どの大学の卒業生が情報科学芸術大学院大学の職員になっているのか
他大学が公表している進路資料では、就職先として情報科学芸術大学院大学の名前を確認できませんでした。大学の進路資料は企業名が中心で、学校法人名を載せない大学も多いため、就職者がいないという意味ではありません。
大学が公表している職員の情報[4] [5]
IAMASのサイトには、事務職員の出身大学や職員紹介のページはありません。事務局職員は岐阜県職員の人事制度に基づいて配置されているため、県の職員として採用された人が、県の人事異動でIAMASに着任する形になります。[4]
このため、他大学の進路資料に就職先として岐阜県の名前があっても、その人がIAMASの事務局に配属されたかどうかは、資料からは分かりません。公表されているのは人数で、令和7(2025)年度の運営報告の資料に載っている教職員数は次のとおりです。[4] [5]
- 教員:19人(教授13人、准教授5人、講師1人)
- 事務局職員:11人(うち女性7人)
- 専門職等:13人(うち女性6人)
大学が事務局職員について書いていること
IAMASの点検・評価報告書(2020〜2023年度)は、本学の設置者である岐阜県が1996年に情報産業拠点としてソフトピアジャパンプロジェクトを立ち上げたことから、大学の成り立ちを説明しています。IAMASは「法人化していない本学」と自らを書いており、中長期の計画も、県の政策方針に連動させて岐阜県と協議しながら方向性を決めています。[4]
事務局職員の役割について、報告書は、事務局職員は岐阜県職員として適切な会計執行を行い、岐阜県の政策と連動した大学の運営改善を提言している、と書いています。各委員会などの場を使って専任教員との一体性を保ちながら事業を進めることも挙がっています。[4]
大学が課題として書いていること[4]
報告書は、事務局職員が岐阜県職員の人事制度で配置され数年程度で定期異動するため、高等教育機関の運営を担う大学職員としての専門性の確保が課題だ、と書いています。着任する多くの職員が大学の専攻分野や大学事務と関連の薄い部署からの異動で、年度の初めは大学への理解度や事務の熟練度が十分でない場合がある、という記述もあります。[4]
そのため、就職支援、産学連携、自己点検・評価、図書館運営、システム機器の整備などを中心に、各種セミナーに参加して専門知識を身につけるよう努めているとしています。学内でも、図書館の司書を含む事務職員が一堂に会する職場研修を行い、会計事務や職員倫理の研修を続けています。[4]
中期目標・計画(2024年4月〜2030年3月)の事務の項目[6]
- 教員と事務局職員が協力して事業を企画、立案、実施できる一体的な大学運営を進める
- 情報通信技術の活用などで、適正で効率的な事務処理を進め、業務の効率化と簡素化を進める
- 複雑化・高度化する業務に対応するため、外部研修や他大学との交流でノウハウを身につける機会を確保する
- 事務職員にも地方公務員法に基づく人事評価制度を適用し、能力・実績に基づく人事管理を行う
採用の仕組み。大学独自の採用はなく、岐阜県職員として配置
IAMASの点検・評価報告書は、事務局の組織は岐阜県庁全体の組織定数管理のなかで構成や人員配置が決まる、と書いています。そのうえで「本学には独自で採用する常勤のプロパー職員はおらず」、職員の採用や昇格に関して大学独自の制度はないとしています。人事考課も岐阜県職員の人事制度に基づいて運用されています。[4]
部局長のうち事務局長は、岐阜県の一般職員の人事異動手続きのなかで任命されます。学長と、研究科長などほかの部局長は、大学の選考手続きを経て、設置者である岐阜県知事が任命します。[4]
新卒で事務局に近づく道。岐阜県職員の採用試験[8] [9]
新卒で岐阜県職員になる道は、岐阜県人事委員会が行う採用試験です。事務系で大学卒程度の区分には、従来の筆記試験で選ぶ行政Ⅰと、SPI3で選ぶ行政Ⅱがあります。令和8年度の試験案内で、行政Ⅰの職務内容は、知事部局や教育委員会などの本庁とその現地機関(県事務所、県税事務所など)で行政事務などに従事すること、と書かれています。[8] [9]
| 区分 | 採用予定人員 | 第1次試験 | 第2次試験 |
|---|---|---|---|
| 行政Ⅰ(従来方式・夏) | 35人程度 | 教養試験(50題・2時間30分)、専門試験(40題・2時間)。論文試験も同じ日に行い、第2次試験として評価 | 口述試験(個別面接)、集団討論試験、適性検査 |
| 行政Ⅱ(SPI方式・春) | 10人程度 | SPI3(基礎能力検査・性格検査) | 論文試験、口述試験(プレゼンテーションを含む)、集団討論試験、適性検査 |
行政Ⅱの試験案内は、第1次試験は民間企業などで広く使われているSPI3で、法律などの専門試験はなく「特別な公務員採用試験対策は不要です。」と書いています。夏試験の行政Ⅰとの併願ができ、採用後の職務内容や処遇に違いはないとしています。[9]
事務局の仕事と組織
点検・評価報告書によると、2023年5月現在、事務局長1名の下に総務課9名と教務課6名が置かれていました。附属機関の産業文化研究センターに4名、図書館に2名がいます。[4]
| 組織 | 人数 | 主な仕事 |
