どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる
会社は採用実績校を自分でも公開していますが、それとは別に、大学の側が「この会社に就職した」と公表しています。大学側の資料で確認できたのは次の7大学です。[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8]
| 大学・学部 | 掲載されている資料 | 人数と対象年度 |
|---|---|---|
| 千葉工業大学 創造工学部 都市環境工学科 | 「主な進路先」の都市環境工学科の欄に「㈱建設技術研究所」 | 人数の記載なし/就職実績(過去3年) |
| 大阪工業大学 大学院 建築・都市デザイン工学専攻【都市デザイン工学コース】 | 就職状況一覧[大学院]の「■主な就職先(2023-2025年度)」に「建設技術研究所」 | 人数の記載なし/2023〜2025年度 |
| 岩手大学 大学院 総合科学研究科 | 「令和4(2022)年度 総合科学研究科修了生 進路先一覧」に「東京都 株式会社建設技術研究所 1」 | 1名/令和4(2022)年度 |
| 東北工業大学 工学部 都市工学課程 | 「【専門・技術サービス業】」の欄に「(株)建設技術研究所」。ページには「※都市マネジメント学科卒業生の実績です。」と注記 | 人数の記載なし/過去5年間の実績 |
| 東北工業大学(学部卒業生) | 「2025年度(2026.3卒)主な就職先実績」の【学部卒業生 実績】に「(株)建設技術研究所」 | 人数の記載なし/2025年度(2026年3月卒) |
| 福岡大学 工学部 社会デザイン工学科 | 学部別の主な就職先の社会デザイン工学科の欄に「(株)建設技術研究所」 | 人数の記載なし/令和6年度・令和5年度の2年 |
| 駒澤大学 経営学部 | 「2023年度卒業生(2024卒)」の学部・学科別の主な就職先、経営学部の欄に「建設技術研究所」 | 人数の記載なし/2023年度卒業生 |
| 高知工科大学 大学院 修士課程 | 就職先企業名一覧の「■修士課程」の「学術研究,専門・技術サービス業」に「(株)建設技術研究所」 | 人数の記載なし/2024年度〜2026年度 卒業・修了 |
この並びでいちばん目を引くのは駒澤大学の経営学部です。ほかの6件は都市環境工学科、都市デザイン工学コース、都市工学課程、社会デザイン工学科と、土木・都市系の学科が並んでいます。そのなかに、文系の経営学部が1つ入っています。これは偶然ではありません。会社は募集学科を部門ごとに分けていて、管理部門と営業部門は「全学部・全学科」と書いているからです。[7] [9]
もう1つ、大学院からの採用が複数あることも見てください。大阪工業大学、岩手大学、高知工科大学の3件は大学院の一覧です。技術部門は大学院で専門を深めた人が多い、と読めます。ただし会社の募集対象には高等専門学校(専攻科)も入っているので、大学院でなければ受けられないわけではありません。[2] [3] [8] [9]
会社が募集の対象について書いていること(引用)
募集要項の「募集対象」の欄は、こう書かれています。「建設コンサルタント業界に興味のある、高等専門学校(専攻科)、大学および大学院に在学中の方(既卒者も可)」「当社の事業内容に関係する学部・学科に所属している方(既卒者も可)」。高等専門学校(専攻科)が先頭に来ていて、大学より前に並んでいます。[9]
そのうえで条件が2つ付きます。「(1) 2024年3月以降に卒業・修了又は見込みで、2027年4月1日に入社できる方」「(2) 外国人留学生の方:日本語能力試験N1レベル相当の日本語能力を有する方」。2027年4月入社の募集で、2024年3月卒業の人まで対象です。卒業から3年経っていても、新卒の枠で受けられるということです。[9]
募集学科は部門ごとに分けて書かれています。技術部門は「当社の事業内容に関係する学部・学科(土木、環境、地質、都市、電気・電子、機械、情報、エネルギー、上下水道など)」。管理部門、営業部門は「全学部・全学科」。IT部門は「IT・システム開発に関係する学部・学科(知的情報、情報システム、情報科学、コンピューター工学、都市基盤、観光科学など)」。[9]
