どの大学から入っているのか。グループ会社と見分ける必要がある

先に、この会社を大学の進路資料で探すときの注意を書きます。ゼンリンにはグループ会社があり、大学の一覧には「ゼンリンデータコム」「ゼンリンマップテック」「ゼンリンプリンテックス」といった社名も出てきます。これらは別の会社です。上場しているのは「株式会社ゼンリン」(証券コード9474)で、この記事が扱うのはそちらです。[8]​‌‌​‌‌‌​​‌‌‌​​‌‌‌‌​‌​​​​‌​‌​​​​​​​​​‌‌‌‌‌‌​‌‌‌‌​​‌​​​​‌‌‌​​‌‌‌​‌

そのうえで、大学が公表している進路資料で「株式会社ゼンリン」(または「(株)ゼンリン」)を確認できたのは4大学、掲載としては9件です。[4] [5] [6] [7]

ゼンリンを就職先として掲載している大学(大学公式資料・2026年9月11日確認)
大学・学部掲載されている資料対象年度
西南学院大学 商学部 商学科商学科の「主な内定先」に「ゼンリン」2026年3月(前年9月含む)卒業者実績
西南学院大学 人間科学部 心理学科心理学科の「主な内定先」に「ゼンリン」2026年3月(前年9月含む)卒業者実績
福岡大学 商学部「学部別の主な就職先」商学部の欄に「(株)ゼンリン」令和7年度
福岡大学 法学部同じ様式の法学部の欄に「(株)ゼンリン」令和6年度
福岡大学 経済学部同じ様式の経済学部の欄に「(株)ゼンリン」令和6年度
福岡大学 商学部同じ様式の商学部の欄に「(株)ゼンリン」令和5年度
福岡大学 工学部 電子情報工学科同じ様式の電子情報工学科の欄に「(株)ゼンリン」令和5年度
北九州市立大学 地域創生学群学部・学群別の就職先一覧、地域創生学群の欄に「株式会社ゼンリン」一覧に年度の記載なし(2026年9月取得)
日本大学 文理学部 地理学科地理学科の「主な就職先」に「(株)ゼンリン」令和7年度卒業生
[4] [5] [6] [7]

大学の顔ぶれに特徴があります。西南学院大学、福岡大学、北九州市立大学。3つとも福岡県の大学です。ゼンリンの創業の地であり本店所在地が北九州であることと無関係ではないでしょう。もう1つが日本大学の文理学部 地理学科。地図の会社に地理学科から入っている、という分かりやすい例です。[4] [5] [6] [7]

募集要項に「募集職種・学部学科」の欄がある

新卒の募集要項(2027年度入社)には、「募集職種・学部学科」という欄があります。中身はこうです。[1]

  • 「総合職(全学部・全学科)、技術系総合職(研究職・開発職に初期配属となります。学部学科は不問ですが、プログラミング等の歓迎要件あり)」
[1]

よくある質問でも、2つのコースの違いを説明したうえで、同じことが繰り返されています。「総合職は営業職だけでなく将来的に調査・制作職、間接職(人事・経理・法務)など広く異動を含めた配属先転換の可能性があります。技術系総合職は初期配属を研究や開発などの技術職とするものです。全学部・全学科どちらのコースも応募可能です。」[1]

採用人数が5年分、職種別に公開されている

採用実績(人数)(新卒採用ページの記載)
入社年度人数と内訳
2026年度入社54名(技術系総合職17名・総合職37名)
2025年度入社31名(技術系総合職9名・総合職22名)
2024年度入社46名(技術系総合職16名・総合職30名)
2023年度入社33名(技術系総合職6名・総合職27名)
2022年度入社40名(技術系総合職9名・総合職31名)
[1]

既卒3年以内も新卒採用の対象

応募資格は「2024年3月~2027年3月までに4年制大学、大学院、高等専門学校等を卒業・修了または見込みの方」です。よくある質問でも「「新卒採用」は既卒3年以内の方を対象として、応募をお受けしております。」と書かれています。[1]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある

