会社が募集概要に書いていること(引用)

まず、初任給の欄です。原文をそのまま引きます。[1]‌‌‌‌​‌​​‌​‌‌‌‌​‌‌​​​​​​​​​​​​‌‌​​‌​‌‌​‌​​‌‌‌​‌‌‌‌​‌‌​​‌‌‌​​‌‌​‌‌

6つの区分のうち、四年制大学を出ていない人の区分が3つあります。高専・短大・高卒です。金額が付いているということは、その学歴で入った人がいる、あるいは入る前提で制度が組まれているということです。会社が自分で書いた数字なので、ここは推測ではありません。[1]

次に募集職種です。技術系と、営業系/事務系の2本立てになっています。[1]

営業系/事務系だけで5つの職種が並んでいます。電子顕微鏡や分析機器を作る会社ですが、装置を作る人以外の仕事がきちんと募集の対象になっています。[1]

文系について、社員が書いていること

会社は職種紹介のページで、事務・管理の社員(2020年新卒入社)の言葉をそのまま載せています。[3]

同じページで、この社員は入社の動機もこう書いています。「就職活動では特定の業界にこだわらず、女性が働きやすく、ワークライフバランスの整った環境を重視して企業を探していました。その中で出会ったのが日本電子です。それまで日本電子の名前は聞いたことがありませんでしたが、説明会に参加したことで、企業としての安定性や科学技術の発展を支える事業内容に大きな魅力を感じました。」[3]

「それまで日本電子の名前は聞いたことがありませんでした」。これは、企業向け(BtoB)のメーカーを受ける人にとって大事な一文です。知らなかったことは、応募をやめる理由になりません。[3]

会社の側の説明も見ておきます。「日本電子は、戦後間もない1949年5月に電子顕微鏡の開発会社として発足以来、多くの皆様に支えられ、2024年5月に75周年を迎えました。」「今では数多くの装置が21の海外現地法人を拠点に世界130ヶ国以上の大学・企業・研究施設などで使用され」。製品は理科学機器・半導体製造装置・産業機器の3分野です。売る相手が大学や研究施設や工場なので、店頭で名前を見かけることがありません。学生の認知度と会社の規模は、別のものです。[5]

後輩に向けた言葉も載っています。「知識や経験がなくても「挑戦する姿勢」が大切だと実感。就職活動中の皆さんには、視野を広げて業界や職種にこだわらず、様々な企業を見てほしいと思います。」[3]

仕事の中身も具体的に書かれています。「ECサイトの価格や顧客情報の登録・修正などのシステム運用、受注や請求の管理、顧客向け資料の作成、郵便物への対応、IT資産や備品の管理、そしてお客様からの電話対応など、多岐にわたります。」。一日のスケジュールも8:30出社から17:20退社まで公開されていて、「基本的には定時で退社しています」と書かれています。[3]

休みと有給。入社した月で初年度の日数が変わる

この会社は、年次有給休暇の付与日数を入社月ごとに全部公開しています。ここまで細かく出している会社は多くありません。[2]

年次有給休暇の付与日数(入社月別)
入社月付与日数
4月20日
5月19日
6月18日
7月17日
8月16日
9月14日
10月12日
11月10日
12月8日
1月6日
2月4日
3月2日
[2]

4月入社なら初年度から20日です。半日・時間単位でも取れて、残った分は20日を限度に翌年へ繰り越せます。さらに、繰り越しきれずに消える分を積み立てておく「保存有給休暇」の制度があります。[2]

休みについて公開されている数字
項目公開されている内容
年間休日数2026年度は130日(募集概要には「年間休日128日(昨年度実績)」)
休日完全週休2日制(土・日)、祝日
特別休暇年末年始、夏季休暇ほか。結婚・出産・忌引・転勤・災害・法定伝染病・永年勤続者慰労旅行などの事由で有給の休暇
リフレッシュ休暇満30・35・40・45・50歳の誕生日を迎える社員が、保存有給休暇の中から5日(40歳のみ10日)の連続休暇
勤務時間8:30〜17:20(標準労働時間7時間50分)。フレックスタイム制あり(コアタイム10:30〜15:20)、短時間勤務制度あり
勤務地試用期間中(3か月)は東京勤務。試用期間後は本社または国内外各事業所
昇給・賞与昇給 年1回(4月)、賞与 年2回(7月・12月)
諸手当通勤手当(全額)、住宅手当、家族手当、時間外手当、営業手当、特殊勤務手当、役職手当ほか
[1] [2]

「満30歳の誕生日」「満40歳のみ10日」のように、リフレッシュ休暇の条件が年齢で決まっています。何年働けば何日休めるかが、入る前から分かる形です。[2]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある

「学歴に頼らず勝負する」は気持ちの問題ではなく、選考のどこが大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。この会社の公開情報から特定できるのは次の4つです。

土俵1:初任給に高専・短大・高卒の区分がある

博士・修士・学士に加えて、高専244,000円・短大229,000円・高卒215,000円。四年制大学を出ていない人の区分が3つあります。[1]

土俵2:営業系/事務系の職種が5つ並んでいる

営業、総務・人事・労務、財務・経理、生産管理、情報システム。装置を設計する仕事とは別に、これだけの入口があります。[1]

土俵3:自由応募の経路がある

選考は【自由応募】と【学校推薦】の2本立てで、それぞれ別に手順が書かれています。自由応募は5段階で、順に「エントリー」「会社説明会」「エントリーシート・適性検査等」「採用選考」「内々定」。採用選考の欄には「書類選考→面接(2〜3回)」と書かれています。学校推薦を持っていない人でも、同じページに自分の経路が用意されています。[1]

土俵4:入社後の研修が前提になっている

事務・管理の社員が「入社後は、日本電子の製品についてしっかり学べる研修が用意されています。文系出身で装置の知識がない方でも、一から丁寧に教えてもらえるので安心です」と書いています。入社時点の知識で差がつく設計にはなっていません。[3]

長く働けるかどうかを、会社が数字で書いている

会社は「女性の働き方」という専用のページを持っていて、そこに次のように書いています。[4]

「女性は長く働ける」ではなく「男女ともに約17年」と書いているところがこの会社の書き方です。育休についても数字が出ています。「女性の育休取得率・復職率はほぼ100%であり、出産を理由に会社を辞める人はほとんどいません。また、男性社員の育休取得率が2022年度は45%となり」。[4]

制度の名前も具体的です。育児休業は「子ども1人に対し2回まで分割可能で、当該子が満1歳に達する日までを限度としますが、事情がある場合に限り満1歳6ヶ月、満2歳まで延長可能です。」。介護休業は「要介護状態にある対象家族1人につき通算して93日まで」、介護休暇は「対象家族が1人の場合は1年間に5日間、2人以上の場合は10日間」。[2] [4]

いったん辞めた人が戻れる制度もあります。「育児・介護・配偶者の転勤(当社社員である配偶者)を理由とした退職者(正社員)を対象に、社員として復職できる(ジョブリターン制度)を活用し復職した社員もおります。」。保育についても「会社近くの企業主導型保育事業所と業務提携を結んでいます。保育料も認可園と同等であり」と書かれています。[4]

大学側の資料で確かめる。7大学

この会社は採用実績校を公開していません。そこで、大学が自分で出している進路資料の側から確かめます。逆転就活コラムでは、大学の公式資料を集めて、そこに載っている企業名を確認しています。日本電子について確認できたのは7大学です。[6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14]

日本電子を就職先として掲載している大学(大学公式資料・2026年9月11日確認)
大学・学部/学科掲載されている資料対象年度
二松学舎大学「過去の主要就職先」の製造・印刷の欄一覧に年度の記載なし(2026年9月取得)
創価大学 国際教養学部 国際教養学科学部・学科別の就職先一覧(製造業)2022年度卒業生
専修大学「主な就職先」2025年3月卒業生・2024年3月卒業生(2年続けて掲載)
工学院大学 先進工学部 環境化学科・応用物理学科・機械理工学科/情報学部 情報通信工学科「過去3ヵ年の主な就職先(学科・専攻別)」2023〜2025年度
神奈川工科大学 工学部 電気電子情報工学科/応用バイオ科学部 応用バイオ科学科「卒業生の主な就職先(過去5年)」一覧に年度の記載なし(2026年9月取得)
東京工科大学 工学部(電気電子・応用化学)「卒業(修了)者数、進学者数、就職者数、主な就職先」2025年度
拓殖大学 工学部「主な就職先」2024(令和6)年度
[6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14]

注目してほしいのは上の3行です。二松学舎大学のこのページに出てくる卒業生は、文学部と国際政治経済学部だけです。創価大学の行は国際教養学部の国際教養学科。専修大学は2年続けて社名が載っています。電子顕微鏡のメーカーに、この顔ぶれの大学から人が入っています。[6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14]

人数まで公開している大学もあります。工学院大学は「過去3ヵ年の就職者数合計が7名以上の一般企業」を人数つきで並べていて、日本電子株式会社は2023年度3名・2024年度3名・2025年度4名の合計10名です。1年に3〜4人が同じ大学から入っている計算になります。[10]

