どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる

会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を1件ずつ確認しています。ニッスイについて、現時点で確認できたのは次の6大学です。[6] [7] [8] [9] [10] [11]​‌‌​‌​‌‌​‌‌​‌​​‌‌​​‌‌​‌​‌‌​​‌‌‌‌‌‌​​​​​​​‌‌​​‌‌‌‌​​‌‌‌​‌‌‌​​​​‌‌

ニッスイを就職先として掲載している大学(大学公式資料。確認日は出典欄に1件ずつ)
大学・学部(学科)掲載されている資料と見出し資料が示す対象年度
中央大学 経済学部「2025年度卒業生の主な就職先(就職者2名以上の企業・機関)」の経済学部版に「ニッスイ」2名(順位56位)2025年度卒業生(2026年4月9日現在)
日本大学 国際関係学部「令和7年度卒業生の主な就職先」の国際関係学部の欄に「㈱ニッスイ」令和7年度卒業生
東洋大学 生命科学部「生命科学部の就職状況」の「主な就職先」に「(株)ニッスイ」2025年度(2026年3月卒業)
明治学院大学 経済学部経済学科「主な就職先」に「(株)ニッスイ」2023〜2025年度(2026年5月1日現在)
北海学園大学(全学)「2025年度卒業生 内定一覧」の卸売業の欄に「㈱ニッスイ」2025年度卒業生
駒澤大学 経済学部商学科「2022年度卒業生(2023卒)」の主な就職先、経済学部商学科の欄に「ニッスイ」2022年度卒業生(2023年3月卒)
[6] [7] [8] [9] [10] [11]

この6件の学部を並べると、経済学部、国際関係学部、生命科学部、商学科です。水産の会社というと海洋系や農学系の学部を思い浮かべますが、大学の資料に残っているのは文系の学部のほうが多いという結果でした。会社の募集要項も、そのとおりの条件になっています。次の節で見ます。[7] [8] [9] [10] [11] [12] [1]

会社が学部・学科について書いていること(引用)

ニッスイの募集要項で、まず見てほしいのは募集学科の欄です。総合職(研究職も含む)の欄はこうなっています。「文系(大卒以上)/ 全学部全学科」「理系(大卒以上)/ 全学部全学科」。文系にも理系にも学部学科の限定がありません。[1]

採用の仕組みそのものについても書かれています。「職種別採用は実施していませんが、ご本人の志望および入社後の研修によって適性を判断し、以下の3職種のいずれかに配属されます」。3職種とは、総合職 事務系(営業、調達、マーケティング・商品企画、物流、コーポレート、情報システム など)、総合職 技術系(商品開発、生産管理・品質管理、エンジニア、水産技術職 など)、研究職 研究(基礎・応用)です。ただし注記があり、「※総合職:文系、理系問いません 研究職:理系」となっています。研究職だけは理系です。[1]

採用FAQには、この記事の読者そのものを想定した質問があります。「文系・理系には、それぞれどんな仕事がありますか?」——回答の書き出しはこうです。「ニッスイでは、文系・理系による仕事の区別はありません」。そのあとに必要な力を並べたうえで、「自分がもっている「強み」を活かすことが最も大切です。ニッスイでは文系の方も理系の方も大歓迎です」と書いています。[2]

入社時に職種を限定しない理由も、会社の言葉で書かれています。「総合職採用では、入社の時点で職種を限定しません。入社してはじめて知ること、経験することの方がはるかに多く、入社前に業務の分野を限定するのは、みなさんの可能性を狭めることになると考えています」。配属については「選考時にうかがった希望職種に加え、新入社員研修を通してみなさんの考えや適性、将来のキャリアプラン、そして会社全体の状況などを総合的に判断して決定します」としています。[2]