これらは学校の区分・学科・卒業年度・語学についての記述で、大学名について述べたものではありません。会社が選考で大学名をどう扱っているかは公開されていないので、そこは「分からない」が正確です。[9]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある
土俵1:選考で「履修履歴データ」の提出を求められる
この会社の選考でいちばん特徴的なのが、応募書類の中身です。会社は「(株)履修データセンターのシステム『履修履歴データベース(2027年版)』を使い、履修履歴を当社宛に送信してください」と書いています。応募が成立する条件も明記されていて、「①応募書類(入社志望書)の提出、②履修履歴データの提出、③適性・能力検査の受検。以上すべてが揃って≪応募成立≫となります」。[10]
履修履歴は、どの大学に行ったかではなく、その大学で何を履修して、どんな成績だったかの記録です。大学名で一括りにせず、その人が実際に何を学んだかを見る仕組みを、会社が選考に組み込んでいるということです。ここは大学名では動きません。授業に出て、単位を積んだ人が有利になる部分です。[10]
土俵2:適性検査と能力検査が最初のほうにある
選考プロセスは、エントリー、書類選考、試験、内々定の4段階で、書類選考のなかに適性検査(WEB)と能力検査(テストセンター)が入っています。会社は「WEB上にて適性検査の受検が完了された方から、テストセンター予約手続きが可能となります」と手順まで書いています。テストセンターの検査は問題集で練習した量がそのまま出ます。[10]
土俵3:二次試験に論文試験がある
一次試験は面接でWEB開催、二次試験は「面接、論文試験」で開催場所(予定)は東京と書かれています。論文は、書く練習をした人ほど書けるようになります。何をどの順に書くか、根拠をどう置くかは、大学名とは関係なく身につけられる技術です。[10]
土俵4:入ってからの資格が、会社の中での位置を決める
会社は職場環境のページで「業務全体を管理するプロジェクトマネージャーには技術士資格が必要です」と書き、「社内での勉強会や論文添削、模擬面接など、技術士資格取得のサポートに会社として取り組んでいます」と続けています。さらに「合格者の全国平均が40歳を超えるなか30代で約85%の社員が資格を取得しており、中には20代で取得する社員もいます」と、実績まで公開しています。技術士資格保有者数は1,498人(2026年6月時点)です。[11]
採用実績が5年ぶん公開されている
この会社は採用実績を年ごとに公開しています。枠の大きさが分かる、めずらしい会社です。[9]
| 入社年 | 採用実績 |
|---|---|
| 2026年4月入社 | 106名 |
| 2025年4月入社 | 112名 |
| 2024年4月入社 | 112名 |
| 2023年4月入社 | 107名 |
| 2022年4月入社 | 83名 |
2022年の83名から、2023年以降は100名を超える水準で続いています。毎年100人前後を採る会社だと分かれば、1つの大学から複数人が入る年があることも、上の表に同じ大学が2つの資料で出てくることも、自然に読めます。[9]
採用実績校も、国公立・私立・高等専門学校の3つに分けて公開されています。国公立は北海道大から鹿児島大まで44校が挙げられ、末尾に「他」と書かれています。私立は芝浦工業大、中央大、東京電機大、東京理科大、日本大、東京都市大、法政大、明治大、立教大、青山学院大、早稲田大、上智大、東洋大、駒澤大、東京工科大、明治学院大、東京女子大、津田塾大、千葉工業大、東北学院大、愛知大、名城大、同志社大、立命館大、関西大、近畿大、大阪工業大、福岡大、CaliforniaStatePolytechnicUniversityの29校に「他」。高等専門学校は明石、秋田、大分、大阪公立大学、香川、木更津、岐阜、呉、高知、神戸市立、長岡、函館の12校に「他」です。[9]
公開されている条件と働き方
| 項目 | 書かれている内容 |
|---|---|
| 初任給 | 大学院卒 297,500円/大学・高専専攻科卒 288,500円(2026年7月時点) |
| 初任給の内訳 | 基礎給および職能給ならびに地域加給手当(33,000円/首都圏)等で構成 |
