どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる

会社が出身校を公開している場合でも、大学の側の資料を別に確かめる意味があります。会社の一覧は学校名だけで、何学部の人が何年度に入ったかまでは分からないからです。新日本科学について、大学側の資料で確認できたのは次の4大学です。しかも3つは人数つきです。[1] [2] [3] [4] [5] [6]​‌​​‌​​‌​​‌‌​‌‌‌‌​‌‌​‌‌​​‌‌​​​​‌​‌‌​​​​​​‌‌‌​‌‌‌​​‌​‌‌‌‌​‌‌​​​​​

新日本科学を就職先として掲載している大学(大学公式資料・2026年9月10日確認)
大学・学部掲載されている資料人数と対象年度
岩手大学 大学院 総合科学研究科進路先一覧の「他のサービス」「鹿児島県」の欄に「株式会社新日本科学」2名/令和7(2025)年度
岩手大学 大学院 理工学研究科進路一覧の「他のサービス」「鹿児島県」の欄に「株式会社新日本科学」1名/令和6(2024)年度
岩手大学 農学部進路先一覧の「鹿児島県」の欄に「株式会社新日本科学」2名/令和4(2022)年度
九州医療科学大学 薬学部 動物生命薬科学科令和7年度卒業生学科別就職先一覧に「株式会社新日本科学(鹿児島県)」人数の記載なし/令和7年度(令和8年5月1日現在)
千葉工業大学 先進工学部 生命科学科主な進路先に「㈱新日本科学」人数の記載なし/一覧に対象年度の記載なし
岡山理科大学(全学)就職データ(2023年度)の主な就職先・進学先に「株式会社新日本科学」人数の記載なし/2024年3月・2023年9月卒業生
[1] [2] [3] [4] [5] [6]

学部・研究科の並びを見てください。総合科学研究科、理工学研究科、農学部、薬学部動物生命薬科学科、先進工学部生命科学科。生き物と化学に関わる分野が中心ですが、工学系も入っています。次の節で見るとおり、会社の側の一覧には文系150校も並んでいます。[1] [2] [3] [4] [5] [6]

会社が9年分の出身校を252校、実名で公表している

この会社の採用サイトには「採用データ」というページがあり、新卒で入った人の出身校が実名で並んでいます。対象は「2017年4月1日~2026年4月1日新卒入社分」。理系168校、文系150校で、両方に出てくる学校を1つと数えると252校になります。9年分をまとめて公開している会社は、ほとんどありません。[8]

この一覧の中身が大事です。国立大学も難関私立大学も入っていますが、それと同じ列に、地元の私立大学や小さな大学が並んでいます。理系と文系からいくつか挙げます。[8]

出身校一覧に入っている学校の例(会社が公表している252校の一部)
区分学校名
理系第一工業大学/千葉科学大学/倉敷芸術科学大学/日本文理大学/九州共立大学/久留米工業大学/崇城大学/福岡工業大学/東京工科大学/北陸大学
理系京都大学/大阪大学/九州大学/北海道大学/筑波大学/慶應義塾大学/早稲田大学/東京理科大学
文系鹿児島国際大学/志學館大学/鹿児島純心女子大学/羽衣国際大学/甲子園大学/四天王寺国際仏教大学/京都学園大学/甲南女子大学/山梨学院大学/駿河台大学
文系一橋大学/京都大学/慶應義塾大学/早稲田大学/上智大学/国際基督教大学/お茶の水女子大学
[8]

同じ一覧に東大京大クラスと地元の小規模大学が並んでいる、という事実そのものが、この会社の採用の姿勢を示しています。252校という数は、「特定の大学から採る会社ではない」ことの、いちばん強い証拠です。[8]

さきほどの大学側の資料で確認した4大学、岩手大学・九州医療科学大学・千葉工業大学・岡山理科大学も、すべてこの会社の一覧に入っています。会社の一覧と大学の資料が、別々の場所で同じことを示しています。[1] [4] [5] [6] [8]

同じページには中途採用のデータもあります。「正規雇用労働者の中途採用比率」は2023年度24%、2024年度40%、2025年度33%。7割前後が新卒採用という年が多く、新卒で入る人が多数派の会社だと読めます。[8]

報酬表に高卒の区分まであり、職種で基本給は変わらない

この会社は新卒の報酬額を職種別・学卒区分別に全部公開しています。まず、学卒区分がどこまで分かれているかを見てください。[7]

新卒報酬額の一部(会社が公開している月給)
職種学卒区分月給
研究職院卒(博士課程)323,210円
研究職院卒(修士課程)304,741円
研究職学部卒280,500円
研究職/技能職専門卒・短大卒(3年)230,864円
研究職/技能職専門卒・短大卒(2年)219,321円
研究職/技能職高卒200,852円
事務職学部卒280,500円
事務職高卒200,852円
[7]

研究職にも事務職にも高卒の区分があります。専門学校2年制・短大2年制の区分もあります。大学を出ていない人の入口が、報酬表の中に最初から用意されている会社です。[7]

