どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる
会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。KNT-CTホールディングスについて、現時点で確認できたのは次の3大学です。[1] [2] [3] [4]
| 大学・学部 | 掲載されている資料 | 対象年度 |
|---|---|---|
| 桜美林大学 グローバル・コミュニケーション学群 | 卒業生の主な就職先の「サービス」の欄に「KNT-CTホールディングス」 | 2023〜2025年度卒業生実績 |
| 桜美林大学 ビジネスマネジメント学群 | 卒業生の主な就職先の「サービス」の欄に「KNT-CTホールディングス」 | 2023〜2025年度卒業生実績 |
| 獨協大学 言語文化学科 | 2024年度学科別就職先一覧に「KNT-CTホールディングス」 | 2024年9月卒業・2025年3月卒業者 |
| 追手門学院大学(全学) | 「2025年度 就職実績」の主な就職先の「生活関連」の欄に「KNT-CTホールディングス株式会社」 | 2025年度(2025年3月31日時点) |
学群・学科の並びを見てください。グローバル・コミュニケーション学群、ビジネスマネジメント学群、言語文化学科。語学と経営です。観光学部や国際観光学科でなければ旅行の会社に入れない、という形にはなっていません。[1] [2] [3] [4]
もう1つ、この表が3大学と少ない理由も書いておきます。この会社を志望する人の多くは、傘下の近畿日本ツーリストやクラブツーリズムを受けています。大学の一覧でも、その2社の名前のほうが多く見つかります。持株会社そのものを受ける人は限られる、ということです。[1] [2] [3]
会社が採用活動について書いていること(引用)
2026年9月7日、会社は「採用活動指針と就活ハラスメント相談窓口」という1枚の文書を公開しました。採用活動における行動基準として4つが挙げられています。そのまま引用します。[5]
| 番号 | 書かれている内容 |
|---|---|
| 1 | 当社は、採用活動において、応募者一人ひとりの人格と尊厳を尊重し、公平かつ公正な選考を行います。 |
| 2 | 採用用活動に関わるすべての者は、応募者に対するセクシュアルハラスメントをはじめとするハラスメント行為を行いません。また、採用上の立場や権限を利用して、応募者に不適切な言動や不利益を与えることのないよう行動します。 |
| 3 | 当社社員は、当社に就職を希望する皆様と個人的な連絡先の交換、連絡、および面会を一切行いません。 |
| 4 | 当社は、応募者が安心して採用活動に参加できる環境の確保に努めます。また、ハラスメント等に関する相談や申告があった場合には、プライバシーに配慮し、適切かつ誠実に対応します。 |
さらに、就活ハラスメント専用の相談窓口も公開されています。会社はこう書いています。「なお、ご連絡いただいたことで就職活動が不利になることはございません。また、個人情報およびご申告、ご相談いただいた内容につきましては、細心の注意をもって取り扱い管理いたします。」。[5]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある
土俵1:OB・OG訪問という経路が、会社の側から閉じられている
行動基準の3つ目は、この記事のテーマに直接効きます。「当社社員は、当社に就職を希望する皆様と個人的な連絡先の交換、連絡、および面会を一切行いません。」。先輩が多い大学ほど内部情報を取れる、という差がここでは生まれません。卒業生が1人もいない大学の学生と、毎年何人も入っている大学の学生が、同じ情報量で選考に臨むということです。[5]
土俵2:ハラスメントの相談窓口が、応募者に対して公開されている
就活ハラスメント専用の相談用メールアドレスが公表され、「ご連絡いただいたことで就職活動が不利になることはございません。」と書かれています。相談する側が不利にならないと会社が明文で約束している以上、困ったときに使える窓口が実際にあるということです。就活で立場が弱くなりがちな側にとって、これは条件のよさです。[5]