入口は2つ。総合職と技術技能職

ニッスイの新卒の入口は2つに分かれています。学歴の条件と勤務地がまったく違うので、先に見分けてください。

新卒の募集枠(ニッスイ 募集情報より)
応募資格募集学科勤務地
総合職(研究職も含む)「2028年3月までに、大学を卒業予定または大学院を修了予定の方」「大学をすでに卒業、または大学院をすでに修了されている方」「文系(大卒以上)/ 全学部全学科」「理系(大卒以上)/ 全学部全学科」「全国各地および海外」
技術技能職「2028年3月までに、大学・専門・高校を卒業予定の方」「大学・専門・高校をすでに卒業されている方」「文系(専門卒以上)/ 全学部全学科」「理系(専門卒以上)/ 全学部全学科」八王子総合工場、姫路総合工場、安城工場、ファインケミカル総合工場つくば工場、ファインケミカル総合工場鹿島油脂工場・鹿島医薬品工場
[1]

技術技能職は高校卒業でも応募でき、勤務地が工場に限られています。会社は「※選考開始のタイミングでご希望をお聞きします」とも書いています。一方の総合職は勤務地が全国各地および海外です。地元で働きたい人にとっては、この2つの枠の違いが大きな分かれ目になります。[1]

総合職の中身は、会社が3職種として整理しています。事務系は営業、調達、マーケティング・商品企画、物流、コーポレート、情報システムなど。技術系は商品開発、生産管理・品質管理、エンジニア、水産技術職など。研究職は基礎・応用の研究です。会社は水産・食品・ファインケミカル・物流の4事業を持っていて、研究拠点は東京イノベーションセンター(東京都八王子市)と中央研究所大分海洋研究センター(大分県佐伯市)の2か所です。[1] [4]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある

「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。ニッスイが公開している募集要項とFAQから特定できるのは、次の4つです。

土俵1:募集学科が文系・理系とも「全学部全学科」

募集要項に書かれているのはこの1行だけです。学部・学科を理由に出せないということはありません。研究職だけが理系ですが、それも「理系」であって専攻の指定はありません。[1]

土俵2:業界の知識を先に持っている必要がない

「水産のことはあまり知らないのですが、大丈夫ですか?」——「問題ありません。入社後は3年間、先輩社員による実務を通じた教育・指導に加え、さまざまな研修、教育プログラムを通じて業務に必要な知識を身に付けることができます。水産についてあまり知らなくてもまったく問題ありませんので、遠慮なくエントリーしてください」。3年かけて育てる前提だと会社が書いています。[2]

土俵3:学生時代にやっておくべきことを、会社が指定していない

「学生時代にやっておくべきことはありますか?」という質問への回答は「特にありません。学生時代にしかできないことをできるだけ多く経験し、社会人の基礎をつくることを期待しています。」です。特定の資格や経験を持っている人が有利になる設計にはなっていません。[2]

土俵4:既卒でも新卒と同じ基準

「既卒者の採用を行っていますか?」——「既卒者も新卒と同じ基準で採用を行っています。既卒の方は卒業後3年以内、かつ1年以上、正社員として就業経験のない方が対象です。職歴のある方は経験者採用からご応募ください」。卒業してから就職活動をやり直している人にとって、条件がはっきり書かれているのは動きやすい点です。[2]

応募の前に確かめておくこと。3つだけ

募集要項とFAQを読んで、応募の前に自分で確かめておいたほうがよいことは3つでした。

確認1:総合職と技術技能職のどちらで出すか

総合職は勤務地が全国各地および海外、技術技能職は5つの工場です。賃金も違います(総合職は大卒で月給27万2,000円、技術技能職は大卒で月給25万2,000円)。工場でものづくりに関わりたいのか、全国転勤を前提に幅広い仕事をしたいのかで、出す枠が変わります。[1]

確認2:職種が入社後に決まることを受け入れられるか

会社は職種別採用を実施していません。希望は選考時に伝えますが、最終的には新入社員研修を通した適性判断で決まります。「この仕事しかやりたくない」という人にとっては、合わない仕組みです。逆に、やりたいことがまだ絞れていない人にとっては、入ってから決められる会社だということです。[1] [2]

