どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる

会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。ベクトルについて、現時点で確認できたのは次の3大学です。[4] [5] [6] [7] [8]

ベクトルを就職先として掲載している大学(大学公式資料・2026年9月9日確認)
大学・学部掲載されている資料人数と対象年度
青山学院大学(全学)就職決定状況【上位企業】「文科系・理系・文理融合系学部 就職者上位112社(5名以上が就職した企業)」12名(男1・女11)/2024年度卒
青山学院大学(全学)同「就職者上位115社(5名以上が就職した企業)」9名(男2・女7)/2023年度卒
青山学院大学 総合文化政策学部学部別就職決定者数【上位企業】。この年の同学部の表は2名以上が載る5名/2024年度卒
青山学院大学 総合文化政策学部同上。この年の同学部の表は1名以上が載る3名(男1・女2)/2023年度卒
創価大学 法学部進路・就職実績の学部別進路状況「サービス業(他に分類されないもの)」に「(株)ベクトル」人数の記載なし/2024年度卒業生
駒澤大学 仏教学部 禅学科学部・学科別の主な就職先に「ベクトル」人数の記載なし/2025年度卒業生(2026卒)
駒澤大学 経済学部 現代応用経済学科学部・学科別の主な就職先に「ベクトル」人数の記載なし/2022年度卒業生
[4] [5] [6] [7] [8]

学部の並びを見てください。青山学院大学の総合文化政策学部、創価大学の法学部、駒澤大学の禅学科と現代応用経済学科。PRの会社というと文学部やメディア系の学科を思い浮かべますが、法学部からも、仏教学部の禅学科からも入っています。[4] [5] [6] [7] [8]

青山学院大学だけは人数まで分かる。そこから何が読めるか

多くの会社は、大学別の採用人数を出しません。ただ大学の側が人数つきで公表していることがあります。青山学院大学がその例です。[5] [6]

青山学院大学の資料から分かる人数(掲載の下限つき)
年度全学総合文化政策学部その表に載る条件
2024年度卒12名(男1・女11)5名全学は5名以上/学部別は2名以上
2023年度卒9名(男2・女7)3名(男1・女2)全学は5名以上/学部別は1名以上
[5] [6]

2024年度の数字を見てください。全学で12名、うち総合文化政策学部が5名。残りの7名はどこにいるのか。青山学院大学の資料には学部ごとの表がありますが、この年度の資料でベクトルの名前が出てくるのは全学の表と総合文化政策学部の表の2か所だけでした。学部別の表はその学部ごとに「何名以上を載せるか」が違い、総合文化政策学部は2名以上です。つまり残りの7名は、各学部で1名ずつ(または表の下限に届かない人数で)散らばっている、と読めます。[6]

もう1つ、男女の内訳が公開されているのがこの資料の特徴です。2024年度は男1名・女11名、2023年度は男2名・女7名。2年続けて女性のほうが多く、2024年度は12名中11名が女性です。これは会社が公表した数字ではなく、大学が卒業生の進路として集計した数字ですが、少なくとも青山学院大学からこの会社に進む人の内訳はこうなっています。[5] [6]

会社が応募条件について書いていること(引用)

会社の新卒採用サイトからリンクされている募集要項(27年卒 PRコンサルタント)には、「募集条件」という欄があります。そこにはこう書かれています。「資格 特になし」「言語 英語スキルを活かしたい方歓迎」「学歴 大学/大学院 卒業見込みの方」。[1] [2]

正直に書きます。この会社の学歴の欄は「大学/大学院 卒業見込みの方」です。これまでこの連載で扱った会社の多くが「専門・短大・高専・大学・大学院」と並べていたのに対し、ベクトルは4年制大学以上に限っています。専門学校や短大からこの募集で応募することはできません。ここは大学名ではなく学校の種類による線引きで、公開されている条件です。[1]

一方で、大学のなかでの条件はありません。学部・学科の指定はなく、資格は「特になし」。英語も「活かしたい方歓迎」であって必須ではありません。[1]

求める人物像として書かれているのは、能力ではなく姿勢です。「変化を楽しみ、自らチャンスを掴みに行ける方」「『世の中を驚かせたい』というワクワク感を大切にできる方」「圧倒的なスピード感の中で、若いうちから成長したい方」「SNSや最新トレンドなど、世の中の動きに敏感な方」。[1]