土俵3:2027年4月の4社統合が事前に公表されている
2026年2月10日、会社はKNT-CTホールディングス、近畿日本ツーリスト、クラブツーリズム、近畿日本ツーリストブループラネットの4社を統合する検討を始めたと公表しました。統合時期は2027年4月を目途としています。そして就活生に向けて「まず27年4月入社に向けた選考は、統合計画に関わらずこれまでどおり各社ごとで引き続き実施をいたします。」「内定された皆様には2027年4月に統合となった際には、4社が統合された新たな会社にご入社をいただくことになります。」と説明しています。[6]
土俵4:働き方の条件が数字で公開されている
採用ポータルサイトには「休日:年間125日」と書かれ、柔軟な働き方として「在宅勤務、フレックスタイム勤務*、サテライト勤務*、時間単位・半日有給休暇、勤務間インターバル等」が挙げられています。子育て・介護の欄には「短時間勤務(子が小学校3年生まで*)」とあり、注記で「育児のための短時間勤務制度:近畿日本ツーリスト、近畿日本ツーリストブループラネット、KNT-CTホールディングスは子が小学生卒業時まで取得可能」と会社別の違いまで書かれています。[7]
受けるのはどの会社なのか。ここを間違えない
この会社を受けるときに、いちばん先に押さえてほしいのが会社の構造です。KNT-CTホールディングスは、会社概要の事業内容の欄に「グループの経営戦略・経営管理」とだけ書かれた持株会社です。旅行商品を売る仕事は、傘下の事業会社が行っています。[8]
会社は2つの主要な事業会社を挙げています。「KNT-CTホールディングスには『近畿日本ツーリスト』と『クラブツーリズム』の2つの主要な事業会社があります。ビジネスモデルもお得意さまも異なるこの2つのブランドを経営資源としてひとつにまとめることで新しい価値の創出を目指して、2013年1月にホールディングス体制がスタートしました。」。[9]
採用ポータルサイトからは、グループ各社の採用ページへ別々にリンクが張られています。近畿日本ツーリスト、クラブツーリズム、KNT-CTホールディングス、近畿日本ツーリスト沖縄、ユナイテッドツアーズ、KNT-CT・ITソリューションズなど、会社ごとに募集が分かれているということです。自分がどの会社を受けているのかを、応募の前に必ず確かめてください。[7]
持株会社そのものの採用ページには、仕事の位置づけが書かれています。「近畿日本ツーリストとクラブツーリズムの2つの主要ブランドを軸に事業を展開するグループの経営方針策定や未来戦略立案、事業連携による総合力の向上などの役割を担っています。」「さまざまな業務や事業を経験しながらキャリアアップし、グループの経営を担う人材を目指していただきます。」。旅行の現場ではなく、グループ全体の経営に関わる仕事だ、ということです。[10]
会社の規模と、グループの広がり
会社概要と採用ポータルサイトに載っている数字を並べます。[7] [8]
| 項目 | 公開されている数値 |
|---|---|
| 社名 | KNT-CTホールディングス株式会社(2013年1月1日に持株会社化に伴い「近畿日本ツーリスト株式会社」から商号変更) |
| 設立 | 1947年(昭和22年)5月26日 |
| 創立 | 1955年 |
| 本社所在地 | 東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル |
| グループ社員数 | 3,592名(2026年4月1日現在) |
| グループ会社 | 21社 |
| 男女比率 | 男性47%/女性53%(2026年4月1日時点) |
| 資本金 | 100百万円(2022年7月31日付) |
| 株式 | 東京証券取引所スタンダード市場(証券コード:9726) |
| 事業内容 | グループの経営戦略・経営管理 |
男女比率が女性53%で男性を上回っている点は、この業界の特徴です。グループ全体で3,592名、会社は21社。国内旅行会社だけで6社あり、ほかに海外旅行会社、宇宙旅行事業(クラブツーリズム・スペースツアーズ)、商事・保険、情報処理、カタログ・広告制作まで並びます。[7] [11]