| モデル月収 | 26歳:330,500円 ⇒ 30歳:408,000円 ⇒ 35歳:518,500円(超過勤務手当は除く) |
| 昇給・賞与 | 昇給 年1回(7月)/賞与 3回(6月・12月・3月)※8.0ヵ月(2025年度実績) |
| 勤務地(変更の範囲) | 全国の各事業所(東京、さいたま、つくば、仙台、名古屋、大阪、福岡 等) |
| 勤務時間 | 標準勤務時間 9:00〜17:00(実働7時間、休憩60分)。時差出勤(シフト勤務)あり |
| 休日 | 完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始(12/29〜1/4)、創立記念日(8/1)。年間休日125日(2026年) |
| 休暇 | 有給休暇(初年度22日※夏季休暇含む、最高25日)、リフレッシュ休暇、産前産後休暇、育児休暇、ボランティア休暇 他 |
| 契約期間 | 期間の定めなし(入社の日から6カ月間は試用期間) |
初任給を見るときは、内訳の書き方に注意してください。大学卒288,500円のなかには地域加給手当が入っています。会社は地域加給手当を地域別に公開していて、首都圏(東京区部、さいたま市)33,000円、関西圏(大阪市)・名古屋市23,000円、札幌市・仙台市・つくば市・福岡市18,000円です。つまり勤務地によって初任給の額は変わります。[9]
実働7時間という標準勤務時間も、他社と比べるときの材料になります。時差出勤は1日単位で申請でき、7:00〜15:00から10:00〜18:00まで6つのシフトが公開されています。[9]
住まいについても具体的です。「希望者には、基本給の3%(初年度は月額7,000円程度)の自己負担で配属される事業所の近くに住まいを用意します」。居住できる期間も「最大で学部卒の場合は5年間、修士卒の場合は3年間、博士卒の場合は2年間」と書かれています。地方から出てくる人にとって、最初の数年の家賃負担が読める情報です。[11]
応募する前に知っておいたほうがいいこと
都合のいいことだけを書いても役に立たないので、この記事で確かめられなかったことと、条件として重いものを並べます。
- 技術部門は募集学科が指定されている。土木、環境、地質、都市、電気・電子、機械、情報、エネルギー、上下水道などに所属していない人は、技術部門では応募できない
- 全学部・全学科で受けられるのは管理部門と営業部門。募集職種の数は技術部門のほうがはるかに多い
- 応募成立には、入社志望書に加えて履修履歴データの提出と適性・能力検査の受検が必要。3つ揃わないと応募したことにならない
- 応募者数が公開されていないので倍率は計算できない
- 勤務地は全国の各事業所で、業務の変更の範囲は「部門・分野内および部門・分野を跨ぐ異動あり」と明記されている
- 外国人留学生は日本語能力試験N1レベル相当の日本語能力が条件として書かれている
- 初任給には地域加給手当が含まれる。勤務地によって金額が変わる
こうした点は、面接で聞きにくいことでもあります。ただ、会社が自分のサイトに書いている内容なので、読んでおけば知っていて選んだと言えます。読まずに入って驚くのが、いちばん避けたい形です。[9]
30日でやること。大学名では動かない部分から埋める
ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。
- 1〜3日目:自分が技術部門・管理部門・営業部門・IT部門のどれで受けられるかを、募集学科の欄と自分の学科を突き合わせて決める。ここを決めないと先へ進めない
- 4〜7日目:履修履歴データの提出が要る会社なので、自分の成績表を出して眺める。どの科目を取ってきたか、その並びから自分の関心をどう説明できるかを2つ考える
- 8〜12日目:適性検査と能力検査の準備を始める。テストセンター形式の問題集を1冊決めて、毎日決めた時間だけ進める
- 13〜18日目:分野の紹介ページを開いて、河川計画、ダム、砂防、上下水道、道路・交通、橋梁、都市・建築、環境、地質などから1つ選ぶ。その分野で会社が実際に手がけたプロジェクトを1件読む
- 19〜23日目:二次試験に論文試験があるので、選んだ分野について800字で書く練習をする。事実、根拠、自分の考えの順に並べる型を作っておく