確認3:異動と海外の可能性

会社にはキャリア申告制度と社内公募制度があり、FAQは「社員自らが希望する仕事にチャレンジできる社内公募制度もあり、主体的なキャリア形成をサポートしています」と説明しています。海外については「グローバル人財登録制度」があり、会社は「毎年のキャリア申告時に自ら希望を出すことで、グローバルに挑戦する機会を得ることができます」と書いています。手を挙げる仕組みがある一方で、勤務地は会社が定めます。[2] [5]

会社が公開している数字

ニッスイは採用サイトで働き方の数字をまとめて公開しています(いずれも2026年3月現在)。

ニッスイの数字(会社の採用サイト「数字で見るニッスイ」より・2026年3月現在)
項目数字
平均勤続年数15.8年
平均年齢42.8歳
平均年収850万円
平均残業時間14.3時間/月
標準労働時間7時間45分(フレックスタイム制・変形労働時間制)
年間休日125日
有給休暇平均取得日数15.2日/年、取得率79.5%
育休からの復職100%
[3]

初任給は大学院了が月給28万2,000円、大卒が月給27万2,000円、専門卒が月給24万3,000円です。賞与は年2回(6月・12月)で、募集要項には「※2025年度 見込み(5.41カ月分)」と書かれています。カ月数まで書いている会社は多くありません。[1] [3]

経験者採用についての数字も公開されています。FAQは「正社員の経験者採用比率は、約30%です」と答えています。新卒で入った人だけの会社ではない、ということです。[2]

30日でやること。大学名では動かない部分から埋める

大学名を変えることはできませんが、ここまでに出てきた事実のうち、いくつかは今日から動かせます。順番に書きます。

  • 1〜3日目:総合職と技術技能職のどちらで出すかを決める。勤務地(全国各地および海外か、5つの工場か)と賃金の違いを、自分の事情と突き合わせる
  • 4〜7日目:既卒の人は自分が条件に当てはまるか確かめる。卒業後3年以内で、正社員としての就業経験が1年未満であることが新卒枠の条件。当てはまらない場合は経験者採用が入口になる
  • 8〜14日目:3職種(事務系・技術系・研究)のうち、選考時に伝える希望を決める。ただし会社は職種別採用を実施していないので、1つに固執する書き方はしない
  • 15〜21日目:会社の4事業(水産・食品・ファインケミカル・物流)を読む。ファインケミカルは医薬品原料や健康食品の事業で、食品会社というイメージだけで志望動機を書くと、この部分が抜け落ちる
  • 22〜30日目:エントリーシートを書く。会社が、学生時代にやっておくべきことは特にないと書いている以上、書くのは資格の数ではなく、自分の経験と、それを通じて何ができるようになったか
[1] [2]

志望動機については、会社が公開している事実を1つ選び、それを読んで自分が何を思ったかを書き、自分の経験のどこと重なるかを1つ挙げる。この3つがそろえば、他の誰にも書けない文章になります。たとえば新入社員研修に「水産加工実習」と「河川環境学習」が入っていること。水産の会社が新入社員全員に現場と川の環境を見せる、という設計を読んでどう思ったかは、他の人には書けません。[5]