|---|---|---|
| 総務課 | 9名 | 予算・決算、人事・給与・服務・福利厚生、システム管理、施設管理など |
| 教務課 | 6名 | 企画、教務、プロジェクト・共同研究・受託研究の進行、教授会や学内委員会の運営管理 |
| 産業文化研究センター | 4名 | 研究員2名、情報支援専門職1名(産学連携、広報、学生支援など)、技術支援専門職1名(工房の工作機器の運用サポート) |
| 図書館 | 2名 | 常勤司書1名、非常勤司書1名 |
入試、学生支援、国際交流などの専門業務のため、教務課に非常勤の外国籍の国際交流員1名が、学内システム機器の整備のため、総務課に非常勤のシステム管理専門職員2名が置かれています。学生の就職に関する専門職員は置かれておらず、学生委員会で事務局職員と教員が協力して就職支援にあたっています。[4]
教学の面では、教務課が教務委員会や研究委員会などを所管し、教育課程、授業、試験、単位認定、研究活動について、事務局の側から進行上の問題点や改善策を提言しています。教授会と各学内委員会は、全教員と事務局が参加してほぼ毎週開かれています。[4]
どんな大学を支えるのか[2] [3]
IAMASは、岐阜県が2001年に開学した大学院大学で、博士前期課程と博士後期課程のメディア表現研究科一専攻を置いています。科学的知性と芸術的感性の融合を建学の理念に掲げ、2014年度にソフトピアジャパン地区へ移転しました。2021年度には博士後期課程を開設しています。[2]
前身は1996年に開学した岐阜県立国際情報科学芸術アカデミーで、2012年に岐阜県行財政改革アクションプランによって廃止されました。大学院には附置研究機関の産業文化研究センター(RCIC)があり、岐阜県金属工業団地協同組合や十六銀行、大垣共立銀行など、地域の団体や企業と連携協定を結んできました。[3]
応募できる条件と待遇(岐阜県職員採用試験 行政Ⅰの場合)
IAMAS独自の事務職員の募集がないため、ここでは新卒で岐阜県職員になる場合の条件を、令和8年度の行政Ⅰの試験案内から整理します。配属先がIAMASになるとは限りません。[8]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 平成9年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた人など |
| 国籍 | 日本国籍を有しない人は受験できない |
| 採用予定 | 原則として令和9年4月1日 |
| 給料月額 | 大卒者で241,200円(令和8年4月1日現在の新規採用者、行政職給料表) |
| 昇給 | 原則として55歳に達するまで毎年1回定期に昇給 |
| 手当 | 扶養手当、通勤手当、住居手当、時間外勤務手当、期末・勤勉手当など(該当者) |
行政Ⅱは、昭和62年4月2日から平成17年4月1日までに生まれた人などが受験でき、行政Ⅰより年齢の幅が広くなっています。最終合格者は採用候補者名簿に載り、任命権者からの請求に応じて採用者が決まります。名簿に載った人がすべて採用されるとは限りません。[9] [8]
募集の時期。令和9年4月採用の試験は終わっている
2026年9月27日時点で、IAMASの採用情報のページには、令和9年度(2027年度)採用の募集として専任教員1名の募集だけが載っています。ページは「令和9年度(2027年度)採用の職員採用試験を実施します。」と書いていますが、職種はメディア表現研究科の専任教員で、募集期間は令和8年5月8日(金)17時必着です。事務職員の募集は載っていません。[1]
岐阜県職員の採用試験では、令和9年4月採用の事務系の大学卒程度の試験は、次のように行われました。[11] [10]
| 区分 | 申込受付期間 | 第1次試験 | 最終合格発表 |
|---|---|---|---|
| 行政Ⅱ(SPI方式・春) | 令和8年3月1日から3月23日 | 令和8年4月1日から4月16日 | 令和8年6月5日 |
| 行政Ⅰ(従来方式・夏) | 令和8年4月14日から5月21日 | 令和8年6月21日 | 令和8年7月31日 |
試験案内のページで2026年9月16日から申込を受け付けている秋のSPI方式の試験は、大学卒程度(技術Ⅲ)と資格免許職(薬剤師Ⅲ)で、事務系の行政の区分は入っていません。[11]
公開されている数字
- 常勤教員:19名(教授10名、准教授7名、講師2名)
- 博士前期課程の入学者:2026年度20人、2025年度21人、2024年度19人
- 博士前期課程の収容人数40人に対し、在学生数53人(2026年4月1日現在)
- 博士後期課程の収容人数9人に対し、在学生数12人(2026年4月1日現在)
- 事務局職員:11人、専門職等:13人(令和7年度の運営報告の資料)
- 事務局の人員(2023年5月現在):事務局長1名、総務課9名、教務課6名、産業文化研究センター4名、図書館2名
公益財団法人大学基準協会による2021年度の大学評価(認証評価)で、大学基準に適合していると認定されています。認定期間は2022年4月1日から2029年3月31日までです。[12]
岐阜県職員採用試験の競争の状況(令和8年度)[10]