選考のどこが大学名で動かないのかを、公開情報から特定します。

土俵1:OB・OG訪問を受け付けていない

よくある質問の「OBOGを紹介していただくことは可能でしょうか?」への答えは「申し訳ございませんが、弊社社員の紹介は行っておりません。仕事内容等については、以下の先輩社員紹介のページにてご案内しております」です。[1]

土俵2:選考の流れが公開されている

選考・採用の流れは4段階です。STEP1 ナビサイトへ登録/STEP2 説明会/STEP3 選考(書類選考、適性検査、面接)/STEP4 内定。ただし「上記フローは昨年度実績です。今年度のフローは、エントリーいただいた方には随時お知らせいたします。」という注記が付いています。[1]

土俵3:人事部長が「現時点の完成度以上に、今後の伸びしろに期待」と書いている[1]

新卒採用ページの人事部長のメッセージにこうあります。「新卒採用応募者の皆さんには、現時点の完成度以上に、今後の伸びしろに期待しています。「自ら考えて行動したい」、「「積極的に周囲を巻き込みたい」、「外部環境の変化に柔軟に対応できる人財になりたい」とホンキで考える方には、様々な機会を通じて成長をサポートいたします。ぜひ、積極的にご応募ください!」[1]

土俵4:この会社が何をしている会社かを説明できるかどうか

ゼンリンは地図の会社ですが、事業は5つに分かれています。プロダクトソリューション事業、マーケティングソリューション事業、公共ソリューション事業、インフラソリューション事業、モビリティソリューション事業です。採用ページには、地図が自動運転や被災地のインフラ支援、3D都市モデルデータの活用にまで広がっていることが紹介されています。[2] [3]

初任給・休み・勤務地

募集要項に、判断材料になる数字が並んでいます。[1]

募集要項(2027年度入社・2026年9月11日確認)
項目記載されている内容
応募資格「2024年3月~2027年3月までに4年制大学、大学院、高等専門学校等を卒業・修了または見込みの方」
募集職種・学部学科総合職(全学部・全学科)/技術系総合職(学部学科は不問。プログラミング等の歓迎要件あり)
初任給(総合職)大学院卒257,000円/大学卒257,000円。2026年4月に初任給の改訂(引き上げ)
初任給(技術系総合職)大学院卒280,000円/大学卒257,000円
初任給(高専・専門・短大)高専(7年卒)257,000円/高専(5年卒)213,700円/専門学校卒213,700円/短期大学卒213,700円
諸手当・昇給・賞与通勤手当、都市手当など。昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(7・12月)
勤務地日本全国の事業所
勤務時間9:00〜17:30(休憩12:00〜13:00)※フレックスタイム制有
休日休暇完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始、夏期休暇、年次有給休暇(初年度15日)
[1]

年次有給休暇は初年度15日です。福利厚生のページには「正社員の場合 4月入社時は初年度15日付与。入社月により変動」と補足があります。住宅支援としては東京都中央区の社員寮「月の岬テラス」と借上社宅制度があり、借上社宅は具体的な補助額の例まで公開されています(東京23区勤務・入居1人・5年未満・給与30万円/月の場合で月80,000円程度の会社負担)。[3]

研修と自己啓発の制度も公開されています。階層別研修として新入社員研修、入社3年目・5年目の若手社員向け研修、新任マネジメント層向け研修。自己啓発支援は「社員一人あたり年間ポイントが付与され、ポイントを充当することで個人での受講料の負担なく自身で選んだ講座や通信教育を受講することができます。」とされ、情報処理系・語学系・事務系の推奨資格の取得者には補助金が支給されます。[3] [1]

新入社員研修の中身も公開されています。「新入社員全員が一堂に会し、導入研修(集合研修・現場研修)に参加します。集合研修では、ゼンリン社員として、また社会人として必要な内容を学びます。(会社知識、社会人基礎、ビジネスマナー、コンプライアンス、チームビルディング 等)現場研修では、営業や調査の業務を体験いただきます。」[1]