この記事の資料ごとの確認日は、出典欄に1件ずつ書いています。採用の条件・日程・待遇は年度によって変わるので、応募の前に必ず最新の募集要項を見てください。どの枠で出すか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. ニッスイ 採用情報 募集情報確認日:2026-09-11 / 新卒採用の募集要項2枠(総合職(研究職も含む)と技術技能職)。「職種別採用は実施していませんが、ご本人の志望および入社後の研修によって適性を判断し、以下の3職種のいずれかに配属されます」「※総合職:文系、理系問いません 研究職:理系」、3職種の内訳、応募資格、賃金(大学院了28万2,000円・大卒27万2,000円/技術技能職は大卒25万2,000円・専門卒24万3,000円・高卒23万4,000円)、試用期間3カ月、昇給・賞与(2025年度見込み5.41カ月分)、勤務時間、勤務地、募集学科「文系(大卒以上)/ 全学部全学科」「理系(大卒以上)/ 全学部全学科」、休日休暇、福利厚生、その他制度。あわせて経験者採用・カムバック採用・障害者採用・グループ会社採用
  2. ニッスイ 採用情報 募集情報のよくある質問確認日:2026-09-11 / 新卒採用のFAQ。「総合職採用では、入社の時点で職種を限定しません」、配属の決め方、社内公募制度とキャリア申告制度、「ニッスイでは、文系・理系による仕事の区別はありません」、水産の知識がなくてよい旨と入社後3年間の教育、「学生時代にやっておくべきことはありますか?」への「特にありません」、既卒の条件(卒業後3年以内かつ1年以上の正社員経験がない方)、外国人留学生の採用、正社員の経験者採用比率約30%
  3. ニッスイ 採用情報 数字で見るニッスイ確認日:2026-09-11 / 2026年3月現在の数字。平均勤続年数15.8年、平均年齢42.8歳、初任給(大学院了282,000円・大卒272,000円・専門卒243,000円)、平均年収850万円、平均残業時間14.3時間/月、標準労働時間7時間45分、年間休日125日、有給休暇の平均取得日数15.2日・取得率79.5%、女性育休取得率111.0%・男性育休取得率91.1%・育休からの復職100%
  4. ニッスイ 採用情報 働く環境・福利厚生確認日:2026-09-11 / テレワーク勤務制度・フレックスタイム勤務制度・サテライトオフィス、スキルアップサポート制度(受講費用の8割を会社が負担)、住宅補助と単身赴任手当、健康経営宣言(2017年策定)、育児・介護支援、くるみん認定(2010年)、2024年度の男性育児休業取得率106.7%、休暇制度、働く場所(本社・東京イノベーションセンター・中央研究所大分海洋研究センター・支社・工場の一覧)
  5. ニッスイ 採用情報 キャリア支援・育成確認日:2026-09-11 / 育成体系(階層別・公募型・職種別・グローバル人財・DX人財)、「入社後3年間は毎年研修を実施」と新入社員研修の実施内容(ビジネスマナー研修、仕事の心構え/仕事の進め方研修、ビジネス文書ライティング研修、パソコン研修、工場/営業などの現場実習・見学、水産加工実習、河川環境学習)、新入社員への教育担当とメンターの配置、公募型研修と社内公募制度、人財育成会議、グローバル人財登録制度
  6. 中央大学 2025年度卒業生の主な就職先(経済学部)確認日:2026-09-09 / 「2025年度卒業生の主な就職先(就職者2名以上の企業・機関) 2026年4月9日現在」の経済学部の一覧に「ニッスイ 2」(順位56位)。就職者2名以上の企業・機関だけを集めた一覧
  7. 日本大学 令和7年度卒業生の主な就職先確認日:2026-09-09 / 「令和7年度卒業生の主な就職先」の学部別の一覧。国際関係学部の欄に「㈱ニッスイ」
  8. 東洋大学 生命科学部の就職状況確認日:2026-09-10 / 「2025年度就職率(2026年3月卒業)」を示したページの「主な就職先」に「(株)ニッスイ」
  9. 明治学院大学 就職関連データ確認日:2026-09-09 / 「就職内定者業種別比率・主な就職先(2023~2025年度)」。経済学部経済学科の「主な就職先」に「(株)ニッスイ」。ページの各欄に「2026年5月1日現在」の注記
  10. 北海学園大学 北海学園の就職実績確認日:2026-09-10 / 「2025年度卒業生 内定一覧」の業種別の表。卸売業の欄に「㈱ニッスイ」
  11. 駒澤大学 2022年度卒業生(2023卒)主な就職先確認日:2026-09-09 / 冒頭に「2022年度卒業生(2023卒)」。学部・学科ごとの主な就職先の表で、経済学部 商学科の欄に「ニッスイ」
  12. 拓殖大学 商学部 就職実績確認日:2026-09-09 / 「2014(平成26)年度 商学部 就職データ」の「主な就職先」に「日本水産」(ニッスイの旧社名)。10年以上前の実績のため表には入れていない

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