グループ会社の一覧を見ると、旅行以外の会社が並んでいることが分かります。株式会社KNT-CT・ITソリューションズ(情報処理)、株式会社コスモポリタン・クリエイティブ・ラボ(カタログ、広告制作)、株式会社イベントアンドコンベンションハウス(イベント&コンベンション企画)。旅行会社と聞いて想像するものより、仕事の幅は広いということです。[11]
会社が採用ポータルで掲げている言葉も引用しておきます。「私たちKNT-CTホールディングスグループは、旅をつくるだけではありません。旅行業で培ったプロフェッショナルとしての知恵と持ち前の情熱を新たな領域へと注ぎ、活躍のフィールドを拡げています。」。[7]
応募する前に知っておいたほうがいいこと
都合のいいことだけを書いても役に立たないので、この記事で確かめられなかったことと、条件として重いものを並べます。
- 2027年4月を目途に、KNT-CTホールディングスと近畿日本ツーリスト、クラブツーリズム、近畿日本ツーリストブループラネットの4社を統合する検討が進んでいる。内定した場合、統合後の新しい会社に入社することになる
- 統合後の人事制度・研修・福利厚生の詳細は、会社が「今後決定次第、説明会などを通じてお知らせをいたします。」と書いている段階
- 応募資格・初任給・選考フローが持株会社の採用ページに書かれていない
- 採用人数も応募者数も公開されていないので、倍率は計算できない
- グループ各社で募集が分かれている。自分がどの会社を受けているのかを確かめる必要がある
- 福利厚生の制度は「グループ各社で多少異なりますので、各社にお尋ねください。」と会社が注記している
- 大学の公式資料で確認できたのは3大学だけ。傘下の近畿日本ツーリストやクラブツーリズムの掲載は、別会社なのでこの数に含めていない
こうした点は、面接で聞きにくいことでもあります。ただ、統合のことも制度が会社ごとに違うことも、会社が自分のサイトに書いている内容です。読んでおけば知っていて選んだと言えます。読まずに入って驚くのが、いちばん避けたい形です。[6] [7]
30日でやること。大学名では動かない部分から埋める
ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。
- 1〜3日目:自分が受けるのが持株会社なのか、近畿日本ツーリストなのか、クラブツーリズムなのかを決める。仕事の中身がまったく違うので、ここを決めないと先へ進めない
- 4〜7日目:採用活動指針を読む。社員と個人的に会えないと会社が書いている以上、OB・OG訪問を前提にした準備はしない。代わりに公開情報を読み込む側に時間を使う
- 8〜12日目:2027年4月の4社統合についての会社の文書を読む。統合後の会社に入社することになると書かれているので、そこをどう受け止めるかを自分の言葉にしておく
- 13〜17日目:グループ会社一覧を開いて、旅行以外の会社(情報処理、イベント企画、カタログ・広告制作など)を3つ調べる。旅行会社だと思って受けると、話がかみ合わなくなる
- 18〜22日目:近畿日本ツーリストとクラブツーリズムのビジネスモデルの違いを、自分の言葉で説明できるようにする。会社が「ビジネスモデルもお得意さまも異なる」と書いている部分
- 23〜26日目:自分が旅をして印象に残った経験を1件、400字で書く。会社が掲げる「笑顔をつくる仕事。」という言葉と結びつくものを選ぶ
- 27〜30日目:エントリーの経路を確認する。会社ごとに採用ページが分かれているので、自分が受ける会社のページで締切を確かめて手帳に書く
志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば、会社が採用活動指針を公開して社員と応募者が個人的に会わないと明記していること、2027年4月に4社が統合される予定であることを読んだうえで、それでもこの会社を選ぶ理由を書けるなら、それは自分の言葉になります。旅行が好きだから、では、他の誰が書いても同じ文章になります。[5] [6]