今週やること

ここまでの内容を行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。

  • 1日目:募集要項の「募集職種・学部学科」の欄を開いて、総合職が「(全学部・全学科)」であることと、技術系総合職も「学部学科は不問」であることを自分の目で確かめる
  • 2日目:採用実績の5年分(2022〜2026年度入社)を書き写す。総合職と技術系総合職のどちらを狙うかを、人数の差も踏まえて決める
  • 3〜5日目:5つの事業(プロダクト/マーケティング/公共/インフラ/モビリティ)から1つ選び、誰のどんな困りごとを解決しているかを1行で書く
  • 6〜8日目:自分の住んでいる地域の地図を実際に見て、住宅地図に何が載っているかを確かめる(図書館に置いてあることが多い)。表札の名前まで載っていることに驚くはずです。それがどう作られているかを調べる
  • 9〜11日目:適性検査の対策を始める。選考に適性検査があると公開されています。市販の問題集を1冊
  • 12〜13日目:全国転勤の可能性があることを受け入れられるかを決める。募集要項に明記されています
  • 14〜15日目:ナビサイトへ登録し、説明会の日程を確認する。選考の1歩目はナビサイトへの登録です

採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容は、ゼンリンの公式採用ページと各大学の公式サイトで確認したものです。資料ごとの確認日は出典欄に1件ずつ書いています。募集要項のページ自体に「上記は昨年度の情報です」という注記があるので、応募の前に必ず最新の情報を見てください。自分の学部からどう話を組み立てるかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. ゼンリン 新卒採用確認日:2026-09-11 / 人事部長のメッセージ、選考・採用の流れ4段階、募集要項(2027年度入社)の応募資格・入社日・募集職種と学部学科・初任給・諸手当・昇給・賞与・勤務地・勤務時間・休日休暇・待遇・成長支援制度、採用実績(人数)5年分の職種別内訳、よくある質問(応募方法、OBOG紹介、配属、既卒、総合職と技術系総合職の違い、出産・育児、新入社員研修)
  2. ゼンリン 採用情報確認日:2026-09-11 / 採用情報の入口。ゼンリンの地図づくりの紹介(自動運転、被災地のインフラ支援、3D都市モデルデータ)、先輩社員紹介(営業職・技術職)、オープンカンパニーの案内
  3. ゼンリン 新卒採用 働く環境確認日:2026-09-11 / 住宅支援(社員寮「月の岬テラス」、借上社宅制度と補助額の例)、休暇(年次有給休暇 初年度15日)、出産・育児支援、保険・財産形成、スポーツ・文化活動支援、選択型福利厚生制度、成長支援(階層別研修と自己啓発支援のポイント制度、推奨資格の補助金)
  4. 西南学院大学 就職状況確認日:2026-09-10 / 2026年3月(前年9月含む)卒業者実績の学科別「主な内定先」。商学部 商学科と人間科学部 心理学科の欄に「ゼンリン」
  5. 福岡大学 就職データ確認日:2026-09-10 / 令和7年度の欄・令和6年度の欄・令和5年度の欄の「学部別の主な就職先」。令和7年度は商学部、令和6年度は法学部と経済学部、令和5年度は商学部と工学部 電子情報工学科の欄に「(株)ゼンリン」
  6. 北九州市立大学 学部・学群別 就職先一覧(PDF)確認日:2026-09-10 / 地域創生学群の情報通信業の欄に「株式会社ゼンリン」。同じ資料の別の学部の欄には「株式会社ゼンリンマップテック」もある。資料に対象年度の記載はない
  7. 日本大学 文理学部 令和7年度卒業生進路状況(PDF)確認日:2026-09-10 / 地理学科の「主な就職先」に「(株)ゼンリン」
  8. 北九州市立大学 国際環境工学部・国際環境工学研究科 就職先一覧(PDF)確認日:2026-09-10 / 社名なし(説明用)。この資料に載っているのは「株式会社ゼンリンプリンテックス」「株式会社ゼンリンデータコム」「株式会社ゼンリンマップテック」で、株式会社ゼンリン(9474)そのものの社名は無い。いずれもグループ会社で別法人であることを示すために挙げている出典なので、この記事の表には入れていない

次の選考準備に役立つ記事