6年間の学びと、資格を得て働くまでの段階を分ける

青森大学薬学部薬学科は6年制です。大学の資格案内は、卒業により薬剤師国家試験の受験資格を得ると説明しています。卒業、国家試験への合格、就職先での採用はそれぞれ別に確認する必要があり、学部に在籍しているだけで薬剤師として働けるわけではありません。[1] [3]​​‌​​‌​​​​‌‌‌​‌​‌‌‌​​‌‌‌​​​‌‌‌​‌​‌​‌​‌​​‌‌​​‌‌‌‌‌‌‌‌‌‌‌‌​‌​​​‌‌​

就職活動では、志望先を調べることと並行して、現在の履修・実習・研究の進捗を確認しましょう。応募条件に卒業や資格取得の見込みが書かれている場合は、自分の状況に沿って正確に伝えます。条件を満たせるか不明な点は、大学や採用窓口へ確認してください。

資格取得後の専門分野や将来像を考えることも役立ちますが、新卒の応募時点で経験していない業務までできると主張する必要はありません。今の学びと、就職後に身につけたいことを分けて説明する方が、志望理由も具体的になります。

就職率の図と、病院・薬局の就職先を読む

大学の就職データ2026は、2026年3月卒業生の薬学部の就職率100.0%を示しています。ただし図には日本人学生の就職率という脚注があります。全卒業生の就職割合や、国家試験の合格率を示す数字ではありません。今回の資料では学部の就職希望者・就職者の実人数を確認できませんでした。[4]

学部別就職先一覧には、黒石市国民健康保険黒石病院、三戸町国民健康保険三戸中央病院、赤穂市民病院、国立病院機構北海道東北グループ、浪打病院、竹田健康財団などが掲載されています。病院の例を参考に、関心のある業務や育成環境を調べてみましょう。[5]

調剤薬局の欄には、ツルハ、アイン・グループ、クスリのアオキ、スギ薬局、クラフト、イオン東北、メディカルシステムネットワークなどの掲載があります。ただし企業別人数や本人の配属店舗、勤務条件までは分かりません。[5]

企業一覧だけから大手就職率を計算したり、掲載された学生全員の資格取得状況を判断したりすることはできません。同じ企業でも募集区分や配属によって仕事は異なるため、自分が応募する求人の条件を確かめましょう。

第111回国家試験は新卒29人受験・21人合格

厚生労働省が2026年3月25日に公表した第111回薬剤師国家試験の大学別資料では、青森大学の6年制新卒は受験者29人、合格者21人、合格率72.41%です。6年制既卒は受験者47人、合格者6人、合格率12.77%で、新卒とは別の集計です。[6]

第111回薬剤師国家試験・青森大学
区分受験者合格者合格率
6年制新卒29人21人72.41%
6年制既卒47人6人12.77%
総数76人27人35.53%
[6]

合格率の分母は受験者です。入学者全員が標準の6年間で合格する割合ではありません。また、総数の35.53%を新卒合格率とすることも誤りです。大学の就職率100%と直接比較して、資格取得まで全員が達成したと解釈しないでください。[4] [6]

大学内の合格発表ページには2025年の第110回結果が掲載されていましたが、本記事は2026年の厚生労働省資料を用いています。年度や区分の違う数字を並べて単純に優劣を決めず、自分の学修状況を担当教員と確認し、必要な準備を具体化しましょう。

病院と薬局は、仕事内容と育成の条件で比べる

志望先を決める際は、病院か薬局かという分類だけでなく、どの業務を経験でき、どのような支援を受けながら学べるかを調べます。実習で見た仕事に関心を持った場合は、その業務を志望先でも経験できるか確認しましょう。

見学・説明会で確認したいこと(編集部の提案)
比較する点質問の例
業務新卒が最初に担当する仕事は何か
育成指導担当や研修、振り返りの機会はあるか
勤務配属先、勤務時間、異動の条件はどう決まるか
連携他職種や他施設とどのように連携するか
採用条件卒業・資格取得の見込みをどう確認するか
将来像数年後にどのような経験を積めるか