そのうえで、会社はこう書いています。「すべての職種における基本給(高卒、専門・短大卒、学部卒、院卒別)は同一ですが、手当の有無により支給額が異なります」。つまり同じ学卒区分なら、研究職でも事務職でも総合職でも基本給は同じで、金額の差は手当の差だということです。[7]

その手当の中身も公開されています。「獣医師手当:5万円、薬剤師手当:1万円、臨床検査技師手当:8千円」「総合職手当:院卒(MBA);10万円、院卒(博士);7.5万円、院卒(修士);5万円、学部卒;5万円」「専門職(IT技術者)手当:院卒(博士);10万円、院卒(修士);8万円、学部卒;5万円」「専門職(建築学専攻)手当:一律1万円」「技術職(電気・無線)手当:一律1万円」。職種による金額差は、こうした手当の積み上げだと分かります。[7]

資格手当も広く用意されています。「トキシコロジスト、実験動物1級技術者、液体クロマトグラフィー分析士、危険物取扱者、電気工事施工管理技士、日商簿記1級、QC検定/秘書技能検定合格者など20種以上の資格が該当」。日商簿記や秘書技能検定まで入っているので、文系・事務職の人にも取れる資格が含まれています。[7]

月給の中身は分解して読んでください。「また、月給には固定時間外手当(月20時間分)が含まれます。時間外勤務が月20時間を超過した場合、規定に基づき別途に時間外手当が支給されます」。表に出ている金額には、月20時間ぶんの残業代が先に入っています。[7]

賞与についても書かれています。「月給とは別に、会社業績及び個人実績に応じて業績賞与が支給されます」。[7]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある

「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。新日本科学の公開情報から特定できるのは次の4つです。

土俵1:出身校一覧が252校ある

9年分の新卒入社者の出身校が実名で並び、その数が252校。自分の大学が入っていれば前例があるということですし、入っていなくても、これだけ幅がある会社に「うちの大学からは無理」という線は引きにくくなります。[8]

土俵2:同じ学卒区分なら職種が違っても基本給が同じ

「すべての職種における基本給(高卒、専門・短大卒、学部卒、院卒別)は同一」。研究職に行くか事務職に行くかで基本給が変わりません。職種を給与ではなく中身で選べます。[7]

土俵3:資格手当が20種以上あり、入った後に上げられる

トキシコロジストや実験動物1級技術者のような専門資格だけでなく、日商簿記1級や秘書技能検定も対象です。入る前の学歴ではなく、入った後に取った資格で収入が上がる設計になっています。[7]

土俵4:インターンシップが「文理問いません」

会社はインターンシップの案内にこう書いています。「文理問いません!(文系限定イベントに参加したい方は1月までお待ちください。)」。さらに「土日祝日にも開催します!」「オンラインでもオフライン(対面)でも実施します!」。学業やアルバイトと両立しやすい形が用意されています。[7]

会社の規模と、選考に入るまでの流れ

会社概要によると、資本金96億7,907万円(2025年3月31日現在)、本社は鹿児島本社(鹿児島市宮之浦町)と東京本社(中央区明石町 聖路加タワー28階)の2つ。従業員は新日本科学1,436名(2025年3月31日現在)、グループ全体3,001名(持分法適用会社などを含む)です。[9]

主要事業は3つ。「医薬品開発受託(CRO)事業」「トランスレーショナルリサーチ(TR)事業」「メディポリス事業」。CROは製薬会社に代わって新薬の試験をする仕事で、この会社の中心です。[9]

インターンシップの中身も具体的に書かれています。「【体験】・非臨床試験(新薬の安全性・有効性の評価)・キャリアサポート(当社独自の制度)」「【セミナー/ワーク】・業界研究(医薬品業界と非臨床CROの現状と未来)・キャリアデザイン(キャリアとは何かを考える)」「【社員との対話】・トップマネジメント/役員の想い・先輩社員と座談会」。1日3〜4時間を2回に分けて実施し、「仕事体験後にはフィードバックもあります!」とあります。[7]

会社説明会の時期も書かれています。「2028年卒対象の会社説明会は2027年3月から開催予定です。それまではインターンシップで当業界や当社のことを知ってもらえればと思います」。説明会までの期間はインターンシップが接点になります。[7]

応募する前に知っておいたほうがいいこと

都合のいい情報だけを並べても役に立たないので、公開情報から読み取れる注意点も書きます。

  • 募集要項そのものは会社のサイトになく、「募集要項はマイナビ2028の「前年の採用データ」をご覧ください」と案内されている。この記事でも応募資格・選考フローは引用していない
  • 会社のサイトで公開されているのは報酬額の表。月給には固定時間外手当(月20時間分)が含まれる
  • 職種が細かく分かれている(研究職/技能職/事務職/総合職(経営職)/専門職(IT技術者)/専門職(建築学専攻)/技術職(電気・無線))。どの職種で受けるかで手当が大きく変わる
  • 獣医師・薬剤師・臨床検査技師の資格者には専用の区分と手当がある。資格がない人と同じ枠ではない
  • 本社は鹿児島と東京の2か所。鹿児島本社が中心の会社であることは、勤務地を考えるうえで先に知っておく
  • 出身校一覧は2017年4月1日〜2026年4月1日の9年分の累計。毎年その全部から採っているという意味ではない
[7] [8] [9]

