アドバンテスト |
| 物質科学工学科/量子線科学専攻 | JX金属、キオクシア、レゾナック、ラムリサーチ合同会社 |
| 情報工学科/同専攻 | LINEヤフー、TIS、野村総合研究所、日鉄ソリューションズ |
| 都市システム工学科/同専攻 | 鹿島建設、首都高速道路、パシフィックコンサルタンツ、茨城県庁 |
各区分は学部の学科と大学院の専攻を併記しています。掲載先をすべて学部卒だけの実績として紹介することはできません。採用人数、配属職種、推薦応募か自由応募かも、この一覧では分かりません。大手企業の名前は応募先を調べる入口として使いましょう。[1]
例えば、同じメーカーでも研究、設計、生産、品質などの仕事は異なります。会社名だけから先輩の職種を推定せず、現在の募集職種と求められる学位や専門分野を確認してください。グループ会社の実績を親会社の実績へ置き換えないことも大切です。
5学科の学びから、自分が説明できる技術を選ぶ
工学部は機械システム、電気電子システム、物質科学、情報、都市システムの5学科で構成されています。学部4年間と博士前期課程2年間を連続して学ぶ6年一貫教育を進めていますが、就職か進学かは本人の関心と希望する仕事に照らして考える必要があります。[2]
機械システム工学科の2024年度以降のカリキュラムでは、エネルギー機械、設計製造、情報機械の専門科目と、実験・演習を組み合わせています。設計や制御、材料、熱、流体などで、どの条件を置き、計算や実験で何を確かめたかを振り返ると、専門性を具体化できます。[3]
電気電子システム工学科は電気電子と情報通信を組み合わせ、エネルギーシステムとエレクトロニクスシステムの教育プログラムを案内しています。回路や機器の動作、通信などを学んだ経験を説明するときは、理論と測定結果の違いをどう検討したかが材料になります。[4]
物質科学工学科では、材料工学と化学・生命工学のプログラムで専門を深めます。材料の構造・物性の評価や、化合物の合成・解析、生体物質の分析など、履修した実験について、操作の目的と評価方法を説明しましょう。設備を使った事実だけでなく、得られた結果をどう解釈したかをまとめます。[5]
情報工学科はコンピュータやネットワークの知識とプログラミングを学び、設計・実装・評価を行う力を育てる方針です。制作物を示す場合は、動作することに加え、要求や制約、テストした条件、改善した点を説明できるようにします。[6]
都市システム工学科は、土木と建築を融合して学ぶ構成で、社会基盤デザインと建築デザインのプログラムを案内しています。構造物だけでなく環境や地域の条件を含めて考えた経験を、選んだ案と他の案の比較として整理できます。[7]
研究・実験を技術面接で伝える順序
| 項目 | 書き出す内容 |
|---|---|
| 背景 | 誰のどんな問題に関わるテーマか |
| 課題 | まだ分かっていない点、改善したい点 |
| 方法 | 実験・計算・設計を選んだ理由 |
| 自分の担当 | 研究室やチーム全体と本人の作業の区別 |
| 結果と限界 | 確認できたこと、まだ言えないこと |
| 次の検討 | 結果を踏まえて変えたい条件や方法 |
研究テーマが未定なら、授業の実験や演習を一つ選んで同じ順序で整理します。大きな成果がなくても、予想と違う結果について条件を見直した経験や、他の人に説明して理解を確かめた経験は材料になります。実際に行っていない実験や解析を、できる技術として書かないようにしてください。
専門外の相手に話す短い説明と、技術的な質問に答える詳しい説明を用意すると練習しやすくなります。数値を出すときは単位や比較条件も説明し、研究室の非公開情報や共同研究先の情報は、指導教員に公開範囲を確認してから扱いましょう。
進学と就職は、希望する仕事と研究内容で比較する
大学院へ進む場合は、深めたい分野、研究室で取り組めるテーマ、出願条件、費用と支援制度を確認します。「周囲が進むから」だけではなく、その期間でどのような知識や研究経験を得たいかを言葉にしてみましょう。希望職種に必要な学位も、企業の募集情報で確かめます。
学部で就職する場合も、会社一覧を見て最初から候補を狭める必要はありません。学士を対象とする募集を確認し、学部で身につけた基礎と、入社後に学びたい内容を整理します。大学院の実績と自分の応募条件を混同しないことが大切です。
資格や教育認定は入学年度によって扱いが変わる場合があります。機械システム工学科は2029年度以降のJABEE認定継続審査を行わず、2026年度以降の入学生は修了生と認定されないと案内しています。2025年度以前の入学生でも2029年度以降に卒業する場合は対象外です。過去の案内だけで自分に適用される制度を決めないようにしましょう。[3]
学科の就職担当教員とキャリア支援室へ相談する
工学部は、全学キャリアセンターの支援に加え、各学科の就職担当教員による助言や求人紹介を案内しています。就職相談では応募書類、模擬面接、進路、インターンシップなどを扱い、茨ダイCareerNaviから事前予約する仕組みです。工学部キャリア支援室のポータルにも手続きやお知らせが集約されています。[8]
相談するときは、研究や演習の説明メモと、気になる募集要項を一つずつ持参します。推薦を検討している人は、対象となる募集、学内手続き、自由応募との関係を担当教員に確認してください。公式の会社一覧に載っていることだけで、推薦枠があるとは判断できません。
今日の一歩は、経験した実験・設計・開発から一つ選び、目的、方法、自分の担当、結果を短く書くことです。就職と進学で迷っている場合は、それぞれで深めたい内容も添えましょう。大学名への不安より、本人が説明できる技術と判断を増やすことに準備を向けられます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 茨城大学 工学部 令和7年度進路確認日:2026-09-11 / 全4頁。学部と院の進路決定率・業種、学科専攻合同会社一覧
- 茨城大学 工学部概要確認日:2026-09-11 / 現行5学科、6年一貫教育
- 茨城大学 機械システム工学科カリキュラム確認日:2026-09-11 / 2024年度以降、JABEE対象区分
- 茨城大学 電気電子システム工学科カリキュラム確認日:2026-09-11 / エネルギーとエレクトロニクス
- 茨城大学 物質科学工学科カリキュラム確認日:2026-09-11 / 2023以前は別ページ、材料と化学生命
- 茨城大学 情報工学科カリキュラム確認日:2026-09-11 / 設計実装評価と卒業研究
- 茨城大学 都市システム工学科カリキュラム確認日:2026-09-11 / 土木建築融合、2プログラム
- 茨城大学 工学部就職サポート確認日:2026-09-11 / 学科就職担当教員と予約相談