大学の就職先一覧にあることは、本人への採用や希望配属を保証するものではありません。募集年度の情報を確認し、聞いた内容を比較表に残すと、条件が良さそうという印象だけで選ぶことを避けられます。

志望動機は、実習などで関心を持った仕事、応募先で確認した特徴、そこで学びたいことの順に作ってみましょう。どの組織にも当てはまる言葉だけでなく、見学や説明会で確かめた具体的な情報を一つ入れると、自分の判断が伝わります。

実務実習は、自分が学んだ過程を説明する

大学のカリキュラム紹介は、1年次の早期体験学習、4年次の模擬薬局実習や薬学共用試験、5年次の薬局・病院での合計22週間の長期実務実習を案内しています。実習後には学んだ成果を発表する機会も示されています。[2]

選考では、実習先の名前を挙げるだけでなく、何に疑問を持ち、何を調べ、指導を受けてどう理解が変わったかを話せるようにしましょう。見学したこと、指導のもとで経験したこと、自分で調べたことを分けて整理します。

患者や利用者が特定できる情報は出さず、本人の学びに焦点を当ててください。学生として学んだ経験を、独立して判断や業務を担った実績のように表現しないことも大切です。

実習の感想に加えて、知識の不足に気づいた場面や、相手へ分かりやすく説明するために工夫した点を残すと、就職後の学びにつながる課題を具体化できます。実習の時期や内容は、自分に適用される課程で確認しましょう。[2] [7]

卒業研究は、問いと検証を短く伝える

2025年度のカリキュラムマップは4年次から6年次の卒業研究を示し、大学の紹介では研究成果を論文や発表にまとめると案内しています。研究テーマを専門外の人へ説明する練習も、就職活動の準備になります。[2] [7]

研究の説明は、何を知りたいか、どんな方法を使ったか、結果からどこまで言えるか、自分が担当したことの順でまとめます。研究室全体の成果をそのまま本人の成果にせず、途中段階なら現時点で分かったことと未解決の点を区別してください。

期待した結果にならなかった経験も、条件の見直しや記録の確認など本人が考えた行動を説明できます。専門用語を並べるより、研究を進める際の判断を一つ選んで話すと、取り組み方が伝わりやすくなります。

学修と就活の日程を一枚にまとめて相談する

薬学部は薬学教育センターによる補習講義を案内し、学生から希望する講義内容を教員へ提案できると説明しています。講習会や模擬試験、個別の学修相談も紹介されています。苦手分野や学び方の不安を早めに言葉にして相談しましょう。[1]

全学のキャリア支援には応募書類や面接の支援、卒業後の相談が案内されています。薬学の学修については学部、選考の準備についてはキャリア支援課にも相談し、予定を調整する材料にできます。[8]

今週は実習・研究・試験の予定と、気になる就職先の見学・選考日程を一枚にまとめてみてください。限られた時間で何から進めるかを相談し、応募先の比較と学修の双方を具体的に進めましょう。

学歴や合格率だけで自分の進路を決めず、現在の学修状況を確かめ、実習や研究から得た経験を自分の言葉で伝えてください。希望する働き方に必要な条件を一つずつ確認することが、就職先を選ぶ準備につながります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 青森大学 薬学部確認日:2026-09-11 / 6年制、学修相談と補習
  2. 青森大学 カリキュラム|薬学部確認日:2026-09-11 / 早期体験、5年次実務実習、研究
  3. 青森大学 取得できる資格|薬学部確認日:2026-09-11 / 卒業と国家試験受験資格
  4. 青森大学 就職データ2026確認日:2026-09-11 / 就職率の図は日本人学生対象
  5. 青森大学 2026年3月卒業生就職先(薬学部)確認日:2026-09-11 / 学部単年度の病院・薬局等
  6. 厚生労働省 第111回薬剤師国家試験 大学別合格者数確認日:2026-09-11 / 2026年3月25日、新卒・既卒・総数を分離
  7. 青森大学 2025年度薬学部カリキュラムマップ確認日:2026-09-11 / 実習と研究、キャリアデザイン
  8. 青森大学 サポートプログラム確認日:2026-09-11 / 応募書類・面接・卒業後の相談