| 区分 | 申込者 | 第1次試験受験者 | 最終合格者 | 採用見込 | 競争率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 行政Ⅰ | 290人 | 138人 | 45人 | 35人程度 | 3.1倍 |
| 行政Ⅱ | 537人 | 454人 | 29人 | 10人程度 | 15.7倍 |
30日でやること。県職員としてIAMASを支える道を考える
ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。自分の状況に合わせて入れ替えてください。
- 1〜3日目:IAMASの採用情報のページで、事務職員の募集が出ていないことと、教員の募集の内容を確かめる
- 4〜7日目:IAMASの概要と沿革を読み、大学院大学としての規模と、岐阜県との関係を自分の言葉でまとめる
- 8〜14日目:点検・評価報告書の大学運営の章を読み、事務局の組織と、県の人事制度で配置される仕組みを整理する
- 15〜21日目:岐阜県職員採用試験の行政Ⅰと行政Ⅱの試験案内を読み、自分に合う区分と、筆記試験・SPI3の準備を決める
- 22〜30日目:県職員として幅広い部署で働く前提で、IAMASのような教育研究機関を支える仕事にどう関わりたいかを書き出す
志望動機は、公式資料に書かれていることから組み立てます。たとえば、IAMASが科学的知性と芸術的感性の融合を理念に掲げていること、事務局職員が県の政策と連動した大学運営の改善を提言する役割を持つこと、異動の多い職場で大学職員としての専門性の確保が課題とされていること。そこに、自分がどんな場面で県の施策と教育研究をつなぎたいかを重ねれば、根拠のある志望動機になります。[2] [4]
採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。資料ごとの確認日は、この記事の出典欄に1件ずつ書いています。受験の前に必ず最新の試験案内を確認してください。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 情報科学芸術大学院大学 採用情報確認日:2026-09-27 / 2026年9月27日時点の採用情報(令和9年度採用のメディア表現研究科専任教員1名、募集期間 令和8年5月8日17時必着。事務職員の募集は掲載なし)、問い合わせ先の住所
- 情報科学芸術大学院大学 概要確認日:2026-09-27 / 岐阜県が2001年に開学した大学院大学であること、2014年度の移転、2021年度の博士後期課程の開設、建学の理念
- 情報科学芸術大学院大学 沿革確認日:2026-09-27 / 前身の岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(1996年開学、2012年廃止)、大学院の開設、連携協定を締結した企業等
- 情報科学芸術大学院大学 点検・評価報告書(2020~2023年度)確認日:2026-09-27 / 設置者が岐阜県であること、法人化していないこと、事務組織と人員配置(2023年5月現在)、独自採用のプロパー職員がいないこと、県職員の人事制度による配置と定期異動、部局長と事務局長の任命、SD研修
- 情報科学芸術大学院大学 令和7(2025)年度 IAMASの活動と運営報告確認日:2026-09-27 / 組織図と教職員数(教員19人、事務局職員11人、専門職等13人)
- 情報科学芸術大学院大学 中期目標・計画(2024年4月~2030年3月)確認日:2026-09-27 / 事務等の効率化・合理化に関する目標と計画、人事に関する計画(事務職員への人事評価制度の適用)
- 情報科学芸術大学院大学 教育情報の公表(法定事項)確認日:2026-09-27 / 常勤教員数、博士前期課程の入学者数(2024~2026年度)、収容定員と在学生数(2026年4月1日現在)
- 岐阜県人事委員会 令和8年度岐阜県職員採用試験案内 大学卒程度試験(行政Ⅰ・警察行政)確認日:2026-09-27 / 県の採用試験の説明用の出典で、情報科学芸術大学院大学の名前は載っていない。採用予定人員、職務内容、受験資格、試験の方法、合格から採用まで、給与等
- 岐阜県人事委員会 令和8年度岐阜県職員採用試験案内 大学卒程度試験 春試験(行政Ⅱ)SPI方式確認日:2026-09-27 / 県の採用試験の説明用の出典で、情報科学芸術大学院大学の名前は載っていない。試験のポイント、採用予定人員、受験資格、試験の方法
- 岐阜県人事委員会 試験実施状況(令和8年度)確認日:2026-09-27 / 県の採用試験の説明用の出典で、情報科学芸術大学院大学の名前は載っていない。行政Ⅰ・行政Ⅱの申込者数、受験者数、最終合格者数、競争率、試験日程(2026年8月31日更新)
- 岐阜県人事委員会 試験案内及び受験申込(電子申請)確認日:2026-09-27 / 県の採用試験の説明用の出典で、情報科学芸術大学院大学の名前は載っていない。令和8年度試験の申込受付期間(2026年9月16日更新)
- 情報科学芸術大学院大学に対する大学評価(認証評価)結果確認日:2026-09-27 / 大学基準協会による2021年度の大学評価(認証評価)の結果と認定期間