30日でやること。大学名では動かない部分から埋める

ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。

  • 1〜3日目:募集概要の初任給の欄を見る。自分の区分(学士・高専・短大・高卒)に金額が付いているかを確かめる
  • 4〜7日目:募集職種の【営業系/事務系】の5つを読み、自分が何をやりたいかを1つ選ぶ。営業、総務・人事・労務、財務・経理、生産管理、情報システム
  • 同じ週:自由応募と学校推薦のどちらで出すかを決める。学校推薦を使うなら、3月上旬に求人票が来ているかをキャリアセンターか担当教授に聞く
  • 8〜14日目:マイページからエントリーする。会社説明会は「マイページから会社紹介動画をご覧ください」と書かれている
  • 15〜21日目:エントリーシートと適性検査。面接は2〜3回。自由応募は面接開始から内々定まで最短3〜4週間が目安と書かれている
  • 22〜30日目:職種紹介の9職種を読んでおく。装置開発・技術販促・機械設計・電気設計・システム設計・製造調整・フィールドサービス・営業・事務管理。それぞれ社員の一日のスケジュールまで公開されている
[1] [3]

この会社について分からないことは、分からないままにしてください。採用人数も応募者数も公開されていません。会社が出していない数字を根拠に、応募するかどうかを決めないでください。[1]

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 日本電子 新卒採用(募集概要)確認日:2026-09-11 / 募集職種(技術系/営業系・事務系)・給与(博士321,500円/修士293,000円/学士269,000円/高専244,000円/短大229,000円/高卒215,000円)・諸手当・昇給・賞与・勤務地・勤務時間・休日休暇(年間休日128日、有給初年度20日)・社会保険・福利厚生・採用ステップ(自由応募/学校推薦)
  2. 日本電子 福利厚生確認日:2026-09-11 / 2026年度の年間休日数130日・年次有給休暇の入社月別付与日数の表・保存有給休暇・リフレッシュ休暇・特別休暇・フレックスタイム制度・育児休業・介護休業・各種施設・社内制度
  3. 日本電子 職種紹介「事務・管理」確認日:2026-09-11 / 事務・管理の仕事内容・2020年新卒入社の社員の入社動機と後輩への言葉・「文系出身で装置の知識がない方でも、一から丁寧に教えてもらえるので安心です」・ある一日のスケジュール(8:30出社〜17:20退社)
  4. 日本電子 女性の働き方確認日:2026-09-11 / 男女ともに平均勤続年数約17年・女性の育休取得率と復職率・男性社員の育休取得率(2022年度45%)・ジョブリターン制度・企業主導型保育事業所との業務提携・介護に関する制度
  5. 日本電子について(採用サイト)確認日:2026-09-11 / 1949年5月に電子顕微鏡の開発会社として発足・2024年5月に75周年・21の海外現地法人・世界130ヶ国以上・製品分野(理科学機器/半導体製造装置/産業機器)
  6. 二松学舎大学 就職情報確認日:2026-09-11 / 「過去の主要就職先」製造・印刷の欄に日本電子株式会社(一覧に年度の記載なし)。同ページの卒業生の声は文学部と国際政治経済学部
  7. 創価大学 進路・就職実績確認日:2026-09-10 / 2022年度卒業生の国際教養学部 国際教養学科<製造業>の欄に日本電子(株)
  8. 専修大学 2025年3月卒業生 主な就職先確認日:2026-09-11 / 「主な就職先(2025年3月卒業生/2025年3月31日時点判明分)」に日本電子
  9. 専修大学 2024年3月卒業生 主な就職先確認日:2026-09-11 / 「主な就職先(2024年3月卒業生/2024年3月31日時点判明分)」に日本電子
  10. 工学院大学 過去3ヵ年の主な就職先(一般企業)確認日:2026-09-11 / 日本電子株式会社 2023年度3名・2024年度3名・2025年度4名・総計10名(掲載基準は過去3ヵ年の合計7名以上)
  11. 工学院大学 過去3ヵ年の主な就職先(学科・専攻別)確認日:2026-09-10 / 先進工学部の環境化学科・応用物理学科・機械理工学科、情報学部の情報通信工学科の欄に日本電子㈱
  12. 神奈川工科大学 就職実績確認日:2026-09-10 / 「卒業生の主な就職先(過去5年)」工学部 電気電子情報工学科と応用バイオ科学部 応用バイオ科学科の欄に日本電子(株)。ページ最下部の「本学卒業生の在籍が多い企業等」ではない
  13. 東京工科大学 卒業者数・進学者数・就職者数・主な就職先確認日:2026-09-11 / 2025年度。工学部の【電気電子】と【応用化学】の「主な就職先」に日本電子
  14. 拓殖大学 工学部 就職・キャリア確認日:2026-09-10 / 「2024(令和6)年度 工学部 就職データ」の「主な就職先」に日本電子

次の選考準備に役立つ記事