これらは学校の種類・専攻・資格についての記述で、大学名について述べたものではありません。会社が大学名をどう扱っているかは公開されていないので、そこは「分からない」が正確です。[1]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある

「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。ベクトルの公開情報から特定できるのは次の4つです。

土俵1:説明会に出るとエントリーシートが免除される回がある

募集要項にこう書かれています。「会社説明会+グループディスカッション選考がセットになった『選考直結型説明会』も開催中です。選考直結型説明会にご参加いただいた方は、エントリーシート提出が免除となり、スムーズに選考へ進んでいただけます」。書類で読まれる前に、その場で話す側に回れる回がある、ということです。文章を書くのが苦手な人にとっては、いちばん大きな差になります。[1]

土俵2:夏採用があり、遅れて始めた人を名指しで呼んでいる

同じ募集要項の冒頭に、こうあります。「【27卒 夏採用開始|会社説明会・選考直結型説明会 開催中!】『最近PR業界に興味を持った』『留学から帰国して、これから就職活動を始める』『まだ納得できる企業に出会えていない』そんな方も大歓迎です」。就活を出遅れた人・やり直したい人を、会社が文面で名指しして呼んでいます。さらに「選考はスピーディーに進行しており、最短1ヶ月で内定獲得も可能です」とも書かれています。[1]

土俵3:資格が「特になし」で、専攻の指定もない

募集条件の資格欄は「特になし」です。持っている人が有利になる資格を条件にしていないので、資格の有無で入口が閉じることがありません。学部・学科の指定もないので、上の表のように禅学科からも法学部からも入っています。[1] [4] [7]

土俵4:選考にグループディスカッションと面接が複数回ある

選考フローは「選考イベント(インターンシップor会社説明会)→ ES → 人事面接orGD → 書類提出 → 面接1〜2回 → 最終面接 → 内々定」。面接が3〜4回あり、グループディスカッションもあります。回数が多いということは、その場で話す力を見る時間が長いということです。ここは準備した量がそのまま効きます。[1]

応募する前に知っておいたほうがいいこと

都合のいい情報だけを並べても役に立たないので、公開情報から読み取れる注意点も書きます。

  • 学歴の条件は「大学/大学院 卒業見込みの方」。専門学校・短大からはこの募集では応募できない
  • 月給300,000円には固定残業代78,075円(45時間分)が含まれる。基本給は221,925円〜と会社が書いている。他社の「残業代別途」の初任給と並べるときは、この差を必ず戻して比べる
  • 入社後の所属が変わる。「原則として、試用期間終了後に下記所属先のグループ会社に転籍となります。・株式会社アンティル ・株式会社プラチナム ・株式会社イニシャル」と募集要項に書かれている。入社する会社と、働き続ける会社が違う
  • 勤務地は本社(東京都港区赤坂)。エリアは「関東」と書かれている
  • リモートワークは「週2回のリモートワークと出社を組み合わせたハイブリット」だが、「新入社員は約1年間程度は原則出社」
  • 退職金・家族手当・寮社宅は「無」と募集要項に書かれている
  • 試用期間は4ヶ月(労働条件の変更なし)。有給休暇は試用期間終了後に10日付与

固定残業代について補足します。固定残業代とは、実際に残業したかどうかに関係なく毎月払われる残業代のことです。会社は「固定残業代は残業がない場合も支給し、超過する場合は別途支給」と書いていて、45時間を超えた分は別に払うとしています。ただし、45時間という設定そのものが、この仕事の残業の見込みを表しています。[1]

こうした点は、面接で聞きにくいことでもあります。ただ、会社が募集要項に書いている内容なので、読んでおけば「知っていて選んだ」と言えます。読まずに入って驚くのが、いちばん避けたい形です。[1]

この会社の輪郭を、公開されている数字でつかむ

会社概要に書かれている数字を並べます。

株式会社ベクトルの会社概要
項目公開されている値
設立1993年3月30日
代表者代表取締役社長CEO 西江肇司
本社東京都港区赤坂4-15-1 ONE AOYAMA18F
資本金3,038百万円(2026年2月28日現在)
社員数グループ従業員数 連結1,571名(2026年2月28日現在)
国内拠点本社のほか関西支社(大阪)、九州支社(福岡)
海外拠点香港・上海・北京・台湾・韓国・タイ・マレーシア・ベトナム・ハワイ
[3]

社員数の1,571名は「グループ従業員数 連結」と書かれています。つまりグループ全体の人数で、株式会社ベクトル単体の人数ではありません。他社の単体の従業員数と並べると、実態より大きく見えます。[3]