- 24〜27日目:技術士という資格が何なのかを調べる。会社が「プロジェクトマネージャーには技術士資格が必要です」と書いている以上、入ってからの目標として面接で話せる
- 28〜30日目:エントリーの経路を確認する。会社はエントリーを外部の就職情報サイト経由と書いていて、マイページ登録につながる。締切を手帳に書く
志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば、選考で履修履歴データの提出を求める会社であること、管理部門と営業部門が全学部・全学科であることを読んだうえで、それでもこの会社を選ぶ理由を書けるなら、それは自分の言葉になります。社会インフラを支えたいから、では、他の誰が書いても同じ文章になります。[9] [10]
採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容は、公式サイトと各大学の公式サイトで確認したものです(資料ごとの確認日は、この記事の出典欄に1件ずつ書いています)。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。履修履歴をどう説明するかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 千葉工業大学 主な進路先確認日:2026-09-09 / 「就職実績(過去3年)」の主な進路先。創造工学部 都市環境工学科の欄に㈱建設技術研究所
- 大阪工業大学 就職状況一覧[大学院](PDF)確認日:2026-09-10 / 建築・都市デザイン工学専攻【都市デザイン工学コース】の「■主な就職先(2023-2025年度)」に建設技術研究所
- 岩手大学 令和4(2022)年度 総合科学研究科修了生 進路先一覧(PDF)確認日:2026-09-09 / 「東京都 株式会社建設技術研究所 1」。社名の右の数字が人数
- 東北工業大学 工学部 都市工学課程 進路確認日:2026-09-10 / 過去5年間の実績。「【専門・技術サービス業】」の欄に(株)建設技術研究所。ページに「※都市マネジメント学科卒業生の実績です。」と注記がある
- 東北工業大学 2025年度(2026.3卒)主な就職先実績(PDF)確認日:2026-09-09 / 【学部卒業生 実績】の◆民間企業に(株)建設技術研究所。全学の一覧のため学科は特定していない
- 福岡大学 就職データ確認日:2026-09-09 / 令和6年度と令和5年度の学部別の主な就職先。どちらも工学部 社会デザイン工学科の欄に(株)建設技術研究所
- 駒澤大学 2023年度卒業生(2024卒)主な就職先(PDF)確認日:2026-09-10 / 学部・学科・専攻別の主な就職先。経営学部の欄に建設技術研究所
- 高知工科大学 就職先企業名一覧確認日:2026-09-09 / 2024年度〜2026年度 卒業・修了。「■修士課程」の「学術研究,専門・技術サービス業」に(株)建設技術研究所。専攻の記載はない
- 建設技術研究所 新卒採用 募集要項(2027年卒)確認日:2026-09-10 / 募集職種(技術部門・管理部門・営業部門・IT部門)、募集対象、募集学科、初任給と内訳、モデル月収、諸手当、昇給・賞与、勤務地、勤務時間、休日休暇、契約期間、教育制度、福利厚生、採用実績校(国公立・私立・高等専門学校)、採用実績(2022〜2026年4月入社)
- 建設技術研究所 新卒採用 応募方法・選考プロセス確認日:2026-09-10 / エントリー→書類選考→試験→内々定の4段階。入社志望書、履修履歴データベース(2027年版)による履修履歴の送信、適性検査(WEB)、能力検査(テストセンター)、応募成立の条件、一次試験(面接・WEB)、二次試験(面接、論文試験・東京)
- 建設技術研究所 採用情報 環境と制度確認日:2026-09-10 / 新入社員研修と基礎技術研修、新入社員サポート制度、初期専門能力開発(IPDシステム)、技術士資格の取得支援と30代で約85%という取得率、技術士資格保有者数1,498人(2026年6月時点)、社会人大学院への就学支援、新入社員への住宅補助(基本給の3%・初年度は月額7,000円程度の自己負担、学部卒5年・修士卒3年・博士卒2年)