採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容は、公式サイトと各大学の公式サイトで確認したものです(資料ごとの確認日は、この記事の出典欄に1件ずつ書いています)。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。どの会社を受けるかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 桜美林大学 グローバル・コミュニケーション学群 卒業生の進路確認日:2026-09-09 / 「グローバル・コミュニケーション学群の卒業生の主な就職先(2023〜2025年度卒業生実績)」の「サービス」の欄にKNT-CTホールディングス。同じ一覧には別会社のクラブツーリズムも載っている
- 桜美林大学 ビジネスマネジメント学群 卒業生の進路確認日:2026-09-09 / 「ビジネスマネジメント学群の卒業生の主な就職先(2023〜2025年度卒業生実績)」の「サービス」の欄にKNT-CTホールディングス。同じ一覧には別会社の近畿日本ツーリストも載っている
- 獨協大学 2024年度学科別就職先一覧(PDF)確認日:2026-09-09 / 2024年9月卒業・2025年3月卒業者。11学科が横に並ぶ表で、KNT-CTホールディングスの開始桁86が見出し「言語文化学科」の開始桁86と一致する(研究用ツール research/cc6-tools/pdf_column.py で確認)。同じ資料には別会社のクラブツーリズム・近畿日本ツーリストも載っている
- 追手門学院大学 就職実績確認日:2026-09-09 / 「2025年度 就職実績」の主な就職先(2025年3月31日時点)。「生活関連」の欄にKNT-CTホールディングス株式会社。学部を分けずに並べる形式のため学部は特定していない
- KNT-CTホールディングス 採用活動指針と就活ハラスメント相談窓口(PDF)確認日:2026-09-10 / 2026年9月7日公開。採用活動における行動基準4項目(公平かつ公正な選考、ハラスメント行為を行わない、社員は就職希望者と個人的な連絡先の交換・連絡・面会を一切行わない、相談への対応)と、就活ハラスメント専用相談窓口
- KNT-CTホールディングス 会社統合に関するお知らせ(PDF)確認日:2026-09-10 / 2026年2月10日、就職活動中の人に向けた文書。KNT-CTホールディングス・近畿日本ツーリスト・クラブツーリズム・近畿日本ツーリストブループラネットの4社統合の検討開始、統合時期は2027年4月を目途、27年4月入社の選考は各社ごとに実施し内定者は統合後の新会社に入社すること、配属先と初任給の扱い
- KNT-CTグループ 採用ポータルサイト確認日:2026-09-10 / Recruitment Message、数字で見るKNT-CTグループ(創立1955年、グループ会社21社、従業員3,592人、男女比率/2026年4月1日時点)、各種制度・福利厚生(子育て・介護、休日年間125日、柔軟な働き方、その他の制度)とグループ各社で制度が異なる旨、グループ各社の採用ページへのリンク
- KNT-CTホールディングス 会社概要・本社所在地確認日:2026-09-10 / 社名と商号変更の経緯、設立1947年5月26日、本社所在地、代表者、グループ社員数3,592名(2026年4月1日現在)、資本金、決算期、東京証券取引所スタンダード市場(証券コード9726)、事業内容「グループの経営戦略・経営管理」、役員一覧
- KNT-CTホールディングス 事業ブランドのご紹介確認日:2026-09-10 / 「近畿日本ツーリスト」と「クラブツーリズム」の2つの主要な事業会社、2013年1月のホールディングス体制のスタート、企業・法人部門と個人部門それぞれのサービス
- KNT-CTホールディングス 新卒・キャリア採用情報確認日:2026-09-10 / 持株会社そのものの採用ページ。会社の役割(グループの経営方針策定や未来戦略立案、事業連携による総合力の向上)、働き方・キャリアアップの説明、2028年卒のエントリー、お知らせ
- KNT-CTホールディングス グループ会社一覧確認日:2026-09-10 / 国内旅行会社6社(近畿日本ツーリスト、クラブツーリズムほか)、海外旅行会社、宇宙旅行事業、商事・保険、業務受託会社、アシスタンス業務、イベント&コンベンション企画、再保険引受業務、情報処理、カタログ・広告制作、飲食業、関連会社