こうした点は、面接で聞きにくいことでもあります。ただ、会社が自分のサイトに書いている内容なので、読んでおけば「知っていて選んだ」と言えます。読まずに入って驚くのが、いちばん避けたい形です。[7]

30日でやること。大学名では動かない部分から埋める

ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。

  1. 1日目:採用データのページを開き、自分の大学が出身校一覧にあるかを確認する。あってもなくても、252校という数を見ておく
  2. 2〜3日目:報酬表を見て、自分の学卒区分と受けたい職種の月給を書き出す。月給には固定時間外手当(月20時間分)が入っていることも書き添える
  3. 4〜8日目:インターンシップに申し込む。文理を問わず、土日祝日にも、オンラインでも実施される。会社説明会は2028年卒だと2027年3月からなので、それまでの接点はここになる
  4. 9〜14日目:CRO(医薬品開発受託)という業界を調べる。製薬会社が自分で試験をせず外に出す理由を、自分の言葉で説明できるようにする
  5. 15〜20日目:非臨床試験が何をするものかを調べる。動物を使う試験も含まれるので、そこに対する自分の考えを整理しておく。避けて通ると面接で困る
  6. 21〜25日目:資格手当の対象20種以上のうち、いま自分が取れそうなものを1つ選ぶ。日商簿記や秘書技能検定も対象なので、文系でも入る前から動ける
  7. 26〜30日目:募集要項は外部の就職情報サイトにあるので、そちらで応募資格と選考フローを確認する。会社のサイトには載っていない

志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば、同じ学卒区分なら職種が違っても基本給が同じこと、本社が鹿児島と東京の2か所にあることを読んだうえで、それでもこの会社を選ぶ理由を書けるなら、それは自分の言葉になります。「人の役に立つ薬に関わりたいから」では、他の誰が書いても同じ文章になります。[7] [9]

採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容はすべて2026年9月10日に会社の公式サイトと各大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。どの会社で受けるかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 岩手大学 令和7(2025)年度 進路先一覧(PDF)確認日:2026-09-09 / 「令和7(2025)年度 総合科学研究科修了生」の見出しの下、「他のサービス」「鹿児島県」の欄に「株式会社新日本科学 2」。この資料は1ファイルに学部・研究科のページが順に並ぶため、社名の直前の見出しで所属を決めた
  2. 岩手大学 令和6(2024)年度 進路先一覧(PDF)確認日:2026-09-09 / 「令和6(2024)年度 理工学研究科修了生」の見出しの下、「他のサービス」「鹿児島県」の欄に「株式会社新日本科学 1」
  3. 岩手大学 令和4(2022)年度 進路先一覧(PDF)確認日:2026-09-09 / 「令和4(2022)年度 農学部卒業生」の見出しの下、「鹿児島県」の欄に「株式会社新日本科学 2」
  4. 九州医療科学大学 令和7年度卒業生学科別就職先一覧確認日:2026-09-10 / 令和8年5月1日現在。薬学部 動物生命薬科学科の欄に株式会社新日本科学(鹿児島県)
  5. 千葉工業大学 主な進路先確認日:2026-09-09 / 先進工学部 生命科学科の主な進路先に㈱新日本科学。この一覧に対象年度の記載はない
  6. 岡山理科大学 就職データ(2023年度)確認日:2026-09-10 / 主な就職先・進学先(2024年3月・2023年9月卒業生)に株式会社新日本科学
  7. 新日本科学 新卒採用確認日:2026-09-10 / 新卒報酬額の表(職種別・学卒区分別の月給、研究職/技能職/事務職/総合職(経営職)/専門職(IT技術者)/専門職(建築学専攻)/技術職(電気・無線))、「すべての職種における基本給(高卒、専門・短大卒、学部卒、院卒別)は同一ですが、手当の有無により支給額が異なります」、固定時間外手当(月20時間分)の説明、資格者手当と職種別手当の金額、20種以上の資格手当、業績賞与、インターンシップの内容と実施方法、会社説明会の時期、エントリーフォーム。募集要項は外部の就職情報サイトを見るよう案内されている
  8. 新日本科学 採用データ確認日:2026-09-10 / 新卒学歴データ(2024年・2025年・2026年)、新卒出身地データ、新卒出身校一覧(2017年4月1日~2026年4月1日新卒入社分。理系168校・文系150校、重複を除くと252校)、中途採用データ(2023〜2025年度の中途採用人数と、正規雇用労働者の中途採用比率24%・40%・33%)
  9. 株式会社新日本科学 会社概要確認日:2026-09-10 / 資本金96億7,907万円(2025年3月31日現在)、鹿児島本社と東京本社、従業員 新日本科学1,436名(2025年3月31日現在)・グループ全体3,001名、主要事業内容(医薬品開発受託(CRO)事業、トランスレーショナルリサーチ(TR)事業、メディポリス事業)

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