仕事の量についても、募集要項に数字があります。「PR事業会社3社で年間2,800件以上のプロジェクトを動かしています」。配属先になるアンティル・プラチナム・イニシャルの3社を合わせた件数です。[1]

30日でやること。大学名では動かない部分から埋める

ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。

  1. 1日目:自分が「大学/大学院 卒業見込み」に当てはまるかを確認する。当てはまらない場合は、この募集では応募できないので、別の入口(キャリア採用など)を探す
  2. 2〜4日目:新卒採用サイトから、27年卒・28年卒のうち自分の年度の募集要項を開く。「選考直結型説明会」が開催中かどうかを確認する。開催中なら、そこに申し込む
  3. 5〜10日目:グループディスカッションの練習をする。選考直結型説明会はグループディスカッション選考がセットになっている。ぶっつけ本番で臨む場所ではない
  4. 11〜16日目:この会社が手がけたPRの事例を3つ調べ、「なぜ話題になったのか」を自分の言葉で説明できるようにする。会社の採用サイトにケーススタディのページがある
  5. 17〜22日目:自分の身の回りで「話題になった/ならなかった」ものを1つ選び、その理由を書く。世の中の動きに敏感かどうかは、実例を出せるかで伝わる
  6. 23〜27日目:配属先になるアンティル・プラチナム・イニシャルの3社を調べ、違いを自分なりに整理する。試用期間終了後に転籍する先なので、無関係ではない
  7. 28〜30日目:面接が3〜4回あることを前提に、同じ話を角度を変えて話せるように準備する。1回で全部出し切る構成にしない

志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば「試用期間終了後にグループ会社へ転籍する」「新入社員は約1年間は原則出社」という記述を読んだうえで、それでもこの会社を選ぶ理由を書けるなら、それは自分の言葉になります。「PRに興味があるから」では、他の誰が書いても同じ文章になります。[1]

採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容はすべて2026年9月9日に会社の公式サイトと各大学の公式サイトで確認したもので、募集要項は27年卒 PRコンサルタント(最終更新日2026年7月24日)のものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。どの会社で受けるかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. ベクトル 27年卒 PRコンサルタント 募集要項確認日:2026-09-09 / 最終更新日2026年7月24日。夏採用と選考直結型説明会(エントリーシート提出が免除)、募集職種と配属先(アンティル・プラチナム・イニシャル/PR事業会社3社で年間2,800件以上)、求める人物像、就業時間、給与(月給300,000円・基本給221,925円〜・固定残業代78,075円/45時間)、試用期間4ヶ月、選考フロー、年間休日125日前後、募集条件(資格 特になし/言語 英語スキルを活かしたい方歓迎/学歴 大学・大学院卒業見込み)、配属についての転籍、リモートワーク
  2. ベクトル 新卒採用サイト 募集要項確認日:2026-09-09 / 新卒採用の募集一覧(27年卒・28年卒のPRコンサルタントとSNSマーケター、アントレプレナー採用、長期インターンシップ)
  3. 株式会社ベクトル 会社概要確認日:2026-09-09 / 社名、本社、代表者、設立1993年3月30日、資本金、事業内容、社員数「グループ従業員数 連結:1,571名(2026年2月28日現在)」、国内外の拠点
  4. 創価大学 進路・就職実績確認日:2026-09-09 / 2024年度卒業生の学部別進路状況、法学部の「サービス業(他に分類されないもの)」に(株)ベクトル
  5. 青山学院大学 2023年度卒 進路状況(学部)確認日:2026-09-09 / 就職者上位115社(5名以上が就職した企業)に(株)ベクトル 男2・女7・計9。総合文化政策学部の学部別表(1名以上が載る)に計3・男1・女2
  6. 青山学院大学 2024年度卒 進路状況(学部)確認日:2026-09-09 / 就職者上位112社(5名以上が就職した企業)に(株)ベクトル 男1・女11・計12。総合文化政策学部の学部別表(2名以上が載る)に計5・女5
  7. 駒澤大学 2025年度卒業生(2026卒)学部・学科別 主な就職先確認日:2026-09-09 / 仏教学部 禅学科の主な就職先にベクトル
  8. 駒澤大学 2022年度卒業生 学部・学科別 主な就職先確認日:2026-09-09 / 経済学部 現代応用経済学科の主な就職先にベクトル

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